音・道・楽・人 分室『旅するタヌキ』

大阪市中央公会堂 《 ホール 音響 ナビ 》大阪市民の誇り"活きている重要文化財!"

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Official Website http://osaka-chuokokaido.jp/

大阪市中央公会堂のあらまし

活きている重要文化財!
東京芸大奏楽道が移設されたため、公会堂形式としては現存する日本最古の現役公会堂である。

1999年からの改修工事で、時代のニーズに沿うよう、スロープやエレベーターを新設するなど大幅に付帯設備を充実。
美しく甦った大阪市中央公会堂は、公会堂建築物として西日本で初めて、国の重要文化財に指定された。

建築音響デザイン面から見た大阪市中央公会堂

(公式施設ガイドはこちら)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

大集会室(大ホール)

(公式施設ガイドはこちら)

ホール客席間口約26mx奥行き約34mx最後部天井高さ最後部天井高さ10.85mの公会堂形式(シューボックスタイプ)の2階回廊席(351席)の有る、メインホールは、今風の多目的ホールに比べ、特別な遮音設備は設けておらず、1階は正面表玄関側には3層のトイレ設備や会議室などからなる玄関棟、が裏側は舞台、控室、会議室、控室、会議室、を備えた同じく舞台棟?で中央部分のホール客室部分を挟むようなデザインで、オーディトリウム部分の壁は外壁と共用で外気にさらされており、2階サイドテラス席背後通路と外部を隔てるのは明かり取りのガラス窓1枚と分厚い音響カーテンのみ、下部は広い通路となっており、2階同様に両サイドはガラス窓1枚で外気にさらされている。

騒音に対する配慮はないが、平戸間形式のシューボックススタイルで高い天井(中ーホール床面)と相まって音響効果はよい。

丁寧に織り上げられた講堂様式の天井

天井は3階中集会室(中ホール)の床面に当たり、2階サイドテラス席前縁の上部梁からラウンドして丁寧に折れ上がり、フラットな講堂形式の天井に続いている。

プロセニアム形式講堂仕様

最前列1列~11列目迄が奥行き約13.4mを占める完全平土間部分で、12列目から最高列33列迄が緩やかなストレートスロープとなっている。

総評

基本的に20m超の壁間距離(※1)をもつ1・2階共に1波長の基本平面方向の定在波は可聴帯域外のい低周波振動域に追いやられているが...

このホールは建設年代からいって音響的配慮はなされていないが、当時の「よすがをしのべる」歴史的価値のあるホールとして、「明治の代」に連れて行ってくれる雰囲気?を味わっていただきたい。

鳴り物(バスドラム・シンバル)を伴う派手な大オーケストラやピアノリサイタルは不適だが、ティンパニ付き程度の小編成の2管編成の程度のチェンバーオーケストラやチェンバロ等の古楽器をもちいいたハイドン以前の古典派、バロック音楽なら当時をしのべる優雅な響きを堪能できるはずである。

音響的にも優れた2階バルコニー席

2階バルコニー席はサイド・センター共に比較的急峻な4列4段の段床上に設置され最上段D・H・L列を除き平面方向の定在波(※2)からは守らてれいる。

想定定在波
  • 間口約26m;13.4Hz/1λ、20Hz/1.5λ、28.6Hz/2λ、32.5Hz/2.5λ、40Hz/3λ、
  • 天井高さ約10.9m;32Hz/1λ、48Hz/1.5λ、64Hz/2λ、80Hz/2.5λ、96Hz/3λ、
高さ方向定在波障害のあるメインフロアー前列11列

メインフロアーについては前半11列迄が天井と完全に平行しており、エプロンステージ上も含め、ほーる前半約13.4mのエリアはホール幅方向と高さ方向の定在波が混在するミステリーゾーンとなっている。

定在波対策評価について

音楽会形式(迫り舞台1&2使用時)の1,030席のシューボックスホールとして評価した。

又エリアは定在波の幅方向・高さ方向定在波の影響を受けるメインフロアー前半と後半スロープと、2階後方大向こう列D列の3か所としエリア点のみ3点を減じた。

平面方向の幅・奥行き方向の定在波については窓部に.音響カーテンを引き初期反響(※3)が低減され、ある程度定在波の持続時間が短く緩和されている前提で、実障害席カウントは"0"査定とした

ホール前半平土間部分の高さ方向定在波については、聴取位置(頭部)が床面から約1/10浮かんでおり、(基本定在波の)ゼロクロス面、と「定在波の腹」に当たる高さは避けているが、2.5波長定在波全長の1/10に近く「定在波の腹」の部分に当たりサプライズゾーンとかち合ってしまうために、このエリア全域「か列~さ列」全席161席(車椅子6席含むは定在波実障害席としてカウントした。

今後の再改修に期待

今後期待する箇所をまとめると

幅方向定在波の低減策

メインフロアーは後半を緩やかなスロープに改修し中央部分の9番から21番全列を千鳥配列に改修した点は評価できるが、その際に一歩踏み入れ後半スロープぶぶんは「ハノ字」(※4)配列にすべきであった。

再度の改修が(施工上)可能であれば改修を望みたい。

前半平土間部分上空に天井反響設備を

幸い現在当初設置されていた2階サイドテラス前半は撤去されているので、ステージ、平土間部分の3スパン全範囲を「覆う」3分(or6分割割)のFRP製の軽量反響板を、シャンデリアを避けて設置していただきたい。

この区間に後半に向かってプロセニアム前縁から10度程度の開き角で「ハノ字」に上反した天井反響板を吊るせば、この部分での高さ方向定在波は解消できる!

2階テラスを支える柱間にパーティションを

更に、2階テラス前端を支える8本の柱間7スパンに、出来れば梁までの高さか、少なくともフロアー+2.4m位の高さのまで校倉風の木製シースルーパーティションを設ければ、初期反響が緩和され、更には結果として定在波の滞在時間の短縮も可能となりアピアランス上も「過度な違和感は生じない」と思う。

2階側壁面に大掛かりな音響カーテンを

2階サイドバルコニー部分の背後壁には、オリジナルを損なわない程度に漆喰壁面の表面には窓下部の高さからコーナーの折り上げ部分までを覆うデザインで下面は直線、上部が4分割された円弧上の波面に成型して縦格子を前傾させた2重壁とすればデザインを損なわずに漆喰垂直面からの初期反射を軽減し、更に高調波定在波で誤魔化していた「残響擬きの反復エコー」を本物の後期残響(余韻)に転換できる!

ホール音響評価点:得点50点/100点満点中

§1 定在波対策評価;得点18点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲が「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは 基礎点25点に減ずる。
  • ※但し、壁間距離が20m以上あり定在波周波数が可聴帯域外(20Hz以下)の場合は基礎点50点にすえおく。
  • ※また扇形段床などの座席アレンジで、実被害を回避し、被害席が生じていない場合も基礎点50点にすえおく。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点14点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点14点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら

定在波評価

※定在波障害実被害席がメインフロアー全域に及ぶので基礎点25点とした。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数3=22点

定在波「節」部席;0?席

定在波「腹」部席;「か列~さ列」全席161席(車椅子6席含む

定在波障害実被害席総計;161席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が漆喰なので素材基礎点14点とした。

基礎点B2=素材基礎点14点ー障害発生エリア数0=14点

初期反射障害1 壁面障害席 ;0席

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

音響障害席総計;0?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;0席/1階平土間中央部座席前列千鳥配列済。

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;161席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;0席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;161席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

テレマン室内オーケストラ・テレマン室内合唱団が「中之島をウィーンに」の合い言葉で定期演奏会のフランチャイズに使っているほか、大フィルも年に一度の特別公演を開催している。

残念ではあるがアマオケには人気が無いようである。

中集会室(中ホール、パイプ椅子定員500名)

(公式施設ガイドはこちら)

2階(3階?)大ホールの上にある中ホール(中集会室)は、サロン風のホールでリサイタルや室内樂の演奏会にも使われている。

このホールも極めて「響きの良い」ホールである。

但し、前出の遮音問題のため、大ホールと同時に演奏会開催はできない!のでご注意。

小集会室 (3階)

(公式施設ガイドはこちら)

贅沢な木の質感に包まれた格調高い雰囲気の漂うお部屋です。お部屋全体の端正なたたずまいに、刺繍がほどこされたタペストリーやカラフルなステンドグラスも優雅さを添えています。

音響設備、グランドピアノを備えた小集会室は、その適度な空間を活かしたコンサート、パーティー・披露宴会場などから、講演会・セミナー・説明会などの催しにご利用いただけます。<公式サイトより引用>

大阪市中央公会堂 の施設データ

  1. 所属施設 大阪市中央公会堂
  2. 運営団体 大阪市。
  3. 開館   1918年(改築開館2002年)
ホール様式 
  • 公会堂形式多目的ホール。
  • ホール客席間口約26mx奥行き約34mx最後部天井高さ10.85m
収容人員 
  • 音楽会形式1,030席(迫り舞台1&2使用時フローリング床
  • 1階;810席/標準講堂形式、763席/エプロンステージ迫り1使用時、679席/エプロンステージ迫り1・2使用時
  • 2階;351席
舞台設備 

迫り舞台1&2、音響反射板

各種・図面・備品リスト&料金表

付属施設・その他 

館内付属施設 
  • 館内施設;付属施設 中集会室(パイプ椅子定員500名)小集会室、特別室、会議室x10、カフェレストラン、コインロッカー等。
共用備品

全館共通備品、使用料金表はこちら。。

施設利用手引き

関連イベント紹介

 「大阪クラシック~街にあふれる音楽~」/大阪市主催の公式サイトはこちら。

大阪市中央公会堂のロケーション

ところ  大阪府大阪市北区中之島1丁目1番27号

大阪市北区、大都市の真ん中、堂島川に囲まれた中之島の文化施設エリアにある「ネオルネッサンス様式」の美しい佇まいは、大阪市民の誇りでもある。

大阪市と周辺にある観光スポットについてのトリップアドバイザーの 口コミ ナビはこちら。

大阪市中央公会堂へのアクセス

最寄りの駅 大阪市営地下鉄御堂筋線 淀屋橋 <1>番出口から徒歩約5分
堺筋線 北浜<19>番出口から徒歩約3分
京阪電鉄 本線 淀屋橋 <1>番出口から徒歩約5分
中之島線 なにわ橋 <1>番出口から徒歩約1分

大阪市中央公会堂がお得意のジャンル

大阪クラシック~街にあふれる音楽~ (※音楽祭ナビはこちら)のメイン会場になっている。

大集会室

オーケストラコンサート以外にも・バレエ、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

中集会室

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・などジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートなどが行われている。

小集会室

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられている。

大阪市中央公会堂の公演チケット情報


大集会室で催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

中集会室で催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

デジタヌの思い出

小生、高校2年生(1967年)の夏一度舞台に立って演奏(リハーサル)したことがあった、非公開だったので、客席は空っぽ、引率の顧問の先生だけの聴衆?であった、翌日の本番は、台風か何かでキャンセルとなったので、後にも先にもこれ一回だけ、空調もなく、反響版もない垂れ幕だけのプロセニアム舞台は、響きがどうのこうのと言う状態ではなく、開けっ放しの、窓からは車の騒音と排気ガスと砂埃の「公害」の嵐?で、何の感激も湧かなかったことだけは記憶している。

その後1999年3月から2002年(平成14年)9月末まで3年6ヶ月にも及ぶ大改修で現代に生き返ったホールにはまだ一度も足を運んでいない。

近いうちに、一度足を運び半世紀!ぶりの再会を果たしたいと願っている所である。

※参照覧

※1、関連記事『"壁面間隔20m超"のセオリー』「音の良いホールの条件とは」はこちら。

※2-1、定在波に関する解説記事 音響工学の基礎知識"平行した対抗面間で生じる『定在波』"はこちら

※3、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

※4、定在波対策については『第4章 セオリーその1 "定在波の駆逐" と "定在波障害の回避策"』をご覧ください

 

公開:2017年9月 6日
更新:2019年4月30日

投稿者:デジタヌ


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