狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

公立文化会館・支配人資格認定制度の制定を望む 《コラム2017》

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前書き(要約)公共ホール支配人にも資格が必要では?

※本稿は2017年8月30日に初稿を公開したー「誰がために槌音は響く」 音楽ホール編1ーのリニューアル版です。

図書館には「(図書館)司書」」の資格(文科省管轄国家資格)をもった文官が普及しはじめたが、「コンサートホール」の切り盛りができる、資格認定制度の制定も望まれる。現状ホール運営に長けた「支配人」の養成コースが舞台芸術関連大学に整備されていないのも問題の一つではあり「支配人」養成カリキュラムの設置と人材養成が望まれる。

プロローグ 官民癒着の箱物行政体質が...

ホール建設に財政(補助金)を投入しても「維持管理:運営」までは面倒見ないのが今の現状である。

年間膨大な経費がかかる割には利用率(稼働率)の悪い分不相応な豪華公共・多目的ホールが全国各地隈無く存在しているのはその為である。

更に全国至る所に箱物ができた現在、「耐震強度」不足大儀に掲げ、各痴呆自治体?に立て替えを迫り、「まだまだ使えるホール」が次々と立て替えられているのも事実である。

立て替えに必要な資金に対するお上の補助金支援体制で当分お役人と天下り先の「ゼネコン」との協調は続くわけである。

更にホールの周りを

「ぺんぺん草が囲み、客席には埃が積もる」様な無様な事態も各地で観られる。

お役人さん方は、いつまでも箱物に拘っていないで、ハード(ホール)作りから、ソフト(人材育成)整備に目を向けて頂きたいものである。

第1節 「支配人」養成カリキュラムの設置と資格認定制度の制定

ホール運営に長けた「支配人」の養成コース(運営ノウハウ=運営ソフト)が関係大学(芸術大学・音楽大学・教育大学)に整備されていないのも一因であろう。

図書館には「(図書館)司書」」の資格(文科省管轄国家資格)をもった文官が普及しはじめたが、「コンサートホール」の切り盛りができる、「支配人」養成カリキュラムの設置と資格認定制度の制定も望まれる。

第1項 "支配人認定資格"認定試験の実施

一種は実務(ホールアテンダント)外構折衝に関する内容。

二種は各専門分野(演劇、音楽、伝統芸能)毎の専門知識を有し、各分野の企画書策定及びイベントマネジメント(プロモーターとしての能力)、ホール維持管理知識(推定予算積算能力)があること

三種は2種能力に加え洋楽邦楽の基礎知識、舞台芸術・芸能全般にわたる知識、と芸術監督(音楽監督)選出のための仕様書(応募企画書)、(所轄自治体に)任命申請(書類作成)ができる能力。

と言った様な資格認定制度を作る。

第2項 ホール運営要領

ホール実務部隊(ホール職員)は最低1種・2種各1名以上。

運営組織(自治体(※)or外郭団体)の総支配人(会館長)は3種取得が必須条件とすれば、(委託業者の地元プロモーターやプロダクションに足下を観られない)主体性を持った自主興業が可能となり、お荷物文化施設?から脱却出来るで有ろう。

更にホールの有効利用、文化施策として市民文化意識の向上・啓蒙にも大いに貢献できるで有ろう。

エピローグ 少なくとも大都市の公共大ホール

には「支配人」資格を持つ運営事務方とその長たる「劇場総支配人」「芸術(音楽)監督」を配置し2人3脚で「出し物」を設定する体制づくりが普及すれば、日本の芸能、舞台芸術、はもっと発展するであろう。

現状現在「ゼネラルマネージャ」(総支配人=館長=席亭)

を配置している公共ホールはまだまだ少ないが、

美術館・資料館・博物館には「学芸員」、公立図書館には「図書館司書」の例に習い、

「劇場(ホール)には支配人資格者」を配置するようなシステム作りが大切では無かろうか?

今の様な箱物建設メインの文化行政はまさに

「誰がために、槌音は鳴る」の状況ではあるまいか...。

※1)地方自治体の場合は教育委員会の所轄部署としその中で選任する)

 

公開:2022年9月30日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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