音・道・楽・人 分室『旅するタヌキ』

奈良県文化会館 《 ホール 音響 ナビ 》

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新建築基準法実施以前の建物だが、上手にリニューアルして、最新のコンサートホール並の音響を持つようになった「奈良県文化会館・国際ホール」。全体として、基本設計が古いので高さの足らないホールではあるが木質パネルを豊富に使用し、残響2秒以上とか言う「都市伝説?に惑わされず」、肉声の通りに主眼をおいた「古都奈良」に相応しい「落ち着いた雅(みやび)な音響」に仕上がっている。

このページの目次

奈良県文化会館のあらまし

鹿で有名な奈良公園に面した、国際ホール、小ホール、展示室・会議室等大小様々な規模の施設を備えた総合文化施設。

奈良県文化会館のロケーション

ところ  奈良市登大路町6−2

東大寺、奈良公園に近接し、奈良県警察本部、奈良県庁、県立美術館、奈良県商工観光館、奈良国立博物館などの官公庁の施設がある奈良の中心街。

じゃらんの周辺観光イベントガイドはこちら。

奈良県文化会館へのアクセス

鉄道・バスなどの公共交通

近鉄奈良線近鉄奈良駅下車徒歩5分

JR奈良駅からバスで5分

マイカー利用の場合

(※周辺駐車設備(民間有料駐車場)が少ないので公共交通機関利用がおすすめ)

西名阪自動車道郡山ICから約32分/9.4km

第2阪奈道路終点から約14分/5.7km

京奈和道奈良山終点から約12分/4.2km

奈良県文化会館の施設データ

Official Website http://www.pref.nara.jp/1717.htm

  1. 所属施設/所有者 奈良県文化会館/奈良県。
  2. 指定管理者/運営団体 奈良県。
  3. 開館   1968年
  4. 設計  日建設計

付属施設・その他 

  • 付属施設 
    • 和室x2、集会室x6、特別集会室、会議室x3、多目的室(防音設備を有した有効面積122.6㎡の部屋)、展示室、

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

(公式施設ガイドはこちら。)

音響工学から眺めた『国際ホール』の音響デザイン

2スロープ2フロアーのプロセニアム形式多目的ホール

最前列A列~D列までの4列が平土間部分(オーケストラピット部可動床)でE列から緩やかな傾斜のハノ字段床が続くステージ前部と、少し傾斜の中央部・後部のハノ字段床を持つメインフロアーと2階バルコニー席からなる2スロープ・2フロアーの変形8角形のプロセニアム型式多目的ホール。

同時通訳施設

国際会議ホールの名に恥じない4ヶ国語の同時通訳に対応した設備(4室の同時通訳室)を持っている。

所見

建設当時流行った8角形の形状ではあるが「変形8角形」としたことで対抗する並行面は中央部分の両側壁1っか所のみ。

耐震補強・壁面改修を主にした大改修

大改修後、客席内壁は縦棧を用いたグルービング処理の木質パネルで表装され、左右ステージ反響板も同意匠の木質パネルを屏風状にアンギュレーションを持たせて側壁とし、ステージ背後は水平方向に折れ目があるアンギュレーションで、天井反響板は凸曲面の幅の異なるいずれも木質反響板となっており統一のとれた内装となっている。

2階バルコニー前縁はグルービング加工した木質パネル、下面(1階天井)もプレーンな木質パネルで表層されている。

1・2階大向こう背後は客席両側壁と調和のとれた立て格子で表装された吸音壁となっている。

天井反響板

天井は大型のプラスターボード製反響板をアンギュレーションを設けてブリッジ状に配置している。

大型のプロセニアム上縁前面は木質パネルによる大型コーナー反響板が設えられている。

尚改修時に、道具迫り、小迫りは撤去され、奈落(高さ3.7m)は現在使用されていないため、脇花道は残されているが、「仮設能舞台」セットを用いた能・狂言以外の歌舞伎等の伝統芸能には対応していない!

総評

全体として、基本設計が古いので高さの足らないホールではあるが木質パネルを豊富に使用し、残響2秒以上とか言う「都市伝説?に惑わされず」、肉声の通りに主眼をおいた「古都奈良」に相応しい「落ち着いた雅(みやび)な音響」に仕上がっている。

ホール音響評価点:89点(暫定値)

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1,「定在波対」策評価点:50点/50点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。

§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:19点/25点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。

§3,客席配置への評価点:17点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。

§4,残響その2「後期残響」への配慮評価点:3点/5点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で加算。

国際ホールの施設データ

  1. ホール様式 、変形6角形プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   有効床面積約686.12㎡(約207.5畳) 2スロープ2フロアー 
    • 収容人員1,313席、、
    • 内訳;1階固定席X788席、1階(オーケストラピット部可動床)可動席X124席、車椅子用スペースX8(仮設椅子席X10席)(親子室4室)
    • 2階席391席、
    • 階平土間中央部千鳥配列、
    • 木質パーケット床、

  1. 舞台設備 ステージ巾約38.4mx奥行約13.65ⅿ、有効面積約669.91㎡(約202.5畳)プロセニアムアーチ:間口約19m、高さ約8.5m、実効面積;約259㎡(約156.5畳)ステージ高さ;FL+90cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約19m棚、バトン類高さStL+約17.5m、
    • 大・小迫り(オーケストラひな壇迫り;12mX1.6m&12mX1.2m、Sl+1.1m設定可)
    • 脇花道、所作台、演台、指揮台/指揮者用譜面台
    • 松羽目、竹羽目、金・銀屏風、紅白幕・緞帳、映写スクリーン
    • 仮設能舞台セット、
    • 反響板(高さSl+5.9m~7.3m、オーケストラ平台、ひな段用けこみ、オーケストラピット迫り(Gl-1.1m設定可)、バレエ用シート
  1. 付属施設 
    • 1洋室楽屋X7、浴室・シャワー室(男女各々x1)、同時通訳室x4
    • リハーサル室( ヤマハセミグランドピアノ付き別料金)(巾約15mx奥行き約11m有効面積約165㎡;約99.5畳)
  1. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台図面&舞台設備使用料金表)
  2. その他の備品 スタインウェイコンサートグランドピアノ、ヤマハコンサートグランドピアノ、和太鼓(口径不詳)
各種・図面・備品リスト&料金表

国際ホールがお得意のジャンル

奈良フィルハーモニーのフランチャイズホールとなっている。

オーケストラコンサート、オペラ・バレエ公演、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、落語・演芸寄席、着ぐるみ・ヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。

奈良県文化会館で催されるイベントのチケット、有料観覧席情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

音響工学から眺めた『小ホール』の音響デザイン

巾約15mX奥行約18m 有効床面積約270㎡の長方形の部屋にかわいいプロセニアムステージが付いた平土間多目的イベントスペース。

所見

客席両側壁は一般建築用の石膏ボードを壁紙で表装した宴会場スタイルで天井との繋ぎ目は丁寧に面取りしてある。

客席背後はカーテンを設えた全面ガラス窓になっている。

プロセニアムも木質パネルを使用し、ステージ側壁は細かな水平方向のアンギュレーションを持たせたパネルを使用し、ステージ天井はステージ背後に向かってわずかに低くなるようにした片流れ天井を採用している。

天井は低いが、アンギュレーションを持たせた立派な木質反響板を吊してある。

ルーム音響評価点:50点

※会議室、宴会場、展示会場などがメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。

§1,「定在波対評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

丁寧な設えの部屋ではあるが、音楽用途を考えるなら両側壁を僅かに内傾スラントさせるべきであった様に思う。

小ホールの施設データ

  1. ホール様式 巾約15mx長さ22.5m有効床面積約341.24㎡(約206畳)天井高さ(最高部)約3.8mプロセニアム形式舞台付き・平土間多目的イベントスペース。
  1. 客席 巾約15mX奥行約18m 有効床面積約270㎡(約163畳)天井高さ(最高部)約3.8m 1フロアー 
    • 収容人員300席(通常288席)、
    • 内訳;スタッキングチェアー300席、
    • Pタイル張り。
  1. 舞台設備 幅約11mx奥行約3.4m 実効面積約28㎡(約17畳)
    • プロセニアムアーチ:間口約11m、高さ約3m、ステージ高さ;FL+約40cm、
  1. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台図面&舞台設備使用料金表)
  1. その他の備品 ヤマハ・セミコンサートピアノ

小ホールがお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われジャズコンサート、演劇・伝統芸能、落語・演芸寄席、などの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

またパーティー・レセプションなどの会場としてもつかわれている。

デジタヌの豆知識

奈良県文化会館のこれまでの歩み

1968年に奈良県立図書館とともに完成、100年会館(1999年開館)が完成するまでは奈良県最大のホールであった。

2005年4月 新設奈良県立図書情報館開館に伴い付属・奈良県立図書館が移転し閉館した。

 

公開:2018年5月24日
更新:2021年1月10日

投稿者:デジタヌ


TOPDMG MORI やまと郡山城ホール 《 ホール 音響 ナビ 》奈良県の西の要"大和郡山市"の「文武の殿堂」


 

 

 



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