狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

連載『 ブレーメンタイプ(ライトライン)車両の"欠点"は複合カーブ通過と激しいヨーイング!』ー第5回ー

★第4節 複合カーブ通過時には"足回り"が大きくストロークします

第0項 本来の 左右独立輪 ならばカーブに強いが...

地上げ屋仲間!「 雷都レールとちぎ 」「 県央まちづくり協議会 」の爺様方は、全くお気楽な鉄オタYoutuber達同様に、義務教育中等課程の"理科"をまともにお勉強なさっていない!ような方々では無いでしょうか...

本来のArticulated car連接車両は、"車両連結部"が「bogie芯皿」になっており、右図のように、曲線通過時にも横圧(Q)はあまり変化しませんが...

福井鉄道(第一種鉄道事業!)も運用している、ライトライン車両などの台車懸架・単台車形式"関節(joint)"連結重連・超低床車両急カーブ通過に問題を抱えています!

第1目 長いオーバーハングは「てこの原理」で"脱線かじ取り!"状態に

特に各車体が約10m!もあるブレーメン型では,車両中央部に"短い Wheelbase "の台車を配置した結果、

長い(約5m!の)Overhangを持つことになってしまいました!

つまり、地車の「かじ取りテコ棒」のように、後続車両に引っ張られて両端車体を外側!に曲げてしまうのです。

第2目 関節式結合・一体型"重連"超低床車両は

tram1.jpgのサムネイル画像

関節式一体型"重連"超低床車両は、コーナー通過時、車両間に"てこの原理(競合)"が生して、前後輪の外輪強い外向きの力Fが加わります!

特に、10mもの長い車体の中央部分に2m程度の短いWheelbase(軸距)の 車体中央部に配置された 台車に大きな曲げモーメントが加わってしまいます。

つまり地車の"かじ取り棒"と同じ効果を生んでしまうのです!

カーブ通過時に両端車両の両端車輪に外向きの大きな力(側圧)が働き脱線しやすくなるのです。

第3目 路面電車用輪軸も裏目に...

Tram 用小径鉄道車輪の特異性
  • ●小さな車輪径(通常640Φ)※一般鉄道車両は860Φ
  • ●低いフランジ高さ
  • ●フランジ角度が多少大きい

鉄道路線に用いられる鉄道車輪の、"踏面"には直進安定性を重視して"1/20程度のテーパー"がついていますが、

Tram car 用の小径車輪では"粘着力"を得るためにほぼ"ローラー"に近い1/10程度の微小テーパーとなっています。

そして路面電車は車輪径自体も小径で、フランジ高さが低く、さらに交差点などの急カーブでの脱線対策でフランジ角度も多少大きくとっています。

ライトラインではこれらの要素が裏目に出た!わけです。

第1項 原型となったボンバルディア社製ブレーメン型超低床車両

ライトラインは毒国ボンバルディア社が製造する標準軌用!ブレーメン型車両を、

ライセンシーの新潟トランシスがノックダウン(ライセンス生産)した車両です。

第0目 オリジナルブレーメン型車両の基本仕様

第1目 台車懸架・単台車式車体・関節重連!車両
  • ●軌間 標準軌 4 ft 8 in(1420㎜!※21)
  • ●台車 axle lessボルスタレス・ダイレクトマウント
  • ●台車回転角自由度6.5°!(日本仕様は4.5°!
  • 最小通過曲線半径 18R (日本仕様は30R!
  • ●前後輪 Idler gear 連動
  • ●左右輪 Drive shaft 駆動(※22)
  • ●動輪径 660mmΦ!

これはオリジナル標準軌専用純正品で、(ボンバルディアが再設計した"日本向け"狭軌用台車"も含め)現在新潟トランシスで製造されている台車を使用した車両は、1999年3月31日以降の熊本市電9700形2次車以降、バリアフリー法に合わせて通路"確保の為に"タイヤハウス"の出っ張りを少なくする都合で、ボギー角(首振り角度)を4.5度に狭め!最小曲線半径30R下方修されています!

参※12)当サイト内関連記事 英国生まれの国際標準軌 は 4 ft 8 in(1420mm) が基本! はこちら。

左右独立輪軸は脱線には強いハズですが...

前途した様に、ブレーメン型は左右の車輪がDrive shaft前後輪は Idler gearで繋がっており、完全な左右独立輪ではありません!

つまり前後左右4輪駆動!です。

しかも automobile とは異なりデフが無いので、全輪が同一回転数!です。

なので、コーナー進入時の内輪差(回転数差)は吸収出来ま線!

※通常のボギー車では、前後輪は別個のモーター駆動となっており、回転数の差が吸収されています。

コーナー通過時には...

コーナー通過時には、内外輪で距離差が生まれますが、このような構造では吸収出来ません

通常の鉄道用車両では、車輪のテーパーで周速差を和らげるのですが...

前途した様に、Tram 用の車輪は殆ど円柱に近いテーパー""に近い状態なので殆ど効果がありません!

しかもフランジが低いので、前輪の外側に外向きの強い力Fが加わると、レールに「乗り上げやすく」(脱線しやすく)なります!

更に、渡線(わたりせん)前後の様に、近接してクネッタ区間では、僅かなカント(左右の線路高さの違い)でも、逆カントが生じて、車体が捻じれますが...

"joint"結合一体型では、左右の首振りと、前後の高低差の2方向しか自由度がありません!つまり通常の連結器の様に、捻じれ(軸回転)には対応していません!

なので前輪の外側の輪重が抜けてしまい 、より rail に乗り上げやすくなる!のです。

まさに今回の脱線 incident(事件!)は、この現象で起こったわけです。

※富田駅はカーブ上に待避線が設けられているので、ご覧の通り退避列車は本線入線時に、逆カントとなり、左右に大きく捻じれます!前後の車両がぎゃくほうこうに傾いています!

ボギー角だけでは車体の捻じれには対応できない!

台車懸架単台車式」車両は、一応台車にも極僅かな「回転自由度4.5度!」を持たせた「疑似ボルスタレス台車」を採用して対処しているわけですが...「回転自由度」だけではカーブ通過は出来ません!

なので、ボギー角の代わりに!、Articulated(関節)機構で、各車体を折り曲げて、カーブを通過

するのです。

但しBremen型では短い、ホイールベース(輪軸距離)の台車(台枠)が、車両の中央に配置されているために、オーバーハングが長くなり、連動する各車両の挙動次第では、動画の様に端部車輪に大きな回転(捻じれ)モーメントがかかります。

第2項 脱線メカニズム

連続した屈強区間にそれぞれ異なった僅かなカント(傾き、左右レール高さの差!)があると、通過する車両間には、捻じれが生じますが...

ブレーメン型車両では台車懸架単台車式の走行部(台車)は車体にダイレクトマウントされており、一般のボルスターレス車両の様な大きなエアバッグが備わっていない!ので、前後車両に跨るRailway track(軌道)の Unduration(捻じれbogie Travel (suspension stroke)だけでは吸収でき無く!

外輪の輪重Pが抜けて!横圧Qにより、車輪が押されて、フランジがレールに乗り上げて脱線!してしまうのです。

特に、ボギー角を4.5度!迄縮小した日本仕様では、曲線部を通過するには無理があり、30R以下の急カーブでは過大な外力が発生して、今回のように脱線しやすくなります!

第1目 日本向け車両は30R対応!

国産化の過程で、最小曲線半径が30Rに設計変更されたライトラインでは25Rの急カーブが曲がれなくて当然!です。

新潟トランシスが疑似ボギー台車を国産化する過程において...

前途した様に熊本市の要請で、

(バリアフリー法対応の為)台車収納部分の通路確保(タイヤハウス小型化)の為に、ボギー角度を4.5度!に変更して最小通過半径30Rに設計変更された経緯があります。

つまり基本的に半径25Rの曲線通過には対応してい無い!のです。

"セールスマン"は、都合の悪いことは質問されるまで言いません!

日本語ウィキペディアでは最近"何者"かが、"意図的"に、bolster anchor(位置決めリンク)の項目を削除!して

bolster(揺れ枕梁 bolster anchor?! として解説していますが...

明らかに時期的(ライトライン開業にあわせた)改訂?改竄!であり...

もしかしたら前途したボギー角改竄合わせ、2000年7月6日の現三菱ふそうトラック・バスのリコール隠し!の様な会社ぐるみの隠蔽工作!である可能性も...

第2目 ライトライン使用車両

ボルスタレス台車なのに大型ロングストロークエアバッグ使用されていない!

ボルスターレスタイプのダイレクトマウントであるにもかかわらず、

種種の制約で大型のエアーバックが使用できず、殆ど自由度が無い円錐ラバーブッシュによるダイレクトマウント構造となっています。

この結果(円錐ラバーブッシュの自由度だけでは)Railway trackundulation(うねり)を吸収出来無く!なり、 曲線通過時に最前輪の輪重が抜けやすい!状況、つまり脱線しやすい!のです。

第3目 豊橋鉄道ではボルスタレス構造(非ボギー車)超低床車両の急カーブ進入禁止!処置を...

※航空写真モードでご覧ください!

通常の路面電車は急カーブ(25R)に対応するために大きなボギー角度(首振り角度)を持っています!

そのために日本一の最小半径11R!を運行する豊橋鉄道ではアルナ工機製の3連超低床車両T1000形は進入禁止!となっています。

最小曲線半径が極端に小さい(11R!)と豊橋鉄道市内線のような併用軌道では、ご覧の通り...ボギー角が最大30度!近く必要です。

このために名鉄岐阜市内線(※32)から譲渡されたされた車両は、「特別改造」まで施されています!

但し、ご覧の様にライトラインのような直角コーナーではありま線。

なのでたまに救援(牽引)車両としてカーブに侵入しても、脱線することはありませんが... (^Q^)/

日本一の最小半径11Rを通過するボギー車

参※32)当サイト内関連記事 岐阜市内線・路面電車の廃止は失敗ではなく新時代の生みの苦しみにすぎなかった! はこちら。

★第3項 国産超低床トラム広電5100形ならノンプロブレムだった!

広電5100形も台車懸架単台車式中間車を用いた"関節結合"重連タイプの超低床Tram車両ですが、

超低床エルアールブイ台車技術研究組合が開発した広電・広電5100形では、

中間車両長をほぼ台車枠サイズに近づけてオーバーハング小さくして曲げモーメント最小限に抑えています!

それでも、ポイントスイッチ部や、併用軌道交差点部では、ママチャリ速度程度の15㎞/hで最徐行運行を行っているのです。

さらに広電5100形電車では、中間台車が無動力仕様の標準車両でも編成出力400kw、定員乗車時総重量42ton パワーウエイトレシオ 105kg/kwで坂道の途中で停車しても全く問題はありませんでした!

 

公開:2023年7月22日
更新:2024年2月24日

投稿者:デジタヌ

連載『 ブレーメンタイプ(ライトライン)車両の"欠点"は複合カーブ通過と激しいヨーイング!』ー第4回ーTOP連載『 ブレーメンタイプ(ライトライン)車両の"欠点"は複合カーブ通過と激しいヨーイング!』ー第6回ー


 

 



▲トランスポーター技術調査室へ戻る

 

ページ先頭に戻る