狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

横浜みなとみらいホール 《ホール音響Navi》

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横浜市の誇るクラシックの殿堂?人気と音響は必ずしも...

2020席と主催者にとっては大儲けのチャンスがあり呼び屋やプロモーターの受けが良く、定員2,493人の神奈川県民ホールや1,054席の神奈川県立音楽堂に代わり、年間を通じ招聘海外有名オーケストラなどの数多くの「コンサート」が行われる みなと横浜の「看板コンサートホール」となっている。

横浜みなとみらいホール

大・小2つのホール、リハーサル室、屋上庭園などを持つ複合文化施設。

海の見える西区みなとみらいにある、地下鉄直結の「クイーンズスクエア横浜」にあるコンサートホール。

フェスティバルホール同様"アーティスト達"からは「(ほどよいフィードバックで)響きの良いホール」だと評判がよい...。

2020席と興行的にも採算性の良いサイズなので、呼び屋やプロモーターの受けも良く、定員2,493人の神奈川県立県民ホール (※ホール ナビはこちら)や1,054席の神奈川県立音楽堂 (※ホール ナビはこちら)に代わり、年間を通じ招聘海外有名オーケストラなどの数多くの「コンサート」が行われる「みなと横浜の看板コンサートホール」となっている。

横浜みなとみらいホールのロケーション

  • 所在地  神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-6

横浜みなとみらいホールのある「みなとみらい地区」は、横浜都心部の一体化と強化をめざしたウォーターフロント都市再開発として建設されている街である。
1980年代に再開発が行われる以前は、三菱重工業横浜造船所、旧国鉄高島線の東横浜駅および高島駅・高島ヤード、高島埠頭、新港埠頭などがあった。

横浜駅周辺と関内・伊勢佐木町という二つに分断された横浜都心部を一体化させる「都心部強化事業」として、就業人口19万人・居住人口1万人を目指して再開発された。

海に面したコスモワールドから1本入った「さくら通り」と「国際大通り」に面したみなとみらい駅が有るクイーンズスクエア横浜(24街区)にはクイーンモール、日揮横浜本社、神奈川大学みなとみらいエクステンションセンターの有るクイーンズタワーA、ノジマ本社・日立情報通信エンジニアリング本社が有るクイーンズタワーB、クイーンズタワーC 、横浜ベイホテル東急、みなとみらい東急スクエア、みなとみらいギャラリーの有る横浜みなとみらいホールが立ち並んでいる。

国際大通りを挟んで東側には5,002席3スロープの東日本唯一の「国立大ホール」と1,000席のプロセニアム形式のメインホールを備えたコンベンションセンター「パシフィコ横浜」(※ホールNaviはこちら)が広がり、横浜市の誇る文化ゾーンでもある。

横浜みなとみらいホールへのアクセス

横浜高速鉄道みなとみらい線 みなとみらい駅下車 徒歩3分。

横浜みなとみらいホールの施設データ

Official Website http://www.yaf.or.jp/mmh/index.php

  1. 所属施設/所有者 横浜みなとみらいホール/横浜市。
  2. 指定管理者/運営団体 公益財団法人横浜市芸術文化振興財団・東急コミュニティー・東急エージェンシー・東京舞台照明共同事業体/横浜市。
  3. 開館   1998年5月31日

付属施設・その他 

  • 付属(共用)施設 ;付属施設 リハーサル室、練習室x6室、レセプションルーム、会議室。

施設利用ガイド

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

★音響工学から眺めた『大ホール』のデザイン

(公式施設ガイドはこちら)

大ホール舞台正面に設置されているオルガンは、「光」を意味する"ルーシー"という愛称のついた、横浜みなとみらいホールのシンボルです。 4,623本のパイプを持つ国内最大規模のオルガンで、ケースにはカモメの彫刻が施されているなど、港町・横浜に相応しい、世界に一つだけの楽器です。<公式サイトより引用>

所見

3スロープ3層のオープンステージコンサートホール

市当局の収容人員2000人超の、無謀な要求が、理想的なホールデザインを無惨にも打ち砕いた"人災?ホール"。

アンギュレーションを持たせた壁面構成

1階客席周辺は逆山形の凹型形状をした木質パネルで表装し、2・3階部分の側壁は同じくアンギュレーションを持たせた塗装仕上げの一般建築用・木質パネル+石膏ボードのハイブリッド反響板で構成され、ステージ周辺にはメインフロアー側壁と同じ意匠の反響板が設えられ、オルガン部バルコニー後方も2・3階周辺壁と同じアンギュレーションを持たせた壁材で表装されている。

丁寧な造りの天井

天井はホール前面3方から段状に迫あがったプラスターボード製(※4)の大型一体型の反響板でホール前半上部には中央部が"逆ドーム"になったヴォールト天井が設えられ、平土間部分とステージ上空の大部分を覆い、z軸定在波大型の金属フレームのシャンデリア風照明フレームと、剥き出しの照明ブリッジが音響拡散体(※1)として吊られている。

※4)、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

参※1)当サイト関連記事 第3節 音響拡散に用いられる壁面装飾オブジェ"音響拡散体" はこちら。

ホール後方大向う壁面

各階共に大きく湾曲した木質パネルで表装されている。3階方、1・2階ホール出入口の真上に正体不明?のオープンルーム(窪み)が設えられている(特設スポットライトなどの照明ルーム?)。

1階メインフロアー

ステージ前方3列分の平土間から続く緩やかな「ハノ字」段床配列のスロープを持つ

2・3階後方バルコニー席

メインフロアー同様「ハノ字配列」座席を持つ2・3階フロアー

2・3階サイドテラス席

ホール側壁に配置された3列!の2階サイドテラスと最前部のステージサイドが照明用のキャットウォークに使われている1列の3階サイドテラス。

ステージ背後高床バルコニー席

ステージ背後のパイプオルガン前面に配置された6列の高床バルコニー席

所感

2・3階大向こうに客席が?!

2階中層フロアーと3階最上階フロアーの「大向こう」が通路と成っていない点も残念(不審な点)ではある。

折角入れ物(ホール内装)の「細部にまで拘った当初計画案」であったのに非常に惜しまれる。

1階フロアの壁際通路が狭すぎる!

両側壁の2階テラスの影響を考え、せめて「片側もう1列」座席を削り、その分通路を広げるべきであった。

建設当初の「ザ・シンフォニーホール」(※ホール音響ナビはこちら)に限らず、シューボックスタイプでは1階平戸間席の両サイド通路は、かなり広くとるのが「セオリー」の一つでもある。

ホール成り立ちについての邪推?

by 狸穴総研・音響研究室、主観 出知樽狸(デジタヌ)

リスニングポイント(エリア)が限られた大ホール

※関連解説記事はこちら)

基本に忠実なツボを押さえた基本デザインの良い「容器(ホール建て屋)」ではあるが、

無理矢理「押し込んだ3重フロアに2020席の客席を詰め込んだ」内部デザインはいただけない!

もしかして収容人員1,768人?で設計されたホールでは..

狸穴総研・建築音響研究室の分析では当初収容人員1,700人規模でデザインしたホールでは無いか?と推定している!

原案には無かった?「中2階」席

2階ベランダを浅くしたのは、せめてもの処置として、このフロアー自体、元々要らなかったのでは?

収容人員を稼ぐために、2層2スロープの原案を「3層3重」にしたあたりから「このホールのフロアー及びテラスデザイン」の破綻が始まったのではなかろうか?

明らかに後から付け足した様な、2階バルコニーと3階サイドテラス席

中途半端なテラス風デザインの2層目フロアーが無ければ、2段重ねの「段々テラス」が通常の水平配置となり、最上階の天井高さも十分確保出来たはずである。

CAD操作で後から付け加えた中2階フロアー?!

何という手抜き!デザイン

幾ら「どの席からもステージが近く...」と自慢しても「コンサートホールは見世物小屋では無い!」と反論したくなる!

呼び屋・プロモーターの甘い誘い(旨い接待?)に乗り市当局・施設計画担当者が「収容人員第一主義」言い換えれば「音より儲け主義」に傾き、「ホールデザイナーの主張(良識)」をねじ伏せたのであろう、返す返すも残念ではある。

252席を水増し増設?

基本1700人収容ジャストサイズの「容器(ホール)」に2000人超は明らかに詰め込みすぎの定員オーバーである!

具体的には2階バルコニー全席;126席、2階RF・LF;48席、3階サイドテラス全席;78席

都合252席(車椅子席6席含む)は明らかに計画途中で(CAD上で)追加挿入した「水増し席!」であろう。

状況証拠その1

ホール前半から続くホール側壁部の背丈部分に施されていたアンギュレーション処理が、シューボックスホールのウィークポイントの一つである一番定在波障害の起こりやすい最後部で(全フロアー共に)突如なくなり「ツンツルテン」のプレーンな壁面となってしまっている。

各フロアー共に「ほぼ人の背丈の範囲内で壁面にアンギュレーション処理」されており、シューボックスホールの必須条件「湾曲段床座席配置(※1)」(※このホールでは"ハノ字"段床)を採用したということは、デザイナーは定在波(※2)を認識し、それなりの適切な処置の仕方もこころえていたはずである。

つまりこのホール専用に規格化された高さ180㎝の「壁面パネルユニット」が軒先高さ不足のためにこの部分(ホール最後部側壁)に「収まら無くなった!」と考えるのが妥当でしょう。

参※1)当サイト関連記事   第1節 扇状段床座席を用いたホール横断定在波の障害回避策はこちら。

※クリックすると拡大画像になります

standing_wave3.jpg

参※2)当サイト関連記事 第4巻 定在波(standing wave )と音響障害 はこちら。

状況証拠その2

後方部のホールメイン出入口から前方を眺めた時に、「荘厳なパイプオルガン」とその背後壁から丁寧に「3段のステップ状に迫あがった」天井が目に入るが、ステージ及びステージ背後バルコニーから後方を」望んだ場合は最後部で突如「最下部の折上げ段」が消失!してしまている。

つまり後から付け足した「中2階?」フロアーのために、最上層バルコニーの天井高さが極端に不足したために、この部分の「模輿」を削除下のであろう!

状況証拠その3

中2階(現2階)を設計段階の途中で追加(Cad上で挿入)したために3階(当初案2階)バルコニーのデザインを再検討するゆとりがなく、そのまま「上に持ち上げた」為に(現3階後方にホワイエを追加するゆとりがなかったために扉が設置できなくなり)「元は出入口」としてデザインされていた意味不明の空間が誕生し、無理やり両サイドに出入口を設けたので出入口のサイズがこの部分だけ異なっておりしかも、通路が半分ふさがっている!

状況証拠その4

最前方に当初計画通り?「照明装置テラス」が残された「3階サイドテラス」は元々は装飾テラスを兼ねた「キャットウォーク」(※3)としてデザインされていた!

この「原案3階装飾テラス」には当初最後部RE・LEのテラスは無く現況より上部に配置されていた。

計画途中で2階サイドテラスを「づり下げ?」急遽(CAD上で)最後部最後部RE・LEを挿入し「1列のテラス席」にデザイン変更した!?

※3、キャットウォークについてのWikipediaの解説はこちら

総評

定在波対策がないがしろ!

以下の通り、このていどのパネルのアンギュレーションでは健康障害に影響する低周波定在波成分は野放し!状態で、聴感上もビビり音(フラッター)が生じている可能性が高い!

更にステージひな壇後列と平土間の一部客席ではZ軸 定在波の洗礼?を受けている!

建て屋(箱物本体)とパイプオルガン以外は褒めようのないホール?

まるで「大向うににいる連中」は「上客ではないから無視してよい!」とクライアント(横浜市)に言われたかのような造作である。

更に、平土間&ステージ上空を覆う"逆ドーム"(※191)が売りのようだが、定在波対策の観点からは、平土間部分(ステージ上)をカバーしきれていない!ので、ステージ上の照明ブリッジ3列と逆ドーム中央部の照明コラムを撤去して、ステージj表空を覆う、迎え角度可変一体型反響板(※192)か、セグメント反響板に換装すべきである!

参※191)当サイト関連記事 第4項 逆ドーム天井反響板は気休め程度の効果しかない! はこちら。

(※192)可変角反響板は、石川県立音楽堂「コンサートホール」《ホール音響Navi》東京芸大新・奏楽堂《ホール音響Navi》で使用。

セグメント反響板は全国各地で使用されている。当サイト関連記事 第2項 手法その2、セグメント反響板 はこちら。

定在波対策についての考察 version.2 revision.6 /2020.12.16

詳しくは当サイト関連記事 第2節 平行する壁面間で起こるエコーが原因 をご参照ください。

※クリックすると階大画像が見られます。

standing_wave.jpg

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

※青色は、使用パネルのアンギュレーションで抑制(散乱拡散減衰)可能な周波数成分。

※黒字はトリガーとなる楽音(音色)に含まれている高調波成分。

※カッコ()内は大太鼓などの鳴り物以外ではトリガーとなる振動が生じない数値。

赤字は健康被害を生じさせる可聴帯域外"低周波振動障害"周波数成分!

※詳しくは当サイト関連記事  第3節 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害!をご参照ください。

§1)間口方向定在波

間口 19.5~22.5m、奥行11~13.4m、天井高17.8m、公表値に基ずく

●メインフロアー
平土間側壁平行部分(1~3列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ)約0.9x1.8~2.4m: 反射限界波長(1/2λ)約72.6~96.8Hz
  • ●側壁間約19.5m
  • ●定在波周波数成分; 約8.9Hz/0.5λ)、約17.9Hz/1λ、約26.8Hz/1.5λ、約80Hz/4.5λ、
  • ●両側壁0.9m巾パネルのアンギュレーション設置で定在波の高次周波数成分を抑制。

スロープ前半側壁平行部分(4~25列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ)約0.9x1.8~2.4m: 反射限界波長(1/2λ)約72.6~96.8Hz
  • ●側壁間約19.5m
  • ●定在波周波数成分; 約8.9Hz/0.5λ)約17.9Hz/1λ約26.8Hz/1.5λ、約98.5Hz/5.5λ、
  • ●両側壁0.9m巾パネルのアンギュレーション設置で定在波の高次周波数成分を抑制。
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。

スロープ後半側壁平行部分(26~39列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ)約1.8m: 反射限界波長(1/2λ)約96.8Hz
  • ●側壁間約19.5m
  • ●定在波周波数成分; (約8.9Hz/0.5λ)、約17.9Hz/1λ、約26.8Hz/1.5λ、約107.4Hz/6λ、
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。

2Fバルコニー部側壁平行部分(4~6列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ)約3.6~2.2m: 反射限界波長(1/2λ)約79.2Hz
  • ●側壁間約20m
  • ●定在波周波数成分; (約8.75Hz/0.5λ)、約17.4Hz/1λ、約26.1Hz/1.5λ、約87.1Hz/5λ!
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。

3Fバルコニー部側壁平行部分(4~6列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ)約3~2.2m: 反射限界波長(1/2λ)約79.2Hz
  • ●側壁間約22.5m
  • ●定在波周波数成分;( 約7.7Hz/0.5λ)、約15.5Hz/1λ、約23.2Hz/1.5λ、約82.6Hz/5.5λ、
●サイドテラス(桟敷)
2Fサイドテラス平行壁面部(後列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ)約0.9x1.8~2.4m: 反射限界波長(1/2λ)約72.6~96.8Hz
  • ●側壁間約20m
  • ●定在波周波数成分; (約8.75Hz/0.5λ)、約17.4Hz/1λ、約26.1Hz/1.5λ、約104.4Hz/6λ!
  • ●表装(アンギュレーション処理)で定在波の高次周波数成分を抑制。

3Fサイドテラス平行壁面部
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ)約0.9x1.8~2.4m: 反射限界波長(1/2λ)約72.6~96.8Hz
  • ●側壁間約22.5m
  • ●定在波周波数成分; (約7.7Hz/0.5λ)、約15.5Hz/1λ、約23.2Hz/1.5λ、約100.7Hz/6.5λ、
  • ●表装(アンギュレーション処理)で定在波の高次周波数成分を抑制。

§2)奥行き方向定在波

1F(1F大向こう壁面→ステージホリゾント反響板)
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※定在波高次周波数成分の抑制はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(凹面ラウンド形状縦格子&吸音材)で抑制。
2F(2階大向こう壁面→プロセニアム前縁)
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※定在波高次周波数成分の抑制はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(凹面ラウンド形状縦格子&吸音材)で抑制。
3F(3階大向こう壁面→プロセニアム前縁)
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※定在波高次周波数成分の抑制はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(凹面ラウンド形状縦格子&吸音材)で抑制。

§3)高さ方向定在波

平土間床→天井最高部
  • ●天井反響板(屈曲)
  • ●客席平土間部約18.6m
  • 定在波周波数成分;(約9.4Hz/0.5λ)、約18.7Hz/1λ、約28.1Hz/15λ、
  • ※逆ドーム型ヴォールトと間口奥行き両方向に凸湾曲した大型一体型反響板で定在波を抑止!
  • ※但し全面は覆いきれてい無い!

参、ステージ床面→天井最高部高さ方向
  • ●天井反響板(屈曲)
  • ●ステージ天井高さ約17.8m
  • 定在波周波数成分;(約9.8Hz/0.5λ、)約19.6Hz/1λ、約29.4Hz/1.5λ、
  • ※逆ドーム型ヴォールトと間口奥行き両方向に凸湾曲した大型一体型反響板で定在波を抑止!
  • ※但し全面は覆いきれてい無い!

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点53点/100点満点中

※2020席(車椅子スペースX14台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 音響障害エリアについて

「以下の座席ブロック」を個々の音響障害ブロックと見做します。

  • ●メインフロアーは「平土間部」「スロープ部」を夫々別ブロックと見做します。
  • ●上層階バルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ●サイドテラス(桟敷席)は各階の左右を夫々別ブロックと見做します。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別ブロックと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点10点/配点25点

※以下詳細は第1節 「初期反射」軽減対策評価:配点25点をご参照ください。

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装の表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に音響障害客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点32点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • 扇形ホール・スラント設置壁以外「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で保護!されていない全席を定在波音響障害席と見做します。
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントします。
ストレート段床部

全席定在波音響障害席と見做します。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部がスラント天井がまたは波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点6点/配点20点

※以下詳細は第3節 「音響障害と客席配置」に対する総合評価:配点20点をご参照ください。

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※配点から障害エリア数を引いた持ち点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点5点/配点上限5

※以下詳細は「後期残響」への配慮評価点:配点上限5点をご参照ください。

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

初期反射対策評価

※客席フロアー周辺壁面に塗装仕上げのプレーン合板の箇所が認められたので規定により素材持ち点 20点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点20点ー障害発生エリア数7=13点

1)ホール後端部の"釣鐘現象"音響障害席 ;0?席

※1階大向こう席は、音響格子&吸音・遮音壁となっているので不問とした。

※2・3階大向こうについては、オルガン演奏時以外は問題無しとして不問とした

2)側壁初期反射音響障害席 ;0?席

※全フロアー客席側方は通路となっているので不問とした。

3)天井高さ不足音響障害(2.5m 以下)席;???席(152席/1階後部座席26~31列全席(車いす席含む)、108席/2階4~7列全席、114席/3階後部座席4~6列全席、24席/2階RF/LFサイドテラス~2/3列1番~6番席、6席/3階LE/REサイドテラス5番~7番席)

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;404?席

定在波対策評価

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数8=42点

1)間口方向定在波音響障害席;276?席
(a)メインフロアー、各階ベランダ部分;72?席

(6席/1階平土間1~3列量端、54席/1階スロープ4~30列両端席(車いす含む)、6席/2階ベランダ部分4~6列両端車いす席、6席/3階ベランダ部分4~6列量端席、)

(b)サイドテラス(桟敷)部分;204?席

(126席/2階サイドテラス後列全席、78席/3階サイドテラス全席、)

2)奥行き方向定在波音響障害席;0?席

※1階大向こう席は、音響格子&吸音・遮音壁となっているので不問とした。

※2・3階についてもパイプオルガン両サイド壁のラウンドとオルガン本体前面の凹凸により並行面がキャンセルされているとして不問とした。

3)上下方向定在波音響障害席;6?席

(6席/1階平土間座席1~3列量端、)

重複カウント ;ー6席

定在波障害顕著席総計;480?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数8=12点

眺望不良席数;24席/1階平土間中央部座席2~3列13番~24番

初期反射音響障害席 ;404?席

定在波障害顕著席 ;480?席

重複カウント ;ー34席

音響障害席総計;874席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

大ホールの施設データ

  1. ホール様式 、『シューボックスタイプ』音楽専用ホール。
  2. 客席   2・3階テラス席付き3層フロアー!? 収容人員 2020席、
  3. 舞台設備 

    オープンステージ形式 

    1. 客席配置図・座席表はこちら


    面積290m2、間口 19.5~22.5m、奥行11~13.4m、天井高17.8m、7分割オーケストラ迫り、
    ピアノ迫り、6分割前舞台迫り、スピーカー迫り、照明バトン4 基、美術バトン7基、トラスリング1基

  4. その他の設備 パイプオルガン、楽屋12室
  • 各種図面,備品リスト&料金表。

大ホールがお得意のジャンル

神奈川フィルハーモニー管弦楽団、日本フィルハーモニー交響楽団および読売日本交響楽団の横浜定期公演の会場と成っている。

プロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

大ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

★『小ホール』の音響

(公式施設ガイドはこちら)

天井の高いデザインのシューボックスコンサートホール。

所見

ホール幅17mのジャストサイズ!

440席の小ホールなので三井住友海上しらかわホール 《 ホール 音響 ナビ 》はこちら同様に定在波による健康被害を最小に出来る間口17mを採用している!(※21)(偶然かも?)

参※21)当サイト関連記事 第4項 間口17m以下のホールの"心地よさ?"の秘密とは...はこちら。

定在波対策が全くなって無い

客席周辺は0.3mx1.8mのパネルを用いた逆下見板張りで表装されてはいるが...

参※21)当サイト関連記事 『第1目 35cm幅以上の帷子張り(下見板張り)の効果 はこちら。

総評

この手の大ホールのオマケ施設にしては丁寧な設えのシューボックスホールではあるが、残念なのはシューボックスホールに対する配慮がまるでない!(※22)

ここでも「市施設担当者の収容人員至上主義?」で大向こうには通路があっても、客席両壁際に通路がない!こと。

今更、扇形段床に改修するのは厄介(不可能に近い?)ので、20席定員を減らしてでも、両袖とセンターの3通路として「壁際席は排除」(※23)して、改めて、床面から1.8mの範囲内を外反スラントさせた「グルービング材」(※24)のスラント設置にするか、大向同様に縦格子で表装した「吸音・2重壁」(※25)に改修する必要がある!

現状で"まともな"周波数スペクトル分析(※26)を行えば、惨憺たる結果が出ることは間違いなかろう!

参※22日)当サイト関連記事   第3節 方形(シューボックス)ホールデザインに関する注意!はこちら。

参※23)当サイト関連記事 第1節・基本則 壁際に席を押し込むな! 客席周辺壁際は通路に はこちら。

参※24)当サイト関連記事 『第3節 1/4波長程度の「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル の効果 はこちら。

参※25)当サイト関連記事   第1節 吸音壁で初期反響を押さえて定在波を抑制する手法はこちら。

参※26)当サイト関連記事 新 音響測定法 の提案はこちら。

定在波対策についての考察 version.2 revision.6 /2020.12.16

詳しくは当サイト関連記事 第2節 平行する壁面間で起こるエコーが原因 をご参照ください。

※クリックすると階大画像が見られます。

standing_wave.jpg

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

※黒字はトリガーとなる楽音(音色)に含まれている高調波成分。

青色は、使用パネルのアンギュレーションで抑制(散乱拡散減衰)可能な周波数成分

※カッコ()内は大太鼓などの鳴り物以外ではトリガーとなる振動が生じない数値。

赤字は健康被害を生じさせる可聴帯域外"低周波振動障害"周波数成分!

※詳しくは当サイト関連記事  第3節 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害!をご参照ください。

§1)間口方向定在波

●メインフロアー
平土間側壁平行部分(1~9列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ): 約0.3x1.8m: 反射限界波長(1/2λ)約?~96.8Hz
  • ●側壁間約13.5m
  • ●定在波周波数成分; (約12.9Hz/0.5λ)、約25.8Hz/1λ、、約103Hz/4λ
  • ●両側壁パネルの0.3mx1.8m幅パネルの
  • ●表装(細かなアンギュレーション処理)で定在波の高次周波数成分を抑制。
スロープ側壁平行部分(10~20列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ): 約0.3x1.8m: 反射限界波長(1/2λ)約?~96.8Hz
  • ●側壁間約13.5m
  • ●定在波周波数成分; (約12.9Hz/0.5λ)、約25.8Hz/1λ、、約103Hz/4λ
  • ●両側壁パネルの0.3mx1.8m幅パネルの
  • ●表装(細かなアンギュレーション処理)で定在波の高次周波数成分を抑制。

§2)奥行き方向定在波

1F(1F大向こう壁面→ステージホリゾント反響板)
  • ●最大奥行き約29.6m
  • ●定在波周波数成分; (約5.9Hz/0.5λ、約11.7Hz/1λ、)、
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※定在波高次周波数成分の抑制はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(縦格子&吸音材)で抑制。

§3)高さ方向定在波

平土間床→天井最高部
  • ※波状天井反響板で定在波を抑止!

参、ステージ床面→天井最高部高さ方向
  • 波状天井・のアンギュレーションで定在波を抑止!

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点17点/100点満点中

※440席(車椅子スペースX2台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 音響障害エリアについて

「以下の座席ブロック」を個々の音響障害ブロックと見做します。

  • ●メインフロアーは「平土間部」「スロープ部」を夫々別ブロックと見做します。
  • ●上層階バルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ●サイドテラス(桟敷席)は各階の左右を夫々別ブロックと見做します。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別ブロックと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点14点/配点25点

※以下詳細は第1節 「初期反射」軽減対策評価:配点25点をご参照ください。

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装の表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に音響障害客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点0点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • 扇形ホール・スラント設置壁以外「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で保護!されていない全席を定在波音響障害席と見做します。
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントします。
ストレート段床部

全席定在波音響障害席と見做します。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部がスラント天井がまたは波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点0点/配点20点

※以下詳細は第3節 「音響障害と客席配置」に対する総合評価:配点20点をご参照ください。

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※配点から障害エリア数を引いた持ち点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点3点/配点上限5

※以下詳細は「後期残響」への配慮評価点:配点上限5点をご参照ください。

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

初期反射対策評価

※客席フロアー壁面に低得点表装1間(1.8m)幅以上の木質プレーンパネル(段差を設けた凹凸配置 を含む。)の箇所が認められたので規定により素材持ち点 20点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

1)ホール後端部の"釣鐘現象"音響障害席 ;22?席

※1階大向こう席は、音響格子&吸音・遮音壁となっているが肝心の下部床面約1mがプーレーンパネルなので、最後列は全滅!

2)側壁初期反射音響障害席 ;40?席(40席/1階平土間両袖座席1~20列両袖、)

3)天井高さ不足音響障害(2.5m 以下)席;0?席

重複カウント ;ー2席

音響障害席総計;60?席

定在波対策評価

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数2=48点

1)間口方向定在波音響障害席;440?席

2)奥行き方向定在波音響障害席;0?席

※1階大向こう席は、音響格子&吸音・遮音壁となっているので不問とした。

3)上下方向定在波音響障害席;0?席

重複カウント ;ー0?席

定在波障害顕著席総計;440?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;96席/1階平土間中央部座席2~9列6番~17番

初期反射音響障害席 ;60?席

定在波障害顕著席 ;440?席

重複カウント ;ー156席

音響障害席総計;440席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

小ホールの施設データ

  1. ホール様式 『シューボックスタイプ』音楽専用ホール。『
  2. 客席   1フロアー 収容人員  440席、
    • 客席配置図・座席表はこちら
  3. 舞台設備 

     オープンステージ形式 可動式残響調整板
    面積102m2、間口 13~13.5m、奥行6.7~7m
    照明バトン3基、美術バトン2基

  4. その他の設備 楽屋x4、
    • 各種図面,備品リスト&料金表。

小ホールがお得意のジャンル

年間を通じ数多くのクラシックコンサートが開催されている。

邦楽団体のコンサートにも利用されている。

小ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

★ リハーサル室の音響

公式施設ガイドはこちらら)

シミッタレタ大ホールに対し「天井の高い、しっかりした設えの、本当に使えるリハーサル室。」

総評

2階吹き抜けの高い天井以外他の施設同様に取り柄無し!

ホール音響評価点:50点

内訳

定在波対策評価点:25点/50点満点(ルーム低層部2面以上がプレーンな並行壁の場合は持ち点はx0.5と成ります)

残響その1(初期反射)対策評価点:25点/50点満点(ルーム低層部2面以上がプレーンな並行壁の場合は持ち点はx0.5と成ります)

エンディング 歩み と 豆知識

横浜市

※タウンヒストリアはこちら

神奈川県の県庁所在地。
推計人口、3,731,706人/2018年4月1日

横浜―品川 16分/¥300/京急/22.2㎞

横浜みなとみらいホールこれまでの歩み

1983年に「みなとみらい21」事業が着工。

1997年「クイーンズスクエア横浜」開業。

1998年「横浜みなとみらいホール」正式開業。

2004年にはみなとみらい線が開通し、新高島駅、みなとみらい駅が開業した.。

 

公開:2017年9月10日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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