狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

調布市グリーンホール 《ホール音響Navi》

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調布市グリーンホールのあらまし

Official Website https://www.chofu-culture-community.org/forms/menutop/menutop.aspx?menu_id=90

調布市の文化ゾーン調布駅前にでんと構える公共ホール

十分な舞台面積に舞台機構、音響、照明など充実した設備を誇る1307席の大ホールと、ミニコンサートからパーティーまで多目的に利用できる小ホールを備えている。

デジタヌの独り言

音響に優れているから「人気がある」のでは無く周辺自治体の最新施設にくらべ「お得」なレンタル値段設定で人気が高いホールなのだろう?

調布市グリーンホールのロケーション

ところ   調布市小島町2丁目47-1

トリップアドバイザーの周辺口コミガイドはこちら。

調布市グリーンホールへのアクセス

調布駅中央口より徒歩2分程

施設データ

  1. 所属施設/所有者 調布市グリーンホール/調布市。
  2. 指定管理者/運営団体 (公財)調布市文化・コミュニティ振興財団/調布市。
  3. 開館   1977年

付属施設・その他 

  • 付属施設 楽屋x、主催者控室、リハーサル室x、練習室x、展示室、会議室x、研修室x、和室、
  • 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら公式ガイドへ。

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

音響工学から眺めた大ホールの音響デザイン

平土間とそれに続く緩やかなスロープを持つメインフロアーと2階バルコニー席からなる2層の多目的ホール。

所見

全周全面石材で覆われた凄い作りのいわゆるエコールーム仕様(※11)のホール

(倉庫建築・一般鉄骨プレハブ住宅などによく使われている)軽量?発泡コンクリート製プレートを主体に内壁材とし、低層部・中層部の客席周辺には石積み(大谷石?)を用いている。

1・2階共大向こう背後壁は山形をした凸プレート材で表装している。

天井は大胆にアンギュレーションさせた大形のセグメント天井反響板(プラスターボード製)(※12)

ステージ反響板はアンギュレーションを持たせた塗装仕上げの合板製軽量タイプ。

プロセニアム上縁前部に大形コーナー反響板を設え、急激な断面積変化を起こさないような一応の配慮は見てとれるが...。

1977年当時は可動プロセニアムがまだ実用になっていなかったので仕方ないとして、この反響板形状では...。(ダクト効果によるブーミーで反響が多い洞窟音になりやすい)

次回の改修で、壁面表装の見直しと、エプロンステージ(オーケストラピット床)を更にホール側に伸ばし、重量級(発泡コンクリート製)の自走式隔壁でステージとホール客席部分を隔離する手法を採用して、オープンステージ同様の効果を狙った方が良いであろう。

参※11)エコーチャンバーについてのWikipediaの関連項目は こちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

参※12)アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

ホール音響評価点:53点

§1,「定在波対」策評価点:20点/40点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。

§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:10点/20点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
  • ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。

§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:12点/20点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。

§4,客席配置への評価点:11点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
  • ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。

※関連記事「後悔しないコンサート会場の見分け方」まとめ  はこちら。

大ホールの施設データ

  1. ホール様式 、プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   2フロアー 収容人員 1最大定員1307人(1階877人,2階430人)、可動床、
  3. 舞台設備 、プロセニアムアーチ:間口:18m 奥行:14m 高さ:9m、バトン類高さ:9.1m、脇花道、仮設花道、大迫り、平台、仮設能舞台セット、金・銀屏風、松羽目、竹羽目、鳥の子屏風、反響板、オーケストラピット&エプロンステージ迫り(可動床客席収納)、
  4. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイドへ
  5. その他の設備 フルコンサートピアノ、楽屋x5、、主催者控室、リハーサルルーム、

大ホールがお得意のジャンル

調布国際音楽祭(※ガイド記事はこちら)のメイン会場となっている。

オーケストラコンサート、オペラ・バレエ公演、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われ、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、大衆演劇、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

調布市グリーンホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

音響工学から眺めた小ホールの音響デザイン

こちらは全天全周木質パネルで出来たフローリング床のプロセニアムタイプステージ付きの平土間多目的スペース。

ホールとしてだけで無く、レセプション、などの宴会場としても利用されている、正方形の多目的イベントルーム。

所見

全面プレーンな壁材(一般用プリント合板?)で表装されているが、両サイド壁上部のコーナーは面取りされている。

ステージ直前の天井に照明器具用のピットが大きくえぐられている珍しいデザイン。

ルーム音響評価点:50点

※会議室、宴会場、展示会場などがメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。

§1,「定在波対評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:25点/50点満点

  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

小ホールの施設データ

  1. ホール様式 、ロセニアム型式ステージ付き平土間多目的イベントルーム。
  2. 客席   13.75mx13.46m床面積約370㎡(約223畳) 1フロアー 収容人員 300名、
  3. 舞台設備 、プロセニアムアーチ:間口:9.9m 奥行:3.74m バトン類高さ:8.5m、、仮設花道、寄席セット、平台、金屏風、可動プロセニアム、反響板、ほか
  4. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイドへ
  5. その他の設備 フルコンサートピアノ、控え室
小ホールのお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、レセプション会場・宴会場、としても利用され、落語・演芸寄席、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

デジタヌの豆知識

調布市グリーンホールがある「調布市」とは

東京都の多摩地域東部にある市。

2005年の国政調背当時人口215,809人に対し昼間人口が186,275人で昼は夜の0.863倍の人となる典型的な東京近郊の「ベッドタウン」である。

  • 推計人口、234,674人/2017年10月1日。
  • 調布-(新宿)-東京 36分/440円/25.8km/京王・JR

調布市グリーンホールのこれまでの歩み

1977年の開館時には記念公演として、NHK交響楽団演奏会、松竹大歌舞伎、NHKのど自慢などが開催された。

2013年12月より2014年7月にかけて、大ホールの舞台照明装置と舞台機構装置の取り替え増強工事を実施した。

 

公開:2018年3月18日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


旧東京音楽学校奏楽堂 《ホール音響Navi》TOPたづくり/調布市文化会館 《ホール音響Navi》


 

 

 



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