狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

フィアット・クライスラー・オートモービルズの高速周回路《バンク伝説》Google earth で覗いてみると...

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★前書き(要約)Chrysler(FCA US LLC)のproving ground

アメリカ合衆国ミシガン州オーバーンヒルズに本社を置くクライスラーは、今ではイギリスに本社を置く フィアット・クライスラー・オートモービルズの完全子会社となています。

クライスラーの大規模なProving Groundsは以下の2か所で、、とフロリダにはAPGどうように元Fordの施設だった直線走路がある小規模な湿潤地用のFlorida Evaluation Center (Naples, Florida)もあります。

Chrysler(FCA US LLC)のproving ground の目次

※ご注意、この施設は非公開施設です!、社外の一般人は特別イベントが開催される時以外は見学できません!

※以下用語については 当サイトシリーズ記事プルービンググラウンドについての走路用語と解説 を参照ください。

プロローグ 国際企業集団となったフィアット・クライスラー・オートモービルズ

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20世紀末から21世紀に初めにかけてGM、Ford同様に経営危機に陥りGMと同じように米国政府から多額の特別融資を受けながら2009年にGM同様に事実上一度倒産したクライスラーですが、資産売却などで経営環境を立て直しを図りましたが....

2014年にはついにイタリアのフィアットグループに事実上買収されて新持ち株会社フィアット・クライスラー・オートモービルズの社内完全持ち株会社となりFCA US LLCの販売するクライスラーブランドを生産するアメリカでの現地法人となってしまいました。

さらにFCA(ホールディングス)が2019年にヨーロッパ第2位のGroupe PSA(合弁企業)と経営統合しました。

Groupe PSAも2014年に中国の国営企業東風汽車集団の資本を受け入れているので、現在は旧PSAの持っていたブランドを合わせて計13のブランドと5ケ国の生産拠点を中心に全世界にグループ生産工場を持つ国際企業集団となったわけです。

旧PSA

フランス国内

シトロエン(旧PSA)、プジョー(旧PSA)、

ドイツ国内

オペル(GM→旧PSA)、

英国

ボクスホール(GM→旧PSA)

イタリア

フィアット(旧FCA)、アルファロメオ(旧FCA)、アバルト(旧FCA)、ランチア(旧FCA)、マセラティ(旧FCA)

アメリカ

クライスラー・ダッジ(旧FCA)、ジープ(旧FCA)、ラム・トラックス(旧FCA)

さらにそれぞれの海外工場、を展開する世界企業集団ですが、

旧"グループPSA"はどちらかというっとプジョーがシトロエンを吸収合併した企業でそれぞれの「ブランド名」は残りましたが開発体制は一本化された同一企業内の各ディビジョンですが、旧FCAはどちらかといえばホールディングス方式で、持ち株会社のFCA Italy SpAとFCA US LLCでは個々に開発体制が敷かれ、技術交流は全くない?といってもよいぐらいで、むしろ相手国内での販売ではライバル関係(※1)すら生まれていた関係です。

但し資金繰りや、新たな投資では本社である旧FCAつまりフィアットのオーナーが金を握っていて、両社の新車開発計画、新規生産体制(工場・生産設備)の裁量に絶大な決定権を持っていたわけです。

(機密)流失に強い警戒心を持っているアメリカと、その辺はおおらか(無頓着?)だったフランス政府と旧グループPSAが、旧FCA連合とどのような形で折り合い(妥協点を見出す)をつけるのかが、今後注目されることになるでしょう。

今までは、単なるエクステリアデザインのパクリ?だけであった中国本土の国営自動車メーカーが、まずはフランスから技術を合法的に盗用して?、次なる標的は「アメリカの量産技術」と「ニューテクノロジー」といったところでしょうか?

中国恐るべし!

(参※1)日本国内の私鉄でに例えれば阪急・阪神ホールディングスのように...。欠損さえ出さなければ、それぞれ制限付きではありますが自由裁量権を認めていたわけです

第1節 Chrysler Chelsea Proving Grounds

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Chelsea, MI 48118 アメリカ合衆国

※Google earth Mode(航空写真モード)で閲覧するとコースの全容を確認することができます。

年間を通じて使用できるオールシーズンのProving Groundsでクライスラーの本社にも近く研究開発・試験の中心となっています

この施設は3,850エーカー(15.6 km 2)の面積をカバーしています。
衝撃試験サイト
覆われたクラッシュバリア
スキッドトラクションエリア
マイレージアキュムレータ
排出ガス認定センター
風洞
腐食試験施設
縁石衝突試験
32%グレードと15%グレード
新しい「ワインディング」道路が建設中

Wikipediaより引用

第2節 Chrysler Arizona Proving Grounds

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1 Proving Ground Rd, Yucca, AZ 86438 アメリカ合衆国

 1955年 Fordの施設として建設

開所 2007年11月2日 Chrysler LLCが3490万ドルで購入。

敷地面積 フェンス内部 3840エーカー(155 ha)

内周舗装サービスロード内エリア 18エーカー(7.3 ha)

常設走路総延長 50マイル(80 km)以上

この施設は元々、第二次世界大戦中に使用された陸軍航空隊の訓練基地であるユッカ陸軍飛行場でした。このフィールドは1946年までに休止施設となり、1954年にフォードに払い下げられました。

Florida Evaluation Center (FEC) 同様にFordの施設であった頃からハーレーダビッドソンも共用(リース契約)していました。

Harley-Davidsonは現在、施設内に複数の専用建物(リース契約)をもち、新たにカスタムビルドしたものも含まれます。

広大なネバダ砂漠の一角なので積雪氷結はありませんが、昼間・夜間の温度差が厳しく、北部の冬季環境(積雪・氷結)以外のあらゆる路面状況が再現できる施設です。

高速周回路

アメリカでは珍しいバンク各のついた一周5マイル(8 km)のオーバルトラックがあります。

最上段にガードトラックがある3車線のバンク路で、最上段外周(ガードレール外周)と内周にそれぞれサービストラックを設けています。

米国の他社のオーバルとは違いサービス路以外の走行路3車線すべてにカントがついています。

カント(バンク角度)は7°程度ですがコーナーの半径が約1.5㎞Rあり、設計速度は時速120マイル(約190㎞/h)程度と思われ、クライスラーの量産車のほとんどをカバーできます。

インフィールドのオーバルコース

こちらは、インフィールドの北半分に斜めに設けられたSpecial Surfaces Trackに沿うように設けられ、3車線のフリーウェイ規格で、バンクは設定されていません。

内側には更にダートオーバルも設定されています。

中央部にある、廿楽折れトラック

ほぼ中央に2車線の一般国道を想定した廿楽折れコースがあります。

そして東側にはスキッドパンとしtれも利用される舗装グラウドがあり、これら3つの走路はSpecial Surfaces Trackを含む走路でトライアングル状に繋がっています。

インフィールド南エリアのダートトラック

南エリア内周に沿ってにはダートトラックが配置されて、内側には2重の変形オーバルがトラックがあります。

北端にあるテクニカルコース

ガレージエリアと高速周回路に挟まれたエリアに2車線相当のテクニカルこーすが設けられています。

アウトフィールド施設

西側の外周サービス通路と高速オーバルの間にも2車線相当幅のテクニカルコースがあり、その東側のマルチレーンのSpecial Surfaces Trackを備えた多目的グラウンドとともにハーレーダビッドソンの2輪車が主にj使用しているエリアだと思われます。

東エリアには、両端のに転回路を持つダート直線路としての細長いオーバル走路があり、東端には巨大なダートサークルも設けられています。

フェンス内部の南北両端エリア

丘陵部の乾燥エリアを利用して、ダートコースが張り巡らされています。

施設データ
  • Proving Ground標高-1,950フィート(590 m)
  • 環境試験室 海抜500〜6,500フィート(152〜1,981 m)相当の環境
  • 夏の平均最高気温-39°C(103°F)
  • 冬の平均最低気温-0°C(32°F)
  • 最低・最高気温 30〜120°F(-1〜49°C)
  • 平均年間降水量-6.4インチ(160 mm)
  • 浸水試験エリア
  • 車両腐食試験室
  • 車両耐久性試験のための特別な試験道路/路面
  • 漏水試験施設
  • ABSシステムのテストに適した低摩擦設備
  • 小型トラックの耐久性試験
  • 車両腐食試験
  • 高温環境試験
  • 高温の燃料とオクタン価のテスト
  • FMVSSブレーキ認証
  • (※アメリカ特有のキャンピングトレーラーのための)タイヤ牽引試験 等...

第3節 FCA - Balocco Proving Ground

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Cascina Bella Luigina, 13040 Balocco VC, イタリア

高速周回路 1周 約7.7㎞

旧FCA Italy SpA 連合の開発拠点です。

巨大な高速道路タイプ周回路

539haの広大な敷地に、ほぼ全域にわたり一周約7.7㎞の変形オーバルの高速周回路が設けられており、この施設は高速道路規格(ほとんどカントのない3つのコーナー)で往復6車線あり勿論右側通行で、ハイスピード連続走行テストというよりは、高速道路での長時間連続走行を想定している施設だと思われます。

本格的なクローズドサーキット

面白いのは、イタリアらしく、インフィールドとアウトフィールドにまたがった、縁石と、グラベルエリアを持つ本格的なクローズドサーキットが設けられていて、その内周に通常のスポーツ走行用のテクニカルコースが設けられていることです。

さらにこの高速サーキットは、高速道路型周回路と2か所で立体交差しており変形オーバルの南にはみ出していることです。

インフィールド西端部にはさらにもう一つのテクニカルコースがあり、こちらは左回りの2車線で、一般国道を想定したコースのようです。

さらにアウトフィールドの西端には南西角を取り囲むように2レーンのワインディングコースがあり、こちらも一般国道を模しているようです。

インフィールド中央にあるマルチレーンのSpecial Surfaces Trackが設けられていて、西側に往復できるように左側通行!の対面通路が設けられていることです。

このフィールドと、先ほどの一般国道周回路の内側に背中合わせで、Vibration and Harshness (NVH) surfaces部分を持ったサスペンションテスト用と思わしき周回路も設けられています。

アメリカンのように「まっすぐな最高速テスト用の特別な直線路は見当たりませんが」このレース場のバックストレッチ?側に約2.3kmの直線区間があり、通常は3か所でバリアー閉鎖されて内周がわのシケインコースに繋がっていますが、ことがあれば?使用されているようです。

また東端部には規模は小さいですがラフロードの周回路ももうけられています。

このあたりがフルサイズのSUV (Sport Utility Vehicle)やピックアップトラックで乾燥地帯のラフロードを走るのが好きなアメリカ人の嗜好に合わせて、大規模なラフロードを持つアメリカンPGと、アウトストラーダをぶっ飛ばすのが好きなイタリアンの違いが出ているのでしょう。

第4節 Belchamp Circuit Automobile(PSA proving ground)

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Lieu-dit, 25420 Voujeaucourt, フランス

旧Groupe PSA の所有する国内最大の施設です。

この施設は北側に位置するPSA Automobiles SA Sochaux内にかつてあった工場付属の施設を、独立させて移転した施設です。

敷地面積 約467haの広大な敷地に、外周路、2つのオーバル(一つは変形オーバル)、十分な面積のグラベルのセーフティゾーンを持つ2重構造のテクニカルコース、小規模なラフロード周回路、マルチレーンのSpecial Surfaces Trackを備えた直線路などを配置しています。

Bankマニア?としては、やはり北西端の超高速オーバルと、東端のテクニカルコースが目に留まるproving groundです。

敷地北側にある超高速周回路!

周長 約3.4㎞

設計速度 240㎞/h?

2レーンのオーバルトラックは皆さんご期待のバンク路であり、バンク(土手)最上段ガードレールの外周と内周側に各1レーンのサービストラックが設けられたタイプで、コンクリート舗装のバンク部走路の最上段にはガードトラックも設けられています。

このバンクは、最上段の走路が45度!程ある猛烈なバンクで、超高速周回路となっています。またこの部分はアメリカンsupeed way(オーバルレース場)のように特殊アスファルト合材で表装されています。

、2レーン分の幅を持つ内側の走路はコンクリート舗装のままで、外側に膨らむにしたがって、傾斜が大きくなるセオリー通りの走路です。

ピットエリアのあるメインストレッチは北側になっています。

この走路は、アメリカンRace Track同様に左回り!で運用されています。

外周路

周長約7㎞

往復2車線の外周路は右側通行対面通行路でヨーロッパの一般国道を想定しているようで、長時間連続走行の耐久試験に用いられているのでしょう?

南側の変形オーバル周回路

周長 約3.8㎞ の、中ほどがくびれた繭型の変形オーバルも側通行対面通行路で運用されています。

巨大なスキッドパッドと、スポーツ走行用のテクニカルコース

週かろインフィールドの南端には巨大なスキッドパッドと、スポーツ走行可能な十分なグラベルゾーンを備えた2儒になったテクニカルコースがあります。

但し縁石のない、極フツーの走行路で、せいぜいラリーカー程度までで、本格的なレーシングカーの開発路ではなさそうです。

中央部

中央部には、4種類の斜路を持つ丘と、ラフロードの周回路などを備えた芝?エリオがあり

冬季の試験エリアとして用いられているようです。

 

公開:2020年7月21日
更新:2022年9月10日

投稿者:デジタヌ


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