狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

ザ・シンフォニーホール/大阪市内 《ホール音響Navi》

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カラヤンと共に過ぎ去った?栄光の日々...

日本の欧風シューボックスコンサートホールの元祖?

「1982年竣工でも国内最古!?を誇る「元祖シューボックス型オープンステージ・コンサートホール」。

かつて、日本のクラシック音楽界のメッカとして君臨したが、近隣都市に競合が続々と現れ「アクセスの悪さ」とフェスティバルホールと並んで「べらぼうな高額使用料」が災いして、プロモーターからは嫌われ、ついには「学校法人」に買い取られ、主に「講堂」として"校内行事"に使われている施設。

序曲  ザ・シンフォニーホール

Official Website http://www.symphonyhall.jp/

(公式施設ガイドはこちら)

あらゆる意味でその後の「日本のコンサートホールデザインのひな形」となった。

国内初の「天井の高い」本格的「シューボックスコンサートホール」

日本各地に「オープンステージ・コンサートホール」が建設される先鞭をつけたホール

このホールの成功で、以後日本各地にコンサート専用ホールを建設する機運が高まり、「サントリーホール」を始めとする数多くのコンサート専用ホールが建設される先鞭をつけたホールでもある。

ザ・シンフォニーホールのロケーション

所在地 大阪府大阪市北区大淀南二丁目3-3。

ザ・シンフォニーホールへのアクセス

電車をご利用の方
  • ●JR大阪環状線 福島駅から北へ徒歩約7分。
  • ●JR東西線 新福島駅 1番出口から北へ徒歩約10分。
  • ●阪神電車 福島駅 2番出口から北へ徒歩約10分。
  • ●JR大阪駅から西へ徒歩約15分。
電車をご利用の方
  • ●大阪市バス:JR 大阪駅・歩道のりば
  • ●(駅東側の高架下)から 41系統 大淀南1丁目下車。
  • ●阪急バス:JR 大阪駅・北側バスターミナルから
  • ●18系統 大淀南1丁目下車。

ザ・シンフォニーホールがお得意のジャンル

在阪オーケストラがフランチャイズとして使用

現在、大阪交響楽団関西フィルハーモニー管弦楽団、日本センチュリー交響楽団の在阪3団体がフランチャイズとして、定期演奏会に使用している。

オーケストラコンサート、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなどが行われている。

プロ演奏団体、以外にも数多くの(見栄っ張りの?)アマチュア団体が利用している。

ザ・シンフォニーホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

第1幕 ザ・シンフォニーホール の音響デザイン

脇花道がある過渡期を感じさせるデザイン

オープンステージなのに「脇花道?」がある過渡期を感じさせるデザインのホールでもあり、高い天井、2層のスロープと、3層(2段)のサイドテラス、ステージ背後のテラス席、パイプオルガンをなどを備えた国内初(※11)のシューボックス型オープンステージ・コンサートホール」として1982年に登場した。

参※11)但し日本では「平土間と長形ホールの組み合わせ」が良い音響を生むのは経験的に"芝居小屋"の長い歴史の中で知られていた。

参※11)当サイト関連記事 伝統的芝居小屋こそ地方で役立つ "真の多目的ホール" では?はこちら。

2フロアー3層構造のオープンステージコンサートホール

座席配置

メインフロアー

最前列から3列が平土間となっており、4列目から緩やかなスロープの扇形段床となっている

2・3階バルコニーテラス席

8列8段のメインバルコニー以外にも、ステージ背後に4列4段のオルガンテラス席が設けられている。

更に両側壁2階部分に3段3列の、3階部分に2段2列のサイドテラスが配置されているが高い天井をりして、各軒先は十二分に高く天井障害は排除されている。

壁面間際は基本通路で壁面からの初期反響を緩和

2階大向こうHH列とメインフロアー後半スロープ部J列以降を除き壁際は基本通路となっており、背後壁の影響を受けないデザインになっている。

又メインフロアー最前列AれつからI列までの両脇部分はステージから続く脇花道?になっており、2階サイドテラスの軒先の影響を全く受けないデザインとなっている。

更に各フロアー共に扇形段床を採用し、サイドテラス席もやや内側をむいた「ハノ字配列」になっている。

垂直でプレーンな壁面

台形ステージ周辺の側壁部以外は、西欧の有名シューボックスホールに倣い基本「壁面は垂直・左右幅方向完全平行壁」で構成されたシューボックスデザインになっている。

ホール大向こう部背後壁面を除きオーディトリアム周辺はプレーンな垂直木質パネルで表装されている。

中層部に当たる2階バルコニー席壁面上部には全周に渡って「装飾梁」がめぐらされ、最上層部壁面は天井とつながったプラスターボード(※12)製の反響板になっている。

※12、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

台形ヴォールト天井を備えた高い天井

その後に続く愛知県芸術劇場(※ホールNaviはこちら)やりゅーとぴあ(※ホールNaviはこちら) にも多大な影響を与えたと考えられる天井は、周辺壁面最上層部からラウンドした「超大型コーナー反響板」が折り返すように連続して立ち上がり中央部分が特徴ある「台形ヴォールト(※13)」を備えた高い天井となっている。

参※13)当サイト関連記事  第1項「ドーム、ヴォールト」等のアーチ天井 はこちら。

幅20m超のセオリーで定在波対策

ステージ周辺側壁は台形でハの字になっているが、ホール全長の2/3に当たる側壁がスラント処理もないプレーンな垂直壁面となっている。

※しかも表装は石材!

1F側壁は表面研磨した「テツツルてん」の人造大理石!

2F以上は、表面に凹凸処理を施した(と言うより表面研磨していない素肌の"大谷石")

本ホールの定在波対策は後発のオーチャードホール(※ホールNaviはこちら)同様に間口幅20m超の伝承手法で貫かれ、一応ホール後部の3階部分に当たる側壁には多数の逆山形の窪み?は設けられているが、音響拡散体(※15)として機能させることが目的で定在波対策(※16)ではない!

このことが、それ以降のホールデザインで、ある種「エコー重視」「定在波対策無視」のデザインのホールを増産したようにも感じている。

「音響拡散体」という化粧品で厚化粧して「エコー美人」をよそおっても、定在波の悪影響で素顔(音色)が崩れていたのでは本末転倒!

参※15)当サイト関連記事 第3節 音響拡散に用いられる壁面装飾オブジェ"音響拡散体" はこちら。

参※16)当サイト関連記事  第3章 ホールデザインの基本"定在波の根絶・阻止・駆逐" 法

コンサート専用ホールの定番ステージ背面へのオルガン設置

ステージ背後の壁面にはスイスのクーン社製パイプオルガン(3段鍵盤・54ストップ・パイプ数3732本)が設置されている。

国内初の釣鐘現象対策を施す

国内のホールで初めて釣鐘現象(※17)に着目して、大向背後壁面に凸型連続壁を用いていますが...

結果、巨大なホールであるにもかかわらず、隅々までオーケストラの迫力ある音を響き渡らせることに成功したそうですが...???

参※17)当サイト関連記事 『第2節 定在波音響障害とよく似た釣鐘現象 はこちら。

第2幕 ザ・シンフォニーホール の音響評価

2021年11月20日の実地調査・コンサート体験(H列16番で鑑賞)結果に下ずく評価

や~ブッタマゲタ!

今回、お勧めゾーン?で改めてコンサート鑑賞してみたが、「こんなにもひどい音響」のするホールを、「世界水準・日本の宝」等と持てはやしていたのか...」とつくづく感じ入った次第!

実に特徴のある癖の強い音響特性???

本日のプロはピアノ協奏曲3曲!と言う豪華なプロ?

ステージ中央部に配置されたスタインウェイのフルコンサートグランドは意外と響かなく、細かいパッセージの一音々が聞き取れる、歯切れのよい音響だったのですが...

どういうわけか、重低音がまるで響かない。

極端に言えばアップライトのような響き!

※当日は数ある所蔵品の中から、スタインウェイのフルコンサートグランドが用いられていました。)

それでいて...

ステージ後端に配置されたバスドラムと、ステージ下手の低弦(コントラバス)がやたらと大きな音がする。(聞こえる)

オーディオ的には、「ラウドネスコントロール」をONにしたような音響。

重低音域40Hzから100Hz辺りが盛り上がっているのだろうが、とても3プルト(6人)しか奏者がいないオケとは思えない!

それでいて、前途したようにステージ中央部に配置したコンサートグランドの重低音が響かない!

ご自慢のRT60残響測定値も、場所に依って可成りばらつきがあるようで...

但し、前途しました容易、小生の座った位置では、高周波領域の減衰特性は良いようで、「残響2秒以上」にしては、楽音の主成分領域は、よくダンプ(減衰)されており、フォルテッシモの跡の休止符の静寂感もよく出ていて、フェスティバルホールより好感が持てる感じでしたが...

以前、2階のサイドテラス席で聴いたとき記憶では、残響がかなり耳障りだったように記憶しています。

その他

1階メインフロアーの後半部分両側壁部、さらに2階バルコニー席の大向部までびっしり客席を詰め込んだのはいかがなものか。

特に元々廊下であった?メインスロープの両袖部は壁面からの"ものすごい"初期反響"で長時間聴取には耐えられないでしょう!

参※21)当サイト関連記事  第2章 定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』

※但し、このシュミレーションは周波数と高度差を加味しない平面的なものなので、実際の聴取位置(耳の高さ)では中央部に関する悪影響は出ていないはず。

今後「床面からの高さ」を加味した音響シュミレーションのアルゴリズム(計算手法)の開発が待たれるゆえんでもあります。(※22)

参※22)当サイト関連記事 RT60残響測定と現状のコンピューターシュミレーションの問題点はこちら。

現状では

メインフロアーのj列より前方と1・2&39・40番席は避けたほうが賢明と言える。

(多分「武漢ウィリス」対策だと思われるが)当日「左右壁面間定在波の影響がない」A・B列は、立ち入り禁止未発売(未使用)になっていた。

ハッキリ言ってフェスティバルホールのほうがまだまし!

大阪市を代表する「2大ホール」として、「関西のクラシック音楽界」に君臨してきたわけですが...

ザ・シンフォニーホールの幻影は「ヘルベルトフォンカラヤンと共に昇天した!」と考えたほうが良いでしょう。

ザシンフォニーホールが凋落?したのは、フェスティバルホール(※24)同様に、大阪・梅田駅からアクセスが悪く、兵庫芸文(※25)・京都コンサートホール(※26)などの後続の新興勢力に客層(サラリーマン)を取られたためとわれていますが...

それだけではなく、オーディエンスが「都市伝説」そのものの"噓"に気付いて、敬遠しだしたからでしょう!

前途したように"日本のオーケストラコンサートの殿堂"「サントリーホールよりも高額な使用料」に加えて、トイレがない・エスカレーターが完備されていないなっどの設備の悪さ(特にトイレが徹底的に少ない!)、何より「音が悪い(これなら優れた録音藝術を優れたヘッドフォン(※27)で聴取したほうがよほどまし!)」ことが広まり、「外タレの高いチケット」が売れなく(プロモーターから敬遠)なって地方都市のマイナーなホールとなったのでしょう。

参※24)当サイト内関連記事 フェスティバルホール 《 ホール 音響 ナビ 》 はこちら。

参※25)当サイト内関連記事 兵庫県立芸術文化センター 《 ホール 音響 ナビ 》 はこちら。

参※26)当サイト内関連記事 京都コンサートホール 《 ホール 音響 ナビ 》 はこちら。

参※27)当サイト内関連記事 SONY WH-1000XM4 《 ノイズキャンセリグヘッドフォン 購入レポート》第3章 内蔵DACの実力は... はこちら。

定在波対策についての考察

側壁平行部分(間口方向)

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

メインフロアー平土間部側壁平行部分(C列)

  • 側壁間約25m;
  • 定在波周波数成分;約7Hz/0.5λ、約14Hz/1λ約21Hz/1.5λ、約28Hz/2λ、
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避

メインフロアースロープ前半側壁平行部分(D~I列)

  • 側壁間約25m;
  • 定在波周波数成分;約7Hz/0.5λ、約14Hz/1λ約21Hz/1.5λ、約28Hz/2λ
  • ※一応扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避しているつもりらしいが...???

メインフロアースロープ後半側壁平行部分(J~V列)

  • 側壁間約25m;
  • 定在波周波数成分;約7Hz/0.5λ、約14Hz/1λ約21Hz/1.5λ、約28Hz/2λ
  • ※一応扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。

2Fサイドテラス平行部分

側壁平行部分(後列)
  • 側壁間約27m;
  • 定在波周波数成分;約6.5Hz/0.5λ、約12.9Hz/1λ約19.4Hz/1.5λ、約25.8Hz/2λ、
  • ※両側壁の表装(アンギュレーション処理)で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避
3Fサイドテラス部側壁平行部分(後列)
  • 側壁間約27m;
  • 定在波周波数成分;約6.5Hz/0.5λ、約12.9Hz/1λ約19.4Hz/1.5λ、約25.8Hz/2λ
  • ※両側壁の表装(アンギュレーション処理)で高次定在波抑制?
  • 前列はスロープで回避
2Fバルコニ平行部分
3Fバルコニー部側壁平行部分(★~★列)
  • 側壁間約27m;
  • 定在波周波数成分;約6.5Hz/0.5λ、約12.9Hz/1λ約19.4Hz/1.5λ、約25.8Hz/2λ
  • ※両側壁の表装(アンギュレーション処理)で高次定在波抑制?。
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。
奥行き方向想定定在波
1F(1F大向こう壁面→コーラス席)
  • 客席スロープで抑止。
  • ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(波状・アンギュレーション)で抑制。
2F(2階大向こう壁面→コーラス席背後壁面
  • 最大奥行き約52m;
  • 定在波周波数成分;約3.4Hz/0.5λ、約6.7Hz/1λ、、
  • 客席スロープで抑止
  • ※高次定在波はオルガン前面と、大向こう背後壁面処理(波状・アンギュレーション)で抑制。

平土間床→天井最高部高さ方向

  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※高次定在波はスラント設置天井で抑止・抑制

赤字は可聴音域外低周波振動。

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点71点/100点満点中

※1705席(車椅子スペース台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 障害エリアについて

「以下の座席エリア」を個々の障害エリアと見做します。

  • ●メインフロアーは平土間部・スロープ部、左右サイドテラス(桟敷席)を夫々別と見做します。
  • ●上層階はバルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別エリアと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点11点/配点25点

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点32点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • スラント設置壁(および1.8m幅以上のアンギュレーション設置)以外の「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で保護!されていない全席を定在波音響障害席とする
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントする。
ストレート段床部

全席を定在波音響障害席とする。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部の天井がスラント設置または波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点9点/配点20点

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点5点/配点上限5

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

初期反射対策評価

低得点表装石材フラットパネルが認められたので規定により素材持ち点 13点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点13点ー障害発生エリア数1=12点

1)側壁初期反射障害席 ;26席/1階J~V列1&40番席

2)背後壁初期反射障害席 ;0?席

3)天井初期反射障害天井高さ不足席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;26?席

定在波対策評価

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数8=42点

1)間口方向定在波音響障害席;
(a)メインフロアー、各階ベランダ部分;302席

1階平土間席(B→D)中央全席&両袖:98席

1階スロープ前半(E→I)全席:190席

1階スロープ前半C~V列両端、14席/2階ベランダ部分AA~GG列両端、6席/2階ベランダ部分GG列両端、)

(b)右サイドテラス(桟敷)部分;53?席

3席/2階右サイドテラスRCブロック13番~15番、24席/2階右サイドテラスRD~RGブロック後列全席、26席/3階右サイドテラスRRC~RRFブロック後列全席

(c)左サイドテラス(桟敷)部分;53?席

3席/1階左サイドテラスLCブロック13番~15番、24席/2階右サイドテラスLD~LGブロック後列全席、26席/3階右サイドテラスLLC~LLFブロック後列全席

2)奥行き方向定在波音響障害席;0?席

3)上下方向定在波音響障害席;0?席

重複カウント ;ー2席

定在波障害顕著席総計;408?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数8=12点

眺望不良席数;36席/1階平土間中央部座席B~D列15番~26番

初期反射音響障害席 ;26?席

定在波障害顕著席 ;408席

重複カウント ;ー36席

音響障害席総計;434席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

ザ・シンフォニーホール の施設データ

Official Website http://www.symphonyhall.jp/

  1. 所属施設 ザ・シンフォニーホール。
  2. 運営団体 (株)ザ・シンフォニーホール
  3. 開館   1982年
  4. 設計施工 大成建設株式会社
  5. 音響設計 石井聖光
  6. ホール様式 『シューボックスタイプ』音楽専用ホール。オーディトリウム推定最大幅約25mx2階部分推定奥行き(オルガン背後壁面まで)約52m
  7. 客席 2スロープ3層 (1バルコニー。2サイドテラス)定員1845名(補助席含む)固定席座席数1704席 身障者設備あり(座席表はこちら
  8. 舞台設備 、オープンステージ幅24メートル、奥行12メートル オーケストラひな壇迫りx3、ピアノ迫り、舞台平面図はこちら
  9. その他の設備 パイプオルガン
  10. 付属施設 楽屋x9、応接室、主催者控え室、ティーラウンジ、
  11. 賃貸料金表はこちら。

終幕 今後の改修に期待する

2012年9月28日 朝日放送が学校法人滋慶学園グループに売却する際に、収容人員水増し!の為に大幅な"施設改悪"を行い、オリジナルの良さを台無しにしてしまった!が...

再度、以下の点を改修すれば、"往時の名声"をとり戻せることであろう!

どうせチケット完売が難しい?団体が多いので、当分は前途したしーとの発売は見合わせるべきであろう!(というより、チケット購入しないほうが無難!)

大阪初の全席プレミアムシートの「100点満点ホール」実現のために

これだけ「手間暇かけた」ホールなのに、両側壁が、垂直・完全並行なプレーンな壁面なのは、当時の音響設計責任者元東大生産研 石井聖光氏の回想録にも記されているように、当時のオーナーであったXX放送の社長の"傲慢"とも言える音響特性の目標値「満席時残響時間2秒以上」の設定が影響したようである!

出来れば側壁は最新のグルービングパネル(※31)で表装し直せば、真の銘ホールが誕生するであろう。

参※31)当サイト関連記事 手法1 「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル  はこちら。

メインフロアー前半スロープ中央部の千鳥配列化

メインフロアー前半中央部分はオーチャードホール改修時に行われたように、遇数列B列から1席を撤去し千鳥配列座席に改修すべきである。

前部スロープ平土間部分の両側壁の外傾スラント設置化

前方A・F扉前方の両側壁を木質グルービングパネルの外傾スラント設置または、縦格子の2重壁(吸音壁)に改修すればメインフロアー前半の音響は飛躍的に改善する!

後半スロープ部の両袖席の撤去

J列以降のスロープ後半部分も改悪して増やした「けち臭い座席配列」を再度改修して、両側壁際を通路の戻し、両壁際席を撤去すれば、各列2席減都合26席減程度で事足りる。

内壁の外傾スラント設置化

両側壁のシートを撤去した跡に前途した木質グルービングパネルの外傾スラント設置または、縦格子の2重壁に改修すればメインフロアー全体の音響は飛躍的に改善する!

(建設当初に戻る!)

2階バルコニー最後列HH列の撤去

更に2階バルコニーHH列30席は撤去すべきであり、都合1Fで20席2階で30席都合50席減の固定席1676席とすれば「全席プレミアムシート」の100点満点ホールが実現できる!

どうせ学校法人の客(学生)寄せパンダ施設なのだから、学校催事の時は補助椅子できり向ければ何とかなるし、現状だと態々チケットを買ってコンサートに来られる「神さま(お客様)」に失礼ではある!

カーテンコール 「 ザ・シンフォニーホール 誕生に関する数々の逸話」

日本初の本格的シューボックス型コンサート専用ホール

1982年に当時の事業主朝日放送が開局30周年記念事業の一つして、「世界一美しい響き」を目標に、ホール設計に西洋からもたらされた「残響の概念」(※41)を導入し、当時の欧米の一流ホールを参考に1つ1つ手探りでデザインし、本体竣工後も音響測定実験を行い「修正チューニング」を繰り返しながら完成させたホール(※42)。

※41、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

※42「ザシンフォニーホール誕生裏話」に関連する「日本音響学会誌」(2011年67巻2号)への寄稿記事はこちら。(P94最後部からP95にかけての数行参照) この記事からも明らかなように「音の良いホールの条件"残響2秒以上"」はひとりの「マスコミ関係者が言い始めた根拠に乏しい数値にしかすぎません!

欧米の銘ホールを歴訪しデータ収集

「世界一美しい響き」を目標に掲げ、設計(デザイン)に先立ち当時の朝日放送社長が団長となり大成建設㈱と石井聖光先生のグループで作られた調査団がヨーロッパ・アメリカの名高いコンサートホールを歴訪し、当時の最新鋭機器で「音響測定データを採取」して持ち帰った。

その際、銘ホールの数々を訪れ「いたく感激した団長の個人的趣味(憧れ)」で音響特性の目標値として「満席時残響時間2秒以上」(※43)が設定された。

参※43)当サイト関連記事 序章 都市伝説「音の良いホール の条件 残響時間2秒以上 」 は本当か?はこちら。

音響デザイン創生期 の数多くの新しい試み

1/30スケールモデルによるモデル実験

今ほど高性能コンピューターが発達・普及していなかった当時としてはコンピューター・シュミレーションに頼るわけにも行かず、1972年のNHKホールデザイン時にNHK放送技術研究所が初めて採用した1/30スケールモデルによるモデル実験の手法を改良し「窒素ガスを充填する手法」を編み出し、長期に渡る入念な実験結果に基づき、ホール容積、間口(幅・高さ)奥行き、壁面素材・形状、シート材質など、試行錯誤しながら、今となっては「当たり前のホール設計手法」(※44)の数々を手探りで開発し、デザインに取り入れたと伝えられている。

参※44)当サイト関連記事 第5章 芸術ホールにおける"オーディトリアム"の音響デザイン・コンセプト はこちら。

ザ・シンフォニーホール 成功の功罪

都市伝説「残響時間2秒異常!」信奉も広げてしまったホール

当時のオーナーであった某在版放送局社長が思いつき、会社ぐるみの大キャンペーンでプロパガンダてされ全国に広まりその後に絶対的にまでなった「作られた都市伝説」 の誕生。

人は「一番最初に接した情報」と「繰り返し暗示」に弱い!

捏造された「ザ・シンフォーニーホール」都市伝説は、「一番最初に接した情報」と「繰り返し暗示」に弱い!と言う、「人間の思考特性」を如実に表した代表例でしょう!

赤色民法?ABCの社長が作り出した都市伝説"「音の良いホールの条件、残凶時間2秒異常"!」を繰り返し繰り返し「ラジオ放送で耳にして」"暗示"(リフレイン効果)を受けた一般人は「自らの感性」を否定して、「でたらめな音響」を素晴らしい音響と勘違いさせられてしまうわけです!

紛い物の「模倣ザ・シンフォニーホール」増産の悪影響も

このホールの成功で、その後、「音響実験も行わず、見てくれ」だけをまねた「紛い物のシューボックスホール」や石造りの物まね「巨大エコールーム紛いホール」(※46)が増産される結果ともなった。

絶対容積が小さく天井も低いのに「2層3重のテラス構造と大型1体構造天井」だけをまねた1992年開館の 愛知県芸術劇場・コンサートホール(※ホールナビはこちら)や同じく客席を増やす目的だけの2層3重テラスデザインの1998年開館の「横浜みなとみらいホール」(※ホールナビはこちら)などなど...。

ディティールから学ばす、スケールモデルによる音響実験も行わず事前に音響シュミレーションすら行わない様な「CAD操作(3Dコンピュータ作図ソフト)」だけによる「冗談・紛い物ホール」が続出したのも事実ではある。

いずれにせよ、良きにつけ、悪しきにつけその後のホールデザインに「多大なる影響」を及ぼした「(はた)迷(惑な)ホール」であることは間違いない!

※46、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

「カラヤンが絶賛した?」事になっている「音楽専用ホール」ではあるが...

故H.V.カラヤンのインタビューを引き合いに出し喧伝に利用して作られた「都市伝説・銘ホール伝説?!」

故H・V・カラヤンの来日公演の折に『ウィーン楽友協会大ホールに比肩するほどの音響』と絶賛した?と報じられ有名になったコンサート・ホールでもあるが...。

但しご本人はあくまでステージ(指揮台)上での「指揮者としての音響フィードバック」を、単にウィーン楽友協会大ホールを「思い起こさせる...」程度の表現で軽く引き合いに出しただけで...格別の感慨はなかったようである!

しかしこの「引き合い発言」がその後「とんでもない誤解」を生み、シューボックス形状だけをまねた、全面タイル張りの「巨大エコールーム紛い」仕様の「紛い物巨大カラオケ音響ホール」の増産にも繋がってしまった!

誕生以来35年を経て新設された近隣都市のホールに水をあけられる

誕生以来35年を経る内に京阪神の近隣都市には、2000人超の大型コンサートホールが次つぎと新設され、演奏家と聴衆の支持?にもかかわらず、高額なホール使用料(公式利用ガイドはこちら)も災いしプロモーターや呼び屋(weblio辞書)からは、

『興業的に成立しにくい!』

と次第に敬遠されるようになり年間稼働率が低迷しだして採算が悪化し、運営母体だった朝日放送が手離して「学校法人グループの企業」の手に渡った「商業ホール」でもあります。

ザ・シンフォニーホールのこれまでの歩み

1982年 日本初の「シューボックス型オープンステージ・コンサートホール」として開館。

1984年 故H.V.カラヤンが手兵だったベルリン・フィルを引き連れてここで来日公演を開いた際、「ウィーン楽友協会大ホールに比肩するほどの音響と絶賛?」したと朝日放送が報じ喧伝に利用しだした。

1984年、第25回BCS賞を受賞した。

2002年 企業メセナ協議会のメセナ大賞も受賞。

2012年9月28日 朝日放送から学校法人滋慶学園グループに売却。

2014年1月5日 滋慶学園グループの子会社「ザ・シンフォニーホール」に運営が引き継がれる。

 

公開:2017年9月 3日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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