狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

熊本県立劇場 《ホール音響Navi》

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熊本県立劇場のあらまし

Official Website http://www.kengeki.or.jp/

県民そっちのけで、熊本県(当局の役人?)が誇る立派すぎる複合文化施設!

日本における最初のコンサートホール神奈川県立音楽堂(※ガイド記事はこちら)、 東京文化会館(※ガイド記事はこちら)、 埼玉会館(※ガイド記事はこちら)等 多数のホールを設計し、熊本県立美術館、宮城県美術館などお隣宮崎県共 縁の深い日本のモダニズム建築の始祖・巨匠故前川國男先生晩年の設計による2つの大型ホールを備える複合文化施設。

熊本県立劇場のロケーション

所在地  熊本市中央区大江2丁目7-1

熊本市の表玄関?新幹線熊本駅から1時間に3本のローカル線;豊肥本線で3つ目の駅「水前寺駅」下車更に北へ徒歩約十二分(750m)に歩いた辺鄙な場所?にある。

真正面に熊本県立劇場前バス停があり便利良さそうだが?18時台で終バスしかも日中2本/時間

熊本市ご自慢のトラムで「味噌天神前」停留所下車徒歩約16分 (1.1km)でこちらの方が便利良さそうでもある。

豊肥本線を挟んで南側に水前寺公園があり、白川を挟んで西側に熊本市民の心の拠り所である天下の名城「熊本城」がそびえている。

辺りには北隣に熊本学園大学、南側に熊本県立高校、旧女子大通りを挟んで西隣が市立大江小学校、その南が開新高校、その隣が慶誠高校、九州学院、と周辺は文教地区でもある。

ライバル?の市民会館シアーズ夢ホームが熊本駅から17分(7分間隔)の「花畑町」電停すぐのところにありイベント誘致・集客共に苦戦しているようである。

熊本県立劇場 へのアクセス

もよりの駅

「水前寺駅」下車更に北へ徒歩約十二分(750m)に歩いた辺鄙な場所?にある。

「味噌天神前」停留所下車徒歩約16分 (1.1km)でこちらの方が便利良さそうでもある。

バス停

県立劇場前 すぐ前 18時台で終バス!(日中2本/時間程度)

大江渡鹿 18時台4本(平日22時29分で終了) 徒歩約7分0.5㎞

マイカー利用の場合

九州自動車道熊本インターより(劇場まで約7km、自動車利用の場合約20分程度)

九州自動車道益城熊本空港インターより(劇場まで約7km、自動車利用の場合約20分程度)

音響デザイン面から眺めた熊本県立劇場

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

モダニズムの大家故前川國男先生の作品らしく打放しコンクリート内壁を基本とした作品で、前年1982年にザ・シンフォニーホール(※照会記事はこちら)が竣工し、残響の概念(※1)やスケールモデル実験など新たなホールデザイン法が注目されだした頃であったが、経験から割り出されたセオリー(※2)に忠実な時流に流されないデザインのホールである。

熊本県立劇場の施設データ

  1. 所属施設/所有者 熊本県立劇場/熊本県。
  2. 指定管理者/運営団体 (公財)熊本県立劇場/熊本県。
  3. 開館   1983年(1982年12月竣工)
  4. 設計 前川國男 

付属施設・その他

  • 付属施設 リハーサル室x2、練習室x3、会議室x1、和室、レストラン
付属施設配置・見取り図

コンサートホール

(公式施設ガイドはこちら)

1983年の開館以来半世紀近く「パイプオルガンを待ちわびている (学)聖堂」?

コンサートホールの施設データ

ホール様式 
  • オープンステージ変形8角型音楽専用ホール。最大間口約37mx最大奥行約52m(大向こう→オルガン台座背後壁面)
客席   
  • 3フロアー 収容人員 1,810席 車椅子席/8席 親子室/2階客席後部
  • 1階/1,186席 
  • 2階/257席 2階テラス席(桟敷席)
  • 3階/359席、

舞台設備 

  • オープンステージ、間口24m 高さ14m 
その他の設備 

控え室、楽屋x6、ホワイエ、第1練習室、第2練習室、第3練習室

各種・図面・備品リスト&料金表

3層+高床テラスを持つ変形8角型のコンサートホール

1階フロアー両サイドから中2階に至る、高床式桟敷

平土間から続く緩やかな傾斜の1階客席フロアーの両測に「スラント(内傾)した床」を持つ中3階にまで至る高床テラス席がある。

軒の浅い中2階バルコニー

本来の2階バルコニー(3階バルコニー)とメインフロアーの間に軒の浅い中2階バルコニー(2階席)が設けられている。

ホール両測のスラント(内傾)した打ち放しコンクリート壁

変形ではあるが8角型の並行する対抗面対策として、壁面は僅かにスラント「内傾」させてある、表面凹凸処理をした打ち放しコンクリート壁

3階バルコニー両翼から装飾柱を配した照明(投光器)ガラリ配置され、音響拡散体として働いている。

大型のセグメント反響板を用いた天井

天井はオープンステージ上空からプラスターボード(※3)の大型セグメント反響板で表装されている。

ホール後方背後の吸音壁

エコールーム(※4)擬きのデザインなのでさすがに中2階・3階バルコニー両側・背後の壁面は音響ネットで表装された「吸音壁」と成っている。

メインフロアー・2階バルコニー大向こうには通路が配置され、メインフロアー背後壁のみ凸面にラウンドした木質パネルで表装されている。

ステージ周り

ステージ周り壁面も、基本上層部は打ち放しコンクリートに凹凸表面処理を施した壁面、低層部反響板に当たる部分は斜め配置の縦桟をあしらったグルービングパネルに換装され、中層部側壁は山形の波状アンギュレーションを施した木質反響板をスラント設置しステージ背後の「オルガンテラス?」背後壁はプラスターボード製のアンギュレーションを持たせた大型反響板に換装されている。

天井反響反響板も平土間部分上部まで続くコーナー反響板一体デザインのプラスターボード製の大型反響板がスラント設置されている。

天井

天井も「プラスターボード製」ののスキー板?を並べたようなセグメントザインの反響板に換装され、最前部の正しく「ソリ(反り)かえった」ぶぶんの間が「シーリングライト(プロセニアムライト)」に充てられている。

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

間口方向定在波
1Fメインフロア後半平行壁面部
  • メインフロアー側壁間約22m;約15.8Hz/1λ、約23.8Hz/1.5λ、約31.7Hz/2λ、
  • 木質垂直壁面、前半ハノ字段床、後半ストレート段床、壁際通路配置、
2Fバルコニー・テラス平行部
  • バルコニー部約22m;約15.8Hz/1λ、約23.8Hz/1.5λ、約31.7Hz/2λ※音響ネットで表装した吸音(遮音)垂直壁、壁際通路
  • サイドテラス部約33m;※凹凸加工表面処理をほどこした打ち放しコンクリートスラント壁で定在波を抑止している。
3Fバルコニー・テラス部平行部
  • バルコニー部約32.3m;※打ち放しコンクリート表面凹凸加工スラント壁で定在波を抑止。

最大奥行き方向
1・2F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約52m;※アンギュレーションのあるステージ反響板、と客席スロープで定在波を抑止。3F大向こうはステージ上部反響板のスラントで定在波を抑止

ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部約;平土間上部はスラント設置した一体デザイン大型天井反響板で定在波阻止

赤字は可聴音域内重低音。

上層部はスラント設置壁で完全平行を回避し、「壁面間隔20m超」のセオリー(※5)で1波長の定在波を可聴帯域外に追いやり、僅かに残った2階バルコニー側壁平行部分も、吸音壁で高次定在波を抑制している。

メインフロアー部の平行壁部分については、プレーンな木質パネルの垂直壁面なので高次の定在波も生じてはいるが、前半はハノ字段床(※6)で、更に壁際に通路を配置することにより定在波の音響障害(※7)を回避している。

という訳で、1波長の定在波は全て可聴帯域外の低周波振動なので実音響障害席は"0"査定。

1階後半部分については、スラント壁・扇形段床等の他の回避策を講じていないので、エリア点のみ1点減点とした。

総評

(1982年竣工)ザ・シンフォニーホール同様の過渡期的デザインのホールで何故か常設の脇花道?を備えている。

3年後(1986年竣工)に続く日本型ワインヤード型コンサートホールの元祖サントリーホール(ホール音響Naviはこちら)にも多大な影響(ヒント)を与えたと思われる変型変型8角形のホール。

ホール音響評価点:得点77点/100点満点中

※1810席(車椅子席含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点49点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点10点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点13点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数1=49点

定在波「節」部席;0席

定在波「腹」部席;0席

定在波障害実被害席総計;0?席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質凹凸表面処理のコンクリート壁なので素材基礎点16点とした。

基礎点B2=素材基礎点16点ー障害発生エリア数5=11点

初期反射障害1 壁面障害席 ;69席(12席/1階31列13番~24番、6席/1階32列5・6・7番&30・31・32番席、6席/2階3列4・8・15・21・29・31番席、14席/2階サイドテラス両壁際席、、6席/3階4・6・7列壁際席、25席/3階8列全席)

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;69席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数6=14点

眺望不良席数;24席/1階平土間中央部座席3~4列13番~24番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;69席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;93席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

演劇ホール

演劇ホールの施設データ

ホール様式 
  • 『扇形タイプ』プロセニアム型式多目的ホール。
  • 全幅約28.7mx全長49m
客席   
  • 2フロアー 収容人員 1,172人、間口約28.7mx奥行き約29mx天井底面高さ約16.2m
舞台設備 (常設脇花道付き)
  • プロセニアムアーチ:間口(可動ポータル)14~18m、高さ(可動ポータル)1~9m、有効奥行き;18.7m/バック幕→緞帳(最大奥行20.5m)、すのこ高・・・25m ステージ高さ;Fl+89㎝
  • 脇花道、奈落、大迫り、本迫り、小迫り、仮設本花道、仮設反響板
  • オーケストラピット&エプロンステージ(可動床迫り)最大幅;約19.5mx最大奥行き3.9m
その他の設備 
  • 楽屋x5、ホワイエ
各種・図面・備品リスト&料金表

(公式施設ガイドはこちら)

3層2バルコニーのプロセニアム形式ホール

オーケストラピット(可動床)を装備しており、オペラ、ミュージカル、レビュー、歌謡ショウ、に対応している。

回り盆はないが、1階平土間(オーケストラピット部分)に仮設本花道を設置出来歌舞伎公演にも対応している、総合舞台芸術・芸能ホールである。

モダニズムの極地?

こちらは「クライアントの意向」を最大限に反映し、バルコニー&テラスの手すり以外は全て「打ち放しコンクリート」のプレーンな内傾したスラント壁。

当然客席背後壁面はネットで表装された「吸音壁」

2階バルコニー両翼から伸びた高床式テラス

2階バルコニー両翼から伸びた高床式テラスが脇花道ギリギリまで伸びている。

脇花道回り込む大型プロセニアム

脇花道回り込む大型プロセニアムも勿論プレーンな打ち放しコンクリート、ポータルブリッジ・ポータルタワーで可変プロセニアムを構成できるように改修された。

仮設(側方)反響板が準備されておりコンサートにも対応できる(ホリゾント反響板は固定)。

天井

プラスターボードの水平反響板。

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

間口方向定在波
1Fメインフロア平行壁部分
  • メインフロアー側壁間約18m;約19.4Hz/1λ、※壁面スラント、凹凸表面処理、ハノ字段床配列で定在波を抑制・回避。

2・3Fバルコニー・テラス平行壁部分
  • バルコニー部約28.6m;約12.2Hz/1λ、※壁面スラント、凹凸表面処理、ハノ字段床配列で定在波を抑制・回避。
最大奥行き方向
1F(ステージホリゾント→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約36.4m;約9.6Hz/1λ、※大向こうの吸音壁により高次定在波h生じにくい?

2・F(ステージホリゾント→2階大向こう壁面)

最大奥行き約46.9m;約7.4Hz/1λ、※大向こうの吸音壁により高次定在波h生じにくい?

※3・F大向こうの対抗面はプロセニアム前縁の大型コーナー反響板によって定在波を抑止。

ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部約16.2m;約21.5Hz/1λ、約32.3Hz/1.5λ、約43Hz/2λ、約53.8Hz/2.5λ、約64.6Hz/3λ、約75.3Hz/3.5λ、約86Hz/4λ、

※オーケストラピット部可動床部分はプロセニアム前縁の大型コーナー反響板で定在波を阻止

※6・7・8列は高さ方向定在波のエリアに入っており、しかも高さ16.2mとタブー高さであり(※8)4波長定在波の腹と耳の位置が被さり太鼓鳴り物ではサプライズエリアとなっている。、

赤字は可聴音域内重低音。

約21.5Hzの高さ方向定在波以外は、全て可聴帯域外の低周波振動であり、高次定在波も抑制されているので、基礎点50点で据え置き、定在波障害エリアは-1点、障害座席は平土間部分の84席とした。

総評

太鼓・鳴り物を伴う伝統芸能はちと厳しいかもしれないが、天井以外石質壁のホールとしては、良く出来たホールではある。

ホール音響評価点:得点83点/100点満点中

※1172席(車椅子席含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点45点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点21点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点13点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数1=49点

定在波「節」部席;0席?

定在波「腹」部席;84席/1階平土間5~7列全席、

定在波障害実被害席総計;84?席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が吸音壁なので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数2=23点

初期反射障害1 壁面障害席 ;63席(19席/1階16列全席、44席/2階6列全席)

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;44席/2階6列全席

重複カウント ;ー44席

音響障害席総計;63席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;72席/1階平土間中央部座席2~7列19番~30番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;84?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;63席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;44席/2階6列全席

重複カウント ;ー80席

音響障害席総計;183席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

大会議室

(公式施設ガイドはこちら)

間口17m 奥行き21m 高さ3.65m、床面積390m2(倉庫含む)収容人員380人/椅子使用時(162人/机・椅子を使用)の平土間講堂で、間口7.2m 奥行3.6m 高さ0.4mの仮設舞台も設置することが出来る、平土間多目的講堂。

2つのリハーサル室

(公式施設ガイドはこちら)

横17m 縦12m 高さ3.6m床面積308m2;186畳!(※倉庫含む)の音楽リハーサル室と、

横14m 縦13m 高さ3.6m床面積253m2約153畳! (※倉庫含む)の演劇リハーサル室の2つのホールに対応した本格的リハーサル施設を持つ.。

熊本県立劇場へのアクセス

県立劇場前バス停下車(240円)

熊本県立劇場がお得意のジャンル

コンサートホール

オーケストラコンサート以外にも講演会等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

演劇ホール

バレエ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショーまでジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

熊本県立劇場の公演チケット情報

コンサートホールで催されるコンサート情報

ケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

演劇ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

デジタヌの呟き

40代最後の年1954年に日本初の本格的コンサートホール「神奈川県立音楽堂」(※紹介記事はこちら)でコンサートホールデザイナーとして確固たる地歩を築き、1960年代(50代)の脂の乗り切った時期に旧京都会館、東京文化会館(※照会記事はこちら)、神奈川県立青少年センター、と立て続けに多角堂に挑み、全国に多角堂フェチのホール増産のきっかけを作ったにもかかわらず、1964年竣工の弘前市民会館(※ホールNaviはこちら)からは正多角形路線をあっさり捨て、モダニズムの本道にもどった故前川國男先生の晩年の秀作である。

正多角形路線を捨て、ノーマルな扇形ホールデザインを追求してきた後半生の集大成作品ともいえる、このホールは、機能(見晴らし)と音響とモダニズムの見事な融合作品といえるだろう。

クライアントの期待通り「モダニズム」に固執...

前年1982年に「ザ・シンフォニーホール 」(※ホールNaviはこちら)が完成し、日本に「現代的・音響設計技法」が紹介されはじめた頃の作品でもあるが「モダニズムの巨匠」としてはクライアントの期待通り「経験とモダニズム」に固執したのであろう。

ステージ背後の「将来のパイプオルガン設置」を想定したスペース共々、心残りであったのでは無かろうか。

はるか以前1966年に 埼玉会館で木質壁材を使用した見事なデザインをご披露なさってはいたが、

地方の自治体からの「強いラブコール」に負け「石造り」に再挑戦なさったのであろう。

今後「弘前市民会館」のように内装を木質パネルに大改装すれば、両ホール共に「デザイナーの意図した本来の響き」を取り戻せるかもしれない。

公益財団法人熊本県立劇場が指定管理者

公益財団法人熊本県立劇場が指定管理者となって、取り仕切っている?県立劇場ではあるが...

公財XXの常で、熊本県の天下り先である組織は、「立派な定款」とは程遠い運営で、「相も変わらず」再就職のために、寄生虫?業者に「ご奉仕」しているようである。

市民(団体)に迎合した、改悪改修?

市民活動の盛んなお国柄?もあり、単なる迎合とも受け取れる改悪が行われている。

メインフロアー後方の「親子ゾーン?」が典型であろう!

都会の僻地?

ロケーションの項で述べたように電停からも遠く、文教地区なるが故の公共アクセスの悪さが禍している!

やる気の無さ!

「貸し館業」に専念?し、自主興行は疎か?

これでは、集客できなくてあたりまえ!

この会館が施設に見合った存在に立ち直るには、まともな指定管理者に移管するする必要がありそうである!

今後の本気改修に期待

地元土建屋への(幹部再雇用の御礼)ご祝儀発注ではなく、本気で改修していただきたい。

芝居小屋はまあいいとして?、コンサートホールは、吸音壁(遮音壁)以外の客席周辺Fl+1.8m以下の壁面には最新の木質グルービングパネルを全周に渡って表装し直して頂きたい、これだけで前川先生が思い残したことは完全に実現できるであろう!

これまでの歩み

  • 1978年(昭和53年)9月 - 県民文化センター建設準備室設置
  • 1979年10月 - 建設基本構想発表
  • 1979年11月 - 大手7設計事業者による指名コンペ発表
  • 1980年2月 - 指名コンペ入選作発表
  • 1981年1月 - 起工式
  • 1982年10月 - 定礎式
  • 1982年12月 - 落成式
  • 1983年- 開館
  • 2016年4月 熊本地震被災、甚大な被害で長期休館。

豆知識

参照覧

※1、第1章 初期反響エコーと後期残響は別物 はこちら

※2、第3章 藝術ホールデザインのセオリー はこちら

※3、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

※4、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

※5、関連記事 副則1 「壁面間隔20m超」のセオリーはこちら

※6 第4章第3節 扇状段床座席を用いたホール横断定在波の障害回避策 についてはこちら。

※7、定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』はこちら。

※8 第4章第1節「高さ方向定在波の音響障害」回避策 はこちら。避けなければならない天井高さは7、8、10、12、14、16、20m!

 

公開:2017年9月26日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


TOP八千代座 /山鹿市《 多目的芝居小屋 音響Navi 》


 

 

 



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