音・道・楽・人 分室『旅するタヌキ』

東京文化会館 《ホール 音響 ナビ》...ってスゴイ所だったんだね!

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"上野の森"を代表する東京都立の文化施設"東京文化会館"とデジタヌの4半世紀前の想い出話など...

上野の森を代表する東京都立の文化施設。

日本を代表するホール、登場以来「半世紀」を経て今なお日本を代表する"舞台芸術ホール"として上野の森に君臨している。

序奏とテーマ 東京文化会館

Official Website http://www.t-bunka.jp/index.html

※ご注意;※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています

指定管理者制度により公益財団法人東京都歴史文化財団グループ(公財)東京都歴史文化財団、株式会社エヌ・エイチ・ケイ・アート、サントリーパブリシティサービス株式会社の共同事業体)が管理と運営を行っている。

東京芸術劇場大ホール(※ガイド記事はこちら)など、都の所有する数多くの文化施設の先駆けとなった施設で建築家 故前川國男先生の代表作としても知られており、1961年日本建築学会作品賞も受賞して要る施設。

破天荒なデザイン!

ホール設計の禁則「6角堂」と「4辺形」(※10)に真正面から挑戦した建築家 故前川國男氏の代表作。

余程の天才であったのであろう、通常対抗並行面だらけの真四角、6角、8角、10角、12角は「体育施設としてのアリーナ」でしか採用しないデザインであるが、この難題!に挑戦し、

見事1961年日本建築学会賞作品賞を受賞した怪作?である。

参※10)当サイト関連記事 第10章 多角堂の持つ魔性! はこちら。

東京文化会館のロケーション

  • 所在地  東京都台東区上野公園5-45

JR上野駅「公園口」を降りた目の前にある。

辺りは上野恩賜公園(うえのおんしこうえん):通称上野公園、「上野の森」とも呼ばれる一体、有名な不忍池、の回りに、国立西洋美術館 、東京都美術館、東京藝術大学大学美術館、上野の森美術館、博物館・資料館、恩賜上野動物園、東京国立博物館、国立科学博物館 、恩賜上野動物園、下町風俗資料館、東京藝術大学、国際子ども図書館 、その他の文化施設、等が集まっている文化ゾーンである。

東京文化会館 の施設データ

  1. 所属施設/所有者 東京文化会館/東京都。
  2. 指定管理者/運営団体 (公財)東京都歴史文化財団グループ/東京都。
  3. 開館   1961年/本館 1999年リニューアル、2014年再リニューアル
  4. 設計  

    前川國男建築設計事務所
    横山建築構造設計事務所

  5. 音響設計 日本放送協会技術研究所。
  6. ゼネコン 清水建設株式会社
  7. 改修音響設計 By Nagata Acoustics Design
  8. 総工費 

    総工費 (竣工当時)
    本 館
    16億3千万円
    新リハーサル棟
    9億6千万円

付属施設・その他 

館内付属施設 
  • 館内施設;リハーサル棟 :会議室x5室、リハーサル室x2

施設利用ガイド

公式施設ガイドはこちら。)

第1曲 大ホールの音響

(公式施設ガイドはこちら)

全国多角堂ブームを巻き起こしたモダニズム建築の巨匠故前川國男先生3連作の一つで最も有名な作品。

オペラハウスにも匹敵する舞台施設

改装前から受け継がれた本格的オペラハウスにも匹敵する本舞台と同等の広さを持つバックステージ設備など、舞台関係者にも受けが良く、オペラ・バレエ公演に適した作りとなっており、NHKホールなどの巨大ホールに比較して適当なホール容積は演奏者にも優しく、出演者の受けも良い。

5層バルコニーのフロアデザイン

できる限り、張り出し(軒先)を浅くした4層(5重の)バルコニー席と、なだらかな傾斜の1階フロアー席、逆ドーム形状の天井、それに2面舞台に相当する広い舞台を利用して、定在波(※110)と対抗面反響を押さえ込んでいる。

参※110)当サイト関連記事  standing wave(定在波)は音波とは異なる物理現象!はこちら。

各層(階)の後方3壁面

各層共にプレーンな木質プレートで表装されている。

更にわずかな外傾スラントが施されている。

また1面おきに木質の有孔音響ボードを用いた吸音壁仕様となっていて、一応初期反響の低減処理は実施されている。

前川マジックの基本デザインの良さ

対抗する並行壁面のある6角堂なのに大した障害が発生していないのは、巧みな客席配置にある。

NHK技研の助言も...

最もこれらのディテールについては当時音響設計に協力した「日本放送協会技術研究所」の助言も有ったとは思う。

6角形の後方3面より段床を流す手法 で定在波を回避

最新の神戸女学院・小ホール(※ホール音響ナビはこちら)にも通ずる6角形の後方3面よりスロープを流す手法で対抗する並行面の影響を最小にとどめている。

最後列背後壁以外には並行する対抗面上に客席が無く、しかも6角形のメリットで対抗壁面間が長く(前方左右両側壁と対抗する後半バルコニー背後壁間で約28m!

最もこの手法は1965年開館変形6角形の三鷹市公会堂(※ホール音響ナビはこちら)でも採用されており、わかるデザイナーはこのことを知って(理解して)いた。

参※4)当サイト関連記事  第2章 定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』

定在波対策についての考察 version.2 revision.6 /2020.12.16

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

§1)間口クロス方向定在波

●2層(階)迄対抗壁面平行部分
  • ●側壁間約28m
  • 定在波周波数成分; 約6.2Hz/0.5λ、約12.5Hz/1λ、約18.7Hz/1.5λ、約25Hz/2λ、
  • 客席スロープで回避
  • ※客席背後壁面のスラント設置で定在波抑止。
  • 吸音壁(有孔音響ボード&吸音材)で定在波滞留時間を抑制。

3層(階)以上の対抗壁面平行部分
  • ●側壁間約28m
  • 定在波周波数成分; 約6.2Hz/0.5λ、約12.5Hz/1λ、約18.7Hz/1.5λ、約25Hz/2λ、
  • 客席スロープで回避
  • 吸音壁(有孔音響ボード&吸音材)スラント設置で定在波を抑制?
§2)舞台正面壁奥行き方向定在波
1・2F(1F大向こう壁面→ステージホリゾント反響板)
  • ●最大奥行き
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※定在波高次周波数成分の抑制はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後吸音壁(有孔音響ボード&吸音材)スラント設置で定在波滞留時間を抑制。
3・4F(2階大向こう壁面→プロセニアム前縁)
  • ●最大奥行き
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※定在波高次周波数成分の抑制はステージ(ホリゾント&上部)反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(有孔音響ボード&吸音材)スラント設置で抑制。
§3)高さ方向
平土間床→天井最高部
  • ●客席平土間部
  • ※ステージ反響板から続く波状スラント設置天井のアンギュレーションで定在波を抑止!

赤字は可聴帯域外"低周波振動障害"領域!

総評

1999年のリニューアル工事について

5層の奥行きの浅いバルコニーを持つ6角堂空間は天井が高く、1999年のリニューアル工事で舞台施設も大幅にリニューアルし、オーチャードホールに範を取った手法で、可動プロセニアム&新装の可動反響板のコンビネーションで客席空間と一体化するように改装された。

1999年永田音響設計が手を入れる...

永田音響設計が手掛けた1994年開館の福山・リーデンローズ(ホール音響Naviはこちら)をモデルに脇花道側壁から続く同意匠のステージ・サイド反響板、ステージ・天井反響板と同意匠の上部プロセニアム前縁大型コーナー反響板を設置したことにより、良好な音響特性を持つ国内有数の大型コンサートホールに生まれ変わった。

更に無機質のコンクリート打ち放し面であった客席前半両サイド壁にランダム形状の木質反響パネルを音響拡散体(※3)として散りばめた。

今回の改装で新装した後部ステージ反響板の高さを抑え、メインスロープ背後壁と対抗する並行部分を上部反響板の大きなスラントでキャンセルした、これによって、ホール軸方向の定在波発生という最悪の事態は見事に回避された。

さらにご自慢はステージ脇花道から続くコンクリート壁だ、音響拡散体を兼ねた異形のレリーフを多数張り付けたことにより対抗する左右テラスとの完全並行を緩和しており各バルコニー背後壁も、部分的に有効音響ボードと吸音材の組み合わせによる反響軽減処理が施された木質パネルを外反スラント設置している、また各バルコニーの付け根部分の上部天井は木質の横桟で表装されて、低天井による反響の改善を試みている。

参※3)当サイト関連記事 音響拡散に用いられる壁面装飾オブジェ"音響拡散体"はこちら。

改修に関する不満点

各層(階)共にバルコニーの背後壁はスラント設置が施されて、定在波の発生に対処しているが...

左右両翼バルコニーの対抗面はレリーフで凹凸を付けた垂直壁!なので定在波は完全には阻止できていない!

永田音響さんにしては珍しく?定在波対策は施されていて(各バルコニー背後壁は最初から?)可聴帯域での障害は起きにくいとは思われるが...

各バルコニー共に、最後列は避けたほうが賢明ではある。

得意に可聴帯域外の低周波定在波は健康被害(※59)にもつながるのでいかがなものか...

参※5)当サイト関連記事 序章 都市伝説「音の良いホール の条件 残響時間2秒以上 」 は本当か?はこちら。

参※59)当サイト関連記事  第3節 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害!

凝ったデザインのレリーフ壁

ステージ脇花道から続くコンクリート壁に用いた、凝ったデザインのレリーフ壁は秀逸なアイデアであるし、モダニズム様式にも見事に調和しているが...

YAMAHAさんがリニューアル時に用いる「緩やかな曲面を持つ凸めんパネル」を横に並べて波状パネル(樋(とい)を逆向けに張ったような)壁面でもよかったように思う。

「前川先生のモダニズム美学を尊重した改修」を望んだクライアント(東京都)の意向に沿ったかたちで、全面木室パネルの表装は避けたのかもしれないが、効果はYAMAHA方式の波状壁ないしは鋸歯状アンギュレーション壁面のほうが大きかったのではないか?

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点68点/100点満点中

※2303席(車椅子スペースX14台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 音響障害エリアについて

「以下の座席ブロック」を個々の音響障害ブロックと見做します。

  • ●メインフロアーは「平土間部」「スロープ部」を夫々別ブロックと見做します。
  • ●上層階バルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ●サイドテラス(桟敷席)は各階の左右を夫々別ブロックと見做します。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別ブロックと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点5点/配点25点

※以下詳細は第1節 「初期反射」軽減対策評価:配点25点をご参照ください。

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装の表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に音響障害客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点50点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • 扇形ホール・スラント設置壁以外「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で保護!されていない全席を定在波音響障害席と見做します。
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントします。
ストレート段床部

全席定在波音響障害席と見做します。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部がスラント天井がまたは波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点10点/配点20点

※以下詳細は第3節 「音響障害と客席配置」に対する総合評価:配点20点をご参照ください。

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※配点から障害エリア数を引いた持ち点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点3点/配点上限5

※以下詳細は「後期残響」への配慮評価点:配点上限5点をご参照ください。

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

初期反射対策評価

※低得点表装打ち放しコンクリート面の箇所が認められたので規定により素材持ち点13点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点13点ー障害発生エリア数7=6点

1)ホール後端部の"釣鐘現象"音響障害席 ;50?席(14席/1F30列車いす席全席、6席/1F大向う側壁際、20席/1FLR12列、10席/1F27~31列両側壁際、)

2)側壁初期反射音響障害席 ;0?席

3)天井高さ不足音響障害席;209席(6席/1F31列、52席/2FL4、R4&4列、75席/3FL4、R4&4列、76席/4FL3、R3&3列、)

重複カウント ;ー6席

音響障害席総計;253?席

定在波対策評価

各フロアー(バルコニー)共に背後壁をスラントさせているので、定在波は生じていないとします?

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

1)間口方向定在波音響障害席;0?席
(a)メインフロアー、各階ベランダ部分;0?席

(b)サイドテラス(桟敷)部分;0?席

2)奥行き方向定在波音響障害席;0?席

3)上下方向定在波音響障害席;0?席

定在波障害顕著席総計;0?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数8=12点

眺望不良席数;36席/1階平土間中央部座席2~4列13番~24番

初期反射音響障害席 ;253?席

定在波障害顕著席 ;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;289席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

大ホールの施設データ

  1. ホール様式 、6角堂コロシアム型プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   5フロアー(4層バルコニー) 

    2,303席
    1階 1,282席(ほか車椅子用14席)
    2階 238席
    3階 355席
    4階 268席
    5階 160席

  3. 舞台設備 2面舞台相当、プロセニアムアーチ:間口18m 奥行き24m 高さ11m、脇花道、大迫り、小迫り、、ブドウ棚(すのこ)、可動反響版、オーケストラピット(可動床)、
  4. その他の設備 楽屋x7、個室x6、控え室x2
各種・図面・備品リスト&料金表

第2曲 小ホールの音響

このホールも4辺形に打放しコンクリート内壁と言う「トンデモ・ハップン」な造りで、独特の響きを持つホールとして手強かった?。

四辺形ホールにつきものの定在波障害"0"!

タダ、舞台両サイドの壁面を天井に向かって「僅かに広げ」更にホール後方に向かって「わずかにすぼめて」、対抗壁面と並行にならない様にする配慮や、最後列の背面。ステージ対向面コーナーを面取りして、「鋭角コーナーを無くす」配慮、更にはホール断面形状では、「常識に反して!」客席に向かってすぼめる「逆転発想の天井」など建設地当初より奇才ならではの「発想」を網羅して、四辺形ホールにつきものの定在波障害を駆逐している!

四辺形2面を囲む桟敷席

平土間に近い殆ど傾斜のないフロアー席と最後部4列を桟敷風に1段高くする工夫等奇才ならではの趣向が随所に施されたホールでもあった。

天才の逆転発想?

このホールこそが前川マジックの凄いところ。

座席表では正方形のホールのようであるが、建設当初より、正面両サイド壁は前方ステージ側から後方に向かって僅かに絞り込み、しかも外反(外傾)スラントさせて、客席背後垂直壁2面との並行面をキャンセルしている!

天井を大胆に"逆片流れスラント"させ、平土間に近いメインフロアーとの並行をキャンセルしている。

さらに、客席平土間中央E列24番席辺りを中心とする同心円でKLM列を階段状に迫り上げ、通路を設けを客席後部をテラス・桟敷風に一段高くしたスロープとし定在波対策に完璧を期している。

「真四角+打ち放しコンクリート壁」でありながら当初より定在波は発生していなかった!

長田音響さんもそのことはよくご存じで、当ホールの改修に当たっては、お客席背後壁面の吸音材を撤去し、縦格子を用いた「グルービング材」に換装し、両サイド壁面に「音響拡散体」を追加したにとどめている。

現代の奇才「新居千秋」さんや「松田平田設計」に通ずる天才的なひらめきが、見るもの(聞くもの)に迫ってくる傑作である!

一部内装をリニューアル

方形の小ホールも大ホールと同様に内装がリニューアルされ、音楽専用ホールとして生まれ変わり、交通至便と言うことも幸いしアンサンブル団体やソリストのリサイタルによく使われている。

改修後は...

今回更に四辺形のコーナー部分に設けられた舞台後方のコーナーを無くす形で大型の可変反響板を設け、内壁には音響拡散体としてランダム形状の大型突起を配し、更には客席後部壁面に桟敷席側面壁一部回り込む形で格子を配す改装で見事な小ホールに生まれ変わった。

総評

当時の、計算尺?と手書き製図と簡単な測量機でここまで凄いことができたとは驚きである。

数値以上の音楽的表現力を持った優れた楽器である!

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点78点/100点満点中

※653席(車椅子スペースX4台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 音響障害エリアについて

「以下の座席ブロック」を個々の音響障害ブロックと見做します。

  • ●メインフロアーは「平土間部」「スロープ部」を夫々別ブロックと見做します。
  • ●上層階バルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ●サイドテラス(桟敷席)は各階の左右を夫々別ブロックと見做します。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別ブロックと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点11点/配点25点

※以下詳細は第1節 「初期反射」軽減対策評価:配点25点をご参照ください。

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装の表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に音響障害客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点50点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • 扇形ホール・スラント設置壁以外「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で保護!されていない全席を定在波音響障害席と見做します。
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントします。
ストレート段床部

全席定在波音響障害席と見做します。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部がスラント天井がまたは波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点14点/配点20点

※以下詳細は第3節 「音響障害と客席配置」に対する総合評価:配点20点をご参照ください。

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※配点から障害エリア数を引いた持ち点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点3点/配点上限5

※以下詳細は「後期残響」への配慮評価点:配点上限5点をご参照ください。

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

初期反射対策評価

※低得点表装打ち放しコンクリート面の箇所が認められたので規定により素材持ち点13点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点13点ー障害発生エリア数1=12点

1)ホール後端部の"釣鐘現象"音響障害席 ;28席(24席/1F後方両側壁、4席/1F大向う)

2)側壁初期反射音響障害席 ;6席/1F後方両側壁際

3)天井高さ不足音響障害席;6?席

重複カウント ;ー6席

音響障害席総計;34?席

定在波対策評価

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

1)間口方向定在波音響障害席;0?席

2)奥行き方向定在波音響障害席;0?席

3)上下方向定在波音響障害席;0?席)

定在波障害顕著席総計;0?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数5=15点

眺望不良席数;0席

初期反射音響障害席 ;34?席

定在波障害顕著席 ;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;34席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

小ホールの施設データ

  1. ホール様式 音楽専用ホール。
  2. 客席   1フロアー(1スロープ) 

    649席
    下段 338席(ほか車椅子用4席)
    上段 311席

  3. 舞台設備 オープンステージ形式、間口4.5m、奥行き5.4m
  4. その他の設備 楽屋x1、個室、控え室x2
各種・図面・備品リスト&料金表

(公式施設ガイドはこちら)

第3曲 リハーサル棟の音響 その他

(公式施設ガイドはこちら)

A・B2室のリハーサル室を持つ別館リハーサル棟。

両施設共に完全防音、天井は低い木質壁面は天井に向かって内側にスラントさせてあり、対向面対策はばっちり!

東京文化会館がお得意のジャンル

年間を通じ数多くのオーケストラコンサート、オペラ、バレエ公演クなどのラシックコンサート以外にも、「エンタテイナーのワンマンショー」等が開催されている。

東京都交響楽団のフランチャイズ・ホール

東京都交響楽団が本拠地としているホールでもある。

東京二期会オペラ公演

2303名の収容人員を誇り、2面舞台に匹敵する広さの舞台設備などの充実した設備は出演団体や(公財)日本舞台芸術振興会等の呼び屋(weblio辞書)にも受けが良く、NHK ホール(※紹介記事はこちら)と共に海外著名歌劇場が来日した際にはよく使用されている。

東京文化会館の公演チケット情報

大ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

小ホール催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

東京文化会館へのアクセス

JR上野駅 公園口改札から徒歩約1分
山手線、京浜東北線、常磐・成田線、常磐線、高崎線、東北本線
東北・北海道新幹線、秋田新幹線、山形新幹線、上越新幹線、北陸新幹線

京成上野駅、正面口 改札から徒歩約7分

東京メトロ上野駅7番出口から徒歩約5分

エンディング 微酔い狸の見聞録と豆知識

大ホールの想い出

嘗て1994年小生43才の年、故カルロス・クライバー指揮のウィーン国立歌劇場「バラの騎士」日本公演に、現日本ホルン協会常務理事を務めている知人に誘われアマオケ仲間と共に訪れた事がある。

当時・改装前ではあったが、3階テラス席から眺めた彼の優雅な指揮ぶりと、ホール全体が鳴り響くがごとき響きの良さ、そしてソロ歌手の声の通り、明確に聞こえてくる滑舌のはっきしたセリフとそれでいて艶やかな歌声はピカイチで、リヒャルトシュトラウスの「官能に満ちた世界に酔いしれた事」をはっきりと覚えている。

当時文化会館は改装前ではあったが、当時からアーティストの評判の高かった旧フェスティバルホール(2008年閉館解体)でのオペラ体験より、声の通り、明瞭度、響き(艶やかさ)ともに文化会館の方が上であったように思う。

小ホールの想い出

今から37年前(1980年)小生が東京に転勤前に1ヶ月ほど東京に長期滞在(出張)したことがあった。

その時、休日の土曜の午後ふと思い立ち、別段、先行発売のチケットを買っていたわけでも無いが、上野文化会館を訪れて見た。

当日大ホールはチケット完売・満席状態で、入館出来なかったが、小ホールは当日券を発売していた。

お名前を失念して申し訳ないが、フルート奏者のリサイタルであった。

フルートのリサイタルというのも珍しいが、4角形のホールの角をステージにした、天井の高い打放しコンクリートの当時の小ホールは、協会の聖堂を思い出させる響きで、しばし桃源郷にでも迷い込んだかの様な錯覚を覚えさせられた事を思いだす。

はっきり言ってその時の演奏はなにも覚えていない。(申し訳ないが、小生フルート曲には疎いので...。)

モダニズム建築の大家・奇才 故前川國男先生の功罪

前年1960年開館の旧京都会館、に続き1961年の東京文化会館、1962年の神奈川県立青少年センタ-と立て続けにセオリー無視の「破天荒なデザインのホール」として多角堂3部作を完成させ、中でも大成功を収めた東京文化会館では有るが...。

その後前川先生御本人は「多角堂・フェチ」を卒業し?、晩年1983年の熊本県立劇場に至る全作品で2度と「セオリー破り」の多角形ホールはデザインしなかった!

但し、この3部作の大成功に触発?されて、形態だけ真似た、紛い物「多角堂」病が全国に蔓延ったのは事実であるし、「ゆゆしき事態」でも有る。

東京文化会館これまでの歩み

1961年 東京都開都500年祭の記念事業として開館した。

1984年/新リハーサル棟

1999年のリニューアルにより、開館した1961年以降に現れた最新の音楽専用ホールと肩を並べる人気のある施設に返り咲いた。

2014年、新リハーサル棟を改築し、新たにリニューアルオープン。

 

公開:2017年9月30日
更新:2020年12月27日

投稿者:デジタヌ


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