音・道・楽・人 分室『旅するタヌキ』

DMG MORI やまと郡山城ホール 《 ホール 音響 ナビ 》奈良県の西の要"大和郡山市"の「文武の殿堂」

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やまと郡山城ホールのあらまし

当てにならない事で有名な「音響家が選ぶ優良ホール100選」に選ばれている。

大ホール、小ホール、展示室、スタジオ、会議室、大和郡山市立図書館などからなる文化会館(棟)と、柔道場、剣道場、弓道場からなる武道館(棟)の2つの施設からなる複合施設。

(一財)大和郡山市文化体育振興公社が懸命に自主興行をプロモートしている。

地上・4階、地下2階の鉄筋コンクリート一部鉄骨造の日本建築風の複合施設との武道場(棟)の2棟からなる。

大ホール・小ホール・図書館は中庭を設けてそれぞれ独立した建て屋であるがエントランスホールなどの「回廊」で連続したデザインになっている。

市道を挟んですぐ脇に近鉄橿原線が通っているが、脇は郡山城跡の外堀であり。列車の通過振動は「十分に制震」されている。

やまと郡山城ホールのロケーション

ところ  大和郡山市北郡山町211-3

県立郡山高等学校、城跡開館などがある郡山城跡と近鉄橿原線、県道9号線を挟んで対峙している。近くに大和郡山市役所もあるが、辺りは閑静な住宅地となっている。

じゃらんの周辺観光ガイドはこちら。

やまと郡山城ホールの施設データ

Official Website http://www.ykjohall.jp/index.html

  1. 所属施設/所有者 やまと郡山城ホール/大和郡山市。
  2. 指定管理者/運営団体 一般財団法人大和郡山市文化体育振興公社/大和郡山市。
  3. 開館   2001年(平成13年)5月竣工
  4. 設計  
  5. ゼネコン 淺沼組・藤本建設特定建設工事共同企業体
  6. 総工費は59億3千万円 
  7. 付属施設・その他 
  • 付属施設 
    • 洋室楽屋X、和室楽屋x、主催者控室、応接室、主催者準備室、浴室X、シャワールームX、更衣室X
    • リハーサル室、音楽スタジオx2室、
    • 特別会議室、会議室x、
    • レセプションホール、展示室、
    • レストラン、喫茶室、
    • 大和郡山市立図書館(一般閲覧室&児童閲覧室)
    • 武道館(柔道場、剣道場、弓道場)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

建築音響工学から眺めた『大ホール』

(公式施設ガイドはこちら。)

平土間部分(オーケストラピット&エプロンステージ可動床部分)とそれに連なるスロープ部分と、客席両側に高床式の2列のテラス席を持つメインフロアーと同じく両翼から2列のサイドテラスせきが伸びた2階バルコニー席で構成されている、2フロアー2層の多目的ホール。

メインフロアー、及び2階席両側(低・中層部)壁面は装飾柱の間を丁寧に額縁(縁取り)の付いた「細かいピッチの縦棧で表装されたグルービングパネル」を用いている。

最前列から2列目の上部パネルは開閉式フラップ扉になっておりプロセニアム形式舞台の照明器具収納箱になっている。

更に同様のグルービングパネルで2階・バルコニー・テラスの前縁も表装されている。

1・2階大向こう背後は立て格子音響グリルで表装されたプレーンな吸音壁で最上層部は音響ネットで表装された吸音壁となっている。

側壁最上層部は天井と同じプラスターボードを用いた反響板で表層されており、織り上げられて天井に至っている。

天井は巾方向3連奥行方向5連の大ピッチの組格子反響板で表装されている。

更に最高部から2列目は開閉装置の付いた大がかりな「残響調整仕掛け天井」となっている。

プロセニアムは正方形の突起を等間隔に並べた木質パネルで、木質重量級の奥行きの短い自走式反響板(シェルター型隔壁)と隙間無く繋がる最新流行のデザインで「エプロンステージ」併用でオープンステージ形式ホール一体型のコンサートホールとなるデザイン。

また天井照明バトン(ブリッジ)は天井反響板から露出させて吊す流行のタイプ。

総評

木質パネルを豊富に使用した細部まで丁寧に設えた非常に見栄えのする「日本音響建築協会」の音痴な先生方が好みそうなホールではある。

平面プロセニアム、直立(バルクヘッド)音響隔壁、垂直な壁面も含め、平行面が多すぎる!

グルービングパネルは初期反響軽減定在波抑制には効果があるが、「定在波」抑止・根絶には効果が無い!

このデザインではおそらく、壁際のサイドテラス席、2階バルコニー大向こう席、メインフロアー中央列2列は、定在波(※1)のために特定の周波数で音が消える「ミステリースポット」となっているであろう。

ホール巾約25mなので約14Hz(ピアノの最低音やバスドラムの帯域)約27Hz、約55Hz、110Hz等の重低音を含む低音域、そして220Hz・440Hz(チューニングに使うA(真ん中のラ)などの音が影響を受けているはずである。

幸いにしてこのデザイン(設計)なので今後ともに「パイプオルガン」の設置はなさそうであるが、

もしも設置したら、共鳴して天井落下?等という不足の事態も起こりかねない、デザインである。

今後の改修に期待

効果的な対策として、ステージ反響板も含めて、壁面の内傾or外傾スラントが有効(常識的)な対策である。

大ホール音響評価点:75点

§1,「定在波対」策評価点:20点/40点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。

§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:19点/20点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
  • ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。

§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:19点/20点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。

§4,客席配置への評価点:17点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
  • ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。

※関連記事「後悔しないコンサート会場の見分け方」まとめ  はこちら。

大ホールの施設データ

  1. ホール様式 、プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席    2スロープ2フロアー 最高部天井高さFl+約16m
    • 収容人員1,005 席(車椅子席9席を含む)、913席(車椅子席9席を含む)/オーケストラピット使用、832席(車椅子席6席を含む)/オープンステージ形式、
    • 内訳;1階固定席X653席、1階(オーケストラピット部可動床)可動席X93席、
    • 2階席352席、
    • 親子室X1(定員4席)、
    • 木質パーケット床、
  1. 舞台設備 ステージ奥行約14ⅿ、2面舞台相当;有効床面積約478㎡(約288.5畳)可動プロセニアム・プロセニアムアーチ:高さ約8.5/プロセニアム形式~10m/オープンステージ形式、間口約16.2/プロセニアム形式~20.8m/オープンステージ・形式、
  2. プロセニアム形式使用時実効面積;約226.8 ㎡(約137畳)/、
  3. オープンステージ形式エプロンステージ使用時;奥行11m有効床面積約214㎡(約129畳)
  4. ステージ高さ;FL+90cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約19m、バトン類高さStL+約18m、
    • 脇花道、本花道(すっぽん迫り付き)、仮設花道、花道用所作台、スライディングステージ、、大・中・小迫り、所作台、演台、花台、司会者台、指揮台/指揮者用譜面台、ステージ椅子、
    • 松羽目、金屏風、地絣、映写スクリーン
    • 重量級自走式反響板、オーケストラ平台、ひな段用けこみ、、オーケストラピット&エプロンステージ迫り(可動床客席収納)
  1. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台図面
  1. 付属施設 
    • 主催者控え室、洋室楽屋X5、シャワー室(男女各々x)、コインロッカー
  1. その他の備品 フルコンサートピアノ(メーカー不詳)x3、

大ホールがお得意のジャンル

奈良フィルハーモニー管弦楽団の準フランチャイズになっている。

オーケストラコンサート、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、大衆演劇、落語・演芸寄席、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。

やまと郡山城ホールで催されるイベントのチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

建築音響工学から眺めた『小ホール』

公式施設ガイドはこちら。)

スロープを持った1フロアーのプロセニアム型の多目的ホール。

大ホールと違って、華美な装飾を廃して「モダンで簡素」な設えの天井の高い1フロアーのホールである。

プロセニアムも含め内装は塗装仕上げした一般建築用の軽量発泡コンクリートパネルを使用している。

壁面はホール軸方向に食い違えてアンギュレーションを設けパネル間に縦方向に照明フードを明かり窓風に廃した好感の持てるデザイン。

大向こうは通路になっており背後壁は音響グリルで表装された吸音壁になっている。

天井はステージ上面反響板から滑らかに繋がるようにかなりの角度の片流れ4連のブリッジ反響板となっている、大向こう上層の調整室(映写室)の窓以外の前面壁面は音響グリルを内傾スラントさせて表装された吸音構造となっており、最上層部も照明装置フード切り込み部以外は大胆な傾斜の面取りで天井反響板に繋がっている。

小ホールに関しての総評


大ホールに比べて簡素な造りではあるが、こちらの方が「見かけより実利」を重んじる「やまと気質」がよく現れ、上質な「リサイタルルーム」に仕上がっている。

ホール音響評価点:90点!

§1,「定在波対」策評価点:35点/40点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。

§2、残響その1 「初期反射」対策評価点18★点/20点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
  • ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。

§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:19点/20点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。

§4,客席配置への評価点:18点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
  • ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。

小ホールの施設データ

  1. ホール様式 、プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席    1スロープ1フロアー 
    • 収容人員309席、
    • 内訳;車椅子用スペースX4、
    • Pタイル張り
  1. 舞台設備 ステージ奥行約8ⅿ(反響板設置時6.3m)、有効面積約162㎡(約98畳) プロセニアムアーチ:間口約10.8m、高さ約6m、ステージ高さ;FL+65cm、ブドウ棚(すのこ)バトン類
    • 所作台、演台、花台、司会者台、指揮台/指揮者用譜面台
    • 松羽目、金屏風、地絣、映写スクリーン
    • 反響板、オーケストラ平台、ひな段用けこみ、
  1. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台図面
  1. 付属施設 
    • 主催者控室、洋室楽屋X4、シャワー室(男女各々x)コインロッカー
  1. その他の備品 フルコンサートピアノ(メーカー不詳)、

小ホールがお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われ、落語・演芸寄席、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

その他の付属施設

リハーサル室

公式施設ガイドはこちら。)

リハーサル室、幅約7mx奥行約15m、床面積約107㎡(約64.5畳)天井高さ;約3.4m フローリング床、

バレエ・ダンスレッスンバーを装備した壁面ミラー(カーテン付き)を備えセミコンサートピアノ、を装備している。

・防振構造を持ち、タータンチェック状に配置された有孔音響ボードで表装された遮音(吸音)壁面と同じく壁面から折り上げられた丁寧な設えの天井を持つが...。

ルーム音響評価点:37点

§1,「定在波対評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:12点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

デジタヌの豆知識

やまと郡山城ホールへのアクセス

鉄道・バスなどの公共交通

近鉄・郡山駅から徒歩約8分600m。

JR駅大和路線・郡山駅西口から徒歩約15分1.1km

マイカー利用の場合

(※駐車設備収容台数が少ないので公共交通機関利用がおすすめ)

西名阪道路郡山ICより国道24号線経由で約12分/6.1km。

第2阪奈道路蓬莱出口より国道308号線経由で約17分/5.2km

京奈和道奈良バイパス出口より国道24号線経由で約26分/10km

DMG MORI やまと郡山城ホールのこれまでの歩み

2001年5月に竣工

2017年(平成29年)1月より大和郡山にて創業したDMG森精機が命名権を取得し、向こう10年間「DMG MORI やまと郡山城ホール」の名称となった

※1、定在波の悪影響に関するnatuch音響さんの解説記事はこちら

 

公開:2018年5月24日
更新:2019年7月12日

投稿者:デジタヌ


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