狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

『建築音響工学総覧 』第7巻・芸術ホールのデザイン Page5.第4章  芸術ホールにおける音響デザイン・コンセプト

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★第4章 芸術ホール(オーディトリアム)に於ける音響デザイン・コンセプト

第1節 オーディトリアムの音響デザインコンセプトの柱は

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  • ●十分な防振対策
  • ●「中・低層部」の客席周辺の壁面では初期反響抑制と定在波対策をしっかり行う。
  • 「後期残響」は「最上層部」の壁面・天井デザインで嬢出する。

以上3点が肝要!

でっち上げられた「都市伝説・残響2秒異常?」(※47)に拘るあまり、何を血迷った(勘違いした)のか、客席周辺壁面を"お座なり"にして「ホール上層部に定在波対策」を施した馬鹿げた事例を多く見かけるようになってます!

ホール上空には、神様(お客様)はいない!本末転倒のワンワン鳴り響くカラオケ音響ホールはもう結構!

残響などのお化粧に頼らなくても、「優れた演奏家」ならば、良い演奏を披露できるし、彼らにとっては「残響の 厚化粧」など演奏の邪魔物以外の何物でもない!

参※47)当サイト関連記事 序章 都市伝説「音の良いホール の条件 残響時間2秒以上 」 は本当か?はこちら。

★第2節 "音響空間デザイン"は定在波対策を柱に!

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シッカリと初期反響低減を考慮した壁面デザインを取り、特に間口「壁面間隔」の狭い小規模ホールでは、定在波が生じないような立体形状で発生源から絶つ「抑止・根絶・駆逐作戦」(※48)をとることが重要です。

残響創出に惑わされると本末転倒となってしまう!

参※48)当サイト関連記事  第3章 ホールデザインの基本"定在波の根絶・阻止・駆逐" 法 はこちら。

★第3節 オーディトリアムの フロアー(平面)形状のタイプ

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第1項『扇形タイプ』

多目的公共ホールに最も多く使用されているフロアー形状のホールで完全な扇形は珍しく、通常は次項に述べる「プロセニアム」から扇形に広がった台形部分の客席フロアーと、後半長形部分を合わせた変型6角形のホールが多い。

多層フロアーの場合は比較的軒先の深い多層バルコニー型式のホールが多い。

ホール客席形状は「ステージ反響板の延長上で拡がる形状」が基本で平行壁面対策上からもホリゾント反響板(ステージ背後反響板)から連続的に後方に向かって拡がるホーン形状が基本となり、吊り天井の天井反響版と反響板同士の間を照明器具ガラリや、空調ギャラリブリッジやキャットウォーク(※53)に使うのが一般的。

代表例として フェスティバルホール(ホールNaviはこちら)が挙げられる。

※53、キャットウォークについてのWikipediaの解説はこちら

第2項『馬蹄形』

オペラハウスなどに良く用いられる形式で、平土間に近いメインフロアーの周囲壁面に「比較的浅い多層のバルコニ・テラス席」を配置する形式の総称で、Ω型のメインフロアー形状を持つ馬蹄形に近いメインフロアー形状のホールが多いのでこの名称となった、但しメインフロアーが6角形や8角形のような多角形であったり、円形に近いフロア形状のホールもある

代表例としては神戸国際会館こくさいホール(ホールNaviはこちら)、よこすか芸術劇場(ホールNaviはこちら)などがある

第3項『シューボックスタイプ』

ギリシャ神殿のような長形のフロアー形状のホールの一般通称。

西欧の銘ホールに倣い「ステージ背後」にオルガンテラス・コーラステラスと呼ばれるステージ背後席を設けたホールもある。

代表例としてザ・シンフォニーホール(※ホールNaviはこちら)が挙げられる

第4項『ワインヤード(アリーナ)型』

馬蹄形・とシューボックスホールの折衷のような形式で、ステージ背後にもコーラス席(客席)を設け、基本馬蹄形のように多層えではなく、ステージを取り囲むように天蓋(上層部の軒)の無いテラスが、ブドウ畑(段々畑風)のようにスロープ状に配置されているのでこう呼ばれるようになった。

野球場やサッカースタジアム型式に近い形式である。

代表例として「サントリーホール」(※ホールNaviはこちら)などが挙げられる。

第5項 オーディトリアム平面形状と定在波

オーディトリアム(ホール内部空間)のフロアー平面形状で『扇形タイプ』『シューボックスタイプ』『馬蹄形』『ワインヤード型』などと別れる。

第1目 扇形ホールが有利

基本的に両側壁が完全平行していない「扇形フロアー形状」のホール幅方向定在波が発生しない。

つまり、ステージ背後壁と客席大向こう背後壁間で生じる最悪の「奥行き方向定在波」と床と天井間で生じるZ軸定在波(対抗する完全平行部分の処理)にだけ注視するだけでよいわけである。

第2目 シューボックス長形ホールデザインは不利

当世流行の平土間に近いシューボックスデザインはこの点ではかなり不利で、完全平行部分となりやすい左右両側壁、平土間と天井、ステージ背後(ホリゾント)反響板と客席大向こう背後壁と、X,Y、Z軸すべてにわたり平行面キャンセル手法が必要となってくる。

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★第4節 ステージ形式による分類と留意点

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大きく分けてプロセニアム形式(多目的ホール)とオープンステージ形式(コンサート専用ホール) に分かれる。

第1項 オープンステージ形式

最近のコンサート専用ホールに多く採用されている形式。

広義には、武道館やさいたまアリーナ、よこはまアリーナなどのアリーナ型式に代表されるようにステージと客席を隔てるプロセニアムがなく、ホール全体が一体化したオーディトリアムになっているホールで、ステージ反響板を使用するプロセニアム形式のホールに比べ横断面面積の急変が少なく、洞窟音が無い良好な音響空間が作りやすい。

第2項 プロセニアム形式ホール

多目的公共ホールに一番多い形式で、プロセニアム(額縁)で客室部分とステージ部分が別々の空間に分けられている形式。

第1目 プロセニアム形式ホールにおける留意点  ステージ反響板

1960年代から始まった第1次公共ホール建設ブームの時代に建造されたプロセニアム形式ホールの多くは「多目的(に使い物にならない)ホール」となっている場合が多い、「虻蜂取らず」の典型でもある。

為に以下の点に配慮すべきである。

第2目 可動プロセニアム&自走式を含む重量級反響版は21世紀の必須条件!

「軽量鉄骨フレーム+合板」スタイルの旧来型のステージ反響板では、共振を起こしたり、反射(率)効果が小さいので、できれば側面・背後反響板のみでも木材で表装した発泡コンクリート製重量タイプを採用すべし。

第3目 プロセニアムホールでもオープンステージは組める

最新流行のホール「一体デザイン反響板」に拘るな、重量級のバルクヘッド(隔壁)で舞台とホール(客席)を分離し平土間部分(オーケストラピット部分)に拡張オープンステージを設置(迫り上げて)して一体型ホールとする例も増えている。

1990年竣工川口総合文化センター・リリアメインホール(※ホールナビはこちら)

第3項 平土間多目的イベントスペース

講堂様式・公民館様式平土間ホール

最近の数多く見かけるようになった中小規模の平土間多目的イベントスペースで可変段床アダプタブルステージ(※54)を備えセンターステージ、エンドステージ等のマルチステージが構成でき、ロールバックシステム客席収納(※55)を備えて1スロープの小規模ホールにもなるスペース。フロア形状としてはシューボックスタイプのスペースが多い。

参※54)題7巻 第1節 アダプタブルステージ参照。

参※55)ロールバック方式客席収納システム についてのシートメーカーの解説はこちら。

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公開:2018年8月 6日
更新:2024年12月15日

投稿者:デジタヌ


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