狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

こくさいホール/神戸国際会館 《ホール音響Navi》

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神戸「三の宮」の駅前にそびえる「国際会館、こくさいホール」の失敗しない客席選びについて?のナビ。馬蹄形のオペラハウス風、4層吹き抜け収容人員2,112名の神戸有数のスケール持つ「壮大なホール」。大阪まで出かけなくとも、神戸・三宮で「ミュージカル、エンタテナーショー、歌謡ショウ」が楽しめる便利スポット。

こくさいホールのあらまし

地上22階建ての雑居ビル神戸国際会館のホール棟にある2階から6階を占めている施設(ホール部分は3階から6階の四層吹き抜け)。

国際ホールの他、シネコンの神戸国際松竹、ショッピングモール、を持つホール棟の中にある。

大阪まで出かけなくとも、神戸・三宮で「ミュージカル、エンタテナーショー、歌謡ショウ」が楽しめる便利スポット。

国際ホールの他、シネコンの神戸国際松竹、ショッピングモール、又高層のオフィス棟には兵庫県旅券事務所の本所、等が入居している、屋上には屋上庭園「KOKOMIC garden」、地下は、お隣の神戸そごう、「さんちか」と繋がっており、阪神、阪急、JRの三宮駅と繋がっている。

こくさいホールのロケーション

所在地  兵庫県神戸市中央区御幸通八丁目1番6号

神戸の一等地三宮駅前にあり、神戸市民にとっては非常に交通至便な繁華街にある。

新神戸駅、三宮駅、フェリー埠頭を結ぶ神戸の目抜き道路「フラワーロード」に面しており,神戸市役所、アーバンライフ神戸3の宮ザタワー、 D'グラフォート神戸三宮タワー、ミント神戸

等の高層ビルが建ち、港神戸復興のシンボルエリアとなっている。

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

『こくさいホール』の音響

公式施設ガイドはこちら

馬蹄形オペラハウススタイル

馬蹄形のオペラハウス風、4層吹き抜け収容人員2,112名の神戸有数のスケール持つ誇り、プロモーターには受けが良いホールである。

当てにならない事で有名な音痴揃いの評議員の先生方が選んだ「優良ホール100選?」にも選ばれている。

3スロープ4層構造のプロセニアム形式多目的ホール

平土間部分から連なる緩やかなメインフロアーと両翼から前方に伸びたサイドテラス席を持つ2・3階バルコニー席と、中2階にもサイドテラス席を設けた3スロープ4層構造のオペラハウス風の馬蹄形客席配置を特徴とするホール。

木質の壁面

ふんだんに木材を使った壁面は、音響拡散体として多数の山形横リブを持った。セグメント構造で、対向面との「初期反射(※11)低域定在波(※12)」に配慮したデザイン。

参※11)当サイト関連記事 ホールでの過大な初期反射による音響障害はこちら。

参※12)当サイト関連記事 定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』とははこちら。

丁寧なバルコニー&テラス処理

バルコニー・テラス軒先はラウンドした合板で表装され、後期残響創出(※13)を十二分に意識したデザイン。

参※13)当サイト関連記事 「エコー」と「後期残響」は別物はこちら。

連続山形天井&中央部の大型照明フード

天井反響板は山形に折り曲げた屏風構造で中央部の大型凸形状のアクリル製フードをもつ照明器具と共に散乱波を創出し「後期残響」に寄与している。

側壁、客席背後壁、プロセニアム前縁と繋がる部分はセグメント型のコーナー反響板で、直角コーナーを無くす配慮にも怠りはない。

所見・総評

細部まで入念に設えられた総じて素晴らしい容器ではあるが...。

商業ホールの限界か?、ここでも収容人員を欲張りすぎている。

「3階バルコニー大向うに座る連中は上客ではないから、どうでもよい」といった風なオーナーの経営本心?のようなものが見えてくる。

商業ホールの限界?、惜しまれる点

神戸文化ホール(※ガイド記事はこちら)同様「プロモーター側の強い要望」に答えオーバー2000人の収容人員に拘ったためか、音響的配慮が成されていながら、窮屈間は否めない!

天井が迫った2・3階バルコニー大向こう席は補助席?

1・2・3階ともホール最後列「大向こう」は通路とした点は評価できるが、3階後部両翼はいかんせん天井が迫りすぎている!

この部分1.2列は音響的には「補助席扱い」であろう!

1階フロアー壁際は補助席?

更に1階フロアー両側壁際までビッシリ詰まった客席配置はいた抱けない、この部分は「音の通り道」ではなく「神様(お客様)の通路」とすべきであった!

いくら反響に配慮した木質壁でも「壁面反射」は免れ得ない!

YAMAHAさんも頑張ったようだが、「泣く子と地頭(施主)には勝てぬ」の例え通り、折れたのであろう...。(と思いたいところだが銀座YAMAHAホールでも同様な手法がとられている!)

この部分「通路設置予定部?」だった壁際席(※14)も音響的には「補助席扱い!」

参※14)当サイト関連記事 側壁からの反響の影響はこちら。

惜しい「迷ホール」の仲間?

と言う訳で、このホールは狸穴総研銘ホール選定基準どこに座っても全てプレミアムシートであること、つまり「壁際(に一番近い)席、大向こう席でも優れた音響で有ること。」には該当せず、

「迷ホール」扱いとさせていただく。

座りたくない席

1F10~31列の壁際席26席、2F2~5列の両端関8席、3F2~5列の両端関8席と6列の9番~13番と42番~46番の10席、最後列7列の9~11番と44~46番の6席、都合64席は、カラヤンが彼の世から帰って来でもしない限りは、座りたくない席!

コンサートを鑑賞される方は以上の点をご承知の上で「補助席」以外の「ベストリスニングシート」をお選び願いたい。

ホール音響評価点:84点/100点満点

§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点18点/配点25点
  • ※木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点11点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価;得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

算出に用いた値;
定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害席数;0席

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数6=19点

初期反射障害1壁面障害 48席(32席/1F、8席/2F、8席/3F、)

初期反射障害2 天井高さ不足 16席(16席/3F)

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;64席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数8=12点

眺望不良席数;0席/1F平土間中央部座席

音響不良席その1;定在波障害席0席

音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 48席(32席/1F、8席/2F、8席/3F、)

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 16席(16席/3F)

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;64席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

こくさいホールの施設データ

Official Website http://www.kih.co.jp/kokusaihall/

  1. 所属施設/所有者 株式会社神戸国際会館
  2. 指定管理者/運営団体 株式会社神戸国際会館
  3. 開館   (初代1954年)1999年
  4. ホール様式 『馬蹄形』プロセニアム型式多目的ホール。
  5. 客席   三層(二層バルコニー・3重テラス)

    2,112名
    固定席 :2,022名
    1階席  :1,338名
    中2階席 :32名
    2階   :326名
    3階   :326名
    立見  :90名
    その他 :車椅子スペース

    1階平土間中央部千鳥配列、ロールバックシステム、可動床、客席可変残響装置、仮設本花道、あゆみ板、
  6. 舞台設備 可動プロセニアム、

    間口  :21.6m
    奥行  :18.0m
    高さ  :9.5m~12.6m (可動プロセニアム方式)
    舞台迫 :1.8m×7.2m (3分割)
    花道迫 :1.2m×1.8m
    オーケストラボックス:約80㎡ (3分割)可動床

    、脇花道、反響版、

各種図面,

付属施設

  • ホール設備附属などの概要はこちら。※楽屋x6、個室、ホワイエ、等
  • 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら
  • 設計  日建設計、神戸市都市整備公社
  • ゼネコン  竹中工務店
  • 内装(音響マジック) ヤマハ(株)

こくさいホールが得意のジャンル

主にポップス関係のコンサートやエンタテイナーのワンマンショウ、歌謡スターの歌謡ショー、ミュージカル、演芸など、ジャンルを選ばない、幅広い興業を行っている。

こくさいホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

デジタヌの豆知識

こくさいホールへのアクセス

JR 三ノ宮駅 徒歩5分
阪急 神戸三宮駅 徒歩6分
阪神 神戸三宮駅 徒歩3分
神戸市営地下鉄西神・山手線 三宮駅 徒歩7分
神戸市営地下鉄海岸線 三宮・花時計前駅 徒歩1分
ポートライナー 三宮駅 徒歩5分

こくさいホールこれまでの歩み

1956年、進駐軍イーストキャンプ跡の遊休地に、コンサートホールとして開館。
1995年 阪神・淡路大震災で、全壊。

1999年 新装オープン。

 

公開:2017年12月 6日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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