音響研究室便り『旅するタヌキ』

リーデンローズ 《 ホール 音響 ナビ 》 ふくやま芸術文化ホール

,

工業都市「福山市」の誇る広島県きっての文化施設「リーデンローズ」。

嘗て霞町1丁目にあった福山市民会館に変わって、県下有数、県東部きっての「芸術ホール」として1991年12月に松浜町に完成した。

おそらく山陽・山陰地方を通しても「最高の設備と音響」を誇る元福山藩・福山市のご自慢の文化施設。

リーデンローズのあらまし

Official Website http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/r-rose/

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

(公式施設ガイドはこちら)

地上5階地下1階の周囲を圧倒する威容を誇る総合芸術シャトー?

嘗て霞町1丁目にあった福山市民会館に変わって、県下有数、県東部きっての「芸術ホール」として1991年12月に松浜町に完成した。

おそらく山陽・山陰地方を通しても「最高の設備と音響」を誇る元福山藩・福山市のご自慢の文化施設。

(公財)ふくやま芸術文化振興財団により積極的な自主興行が行われている。

2018年より『ばらのまち福山国際音楽祭』(※フェスティバルナビはこちら)が新たに10月のシルバーウィークのコンサート・バーゲンセール?に参入してきた。

リーデンローズのロケーション

  • ところ  福山市松浜町二丁目1番10号

福山駅の東南に位置し、元福山港があった跡地を埋め立て整備したエリア。

旧福山港の名残で、通りを挟んで南側と東側は広島化成、早川ゴム、福山ゴム等の化成工場が囲んでいる。

工場と言っても化成品工業ばかりなので、あっけないほど騒音は少ない。

北側にはポートプラザ日化(イトーヨーカドー福山店・天満屋ハピータウンポートプラザ店)があり、基本的には住宅街である。

リーデンローズへのアクセス

鉄道・バスなどの公共交通

福山駅南口より,徒歩約25分

タクシー約5~10分

路線バス(2011年6月現在)
まわローズ「赤ルート(左回り)」に乗車し「リーデンローズ入口」または「内港バスセンター」で下車。所要時間約10分、運賃150円。
中国バス3番のりば「曙循環線」に乗車し「松浜二丁目」で下車。所要時間約30分、
中国バス3番のりば「新浜循環線」に乗車し「松浜二丁目」で下車。所要時間約5分、
中国バス3番のりば「本庄循環線」に乗車し「入船町二丁目」で下車。所要時間約5分、
中国バス3番のりば「手城経由鋼管病院線」または「旭丘団地線」に乗車し「入船町二丁目」で下車。所要時間約5分、
トモテツバス18番のりば「市内循環(東廻り)」に乗車し「内港センター」または「リーデンローズ前」で下車。所要時間約7分、

マイカー利用の場合

(※駐車設備収容台数 175台 が少ないので公共交通機関利用がおすすめ)

山陽自動車道福山東ICより 約10~15分
   
山陽自動車道福山西ICより 約30~40分

リーデンローズの施設データ

  1. 所属施設/所有者 ふくやま芸術文化ホール/福山市。
  2. 指定管理者/運営団体  (公財)ふくやま芸術文化振興財団/福山市。
  3. 開館 1994年11月2日(完成 1994年10月)開館
  4. 設計  (株)日本設計
  5. ゼネコン 竹中工務店他11社によるJV
  6. 内装(音響マジック) 永田音響設計

付属施設・その他 

館内付属施設 

施設利用ガイド

音響工学から眺めた大ホール

(公式施設ガイドはこちら)

3層バルコニーデザインのホールで、メインフロアー両側に高床テラスを配し、2・3階バルコニー両翼からもテラスを張り出している。

7列目迄続く平土間(内5列迄可動床・オ-ケストラピット&エプロンステージ迫り)部分から続く緩やかなスロープのメインフロアーと2・3階バルコニー構成の常設脇花道を備えた変形6角形の3層プロセニアム形式多目的ホール。

所見

以後のホールデザインに大きな影響と数多くのヒントを与えたホール前半扇形部分

以後のプロセニアム形式多目的ホール建造や、旧世代ホールの改修の大きなヒントととなり、1999年東京文化会館(※ホールNaviはこちら)の大改修や、後年2012年のフェスティバルホール(※ホールNaviはこちら)建て替えなどで用いられたデザイン手法の草分けでもありこのホールの登場以後数多くのプロセニアム形式多目的ホールで採用されている。

ホールと同意匠のステージ反響板

脇花道背後壁と同意匠のステージサイド反響板と、上部プロセニアム前縁に設置された巨大なコーナー反響板と滑らかにつながるように配慮されたステージ上部反響板。

脇花道を利用したエプロンステージ

更には脇花道部分を使用したエプロンステージ(オーケストラピット部可動床)でフルオーケストラにも対応できる広大なステージを持つセミオープンステージのコンサートホールになる。

コーナー反響板から続く大型一体成型天井反響板

客席上部の天井はプロセニアム前面のコーナー反響板同様に緩やかにラウンドした凸面プラスターボード製(※11)の大型一体成型反響板となっている

参※11)アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

変形6角型形状大型ホールの新たなる可能性をひらいたエポックメーカー!

1960年代以降の多角堂デザイン(※12)の集大成ともいえる秀作で、変形6角型のフロアー形状を採用しており対抗する壁面から完全に平行部分を駆逐している。ご立派!

客席背後の壁面をv字型に折り曲げ実質7角型としてステージ背後反響板との間で生じる定在波(※13)にも配慮している。

参※12)当サイト関連記事 第10章 多角堂の持つ魔性! はこちら。

参※13)当サイト関連記事  第1章 standing wave(定在波)は音波とは異なる物理現象! はこちら。

ご自慢のフロアー形状を活かした「すり鉢状配置」座席

ご自慢の「すり鉢配置(ハノ字)」座席で、メインフロアー前半は実質「千鳥配置」座席となっており「緩やかなスロープ」だが「視界も良好」。

また「すり鉢配置(ハノ字)」座席で生じる「谷間効果」(※26)で定在波の音響障害席を回避している。

参※26)当サイト関連記事  第1節 扇状段床座席を用いたホール横断定在波の障害回避策 はこちら。

全周木質パネル壁

ホール壁面全周木質パネルで表装されており、形状と相まって不快な初期反響(※26)を適度に抑制している。

参※27)当サイト関連記事 『第1章 ホールでの過大なエコー(初期反射)による音響障害 はこちら。

特徴ある和風の矢絣(やがすり)壁面

ホール両側壁は45度傾いた斜め配置の棧で装飾した木質パネルを交互に配置し矢絣(やがすり)(※28)模様の壁面としている。

2階バルコニー大向こう背後壁は立て棧を用いたグルービング材(※29)をアンギュレーション(屈曲)させて表装している。

参※28)矢絣(やがすり)についてのWikipediaの解説はこちら

参※29)当サイト関連記事 手法1 「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル  はこちら。

大掛かりな仕掛けだが効果は?...

全フロアー側壁に開閉式の「マジックボックス」(※30)を配してエコー(初期反響)制御の試みと、部分客席使用時に3階バルコニー席から2階バルコニー席を覆う大掛かりな音響カーテンのカラクリ(※31)でエコー(初期反響)抑制を試みている。

参※30)当サイト関連記事 第2節 マジックボックス・残響可変装置?はこちら。

参※31)当サイト関連記事 第3節、真打!可変容積ホール?はこちら。

総評

カラクリが好きな福山市?

ホール壁面全周木質パネルで表装されており、形状と相まって不快な初期反響を最小限にとどめているのに、「何故か」カーテン開閉式の「マジックボックス」が壁面に...。

ひょとしたら当初は「国際会議場」を狙っていたのかも...?

こんなカラクリにかける予算があったのなら、壁面に「音響拡散体」(※32)でも配置したほうがましだった?

更にメインフロアー後半「高床桟敷壁際の席」と2・3階大向こうは通路にして欲しかった、この部分の天井(軒先)部分が低すぎる!

参※32)当サイト関連記事 第3節 音響拡散に用いられる壁面装飾オブジェ"音響拡散体" はこちら。

さらに首をかしげたくなる部分も!

更にここまで手の込んだ?デザインを施すぐらいなら、メインフロアー両サイドの高床桟敷は2階テラス同様に背後壁面添わせるべきであった!

そうすればメインフロアーから定在波そのものを完全に駆逐できた!

「プロモーター」や「呼び屋」の「甘い誘い」である収容人員2000席にこだわらずに1800席程度で押さえておけば座席配置に無理のない「文句無しの広島県きっての芸術会館」になっていただろうに残念!

デザイナーは「してやったり...」とご自慢らしいが、メインフロアーのⅤ字配置。

東京文化会館(※ホールナビはこちら)を例に挙げるまでもなく、多角堂や、長型ホールでは昔からよく用いられる手法で、一種の逃げ。

※画像をクリックすると拡大できます。

valley_effect.jpg

このホールでは、平面形状が6角堂だが変形してあり、基本完全並行する対抗壁面は最初からない!

なのに「なにを血迷ったのか?」わざわざメインフロアー両袖の「高床テラス部分」を平行に配置してしまっている!さらに「桟敷床囲い」を垂直にデザインしている、ために8~32列部分の座席が完全に並行壁で挟み撃ちになっている。

で座席はこの対策としてV字状に座席を配置し、合わせて全席千鳥配置を実現して意気揚々のご自慢のようだが?

定在波対策についての考察

唯一残された完全平行壁部分の幅
  • 後半19列から32列の高床囲い際席14X2=28席
  • 壁間間隔 28m
  • 定在波周波数成分;6.2Hz/0.5λ、12.4Hz/1λ、18.5Hz/1.5λ、25Hz/2λ、
  • 壁面高さ約2m 反射限界波長 (周波数)約8.7Hz!

赤字は健康被害につながる可聴帯域外の低周波振動

この壁面高さ(幅なら)波長2m約174Hz以下の音波は反射しないだろう(※33)という「確信犯」のようにも受け取れるが、数学的にも実験的にも1/20λ以上の反射面があれば微弱ながら音波(エコー)は反射する!しかも、定在波の主成分の重低音域では人の聴覚のラウドネス特性(※34)の関係でフォルテッシモではピアニッシモの+130dB(300万倍!)もの強烈な音圧(音量)になり簡単に定在波の引き金になる!

つまりこのホールではバスドラムの強打一発で健康被害に(※35)に結び付く6.2Hz/0.5λ、の定在波が生じることになる!

※クリックすると階大画像が見られます。

standing_wave.jpg

初期反響対策も含めて壁面は最低でもグルービング材、で表装し外反スラントさせ、前半18列迄と同様に壁面からの強いエコー対策の上でも通路にするべきだった。

チケット購入時には、前途した座席は避けたほうが賢明だ!

参※33)当サイト関連記事 第2節 反射面の幅 と反射波の周波数限界はこちら。

参※34)ラウドネス特性に関する国立研究開発法人産業技術総合研究所の公開ページはこちら。

参※35)当サイト関連記事  第3節 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害! はこちら。

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点69点/100点満点中

※1831席(うち車椅子席3席・移動席12席含む)のエプロンステージ付きコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 音響障害エリアについて

「以下の座席ブロック」を個々の音響障害ブロックと見做します。

  • ●メインフロアーは「平土間部」「スロープ部」を夫々別ブロックと見做します。
  • ●上層階バルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ●サイドテラス(桟敷席)は各階の左右を夫々別ブロックと見做します。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別ブロックと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点15点/配点25点

※以下詳細は第1節 「初期反射」軽減対策評価:配点25点をご参照ください。

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装の表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に音響障害客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点40点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • 扇形ホール・スラント設置壁以外「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で保護!されていない全席を定在波音響障害席と見做します。
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントします。
ストレート段床部

全席定在波音響障害席と見做します。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部がスラント天井がまたは波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点9点/配点20点

※以下詳細は第3節 「音響障害と客席配置」に対する総合評価:配点20点をご参照ください。

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※配点から障害エリア数を引いた持ち点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点5点/配点上限5

※以下詳細は「後期残響」への配慮評価点:配点上限5点をご参照ください。

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

初期反射対策評価

※客席フロアー壁面にプレーンな木質パネルが認められたので規定により素材持ち点20点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

1)ホール後端部の"釣鐘現象"音響障害席 ;0?席(v字凹面設置、縦格子、吸音壁構造で音響障害被害は無いとした?)

2)側壁初期反射音響障害席 ;?28席/1F19列~32列両側壁際(車椅子席含む)

3)天井高さ不足音響障害(2.5m 以下)席;48席(6席/1FサイドLB・RB15列全席、42席/2Fバルコニー席L・R7列全席、)

重複カウント ;ー0?席

音響障害席総計;76?席

定在波対策評価

基礎点B1=基礎点5点ー障害発生エリア数7=43点

1)間口方向定在波音響障害席;119?席

(a)メインフロアー、各階ベランダ部分;101?席

(48席/1階スロープ前半R/L8列~31列両端席、33席/1階スロープR/L32列全席(車いす席含む)、16席/3階ベランダ部分L・R5列8~8番席、4席/3階ベランダ部分L・R6~7列両端席、)

(b)サイドテラス(桟敷)部分;18?席

(8席/1階サイドテラスRB/LB3列3全席、4席/1階サイドテラスRB/LB1~ 2列1番全席、2席/2階サイドテラスLB/RB3列16番、4席/2階サイドテラスLB/RB2列18番~19番、)

2)奥行き方向定在波音響障害席;0?席

3)上下方向定在波音響障害席;0?席

重複カウント ;ー0席

定在波障害顕著席総計;119?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数10=10点

眺望不良席数;0席/1階平土間中央部座席

初期反射音響障害席 ;76?席

定在波障害顕著席 ;119?席

重複カウント ;ー28席

音響障害席総計;167席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

大ホールの施設データ

ホール様式

変形6角形プロセニアム型式多目的ホール。

客席 
  •  3フロアー 収容人員 2003名、
  • 1・2・3階テラス席(桟敷席)、1階前半実質千鳥配列、
内訳
  • 1階 1,293席  (オーケストラピット・エプロンステージ使用時は172席減)※うち車椅子席3席・移動席12席
  • 2階  404席
  • 3階  306席

舞台

  • プロセニアム形式(常設脇花道付き)
  • 間口約40m奥行き約20m2面舞台相当、
  • 可動プロセニアムアーチ:間口:20m(~16m) 奥行:20m 高さ:10m(~7.2m)、ブドウ棚(すのこ)、小迫り、ステージ反響版、オーケストラピット&エプロンステージ(可動床迫り)、残響可変装置(1.4~2.0秒)
各種・図面・備品リスト&料金表
その他の設備 、
  • 楽屋x6、

大ホールがお得意のジャンル

広島交響楽団の福山市における定期演奏会場。

松竹大歌舞伎地方公演の舞台となっている。

オーケストラコンサート、オペラ・バレエ公演以外にもソリストのリサイタル、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

大ホールで開催されるコンサート情報

チケットぴあの該当ページはこちら。

音響工学から眺めた小ホール

(公式施設ガイドはこちら)

基本的には1スロープオープンステージのシューボックスホール。

バタフライタイプのステージ反響板の最前部を前方に開いてサイドプロセニアムとし、プロセニアム型の小ホールとしても使用出来るが舞台袖のスペースは"0"に近いので舞台セットを用いる演劇には不向き。

客席側壁はプレーンな木質パネルをアンギュレーションを付けて表装している。

上層部側壁はフラットパネル。

客席最後列大向こう席背後壁は上層部に設置された操作室が前方にはり出した2段構えで、全面音響グリルで表装した吸音壁と成っている。

天井は1体型のアンギュレーションを付けた大型反響板。

2階床相当部分周囲に設備点検用のテラスを張り巡らせている。

全体的に丁寧な設えの音楽ホール。

総評

N田音響にしては珍しく音響拡散体(※13)の少ない「薄化粧」のスッピン美人で、肉声の通りも良い。

但し、施工が厄介な?「壁面スラント処理」がお嫌いなN田音響さんの作品は、基本定在波には弱い!

1/2波長以上の波長を持つ音波は反射面を無視する!(※12)

高調波成分定在波を含め当ホールでは134Hz以下の定在波には対策効果は低く、台形の平面形状をしたステージ上を除き5.5λ;133Hz以下の高調波定在波が生じていると思われる

  • 使用パネル幅約1.3m 想定反射限界周波数 約134Hz
  • ホール間口:14.4m 想定定在波周波数;約24Hz/1λ、36Hz/1.5λ、48Hz/2λ、31Hz/2.5λ、73Hz/3λ、97Hz/4λ、121Hz/5λ、133Hz/5.5λ
ホール音響評価点:得点87点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点49点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点22点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点13点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

算出に用いた値;
定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数1=49点

定在波障害顕著席数;0?席

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

初期反射障害1 壁面障害席 ;0席

初期反射障害2 天井高さ不足席;24席/1階大向うL・R13列全席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;24席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

眺望不良席数;60席/1F平土間中央部座席L・R1~6列1~5番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;0席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;24席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;84席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

小ホールの施設データ

  1. ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   1フロアー 収容人員 312席 うち移動席24席、
  3. 舞台設備 オープンステージ形式、プロセニアムアーチ:間口:14.4m 奥行:7m 高さ:11m、ブドウ棚(すのこ)、可動反響版、
  4. その他の設備 、楽屋、
各種・図面・備品リスト&料金表

小ホールがお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサート、ジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

小ホールで開催されるコンサート情報

チケットぴあの該当ページはこちら。

練習室(リハーサル室)

(公式施設ガイドはこちら)

2室の練習室を備えている。

練習室大;223㎡(約140畳) 

バレエ・ダンスレッスンバーを装備した壁面ミラー(カーテン付き)を備えている。

天井は低いが鏡面以外の対向壁面と片サイド面にはアンギュレーションを持たせている丁寧な設え。

練習室小;98㎡(約59畳)

全周有孔音響ボードで表装された。アンギュレーションを持たせた2面を持つ遮音(吸音)構造を持つ。

の大練習室との小練習室の2つの練習室を備える。

練習室大ルーム音響評価点:90点

※会議室、宴会場、展示会場などがメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。

§1,「定在波対評価点:45点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:45点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
練習室小ルーム音響評価点:80点

※会議室、宴会場、展示会場などがメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。

§1,「定在波対評価点:40点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:40点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

豆知識

デジタヌの独り言

小生40代の頃(1990年代)このホールの完成前後、検査機器メーカーのセールスマンをしていた小生はこの町を良く訪れた、当時は広島営業所にもっぱら立ち寄ってから所長共々の訪問であったので、部分開通していた山陽自動車道福山東インターから県道380号244号経由で訪問していた。

やたら広くて、ビルが殆どない工業城下町という印象が強かった。

1994年の年末にこんな立派なホールが完成していたとは気づかなかった。

リーデンローズのある福山市とは

※タウンヒストリアはこちら。

推計人口、463,618人/2017年10月1日。

福山ー広島 1時間59分/1940円/JR在来線/103km

福山ー品川 3時間29分/17660円/新幹線/784.4km

広島県の東端に位置する市でお隣は岡山県。

『JFEスチール』最大の「西日本製鉄所」(福山地区)を持つ製鉄所城下町。

福山市のこれまで

明治維新の廃藩置県により福山県が誕生し当時の福山町が県庁所在地に成ったが、同年深津県へ改称され翌年深津県と倉敷県が統合し小田県となり県庁は小田郡笠岡町に移転。更に1875年に小田県ごと岡山県へ編入され。翌年1876年に成って現在の広島県に移管された。

1965年に当時の日本鋼管福山製鉄所(現JFEスチール)が開所し町の経済を支えるようになり、1998年4月1日 - 中核市となり、旧備後国旧福山藩領の「中心地・独立した地方都市」としての性格を強めている。

リーデンローズこれまでの歩み

1966;霞町1丁目に大・小2つのホールを備えた福山市民会館が開館。

1991年12月 かつての福山港跡地の埋め立て地に港湾再開発の目玉施設として着工。

1994年10月に竣工、1994年11月2日に開館した。同時に霞町1丁目にあった福山市民会館を閉館した。

 

公開:2017年9月10日
更新:2021年1月11日

投稿者:デジタヌ


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