狸穴ジャーナル『タヌキがゆく』

苦節66年、障害と共に歩んできた我が人生?

アスペルガーの母子に捧げる社会順応講座を、旧サイトから転載するに当たり改めて以前の記事を振り返ってみて、小生の近況をお伝えしていなかったことに気がつきました。

「アスペルガーの母子に捧げる社会順応講座」2017

第1章 ADHD診療受診のきっかけについて

小生は現在お上から障害者手帳を拝領している正真正銘の「発達障害者」に認定されました。

障害者手帳を拝領する羽目になった事の発端はと言えば

今をさる約2年前2015年5月「現役トラックヤロー」であった頃にとある「超個性的?」人物が見習い運転手として入社し、小生が「横乗り」(同乗指導員のことをこう呼びます)していた頃の出来事に端を発しています。

この人物は、その昔、露天商(大阪府の許可証をもつ正規業)を自営したり、見習い大工、植木や見習い、パチプロ、...等など、お年(当時44才)のわりには豊富な職歴・人生経験の持ち主であり、多方面に渡る業界の「裏事情」に精通した人物でした。

ただ、この人物は、小生以外の「横乗り」の師匠方からは「彼奴(やつ)は、手強いで...!」というお墨付きをえている人物でもありました。

なにが手強いかというと

話はじめると...

あろう事か話し始めると興に乗って「運転そっちのけで」助手席の師匠?に顔を向けて、

『......ネ!......ソオデッシャロ!』

と言って助手席にいる師匠の顔を覗き込むので、「危なくて仕方ない!」訳なのです。

と同時に、直前を走る車からどんどん引き離されて、路地から出てくる車に、すぐに割り込みを食らい、これが為に信号に引っかかりやすくなる訳です。

片道10km程の道程で、私も含む彼以外のドライバーより15分は余分に時間がかかっていました!

荷役作業がのろい

<細かな作業内容についてはこちらをご覧ください>

要領が悪過ぎる。

また、それなりに身のこなしは(小生に比べて)素早いのですが、無駄な動作のオンパレード!でどうにもこうにも手際が悪く荷積み、荷卸し、空番重回収作業に、相当手間取っていました。

毎日ミスが絶えない

ちょっと目を話すと、商品を間違って荷卸ししたり(この仕事の上で)とんでもないミスをしょっちゅうやらかすのです。

居眠り出す!

運転に集中させるため長時間箝口令(かんこうれい)を敷くと、居眠り出す!

意識朦朧一歩手前で一件目の店舗につくと、初っぱなから誤商品のを荷卸したり、卸し忘れてしまう。

等々、サスガの小生も困り果ててマミニャンに相談すると

『その人、ADHD(注意欠陥/多動性障害)かもしれない、簡単に出来る自己診断チェックリストがあるから、やってもらったら?

というわけで、

後日仕事中に小生が口頭で質問する形でチェックしてみたら、

「ピンポーンズバリ的中!」

彼には結果を告げ、用意してあった最寄りの心療内科 のリストを手渡し受診してみるように勧めました。

ところがところがである

彼に自己診断リストを読み上げている内に、読み上げている本人つまり小生が、

『何......、これって俺にも当てはまる事バッカリやないか!』

と相成ったわけです。

彼はその後、入社3ヶ月あまりで、会社にでて来なくなってしまいました。(いわゆる無断欠勤というあれです。会社に届け出ていた連絡TELは偽りのない本物だったので、会社からの呼び出しに応じてその後の後始末には出てきた様です。)

小生のほうは、その後(自分自身が)気にはなるものの、それまで通りの仕事を続けました。

しかし、定年(65才の誕生日)が近づくにつけ、定年後の「お仕事」が気になりだし、次第に(見通しが立たないことに対する)不安が脳裏をかすめ、イライラが増す様になっていきました。

第2章 ADHD診断確定と自主退職

時期的に、恐怖の「クリスマス・ウィーク」が迫っていたこともあり、勇気を持って心療内科を受診してみることにした。

[※年末のこの期間は個人的にも、業界的にも貨物事故・車両事故(商品破損や誤配送・車両事故・対物事故)が集中している]

通常3ヶ月待ちが常識!?の初診予約状況の中、が幸いにも偶然というか神の思し召し?と言うか、通院を決心した翌日12月1日の受診予約が取れ通院を開始したわけです。

初診当日に困っていること(症状)を訴えたところ、精密検査を待たず、即日お薬を処方していただけた。

人命に関わる仕事なので、緊急性を考慮して頂いた計らいだと思う。

[※トラックに限らずプロドライバーは、一寸した不注意で事故を起こし、人命を奪いかねない!]

それから数週間後に「精密検査」を受け、「ADHD」が確定した。

診断書が出たので、それを会社に提出して12月20日付けで自主退職した。

足かけ13年にも及んだ「プロドライバー」稼業を大事故にも遭わす無事に終えることができた。

今にして思うと、本当に運が良かったと思っている。

13年にもおよぶトラックヤロー人生で、貨物事故やマイナーな自損、物損事故は数多く経験したが?、「人身事故」だけはしでかさなかった!

会社を去る際にも、

「1年毎更新の嘱託契約で実質定年を延長してあげるから(ドライバーを)続けないか?」

という誘いもあったが、

「今が潮時だと想い潔くドライバー引退を表明し退職した。」

こと運転に限っては若いときから自信があって、集中力が落ちてさえいなければ、拍手喝采ものの神業を披露していたりした。

壁とのスキマ間ほんの1・2センチの狭所への車庫入れや、「ヒール&トー」を駆使したコーナリング、「カウンターステア」を使ったコーナリング(いわゆるドリフト走行)など、技を磨いては先輩・後輩に披露していた。

それは45才を回っても同じで、大型免許取得を難なくこなし、50才を回ってからのトラックヤロー人生でも運転技術で困ることは無かった。

プロドライバーになる前から運転には自信が有ったし、辞職するほんの数ヶ月前の適性検査でも反応速度(反射神経)、運動能力共に年齢の割にはすばらしい検査結果がでていた!

そんなことで前出のつまない事故?を起こす度に、

『あんたほどの腕前で何デヤネン?』

とよく言われたものであった。

第3章 たいていのアスペルアガー星人はADHDも併せ持っている

マミニャンとの世間話で先に逝った小生の実兄のエピソードが話題にあがると。
『お兄さんは、アスペルガーというよりはADHDよね!』

と成るもので、小生は前前回述べた「事件?」までアスペルガーとADHDは全く別物だと思いこんでいました。(それこそアスペルガーたる所以?)

ところが、今回のいきさつで、改めて問いただすと。

『そうね、たいがいの人(アスペルガー)はADHDも併存している見たいね!』

とことも無げに宣ってのけました!

『エ...?』

心の中で「そんな事いってなかったじゃないか!」です。

最も小生の頭にあったADHD像はNHKの報道特集当たりで取り上げるニュース程度。

授業中に、先生の制止も聞かず、教室を走り回り授業妨害をする糞ガキども」と「小生のセッカチな実兄」 程度の認識で、

「大人のADHD」とはどういう症状なのか、気にも掛けていませんでした。

つまり他人事だと思っていた訳です!

しかししかし、...


小生が、社会人に成って以来、仕事上で困ったこと(又はハタ端迷惑をかけたこと)を思い起こすと、多くの出来事は「ADHDの症状」がなせる技で、コミュニケーション障害が根底にある「アスペの症状」では無い用に思えてきたのです。

この2つの発達障害※注1は学会でも、「1つの発達障害」だとする説と、客観的な症状が異なることから「別のタイプの発達障害」だとする説が有って決着は付いていないようです。

小生のように賑やかなタイプ?に分類されているグループはADHD傾向が強く表れているようですし、無口で陰気なタイプ?は、あまりADHDが表面には表れていないのかもしれません。

はっきりしていることは、

「□□とアスペルガー(の症状)」につける薬は無い

けれど、ADHDとしてグループ化される症状の1つ「注意欠陥」を改善し「衝動性」を抑える効果のある薬は近年になって何種類か治療薬として「承認」されている事実です。

治療を受けている小生の感想では確かに薬を服用していれば、ADHDに特有な症状である「注意欠陥」も改善され「衝動性」も抑えられている様な気はします。

但しこれらの薬は処方箋が無いと入手でき無い薬です

なので、上記の症状に心当たりのある方は、お近くの心療内科を訊ねて、ご相談(受診)してください。

なお小生が服用している「12時間型」のお薬は、効き始めるまでに約1時間、そして薬効が切れると軽い揺り戻しが表れ、薬効が無くなってから1時間ぐらいは、極端に判断力、運動能力が落ちるので、主治医と良く相談して毎日の生活リズムにあったお薬を処方していただく事をオススメします。

循環器関係の病気、特に心臓病を煩っていると副作用のために悪化する場合もありますから、いまかかっている内科で処方されているお薬(ないしはお薬手帳)は持参した方が良いでしょう。

小生が服用しているお薬は、ある種の認知症の治療にも使われているようで初期の軽い「ある種の認知症」の進行を抑えたり軽減する効果も有るそうです。

現役引退する際に、

行く先々で挨拶する度に、

『オッチャン何でヤネン?...』

と訊ねられたら、その都度以下のような説明をしていました。

『ウーン...頭の病気でナ。まあ例えたら、生まれつきの認知症と言うところかな?』

『フーン.....そんな病気が有ったんヤ、そんな風には見えへんのやけどナ?!....でもオッチャンがそう言うんやったらそうなんやろな?...』

と心配そうに別れを惜しんでくれたものでした。

第4章 発達障害者に併発(併存)している幾つかの症例

現在小生は、顕著な症状で確定している発達障害が「ADHD」

大阪府の機関(今は無くなった、大阪府心と身体の健康センター付属クリニック)で検査し、限りなく黒に近い診断結果が出たの発達障害が「アスペルガー症候群」

「パニック障害」これは発達障害者全般に見られる傾向で、想定外のシチュエーションに出くわすと、いわゆる「ホワイトアウト」状態になること。

小生は後で述べる、「発達性協調運動障害」との兼ね合いも有り、野球を含む球技が全般的に苦手です。

野球の場合はフォーメーションプレーがこれに当たり、予期せぬ時にボールが飛んでくると、捕球出来ても、何処に送球すれば良いのか判らなくなる!

その他自覚している障害だけでも

「読字障害」「書字障害」

いわゆる脳みその「言語野」の発達障害で漢字が苦手。

なので平気で「鏡文字」を書くなどの症状がいまだ見られます。

また、句読点が少ない、かなばかりで書かれた文の読み上げが不得意!でした。

小学校低学年の読み上げでは相当苦労をし、恥ずかしい思いをした想い出があります。

人前で、「音読」ができる様になったのは、当時発刊が相次いだ「少年マガジン」「少年サンデー」のおかげ、ではないかと思っています。

当時のマンガ本は劇画だけで無く、

「本田宗一郎伝」とか「盛田昭夫伝」とか「コリン・チャップマン伝」とか......。

少年の夢をかき立てるような「読み物」も毎回読み切りで掲載されていて、小生はわくわくしながら胸を時めかせて読んだ事をおぼえています。

これも努力と言えば努力でしょう。

「発達性協調運動障害」

長年「反射神経・反応速度」だと思い込んでいたものに「発達性協調運動障害」があります

判りやすく説明すると、「見よう見まね」では動作が覚えられない。

子供の頃から「字が汚い」とか工作で「良く怪我をする」とかがそうです。

「体操や舞踊」が不得意なのもそうです。

身近なところでは「河内音頭」?... 私はそんなモン踊れません!」

例えば字についていえば、

『そんなに強く握りしめずに、先生のようにもっと力を抜いて楽に鉛筆をもってご覧』

がNTさんは理解でき、すなわちで会得できる様ですが、小生はこのような「見よう見まね」が出来ない!

なので「理屈(頭)理解できないと、実践できない!」

運動についても、先生の模範演技を見てすぐに出来てしまう人が羨ましかった。

但し「一連の動作がシークェンシャルな運動」例えば、ハードル、ベリーロール(高飛び)などは「分解写真」を眺めて頭で理解し、密かに自宅で一連の動作を分解して練習し会得しました。

結果学年(当時は50人以上/1クラス×4クラス=200人以上/学年)の中でも両種目は良い結果が出ました。

しかし人一倍どころか数十倍の努力で会得した技であった事には間違いありません。

(余談ですが、この逆にお勉強は余り苦労をした記憶はありません...。NTのお子さんとは真逆の様で...。)

後年、自動車免許を取得する際にも、施設内に置いてあった練習用のカットモデル(運転席部分だけ置いてあるあの部分車?)で人一倍マニュアル車の模擬練習とイメトレをしました。

但し、一度ニューロネットワークができあがると、努力した分人並み以上の腕前には成ったような気もしていますが。

同じように、趣味である金管楽器の会得でも、人一倍練習をし、学業以上に?書物を漁り、それなりに演奏できる様になったのです(音楽便利帳、デジタヌの音楽談義を参照ください。)

そして軽度の「言語障害」焦るとこの傾向がある。

等々、発達障害のオンパレードで、ついには「就労困難者」のお墨付きまでいただき、今に至っているわけです。

新シリーズ 「苦節66年、発達障害と共に歩んできた我が人生。?」

最終回 「アスペルガーは端迷惑(はためいわく)」、「ADHDは本人の悩み」に通じる

「おしゃべり好きの」コミュニケーションが苦手?なアスペルガー星人は周りの人達を翻弄しがち

ですが、当の本人はADHD的症状で、悩んでいる方も多いのでは無いでしょうか?

会社の上司・先輩から良くボーン・ミスを指摘されたり。

会議などで、落ち着きのなさを指摘されたり。

私自身も、そのような経験が多々ありました。

しかし小生は根っからの「脳天気」なので、その場ではウロタエタとしても?

すぐに忘れる事がそんな些細なこと?で「クヨクヨ」しませんでした。

「根暗なアスペルガー星人」は指摘されたミスを「真摯に受け止め?」深刻に悩んでしまう

「根暗なアスペルガー星人」ならば、小生の様にはいかずに、先輩諸氏のご指摘を

「真摯に受け止め深刻に悩んでしまう」のでしょう。

事実このタイプのアスペルガー星人は「アスパラガスの会」(マミニャン・ママを慕う会?)の仲間達にも数多く見かけられます。

実際、忘れ物、怪我・器物破損、仲間内の諍い、恋愛問題、社会・仲間での争い事etce......、

不注意、衝動性(ADHD)に絡むもめ事を起こしては、マミニャン・ママに相談しているみたいです。

最後に狸穴家の恥?を暴露してしまうと

当の本人のマミニャン・ママも小生デジタヌも、コミュニケーション能力の不足で相手の真意が読み取れず、そのイライラ(ストレス)でしょっちゅう「トッツカミアイの大喧嘩」をやらかし、お互い生傷が絶えたことがありません!(トホッホ...)

大抵は彼女のADHD的不注意を、小生がADHD的「衝動的な暴言を浴びせ」これに切れたマミニャン・ママが衝動的に抗争の火ぶたを切り、物を投げつけたり、殴りかかって来るわけです。

小生は自己防衛のためそれを取り押さえようとする訳ですが、腕力の差には歴然としており、「彼女曰くところの過剰防衛」で彼女の身体には「青あざ(内出血)」小生には「ひっかき傷・たまには裂傷」による救急絆創膏の「傷跡」が絶えないわけです。(マッタク、ナントイウカ?お粗末の極みとでも申し上げましょうか...)

こういう不幸な事態も、後になって冷静に判断すれば、

お互いアスペルガー星人の特質「コミュニケーション障害」とADHDの「不注意」「衝動性」が重なって不幸な事態を招いているように思えて成りません。

最近は彼女も、「小生の薬の効き具合」の様子を観察し、自身の主治医に相談して、外出の際などは「小生と同じ薬」を服用しています。

まあ外に出て、すれ違う人とぶつかったり、よそ見をしていてドブに落ちたり!、電車に乗り間違う、等のマイナートラブルは「ツガイ共々」少なくなったので「外出先でのトラブル」は少なくなっています。(と言っても、喧嘩分かれ?で別行動をとってしまうこともありますが...。)

不幸を未然に防ぐには

恥ずかしがらずに一刻も早く心療内科の門を叩き、適切なアドバイス、と治療(投薬)を受けてください。

小生の愚息もそうですが、本人はADHDを中々認めようとしませんので(特にアスペルガーが先に診断確定している成人では)

ご両親が気長に説得し、「発達障害全般に知識と理解のあるクリニック」

を探し「本人の悩み」を打ち明けさせて、対処(治療)を求めることです。

貴方のご子息が、「ヒッキー」や「犯罪者」にならないよう、貴方自身も世間体(せけんてい)や身内(無知なジジババ達)の助言に惑わされず、勇気ある行動をとってくださる事を願って今シリーズはお終いとさせていただきます。

※ 尚現在、当サイトでは、その筋の方のヤジや恫喝、ヤジ馬どもの中傷・誹謗による炎上封じ?のためコメントは一切受け付けておりません

どうしても、「これだけは言っておきたい、伝えたい」事がおありの発達障害の当事者・保護者の皆様は姉妹サイト「アスペルガーライフblog」にコメント願います。

 

公開:2017年7月24日
更新:2024年2月17日

投稿者:デジタヌ

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