音・道・楽・人 分室『旅するタヌキ』

浜離宮朝日ホール《ホール 音響 ナビ》東京の元祖プレミアムホールー?

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1992年音楽・文化活動に熱心?な朝日新聞社・東京本社が世に問うた、「元祖良質のリサイタルホール」。

最近は某国営放送?の音楽番組にもめったに登場しなくなってしまった東京初のプレミアムホール。

最近は「耳の肥えてきた」聴衆の足が次第にとうのき、運営面からも施設の全面的な大改修が望まれている!

浜離宮朝日ホールのあらまし

Official Website https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/

朝日新聞社東京本社新社屋新館2階にあるホール。

リハーサル室、多目的イベント会場としての小ホールの3つの施設を備える会館。

国内外のアーティストやアンサンブル団体がこぞって東京公演のコンサート会場に指名する?人気ホールでもある。

東京の中規模コンサート専用ホールの草分けとして1992年の開館以来、首都圏有数のリサイタル・ホールとして、海外のアーティストにも知れ渡っており、出演者からは評判は良い。

(※ステージ側壁の設えはホール最上層部同様にまともな壁面なので、自己満足型の演奏家には、銭湯の湯舟に浸かっているようで心地よいのであろう?)

浜離宮朝日ホールのロケーション

  • 所在地  東京都中央区築地5-3-2 朝日新聞東京本社・新館2階

最寄り駅新橋駅からは遠く、「築地市場駅」都営大江戸線(A2出口)が最も近い駅になる。

築地市場と銀座に挟まれた一角にある。

駅名でも分かるとおり、浜離宮と言うより、中央卸売市場築地市場に近い朝日新聞社東京本社新館に入っている。

すぐ裏手は東京国税局とお堅いお役所もあるが、少し離れて「新橋演舞場」もあり、気取らない銀座っ子・江戸っ子の町「下町」の中にある「気取ったホール」である。

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

浜離宮朝日ホールへのアクセス

「築地市場駅」都営大江戸線(A2出口)すぐ
「築地駅」東京メトロ日比谷線(1、2番出口)より徒歩約8分
「東銀座駅」東京メトロ日比谷線/都営浅草線(6番出口)より徒歩約8分
「汐留駅」都営大江戸線(新橋駅方面改札口)/新交通ゆりかもめ(改札口)より徒歩約10分
「新橋駅」JR(汐留口)/東京メトロ銀座線(1、2番出口)/都営浅草線(改札口)より徒歩約15分。

浜離宮朝日ホールの施設データ

  1. 所属施設/所有者 浜離宮朝日ホール/株式会社朝日新聞社。
  2. 指定管理者/運営団体 株式会社朝日新聞社。
  3. 開館   1992年

付属施設・その他

音響工学から眺めた『浜離宮朝日ホール』のデザイン

2スロープ2層のオープンステージコンサートホール

公式施設ガイドはこちら

いわゆるシューボックス型のコンサートホールでおそらく当初計画では全周に渡ってふんだんに木を使用した「国会議事堂・衆議院議場」のような英国ビクトリア調の格調高いホールとなるはずであったのであろう。

バブル経済崩壊の煽りを受け、ステージ背面上部、そして一番大事な1階客席両側壁はホール上層部に比べて貧相なプラスターボード製の「凹凸」だけが付けられた反響板をスラント設置もせずに表装されている。

所見と所感

デザイナーの先生はどこかのタウンリゾートホテルの「礼拝堂・チャペルデザイン」の依頼と間違われたのか?

それにしても、このデザイナーさんはもう一度音響学を勉強しなおされたほうが良いだろう?

在阪の系列放送局がでっち上げた「都市伝説・天使の響き残凶2秒異常?」(※10)に拘り過ぎたために「定在波」(※11)という悪魔の存在を見落とされたらしい!

1992年開館と言うことは、バブル最晩年に計画され、バブル崩壊と共に開館した施設と言うことになる。

この頃に作られた商業ホールの常?で、計画途中から、大幅な「予算見直し削減の嵐」に合い、特に広告収入が激減した「各新聞社の施設」はまともにバブル経済崩壊の煽りを受けてしまったのであろう。パイプオルガンが納まるはずであった、ホール舞台背面の壁面は「ポッカリ」収納スペースが空いたまま、「お間抜けなアピアランス」になっている?

参※10)当サイト関連記事 第4巻 定在波(standing wave )と音響障害 はこちら。

参※11)当サイト関連記事 序章 都市伝説「音の良いホール の条件 残響時間2秒以上 」 は本当か?はこちら。

それなりに凝った内装ではあるが...

天井も、「折上・格天井」(※12)風に設えた反響板で表装されてはいるが...。

元来、豪華絢爛な内装を前提にデザインされたホールなので、内壁はスラントさせていない?。

結果「このサイズのシューボックスホール」で問題となる「低域の定在波」対策(※13)が不充分でいわゆる「ブーミー」な響きのホールになっている。

参※12)当サイト関連記事 第2項 格天井の音響効果 はこちら。

参※13)当サイト関連記事  第4章 ホールデザインの基本"定在波の抑止" 法はこちら。

総評;

定在波軽視(無視?)のデザイン

「残響の概念」(※14)とシューボックスホールデザインの留意点(平行対抗壁面処理)を完全に失念していらっしゃる!ようで、定在波への配慮は、扇形配列だけ、しかも前半の平土間部分の側壁も「対抗面と完全平行」な垂直壁でこの程度の凹凸では初期反響軽減(※15)にはなっても、定在波駆逐には全く効果がない!

2階上層部の壁面の造作を、一階メインフロアーの周囲壁面に施し、2階上層部はツンツルテンにしたほうがまともな音響デザインである!(座席は宙に浮かんでいないので上空で定在波が発生しても聴衆には悪影響はない!但し残響創出にはつながらないが...)

参※14)当サイト関連記事 第1章 「エコー」と「後期残響」は別物はこちら。

参※15)当サイト関連記事   第4節  その他の定在波対策に効果のない幾つかの気休め処置はこちら。

今後の抜本的改修に期待

とにかくこのホールは完全平行部分が多すぎる!

つまりステージ上の奏者以外の聴衆は「定在波の嵐」の直撃を食らっている訳である!

前半平土間部分上下定在波の対策

格天井擬きの設えの天井反響板は音響拡散体(※16)としては効果があるが、定在波対策にはならない!

ピアノでは最低音A音の成分(側波帯)が可聴帯域(20~20KHz)外の12Hzぐらいまで含まれており、指向性がないこの音域では、ホールZ軸(床ー天井間)平土間部分天井高さ約13mに相当した半波長の定在波成分約13.4Hzも発生させてしまう、さらには可聴帯域外この周波数は重大な健康被害(※17)にも通じる!よって平土間部分上空は現状の照明バトン類だけでなく、傾斜させた反響板を吊るしたほうが良いであろう。

※クリックすると階大画像が見られます。

standing_wave.jpg

参※16)当サイトシリーズ記事 天井様式と後期残響はこちら。

参※17)当サイト関連記事   第2節 ミステリーゾーンで起こる最悪の音響障害「低周波振動健康被害!」はこちら。

側壁の改修

前途したように後半部は扇形配列段床上に客席を配置するセオリー(※17)は守っているが、この程度の傾斜では「十分な谷間効果」が得られず客席ほぼ全域でホール幅約14mに相当する半波長成分12Hzを持つホール横断定在波が発生してホール全域がミステリーゾーンに見舞われていてフラッター(ビビり)を伴う不愉快な音響になっている!いるのは頂けない!

そこで、木質グルービングパネル(※18)などを外反スラント若しくは、格子で表装した吸音壁(※19)に改修すべきであろう。

参※17)当サイト関連記事   第1節 扇状段床座席を用いたホール横断定在波の障害回避策はこちら。

※クリックすると拡大画像になります

standing_wave3.jpg

参※18)当サイト関連記事 『第3節 1/4波長程度の「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル の効果 はこちら。

参※19)当サイト関連記事   第1節 吸音壁で初期反響を押さえて定在波を抑制する手法はこちら。

かつての栄光は束の間の夢?

1992年頃に登場したは、首都圏に在る同規模のホールとしては、比べては失礼なほど上質の1990年登場のリリア・コンサートホール(※ガイド記事はこちら)位しか無く、当ホールでも「有り難られた」のであろうが、その後続々と現れた、同規模のコンサート専用ホール、例えば1994年登場・「彩の国さいたま芸術劇場・音楽ホール」、1995年登場「紀尾井ホール」、2000年登場「トッパンホール」、2011年登場「石橋メモリアルホール」と、同規模の良質のコンサートホールが出そろってきた現在、嘗ての魅力も色あせてきたのは事実であろう。

浜離宮朝日ホールの自画自賛は...

ラーメン屋もそうであるが、自ら「界隈一の何々」「職人技の...」「数多くのコンクールで入賞...」など「自画自賛するうたい文句」(※19)を喧伝しだしたのでは、「耳の肥えてきた」聴衆からはそっぽを向かれるであろう...(実際人気は落ちている?)

参※19)当サイト関連記事 自画自賛の「ラーメン屋とコンサートホール」の共通点!?はこちら。

ホール音響評価点:得点59点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点21点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎配点50点満点x0.5=25点に減じます。

  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点18点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点15点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

※音響評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

定在波評価

※障害発生エリアが全客室に及ぶので基礎点25点とした。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数2=23点

定在波障害顕著席数;

定在波「節」部席;16席(10席/1階平土間中央部座席1~7列11・10番席、6席/2階バルコニー中央部座席1~3列11・10番席

定在波「腹」部席;14席/1階平土間両袖座席1~7列6番&16番、

定在波障害顕著席総計;30席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が軟質石材なので素材基礎点20点とした。

基礎点B2=素材基礎点20点ー障害発生エリア数1=19点

初期反射障害1 壁面障害席 ;0席

初期反射障害2 天井高さ不足(3m以下)席;21席/1階22列全席、

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;21席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;0席/1階平土間中央部座席全列千鳥配列済

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;30席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;0席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(3m以下)席;21席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;51席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

音楽ホールの施設データ

  1. ホール様式 、『シューボックスタイプ』音楽専用ホール。間口前12.00m奥行き32.00m天井高さ(平土間から)12.55m~13.05m
  2. 客席   1フロアー 収容人員 552席(1階448席、2階104席) ※車いす対応席2席 ナラフローリング、1階平土間中央部千鳥配列、
  3. 舞台設備 オープンステージ形式前12.00m~奥10.00m 6.90m 75.00cm、カバザクラフローリング、美術バトンx4本、照明バトンx3本
  4. その他の設備 、楽屋x5、ホワイエ、バーコーナー
  5. 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら。
各種・図面・備品リスト&料金表

音楽ホールがお得意のジャンル

年間を通じソリストのリサイタル、アンサンブルのコンサートなど数多くのクラシックコンサートが開催されている。

音楽ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

建築音響工学から眺めた『小ホール』

公式施設ガイドはこちら

ロールバックシステム(※21)を備えた、平戸間多目的イベントルーム。

天井が低いので音楽用とには向かず、セミナー、講演会、市民団体の会合などに用いられている。

参※21)ロールバック方式客席収納システム についてのシートメーカーの解説はこちら。

ホール音響評価点:50点

内訳

定在波対策評価点:20点/40点満点(※客席周辺平行壁はx0.5が持ち点と成ります)

残響その1(初期反射)対策評価点:2点/20点満点(※客先周辺石材壁の場合はx0.5が持ち点と成ります)

残響その2(後期残響)への配慮評価点:10点/20点満点

客席配置 18点/20点満点(※客席周辺石材壁の場合はx0.8が持ち点と成ります、この壁で壁際は地獄?)

小ホールの施設データ

  1. ホール様式 平土間・『シューボックスタイプ』多目的ホール。
  2. 客席   1フロアー 収容人員 398席、ロールバックシステム160席含む、
  3. 舞台設備 オープンステージ形式:間口:8.9m 奥行:2.6m(1.2m増設可) 高さ:最高70cm(高さ設定は自由)、ブドウ棚(すのこ)、
  4. その他の設備 、、控え室x2、
  5. 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら。

小ホールがお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられている。

その他の付属施設

リハーサル室

詳しくはこちら)

床面積約154㎡ (約93畳)天井高5.0m
収容人数 70名の立派なリハーサル室を持つ。

ルーム音響評価点:17点

内訳

定在波対策評価点:12点/50点満点(ルーム低層部に1対以上のプレーンな並行壁がある場合は持ち点はx0.5と成ります)

残響その1(初期反射)対策評価点:5点/50点満点(ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は持ち点はx0.5と成ります)

デジタヌの豆知識

浜離宮朝日ホールこれまでの歩み

1992年、朝日新聞社東京本社新館完成と同時に開館。

1996年 オーナーの世論を味方につけた?圧力のおかげで米国音響学会から世界の「Excellent Hall 」に列挙された!。

 

公開:2017年12月15日
更新:2021年1月15日

投稿者:デジタヌ


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