エブノ泉の森ホール/泉佐野市《ホール音響Navi》
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Official Website https://www.cf-izumisano.or.jp/izuminomori/a_d/map_c.html
エブノ泉の森ホールのあらまし
「泉の森ホール」、市立中央図書館、歴史館いずみさの、市立生涯学習センター4施設からなる「泉佐野市総合文化センター」の中の施設。
エブノ泉の森ホールのロケーション
所在地 泉佐野市 市場東1丁目295-1
泉佐野市 と周辺にある観光スポットについてのトリップアドバイザーの 口コミ ナビはこちら。
エブノ泉の森ホールへのアクセス
最寄りの駅
南海本線 泉佐野駅から徒歩約20分
JR阪和線 熊取駅から徒歩約20分
エブノ泉の森ホールがお得意のジャンル
大ホール
クラシックコンサート、ポップス関係のコンサートやミュージカル、エンタテイナーのワンマンショウ、懐メロ歌手の歌謡ショー、
等ジャンルに拘らないバラエティーにイベントが行われている。
小ホール
主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられている。
音の良さには定評があり、泉南エリアのアマチュア団体の「聖地」になっている。
エブノ泉の森ホールの公演チケット情報
※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。
施設面から見たホールの特色
小ホール
475席と小ぶりだが「エリア随一の響き」を誇る、この施設の「目玉ホール!」。
変形シューボックス・1スロープのホールで客席の周りの壁は木材、床はタイルカーペットが敷き詰められ、中段壁面は凝った造りの異形壁になっており、ご自慢の電動音響調整用タペストリーが設備されており、エコー(※1)をコントロールできる様になっている。
ただ残念なのは、とかく問題の発生しやすいシューボックスコンサートホールで一番肝心な定在波障害(※2)対策、すなわち客席周辺壁面の完全並行面解消処置を行っていない事。
お陰で、客席フロアーは定在波の荒しで「ミステリースポット」(※3分)まで生じている。
このホールも最近の傾向で、定在波対策を疎かにし、やたら音響拡散体(※4)で残響(※1)の厚化粧を施した、化粧上手なXXにしか過ぎない。
ホール音響評価点:66点
§1,「定在波」対策評価点:22点/50点満点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
- ※客席側壁がプレーンな垂直壁で 「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=25点をベースに算出。
- ※被害エリア客席数/収容人員 の比率で持ち点から算出する。
§2、残響その1 「初期反射」軽減対策評価点:23点/25点満点
- ※壁面の素材毎に持ち点を評価し、客席配置で持ち点減点。
- 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階持ち点評価。
- ※被害(音響障害)想定席数と収容人員の比率で採点評価
§3,「客席配置」評価点:16点/20点満点
- ※客席メインフロア周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。
- ※壁際通路、大向こうつうろの有無、天井高さ、バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で持ち点減算。
- ※前項同様に想定被害者数を引いた有効座席数の割合で評価する。
§4,残響その2「後期残響」への配慮評価点:5点/上限5点
- 上限10点の範囲内で音響拡散体が付加されていれば1点/1アイテムで加算評価。
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。
総評
算出に用いた値;
●定在波対策持ち点;24点
想定・定在波被害席数;26席
●初期反射持ち点 23点
想定・初期反射被害席数;0席
●客席配置持ち点 18点
眺望不良席数;22席/1F平土間中央部座席
音響不良席その1;想定・定在波被害席数;26席
音響不良席その2 ;初期反射障害0席
重複カウント ;ー0席
音響不良席総計;48席
大ホール
小ホールと同一施設にある、大ホールとは思えない、いい加減な造りのホール!
可動プロセニアム、可動反響版、は最新流行のホールと一体化を図るデザインで急激な断面の変化を避けた形状だが...。
エコールーム音響?!
壁面は当時、「既に廃れていた陶器製の煉瓦張り」、剥き出しの床、流行遅れの「1階後部席を覆うような2階バルコン二ー席。」
エリア切っての「巨大エコールーム(※5)」とでも言おうか?
しかも全くと言って良いほどに定在波対策も施されていないのは小ホール同様。
210億円もかけたにしてはお粗末の極み!
ホール音響評価点:48点
§1,「定在波」対策評価点:22点/50点満点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
- ※客席側壁がプレーンな垂直壁で 「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=25点をベースに算出。
- ※被害エリア客席数/収容人員 の比率で持ち点から算出する。
§2、残響その1 「初期反射」軽減対策評価点:10点/25点満点
- ※壁面の素材毎に持ち点を評価し、客席配置で持ち点減点。
- 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階持ち点評価。
- ※被害(音響障害)想定席数と収容人員の比率で採点評価
§3,「客席配置」評価点:13点/20点満点
- ※客席メインフロア周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。
- ※壁際通路、大向こうつうろの有無、天井高さ、バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で持ち点減算。
- ※前項同様に想定被害者数を引いた有効座席数の割合で評価する。
§4,残響その2「後期残響」への配慮評価点:3点/上限5点
- 上限10点の範囲内で音響拡散体が付加されていれば1点/1アイテムで加算評価。
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
総評
算出に用いた値;
●定在波対策持ち点;23点
想定・定在波被害席数;40席(26席/1F、14席/2F)
●初期反射持ち点 11点
想定・初期反射被害席数;初期反射障害34席(34席/2階壁際席、)
●客席配置持ち点 13点
眺望不良席数;0席
音響不良席その1;定在波被害席数;30席(26席/1F、14席/2F)
音響不良席その2 ;初期反射障害34席(34席/2階壁際席、)
重複カウント ;ー2席
音響不良席総計;62席
御覧の通りの点で...。
エブノ泉の森ホール の施設データ
- 所属施設(所有者) 泉佐野市総合文化センター。
- 運営団体(指定管理者) 泉佐野市。
- 開館 1996年5月18日
-
- 建設総事業費 約210億円
- 設計
- ゼネコン
- 内装(音響マジック)
大ホール
- ホール様式 『扇形タイプ』プロセニアム型式多目的ホール。
- 収容人員 1,376席 メインフロアー中央部千鳥配列座席。
- 舞台設備 迫り)可動プロセニアム、反響版、
- その他の設備 楽屋6室
各種・図面・備品リスト&料金表
小ホール
-
ホール様式 『シューボックスタイプ』音楽専用ホール。
-
収容人員 457席
-
舞台設備
- その他の設備 電動音響調整用タペストリー
各種・図面・備品リスト&料金表
付属施設・その他
館内付属施設
- 館内施設;マルチスペース(リハーサルルーム)、ギャラリー、レセプションホール、展示ホール、会議室3室、練習室など2室、和室、茶室、レストラン
- 館内施設・フロアー配置図 はこちら;★Fフロアー、★Fフロアー、★Fフロアー、★Fフロアー
- 館内施設配置図・見取り図・フロアマップはこちら(
- 館内施設図面:リハーサル室、音楽実習室、音楽スタジオ、練習室、レセプションホール、展示ホール、多目的室、研修室、会議室、和室・茶室、カフェレストラン、
施設利用ガイド
- 全館利用料金案内 利用料金表 はこちらへ
- 全館・舞台設備・備品利用料金案内 利用料金表 はこちらへ。
デジタヌの独り言
総工費約210億円もかけて市を財政健全化団体に貶めた施設、このお金は「一体誰のお腹」に収まったのか?
※1エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。
※参照覧
※1、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。
※2-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら
※2-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。
※3 『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。
※4、音響拡散体・グルービングパネルについては関連記事「芸術ホール設計のセオリーとは?」をご覧ください。
※5、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。
公開:2017年10月15日
更新:2022年9月30日
投稿者:デジタヌ
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