『旅するタヌキ』狸穴ジャーナル別冊

ミューザ川崎シンフォニーホール《ホール音響Navi》

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大豊作のブドウ畑とは...

川崎市の誇るオーケストラのサーカス小屋?「ミューザ川崎シンフォニーホール」

首都圏切っての音響を誇るワインヤード・ホールは2004年の開館以来「音響、眺望、至便」と三拍子の揃った「ワインヤード」は年間来場者20万人以上の大収穫!

※ 低額利用料金と高稼働率(年間日数稼働率99%!/平成19年度)のスパイラル効果!で、年間来場者数は約20万人! 

序奏と前奏曲 ミューザ川崎シンフォニーホールは「音楽のまち川崎」の宝石箱!

首都圏きっての音響を誇るミューザ川崎シンフォニーホール。

川崎市が川崎駅西口整備事業として東芝跡地に拡がるエリアに「音楽のまち・かわさき」を代表する施設として誕生させた音楽ホール。

毎年数多くの、海外メジャーオケの来日公演もあり、かつ交通至便なミューザ川崎シンフォニーホールは京浜間の音楽ファンの御用達ホールとなっている。

川崎駅前の新しいランドマーク" ミューザ川崎シンフォニーホール "

オフィス棟、ショッピングゾーンなどとあわせた複合施設「ミューザ川崎」の一部にある。

オフィスビル(セントラルタワー)と文化・商業施設(シンフォニーホール)として作られた。

駅に隣接する立地条件を生かすため、川崎駅西口からペデストリアンデッキで繋がっており、これまで拠点となる施設が無かった川崎駅西口の新しいランドマークとなっている。

さらに駅の南東側の川崎日航ホテルや川崎ルフロンともペデストリアンデッキで繋がっている。

川崎駅西口駅前に建設されて交通至便

JR川崎駅西口前と言う交通至便のロケーションで京浜エリアの音楽愛好家の「日常のコンサートスポット」として観客にも受けが良い。

ミューザ川崎シンフォニーホールへのアクセス

品川・横浜両駅から共に約9分!

  • JR川崎駅 下車徒歩3分、京急川崎駅下車徒歩8分。
  • 品川駅からJR、京急共に9分/¥216(JRICカード利用)¥227( 京急ICカード利用)
  • 横浜駅からJR8分/¥216(JRICカード利用)京急9分¥227( 京急ICカード利用)

世界のマエストロたちが認めた最高の音響空間

首都圏でも数少ないサントリーホールと同じワインヤード形式で何より「響の良さ」が最大の魅力。

このホールを利用した演奏家が口を揃えて「世界最高の音楽ホール」と絶讃している。

ミューザ川崎シンフォニーホールが得意のジャンル

東京交響楽団(公式サイトはこちら)のフランチャイズになっている。

プロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

ミューザ川崎シンフォニーホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

リーズナブルな施設利用料金設定でアマチュア楽師にも

利用料金が比較的リーズナブル事もあり、首都圏エリアのアマチュアオーケストラのメッカとも成っていて、遠くは東京湾アクアラインを使ってはるばる千葉県からも音楽団体がホール利用に訪れている。

  1. 各種図面,備品リスト&料金表。
  2. 施設別舞台備品・図面;舞台平面図はこちら
  3. ピアノ等コンサート対応備品貸し出し備品リスト。
  4. 楽屋その他の付属施設詳細はこちら。
  5. 施設別ホール使用料金表 はこちら。
  6. 施設別ホール専用・備品利用料金表 はこちら
  7. 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら。
付属施設・その他 

第1曲 ミューザ川崎シンフォニーホール 音響の秘密

(公式施設ガイドはこちら。

ミューザ川崎シンフォニーホールの施設データ

Official Website https://www.kawasaki-sym-hall.jp/

  1. 所在地  神奈川県川崎市幸区大宮町1310
  2. 所属施設/所有者 ミューザ川崎シンフォニーホール/川崎市。
  3. 指定管理者/運営団体 川崎市文化財団 グループ/川崎市。
  4. 開館   2004年
  1. 設計  松田平田設計
  2. 総事業費 230億円
  1. ホール様式 5フロアー、変形10角型『ワインヤードタイプ』音楽専用ホール。客席配置図・座席表はこちら
  2. 客席   収容人員 1997名、6フロアー、音響改善席
  3. 舞台設備 オープンステージ、16分割迫り上がりステージ
  4. その他の設備 パイプオルガン
  5. 付属施設 楽屋X12室、オーケストラホワイエ、ロビー、ドリンクコーナー、

何と言っても「松田平田設計」の独創的な2重スパイラル配列(渦巻き状)の5層フロアー形式の客席配置デザイン。

因みな客席配列で、舞台背面にまで回り込んだ多層(五層)の客席で有りながら、各フロアーで十分な軒先高さと軒先の浅い客席を実現している。

総評

イヤ参りました、モダニズム建築の巨匠故前川國男先生以外にもアリーナ(円形体育館)をコンサートホールに変貌させる、奇才がおられたとは....

全く素晴らしいの一言に尽きます。

"セオリー重視"の定在波の抑止・駆逐で貫いたデザイン!

「オーバル五層アリーナ」という破天荒な"見かけ"(※11)にもかかわらず、「2重らせん形状」の客席スロープをホール全周に巡らせ"変形多角形"として、2階席以上の背後の木製壁面も平面で有りながら天井に向かって僅かに拡がる様にスラントさせるなどの徹底的な"並行面駆逐策"で「オーバルアリーナ」に付きものの初期反響による「ワンワンエコー」と定在波(※12)の影響を見事に抑止・抑制(※13)している!

※11、第3章 藝術ホールデザインのセオリー はこちら

※12、定在波に関する解説記事 『定在波』とはこちら

※13 第3章 ホールデザインの基本"定在波の根絶・阻止・駆逐" 法

螺旋テラスが音響拡散対体に

2重らせん形状に配置した「テラス形状」が音響拡散体(※14)の役割を果たし、全館・全席に心地良い響きをもたらしている。

※14、音響拡散体については「第2章第1節 音響拡散処理と音響拡散体となる要素」をご参照ください。

凝った作りの逆ドーム天井

(音響的にも)厄介な逆ドーム(※14)&吊り天井を分割構造で見事に使いこなした秀作!

参※14)第4章第4節第3項 逆ドーム天井反響板は気休め程度の効果しかない!

"空調ダクト"をうまく使った壁とのつなぎ目

"籠もり音の原因"となる「狭角」を無くすために、整形された"空調ダクト"をうまく使った心憎いデザイン、醜悪な天井デザインで有名な愛知県芸術劇場コンサートホール(※ホールNaviはこちら)とは好対照。

定番設備パイプオルガンも定在波対策に一役

今やスイス、クーン社製 71ストップ・パイプオルガンリモートコンソール付き を装備し、且つ巨大なパオプオルガンと僅かに突出(凸)させた壁面とを合わせ、ステージ背後をランダム形状にして対抗面との平行面キャンセルにも用いている。

惜しまれる壁材(不)適所?

低予算でサントリーホール(ホールNaviはこちら)に迫りたかったのか...

低層部の壁面(テラス前面)を石材(表面加工コンクリート)、最上層部壁面を木質パネルとした事。

残響創出は「天井とオーディトリアム上層部」というセオリー(※15)を失念されたらしい?

参※15)当サイト関連記事 後期残響をもたらす各部の意匠はこちら。

86点?と意外と低い得点の原因は背後に迫った1Fの壁が...

さすがにコンクリート壁面直前には座席を配置しないようにされてはいるが...

それでも1階フロアー1Cの17~34番は座席背後にコンクリート反響板が迫っておりいかがなものか?(※16)

それにしても、並行面を完全に駆逐した効果ははっきりと数値に現れていてご立派!

参※16)当サイト関連記事 第1節 壁で囲まれた「閉ざされた空間」では壁面の音圧は"0"はこちら。

今後の改修に期待

NHKのライブ録音などでは、サントリーホールと並び、非常に「優れた録音スタジオ音響」であるようだが?

現状の、1、2階フロアー周辺の「表面加工した打ち放しコンクリート壁」は頂けない!

次回の改修では1階最後列壁面(とテラス前縁)を木質グルービングパネル(※17)に換装する改修をお願いしたい!

ついでに1C列18席は撤去して通路とすべきである!(※つまりチケット購入の際には1C列は避けられたほうが賢明)

この改修により、全席が「クリアーで分解能がよい」トランジェントに優れた音響となり全国6例目の満点ホール(※18)誕生となるはず!

※17 手法1 1/4波長程度の「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル の効果 はこちら。

参※18)当サイト関連記事 『 後世に残したい真の銘ホール 』...音の良いコンサートホール74選はこちら。

ホール音響評価点:86点

※収容人員 1997名のコンサートホールとしての評価

§1,「定在波」対策評価点:50点/50点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で 「完全平行・平面」の場合は、持ち点を満点x0.5=25点に減ずる。
  • ※障害エリア客席数/収容人員 の比率で持ち点から算出する。

§2、残響その1 「初期反射」軽減対策評価点:14点/25点満点

  • 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点13点の間5段階で持ち点評価。
  • 障害箇所1点/1箇所で持ち点から減点。
  • ※障害エリア客席数/収容人員 の比率で持ち点から算出する

§3,「客席配置」評価点:17点/20点満点

  • ※壁際通路、大向こう通路の有無、天井高さ、バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で持ち点から減点。
  • ※障害客席数/収容人員 の比率で持ち点から算出する

§4,残響その2「後期残響」への配慮評価点:5点/上限5点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

算出に用いた値;

●定在波対策持ち点;50点

想定・定在波障害席数;0席

●初期反射持ち点 15点/素材点16点&障害発生個所1ケ所

初期反射障害1壁面障害 18席/1C、※2階以上は反射角の関係で音源(オーケストラ)からの直接音には干渉(悪影響)しない!

初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;18席

●客席配置持ち点 18点/障害発生個所2ケ所

眺望不良席数;20席/1F平土間中央部座席

音響不良席その1;定在波障害席0席

音響不良席その2 ;初期反射障害1 壁面障害 18席(18席/1C、)

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;38席

終曲 豆知識

ミューザ川崎シンフォニーホールこれまでの歩み

1983年10月 : 川崎市が川崎駅西口整備事業として起案。
1989年10月 : 川崎市から旧住宅・都市整備公団(現都市再生機構)へ再開発事業の実施を要請
2002年11月 : 東京交響楽団がフランチャイズホールとして使用する協約締結。
2003年12月 : 併設「ミューザ川崎セントラルタワー」が竣工
2004年4月18日 : 「音楽のまち・かわさき」推進協議会発足
2004年7月1日 : 秋山和慶指揮/東京交響楽団 によるマーラー作曲交響曲第8番「千人の交響曲」でこけら落し公演。
2011年3月11日 : 東日本大震災被災、休館。
2013年4月1日 : リニューアルオープン。

ミューザ川崎シンフォニーホールのある川崎市

※タウンヒストリアはこちら

東京都と接する神奈川県最東端に位置する、横浜市に次ぐ規模の政令指定都市。

県内唯一市内全域が旧武蔵国に属していた。

推計人口、1,509,887人/2018年4月1日

川崎-横浜 7分/¥220(JR)¥230( 京急)/10.4km

川崎-品川 9分/¥220(JR)¥230( 京急)/11.8km

維新以前から川崎大師がある町として有名で、日立、東芝、NEC、富士電機、キャノンなどの主力工場がある工業都市であると同時に、川崎競馬、川崎競輪、でもお馴染みのギャンブルタウンとしても有名。

大正モダニズムとともに西洋音楽普及の立役者となった「蓄音機」を国産化した日本蓄音機商会(現・日本コロムビア)が産声を上げた町としても名高い。

 

公開:2017年9月 2日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


テアトロ・ジーリオ・ショウワ /昭和音楽大学《ホール音響Navi》  TOP横浜みなとみらいホール 《ホール音響Navi》


 

 

 



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