狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載《 鉄道発祥の地・英国で生まれた国際標準軌 (4 ft 8 in) !と各国標準軌の歴史...》ー第2回ー

第2回 基本となる Track Gauge とは?

Wheelset (rail transport) (輪軸)の、フランジ付け根部分の距離を基本サイズとしています。

但しのようにTrain wheel&rail共にフランジの付け根部分はR形状になっているので、フランジの付け根部分が明確ではありません

つまり以下に示すような表現となります。

第1項 Nominal track gauge(公称軌間)とは

Nominal track gauge(National standard Gauge)公称軌間:とは、一般的には"レールの内法(うちのり)の長さ"と解釈されていますが...

別段国連の下部組織や国際機関の決議・条約でもありま線(せん)!  (´∀`*)ウフフ

Train wheel と Wheelsetについて

rolling stock(鉄道車両)の Wheelset(輪軸)は、通常西欧諸国では1/20(※31)のinclination(傾斜角)がある円錐形のtaperが付けられているflangeのあるTrain wheelと、axle(車軸)で構成されていて、Wheelset カーブの内輪差を吸収(追従)できるようにしてあります。

...レールヘッドの内面(ゲージ面)は必ずしも垂直ではないため(図参照)、レールヘッドから下の特定の位置(※31)で指定されます。摩耗などを考慮して、公称ゲージからある程度の許容誤差が設けられています。

許容誤差は通常、低速に制限されたトラックの場合は大きく、高速が予想されるトラックの場合は厳しくなります(Stephenson gauge 4ft8.5in(1,435mm)を採用しているUSAでは、

●制限速度10mi/h(16.1㎞/h)区間では4 ft 8 in!(1,420 mm)から4 ft 10 in(1,473mm)

●制限速度70mi/h(約113km /h)区間で4 ft 8 in!(1420ミリメートル)~4ft9.5in (1460mm)

となっており(いずれも直線区間)...許容誤差を考えると、曲線、特に半径が小さい(速度制限のある)曲線で"わずかに広げる"のが一般的です...この公称値は、ある程度のslack(ゆるい、たるんだ、いいかげんな、)が許容されるため、flangeの付け根間隔と同じではありません!.《英語版Wikipediaより引用》

つまり基本は track gaugeでも無く、 Wheelset(輪軸)のflangeの  outer partのpathに当たるわけです!

これは道路上を走行する車両のtrack (中心距離)とも異なり、更にrolling stock(鉄道車両)では、Train wheel形状が、滑らか(曖昧?)に形成されているので、flangeの間隔は明確に定義されていません!

第2項 Nominal track gauge と basic track gauge は別物!

"金科玉条・原理原則"を好む鉄頭?の日本では Nominal track gaugeはレールの内法距離(うちのりながさ)ですが...

2021年11月26日現在の日本語版ウィキペディアの編者は、カーブにおける許容誤差slack(ゆるい、たるんだ、いいかげんなの意味)について、

曲線半径が600m以下の場合において設けられ...拡幅をスラック(slack)と呼んで...曲線半径のランクにより5mm刻みに設定されており、大きな値をとってしまうと脱線の危険が生まれてしまうため、最大値で30mmとしている。また、曲線半径が600m以上においても2mm以下slackが設定される場合がある...《日本語版Wikipediaより引用

更に

JR在来線の場合、軌間狂いの整備目標値は+6mmから-4mm(高速軌道検測車による動的値の場合は+10mmから-5mm)である。ただし分岐器のクロッシング部では、...+5mmから-3mmとされて...整備基準値は直線部で+14mm(高速軌道検測車による動的値の場合は+20mm)である。

新幹線の場合は、軌道管理目標値 は高速軌道検測車による測定で+6mmから-4mmとなる。《日本語版Wikipediaより引用

と引用書籍も含めて詳述していますが???...

つまり在来線ではbasic track gaugeから-4mm~+6mm(10㎜)がrange of error(slack range)誤差範囲で整備基準値(要整備の許容値?)は直線部で+14mm!

shinkansen ではbasic track gaugeから-4mm~+6mm(10㎜)がrange of error(slack range)誤差範囲で高速軌道検測車(ドクターイエロー)の計測値が基本となっていることを示しています。

第3項 基準となる basic track gauge が規定されていません!

平成十三年国土交通省令第百五十一号 鉄道に関する技術上の基準を定める省令では

(スラック)
第十六条 円曲線には、曲線半径、車両の固定軸距等を考慮し、軌道への過大な横圧を防止することができるスラックを付けなければならない。ただし、曲線半径が大きい場合、車両の固定軸距が短い場合その他の軌道への過大な横圧が生じるおそれのない場合は、この限りでない。
2 スラックは、車両の固定軸距を考慮し、車両の安全な走行に支障を及ぼすおそれのないよう"相当の長さ"において逓減しなければならない。
かなりslack!(ゆるい、たるんだ、いいかげんな)な表現となっています。((´∀`*)ウフフ 

やはり、鉄道事業者が個々に社内規定を作成して届け出る数値と考えたほうがよさそうです。

更に前途したように基本となるbasic track gaugeについての記述(規定)が見当たりません!

実際の保線現場では

例えば標準軌(Stephenson gauge )4ft8in(1420mm)を用いている鉄道各社では、「新幹線ゲージ」と呼ばれるゲージ(測定治具)を用いて"検測"されていますが...

この治具には基本となるbasic track gaugeの寸法は明記されていません!

ゲージはダイヤルゲージのように±Xmmで表示されていて、保線員は各定点(直線部・カーブ地点)の"規定"に適合しているか確認しているにすぎません。

つまり基本となるbasic track gaugeが何ミリメートルかは知らされていません!

Train wheelの形状

英語版Wheelsetにあるように、嘗てオーストラリアのQueensland Railでは1980年代まで、サンフランシスコのBARTでは2016年!までflat-topped railsとcylindrical wheel(真円輪)が使用されていたこともありました!

オマケにNominal track gaugeは Stephenson gauge (standard gauge)ではなく5 ft 6 in (1,676 mm) のIndian gaugeです。

参※31)通常はフランジ高さに相当する、L型のガイドを持った大型の内パスノギス?軌間ゲージ(写真参照)を用いて実測確認しているようです。

日本 (JR各社)ではレール上面から鉛直方向に16mm以内の内法が慣例となっていうるようですが、鉄道事業者(軌道運営者)各社で夫々の内規により決められていて、"国交省に届け出"さられているのでしょう。

 

公開:2011年11月16日
更新:2024年3月21日

投稿者:デジタヌ

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