狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

日立システムズホール仙台 《 ホール 音響 ナビ 》 

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謎の施設?日立システムズホール仙台のミステリーNavi!

ピアノが置いてあるのに(防音設備が無いので)演奏・合奏・舞踊、ができない「ビデオルーム?」。

平土間で折りたたみ机なのに、演奏・合唱・ができない92人収容の「エグ~・ルーム(ビデオ試写室?)」。

ステージがあるのに、鳴り物禁止・1団体独占禁止の大道芸専用?の「パフォーマンスンス広場」等...

仙台フィルハーモニー管弦楽団が定演を催す時は「リハーサル・ルーム代わり」に有料リハーサルに使っているシアターホールなど...

とにかく、「目的が意図不明な施設」が多い!

日立システムズホール仙台のあらまし

Official Website http://www.sendaiycc.jp/

詳細は後述するが、「多角形」と「打放しコンクリート壁」が好きなデザイナーが設計した様である。

バブル景気絶頂期の1990年に竣工・開館した18の施設からなる複合文化施設である。

仙台市青年文化センター,2013年7月1日から命名権売却により「日立システムズホール仙台」と呼ばれている。

日立システムズホール仙台のロケーション

所在地  宮城県仙台市青葉区旭ヶ丘3丁目27-5

日立システムズホール仙台の施設データ

  1. 所属施設/所有者 仙台市青年文化センター/仙台市
  2. 指定管理者/運営団体 (公財)仙台市市民文化事業団。/仙台市。
  3. 開館   1990年

付属施設・その他 

館内付属施設 
  • 付属施設 練習室x4、会議室x3、研修室x3、和室x3、茶室?、クッキンッグルーム、ミーティングルームx2、ギャラリー、エッグルーム(ビデオ試写室)、アトリエ、レストラン、ビデオスタジオ(ピアノ付き演奏不可?)音楽スタジヲ、パフォーマンスンス広場、その他

施設利用ガイド

(公式施設ガイドはこちら)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

コンサートホールの音響デザイン

仙台市の誇る?巨大カラオケ施設!

(公式施設ガイドはこちら)

変形シューボックス?オープンステージコンサートホール

3フロアー吹き抜けの高い天井を持つ、石造り!の変形シューボックス?オープンステージコンサートホール

オーケストラやアンサンブルなど、心があらわれるピュアな演奏の魅力を、最大限に表現する音楽専用ホール。いたるところに理想的な音響効果を意識した設計は、最も聞き心地がよいとされる2.1秒の残響時間を実現しています。そして演奏を楽しむとともに、心の交流がはかられるコンサートホールは、演奏者と観客がひとつになれるよう、プロセニアムを設けないオープンステージ形式になっています。<公式サイトより引用>

6角型半分に長方形を継ぎ足したようなデザイン

6角型の半分の三辺を反響板に利用し、長方形部分の客先を継ぎ足したような「変形シューボックス?」オープンスステージ構造。

ステージ前の最前列A列からD列が平土間で、それに続くE列からG列が緩やかな「ハノ字段床」(※10)上の座席配列で、中央部通路を挟んで、H列から最後列X列までの17列が同じく「ハノ字段床」の比較的急なスロープとなっている1スロープデザインとなっている。

参※10)当サイト関連記事 第2節 扇状段床座席を用いたホール横断定在波の障害回避策はこちら

定在波無視?のN音響設計作品に共通した残響偏重デザイン!

とにかく並行面だらけのデザインで、定番手法「ハノ字段床」配列座席以外は定在波障害(※11)回避の対策らしい対策?はほとんど施されていない!

参※11)当サイト関連記事 「定在波による音響障害」の回避策はこちら。

巨大エコールーム?

壁面全周に打放しコンクリートと石質タイル張りの「垂直壁」を巡らせた基本デザインで「巨大エコールーム擬き」仕様(※12)のホールとなっている。

※12)エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

中途半端なごまかし手法?

ホール前半1/3に当たる部分のA列からG列のうちE・F・G列の座席は「ハノ字型段床」上にあり横断面は「すり鉢状」であり、ホール左右を横断する「定在波の実被害」をうまくかわしている。

後半2/3に当たる部分H~X列迄17列=578席も緩やかなハの字構成の段床ではあるが、この程度では、谷間(窪み)には不十分で、定在波の実障害を完全にクリアしているとは考えにくい!

standing_wave2.jpg

しかしBC列中央部と両側ABC列全席、D列の1から7番&28~34番と、最後列X列はどう一断面上にあり完全にミステリーゾーン)(※13)に「はまっている」。(座席図参照)

参※13)当サイト関連記事 第2章 定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』とははこちら。

最悪の前後軸定在波に対する対策は?

ホール差し後部「大向う部分」は一応通路ではあるが、背後壁はプレーンな翠帳壁!対抗するステージ背後壁(反響板)にはアンギュレーション(屈曲)が施され、最高列X列中央部12番~23番席でも着座していれば辛うじて実被害は免れている様である。但し主宰者判断で、立見席を設けた場合は立見席観客は確実に被害に遭うであろう。

思いっきり「残響の厚化粧!」

ステージ背面中上層部に配した「円錐状」の音響拡散体(※14)や、アクリルエマルジョン塗装のプラスターボードを使ったホール両側及びステージ背後最上部壁から続く「段付き折上げ天井反響板」、ホール中央前半部の天井照明器具、ホール後方お大向う通路上部壁の「段付きハノ字面取り」などを設けて、思いっきり「残響で厚化粧」(※15)されている「厚化粧のおお年〇ホール」である。

参※14)当サイト関連記事 第1項 音響拡散処理と音響拡散体となる要素はこちら。

参※15)当サイト関連記事 「エコー」と「後期残響」は別物はこちら。

総評

石造り無宗派の礼拝堂?

初期反響の低減をはかる配慮もみられるが、オルガンも無いのに-60db残響測定で2.1秒と"教会の礼拝堂"に近い「かなり癖のある音響」のホールといえよう...

というよりは最低!

仙台フィルが、リハーサルに使わないのはそのため?

このホールでは「吸音材(観客)」が入ってないととてもとても...。

定在波障害致傷確信犯?

マア少なくとも音響設計事務所を名乗っているだけに?この壁面では高次定在波の抑制は難しいのが判っていたのだろう!、ものの見事に1.5高次定在波の節(ミステリーピット)を通路配置で躱しているお積りらしいが...

定在波は音波ではないので通路配置では、避けようがない(※99)!

standing_wave.jpg

しかし、この程度の気休め谷間では、腹(アンプリファイゾーン)も避けられず、可成り音色・音圧音量共に変化しているであろうこのホールではまともな低弦・バスドラムの音色はとてもとても...

マア(お金が無くて?)パイプオルガンが設備できなくて不幸中の幸いといったところか。

極端な場合は健康被害にも通じる。(※991)

参※99)当サイト関連記事 第1章  standing wave(定在波)は音波とは異なる物理現象!はこちら。

参※991)当サイト関連記事 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害!はこちら。

日曜楽師にに人気のある巨大カラオケルーム?

このホールがアマチュア楽師(団体)に人気があるのは、彼らが客席ではなくステージ上にいて、「適度以上のエコー?」(※16)がかかった「カラオケルーム環境」で「自己陶酔に浸れる」からであろう。

参※16)当サイト関連記事 ホールはエコーガンガンのカラオケ音響ではダメ!はこちら。

想定定在波

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

§1)間口方向定在波

●メインフロアー
平土間側壁平行部分(A~D列)
  • ●側壁間約22m;約7.9Hz/0.5λ、約15.8Hz/1λ約23.8Hz/1.5λ、約31.7Hz/2λ、
スロープ側壁平行部分(E~X列)
  • ●側壁間約22m;約7.9Hz/0.5λ約15.8Hz/1λ約23.8Hz/1.5λ、約31.7Hz/2λ、
  • 対策なし!
§2)奥行き方向定在波
1F(1F大向こう壁面→ステージホリゾント反響板)
  • ●最大奥行き約40m;約4.3Hz/0.5λ、約8.7Hz/1λ、
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • 高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(吸音構造)で抑制。
§3)高さ方向
平土間床→天井最高部
  • ●客席平土間部約17.9m;約9.7Hz/0.5λ、約19.5Hz/1λ
  • ※コーナー反響板・凸型ラウンドで定在波の高次周波数成分を抑制!
参、ステージ床面→天井最高部高さ方向
  • ●ステージ天井高さ約17m;約10Hz/0.5λ約20.5Hz/1λ、
  • ※コーナー反響板・凸型ラウンドで定在波の高次周波数成分を抑制!

赤字は健康被害を及ぼす可聴音域外低周波振動。

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点20点???/100点満点中

※804席(車椅子スペースX2台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 障害エリアについて

「以下の座席エリア」を個々の障害エリアと見做します。

  • ●メインフロアーは平土間部・スロープ部、左右サイドテラス(桟敷席)を夫々別と見做します。
  • ●上層階はバルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別エリアと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点11点/配点25点

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点3点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • スラント設置壁(および1.8m幅以上のアンギュレーション設置)以外の「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で法語!されていない全席を定在波音響障害席とする
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントする。
ストレート段床部

全席を定在波音響障害席とする。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部の天井がスラント設置または波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点1点/配点20点

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点5点/配点上限5

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

初期反射対策評価

低得点表装石材の箇所が認められたので規定により素材持ち点 13点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点13点ー障害発生エリア数0=11点

1)側壁初期反射障害席 ;0?席(

2)背後壁初期反射障害席 ;0?席

3)天井初期反射障害天井高さ不足席;0?席

重複カウント ;ー0?席

音響障害席総計;0?席

定在波対策評価

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数3=47点

1)間口方向定在波音響障害席;750席
(a)メインフロアー、各階ベランダ部分

52席(40席/1階D.E列8~27番、12席/1階F列12番~23番)を除く全席!

2)奥行き方向定在波音響障害席;0?席

3)上下方向定在波音響障害席;0?席

重複カウント ;ー0席

定在波障害顕著席総計;750?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;24席/1階平土間中央部座席C~D列12番~23番

初期反射音響障害席 ;0?席

定在波障害顕著席 ;750?席

重複カウント ;ー12席

音響障害席総計;762席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

施設データ

  • ホール様式 『変形6角型タイプ』音楽専用ホール。
  • ※間口約22mX奥行き40mX天井最後部高さ推定約17m
  • 客席   1フロアー 収容人員 804席、
  • 舞台設備 オープンステージ形式 間口22m/高さ15.5m/奥行13.7m/ステージ高0.9m
  • その他の設備 、楽屋x4室、オーケストラひな壇。
各種・図面・備品リスト&料金表

日立システムズホール仙台コンサートホールがお得意?のジャンル

仙台クラシックフェスティバル(※音楽祭Naviはこちら)
仙台国際音楽コンクール(※コンテストNaviはこちら)が開催される会場でもある。

仙台フィルハーモニー管弦楽団がフランチャイズとして定期演奏会に使っている。

オーケストラコンサート以外にもソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートなどが行われている。

仙台のアマオケのメッカ

仙台市青年文化センターの名の通り、東北大学百周年記念会館 川内萩ホールと並んで仙台のアマチュアオーケストラ御用達ホールの1つ。

コンサートホールで催されるコンサート・イベントチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

シアターホールの音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら)

コンクリート打ち放し壁で囲まれた8角堂!

両脇花道背後壁が、可動式可動プロセニアムになっている小規模ホール。

とりあえずプレーンな垂直並行壁面が確実に4方向8面ある、しかもコンクリート打ち放し。

スロープを巧みに?利用

ホール前後軸は、スロープで、左右クロス方向に関しては可動プロセニアムで左右横断方向は「ハノ字段床」配列で、2階バルコニーは両サイドの側壁を浅いハノ字にし対抗する並行面をキャンセルし、メインフロアー同様のハノ字段床配列座席でごまかしているが...、

総評 エコールーム仕様!...

座席図をご覧いただけばお判りだと思うがホールの大部分は完全に並行した打ち放しコンクリートのプレーンな垂直壁になっている!ア~ア...。

この有様だからホール後方壁面はものの見事に全面音響スクリーンと音響グリルで表装された「吸音壁」となっている。

このデザイナーさんも勘違いなさっている様だが、定在波と初期反響(エコー)は関連はあるが別物であり、いくら吸音材をぶち込んでも!...これではマッチポンプ!

この「特殊な構造」を活かし?ステージ背面「打放しコンクリート壁面」中央を「剥き出し」両サイド面はカーテンで覆い「反響の嵐」を押さえ込んでいる様子。

客席に人がい無いとどうにもならないようで、「有料」の公開形式リハーサルで「吸音材代わりに聴衆」を入れている?。

次の数字をご覧いただけばわかるが、可聴帯域外の低周波振動が多く、このホールで長時間クラシックを聴くと。初期反響音響(エコー)障害以外に、定在波による低周波振動障害も累乗されて「吐き気、めまい、強い恐怖感」に襲われる危険性!大!

ア~ア...。

平土間部分の上部に照明ブリッジを兼ねたむき出しのコラムが設置されたが...

この程度では焼け石にミス?でとても上下定在波は阻止はならないだろう!

想定定在波

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

§1)間口方向定在波

●メインフロアー
スロープ側壁平行部分(G~K列)
  • 側壁間約23.5m
  • 定在波周波数成分;約7.4Hz/0.5λ,14.8Hz/1λ、約22.3Hz/1.5λ
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で中央部席については定在波層を回避。
バルコニー
2Fバルコニー部側壁平行部分(O~R列)
  • バルコニー壁間約22m
  • 定在波周波数成分;約7.9Hz/0.5λ、約15.8Hz/1λ約23.8Hz/1.5λ
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。
§2)奥行き方向定在波
1F(1F大向こう壁面→ステージホリゾント反響板)
  • ●最大奥行き約38.6m;
  • 定在波周波数成分;約4.5Hz/0.5λ、約9Hz/1λ、約13.5Hz/1.5λ、約18.Hz/2λ、
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※高次定在波成分は、大向こう背後壁面処理(吸音構造)で抑制?。
2F(2階大向こう壁面→プロセニアム前縁)
  • ※客席スロープとプロセニアム全面形状で定在波抑止。
§3)高さ方向
平土間床→天井最高部平土間部全域被害エリア!
  • ●客席平土間部約15m;
  • 定在波周波数成分;約11.7Hz/0.5λ、約23.3Hz/1λ、約174Hz/7.5λ、

赤字は可聴帯域外低周波振動

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点34点/100点満点中

※584席(車椅子スペースX6台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 障害エリアについて

「以下の座席エリア」を個々の障害エリアと見做します。

  • ●メインフロアーは平土間部・スロープ部、左右サイドテラス(桟敷席)を夫々別と見做します。
  • ●上層階はバルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別エリアと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点12点/配点25点

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点15点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • スラント設置壁(および1.8m幅以上のアンギュレーション設置)以外の「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で法語!されていない全席を定在波音響障害席とする
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントする。
ストレート段床部

全席を定在波音響障害席とする。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部の天井がスラント設置または波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点4点/配点20点

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点3点/配点上限5

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

初期反射対策評価

※低得点表装打ち放し打ち放しコンクリートの箇所が認められたので規定により素材持ち点 13点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点13点ー障害発生エリア数1=12点

1)側壁初期反射障害席 ;0?席

2)背後壁初期反射障害席 ;0?席

3)天井初期反射障害天井高さ不足席;

18?席(12席/1F大向う固定席、6席/1F車椅子席含む)

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;18?席

定在波対策評価

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数3=47点

1)間口方向定在波音響障害席;???席
(a)メインフロアー、各階ベランダ部分

(60席/1階スロープ前半F~J列13番~24番、18席/1階スロープ後半N列10番~27番、45席/1階スロープ後半O/P列全席)123席と(28席/2階ベランダ部分Q列5番~32番、34席/2階ベランダ部分R列2番~35番)62席計185席を除く全域399席

重複カウント ;ー0席

定在波障害顕著席総計;399?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;48席/1階平土間中央部座席B~E列13番~24番

初期反射音響障害席 ;18席

定在波障害顕著席 ;399席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;465席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

日立システムズホール仙台シアターホールの施設データ

  1. ホール様式 『変形8角堂型』プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 最大間口23.5m(最挟部22m)X奥行き38.6m(ホリゾントパーティション⇔大向こう壁面)天井高さ約15m
  3. 客席2フロアー 584席(車いす含む)、仮花道、
  4. 舞台設備 プロセニアム形式、

    間口18m/高さ8.5m/奥行16m/
    ステージ高0.9m

    奈落、大迫り、ブドウ棚(すのこ)、オーケストラピット
各種・図面・備品リスト&料金表

日立システムズホール仙台シアターホールがお得意のジャンル

仙台フィルハーモニー管弦楽団の有料リハーサル!

舞台演劇やそれ以外にも歌謡歌手の歌謡ショー、エンタテイナー・懐メロ歌手のワンマンショー、有名タレントの座長公演など、演芸・寄席、等大衆芸能に特化した興業を行っている。

日立システムズホール仙台シアターホールで催されるコンサート・イベントチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

交流ホールの音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら)


ひとつのホールを、可変ステージによってアレンジできるオリジナルスペース。さまざまなイベントを素敵に演出する照明・音響システムも整い、主催者の個性と感性をフルに発揮できるホールです...<公式サイトより引用>

らしいが...。

交流ホールがお得意のジャンル

ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサート、ファッションショー?などが行われている。

交流ホールで催されるコンサート・イベントチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

建築音響工学から眺めた交流ホール

出たー...リアル8角堂!

救いようのない平土間の正8角型!オマケに(一応2階吹き抜けだが)天井が低い!

天井は、折り上げたり、セグメント方式の凸面逆ドームであったりと、一応「形状には留意した」ようだが?

おまけにアダプタブルステージ(※31)までついている物凄いカラクリ部屋!

参※31)当サイト関連記事 アダプタブルステージはこちら。

フロアー周辺低層部壁面
(入口)正面壁面

正面背後は倉庫と控え室になっており、正面倉庫とホールとを区切るアコーディオン扉は、音響ネットで表装した吸音ボードになっている。

正面左右壁は吸音壁を中央部が凸出した山形のアンギュレーションを持たせた音響ネットで表装してある。

左右対抗壁面

入口左方は半面が前面に音響カーテンが設置されて非常口になっており残り半面は正面左右壁と同じ設え。

右方壁はどういうわけか大きなRのついた凹面壁で、非常口と同様に前面に音響カーテンが設えられている。

入口両側2面

入口両側の残り2面も正面左右側同様の設え左側はコーナーを抉り、右側も同じく奥まった位置に非常口を設けた構造で、正8角形から逃れている。

中上層部はリアル8角形

基本的に客席周辺と同じ設えだが、壁面上下方向約半面が音響ネットで表装された「吸音壁」になっている。天井は流行の構造体むき出しで、天井に当たる部分に、全面グリルで表装された、組格子で覆われており、中央部分に3角板で構成された、セグメント反響板をとむき出しの照明アングルを吊してある。

総評

音楽ホールとしては完全に禁則破り(※33)のデザインではある!

2階相当部分の吸音壁が「もの凄い初期反響の嵐を」を物語っている。

残響渦巻く非常に癖の強い音響のようで、「ヤマハCF」が哀れで成らない。

ハッキリいて平土間に多角堂はどうあがいても...

客席全周に吸音壁を巡らせたとしても...

吸音材といっても全ての周波数に均一に働く素材は無いので、吸音壁だけに頼るとどうしても周波数特性が乱れるし!

何とか対抗する面を最小にしようと努力されたようだが...

定在波の引き金となる初期反響は、前途した対抗面を「吸音壁構造」として更に音響カーテンを巡らすことで緩和しようとされているようだが...

標準客席配置が示されていなかったので、定在波評価、客席配置評価は0査定となったが、

この形状では、定在波を逃げようがないので!うまい客席配置は見つからず、あと数点程度しかゲタ?をはかせられないので、50点以下には違いないだろう。

京都コンサートホールムラタ小ホール/正6角型(※ホール音響ナビはこちら)

同様にミステリーゾーン(※34)は生じているだろう!

...何故ここまで8角形に拘る必要があったのだろうか?

まあ普段はファッションショーなどに使われているようなので...

音楽会に使おうなどと企まずに、ファッションショー専用とか「仙台ミュージックホール?」とか改名してしてストリッXショーにでも使ってみたら?

参※33)当サイト関連記事 平土間には絶対に使用するな!はこちら。

参※34)当サイト関連記事 第2節『ミステリーゾーン』で起きる現象はこちら。

焼け石に水だが

現在倉庫となっている、正面及び、両コーナー部分の壁面を撤去して、木質のルーバーor縦格子のパーティション(間仕切り)に置き換えるのも一興かもしれない?現状の吸音パネルよりも効果はあるはず?...

というわけで以下に定在波の参考データとして提示しておくにとどめた...、

定在波周波数成分と対策?

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

§1)間口方向定在波

●メインフロアー
平土間側壁平行部分1(最大幅)
  • ●側壁間最大幅約24.8m;約14Hz/1λ、約21.1Hz/1.5λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁の表装(吸音壁処理)で高次定在波抑制?
平土間側壁平行部分2(最大幅)
  • ●側壁間最大幅約24.3m;約14.3Hz/1λ、約21.5Hz/1.5λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁の表装(吸音壁処理)で高次定在波抑制?
平土間側壁平行部分3(最小幅)
  • ●側壁間最大幅約23.2m;約15Hz/1λ、約22.5Hz/1.5λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁の表装(吸音壁処理)で高次定在波抑制?
§3)高さ方向
平土間床→天井最高部
  • ●ステージ天井高さ約7m;約49.8Hz/1λ、約174.3Hz/3.5λ、
  • ※小型セグメント天井、で高次定在波を抑制?
  • 着座聴取高さ(約1m)が1波長定在波の節は避けているが3.5波長高次定在波の節、に当たる、7mの天井高さにハマっている。

交流ホールの施設データ

  • ホール様式 正8角堂、平土間イベントホール(対向壁間約24.3~24.8 m)。
  1. 客席   1フロアー 目一杯詰め込んで300人(椅子席)、
  2. 舞台設備 オープンステージ形式、迫りステージ(3面)
  3. その他の設備 控え室。
各種・図面・備品リスト&料金表

エッグホールの音響デザイン

スタッキングチェアーを並べて使用する定員93名の多目的イベントスペース。

各種・図面・備品リスト&料金表

パフォーマンス広場の音響デザイン

自由に集い、憩えるどこの街角にも見られるような空間。楽器やダンス等を自由に練習し、表現できるパフォーマンスの場。<公式サイトより引用>

B1・1F2層吹き抜けのガラスルームで、小さなステージが付属している。

イベントに貸し出す場合もある。(仙台クラシックの会場の一つともなっている。)

3つの練習室の音響デザイン

143㎡(86畳)の練習室1、179㎡(108畳)の練習室2、の音響的にも配慮された2つの大練習室と2つの小さな音楽練習室と38㎡(約23畳)の完全防音のスタジヲを持つ。

どういう訳か、何の気の吹き回しか?天井は低いが、その天井から全壁面に渡ってアンギュレーションを設けた、部分有孔音響木質パネルで表装した、床(Pタイル張り)以外全面木質ボードで表装された立派な第一練習室を備えている。ご丁寧に壁面上部には音響拡散体となる疑似ガセット迄設えられている!

総評

何でこの内装を、メインのコンサートホールやその他のホールで行はなかったのか不思議でならない?!

ルーム音響評価点:100点!

§1,「定在波対評価点:50点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:50点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

日立システムズホール仙台へのアクセス

最寄りの駅  地下鉄南北線・旭ヶ丘駅東1出口から徒歩1分

豆知識

デジタヌの一刀両断

クラシック音楽の都・仙台ではあるが、武道館紛いの仙台サンプラザアリーナ以外は2000席以下の、中ホールが多く呼び屋(weblio辞書)やプロモーターには敬遠されがちであり、海外有名フルオーケストラの公演は意外と少ない。

バブル絶頂期に建設されたホールにしては...

バブル絶頂期に計画され建設されたホールにしては、意外と「しみったれている」ところがある。

形状的には、入念にモデル実験がされた(ハズの?)「容器」で、壁面の飾りアングル(ガセット)、段付き折り上げ形状の天井、凸面天井反響板など細部まで定位寧な設えではあるが..。

石造りとは、どうしたことか?

ケチ臭い壁際の補助席?

やはり、市当局射担当者の理解不足(良い響きは、ゆとり有るデザインから生まれるが鉄則)で収容人員を水増しするために、壁際に客席を押し込んでしまった!

幾ら「中央部のS席」で音が良くても、壁際でこれでは...ここは、1ッ発ザ・シンフォニーホール(※紹介記事はこちら)を見習って、最低1列、いや2列分の通路(ゆとり)が欲しかった!

次回の改修に期待

3層吹き抜け相当と天井が高い、素性の良い「スラッとした、美人ホール」なのだが「着こなし(内装)が悪い、ダサい田舎美人」である。

次回改修では躊躇なく両側壁部2席都合46席を撤去してでも「低層部ホール内壁」を「アンギュレーション」ないしは「スラント(傾斜)」設置の「木質グルービング材」(※91)に換装すべきである。

またホール前半中央部B~G列列はB・D・F列から1席ずつ都合3席を撤去し千鳥配列座席に"改装"すべきである。

参※91)当サイト関連記事 手法1 1/4波長程度の「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル の効果はこちら。

シアターホール?

ウーン...リアル8角堂......?

素晴らしい(とされる?)コンサートホールとXXXXホール、なんでこうなったの?

打放しコンクリート壁、で真四角を基本に4隅を面取りした「垂直壁の変形8角堂.」。

1階席正面仮花道壁面は変形させた巨大な可動木製プロセニアムあり、最下部は対抗する客席上手奥壁面との初期反響を押さえるために「マジックBOX」となっている。

2階席(テラス席)背後壁面は10角形相当にし平面的には対抗する並行面が少なくなるような配慮はしてあるが...。

舞台と1・2階大向こうは平行でしかも「壁面スラント」無しの「垂直壁!」

天井は真っ平ら!平土間客席(最前列3列)は「天井と完全平行!」

演劇対象ホールなら直さら、明瞭な滑舌の「クリアー」な響きが求められるはずなのに?

いったい誰がデザインしたのか!壁をスラントさせる位はやっておけ!

「カワイEXがカワイそう!」

はっきり言って重油タンクの中の方がまだましかもしれない?

実際小生は(持ち論、定期検修時に空っぽの)重油タンク内に何度も入って「お仕事」をしたことがあるが、相当酷い「騒音の環境」であった。

理由は簡単、まん丸でしかも天井が低い、いわば「がんもどき」型?だから

oiltank.jpg

原油備蓄タンク
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Shibushi_Oil_Stockpile_Site_2009.JPG

この「原油タンクタイプ」の平べったいホールで上手くいっている(良好な音響)例は皆無!

同じ頃の失敗例

京都コンサートホールでは2階以上の上部壁は外側にスラントさせて、初期反射波を軽減する対策は昂じてあるが...。

草津音楽の森国際コンサートホールでは、交流ステージ同様スラント無しの「完全並行壁」。

目をとじてしまえば、音がどこから聞こえてくるのか「さっぱりわからない!」状態。

日立システムズホール仙台のある仙台市とは

仙台市《 タウンヒストリア 》はこちら。

宮城県の中部に位置する東北地方最大の都市で同県の県庁所在地。

本州最北端の地下鉄が走っている町としても有名?


推計人口、1,083,148人/2018年4月1日

仙台-東京 1時間34分/11,400円/新幹線/351.8km

 

公開:2017年9月 8日
更新:2020年12月26日

投稿者:デジタヌ


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