たづくり/調布市文化会館 《ホール音響Navi》
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調布市の誇る複合文化施設
Official Website https://www.chofu-culture-community.org/forms/info/info.aspx?info_id=807
調布市文化会館たづくりのあらまし
調布市が誇る複合文化施設。4つのホール(劇場)と市民ギャラリー、会議室、学習室、研修室などを備えた調布市ご自慢の看板施設。
文化会館たづくりは、学習活動の場づくり、文化活動の場づくりなど7つの場づくりを基本理念とし、
さまざまな機能を一つに束ねた、文化の香り高い複合施設です。
館内には喫茶・レストラン、中央図書館、コミュニティFM放送局もあります。<公式ガイドより引用>
調布市文化会館たづくりのロケーション
ところ 調布市小島町2-33-1
調布駅前一角にグリーンホール、市役所と共に佇んでる。
調布市文化会館たづくりへのアクセス
京王線調布駅直ぐ
調布市文化会館たづくりがお得意のジャンル
調布国際音楽祭(※ガイド記事はこちら)の、サブホール。
主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、オーケストラコンサート、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、落語・演芸寄席、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。
またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。
調布市文化会館たづくりの公演チケット情報
施設面から見たホールの特色
※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。
くすのきホール
平土間部分とそれに続く比較的急峻なスロープからなるプロセニアム形式多目的ホール。
ホース側壁全面木質パネルを使用している。
中・下層部前方側壁にバタフライフラップを持つマジックボックス(残響調整装置)が設置してある。
中低層部ともに拡幅し(というよりは全体の壁面が本来の構造体よりかなりホール内に迫り出している)断面積を変化させてある(多分定在波対策のつもりであろう)
低層部両側壁はほぼプレーンな木質パネル(僅かに浅いグールーブを施してはある)、そこから折れ上がった上層部は山形パネルを並べて表装してある。
大向こう背後壁は音響ネットで表装した吸音構造。大向こう背後に親子室が設えて有り、上層はホール内に張り出した調整室となっている。
ステージ側方反響板は最前方の約1mが前開きに成ってサイドプロセニアムとなり、続く2枚
はバックステージ側に開き最後の大形(約6m幅)の反響板がステージ後方に折りたため、この状態でプロセニアムタイプのステージとなる。通常はホール一体型のオープンステージコンサートホールとなっている。上方プロセニアムは巨大なコーナー反響板一体で天井に折れ上がっている。
ホール音響評価点79点
§1,「定在波対」策評価点:20点/40点満点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
- ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。
§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:20点/20点満点
- ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
- ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。
§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:19点/20点満点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。
§4,客席配置への評価点:20点/20点満点
- ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
- ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。
※関連記事「後悔しないコンサート会場の見分け方」まとめ はこちら。
むらさきホール
オープンステージを持つフローリング床の平土間多目的イベントスペース。
平土間多目的スペース。
壁面周囲上部は空調ダクトを利用して折上げて有る。天井はコンクリート梁が剥き出しの構造でそこから剥き出しの照明コラム(ブリッジ)をつり下げた流行のデザイン。
壁はホテルなどで用いる一般建築用の石膏ボードで表装したプレーンな垂直壁。
客席は折りたたみ椅子を並べるやり方。
此処でのコンサートをするくらいなら気の利いた野外音楽堂の方が余程ましであろう。
ホール音響評価点:58点
§1,「定在波対」策評価点:10点/40点満点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
- ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。
§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:10点/20点満点
- ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
- ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。
§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:18点/20点満点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。
§4,客席配置への評価点:20点/20点満点
- ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
- ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。
※関連記事「後悔しないコンサート会場の見分け方」まとめ はこちら。
大会議室
会議室と言う名称では有るが絨毯を敷き詰めた立派な設えの平土間講堂である。
小さなプロセニアムステージを備えており約3mの奥行きがあり、2列のコーラスグループならステージに載れそうではある?
壁面低・中層は勿論木質パネルで表装されているがプロセニアム以外の上層部は音響ネットで表装した吸音構造。
天井は一般建築用の石膏ボードホール内部に露出タイプの照明ブリッジが吊されている。
ルーム音響評価点:50点
※会議室がメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。
§1,「定在波対策」評価点:25点/50点満点
- ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
§2、「初期反射」対策評価点:25点/50点満点
- ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
映像シアター
こちらも奥行きは狭いが(2.8m)立派な設えのプロセニアムステージの付いた平土間ホール。
大会議室とことなり、くすのきホール同様に100席の固定席を備えている。
防振防音が完璧では無いので「ラッパや鳴り物」は禁止である。
天井中央部が直径6m程のドーム天井になっているが、礼拝堂建築と同じく、球面の中心点が頭上はるか上方天井に近いところに(偶然?)設定されているので、視聴ポイントでの「ミステリースポット」の発生一切ない。(※関連解説記 音響学の基礎2応用変「ドーム」と「ヴォールト」についてはこちら)
ホール音響評価点:70点
§1,「定在波対」策評価点:20点/40点満点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
- ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。
§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:18点/20点満点
- ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
- ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。
§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:15点/20点満点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。
§4,客席配置への評価点17点/20点満点
- ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
- ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。
※関連記事「後悔しないコンサート会場の見分け方」まとめ はこちら。
リハーサル室
リハーサル室;幅10.8mx奥行10.6m、床面積114.5㎡(約69畳)
アップライトピアノ、バレエ・ダンスレッスンバーを装備した壁面ミラー(カーテン付き)を備えているフローリング施設。
全周有孔音響ボードで表装された遮音(吸音)構造を持つ。
ルーム音響評価点:45点
§1,「定在波対策」評価点:20点/50点満点
- ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
§2、「初期反射」対策評価点:25点/50点満点
- ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
調布市文化会館の施設データ
- 所属施設/所有者 調布市文化会館たづくり/調布市。
- 指定管理者/運営団体 (公財)調布市文化コミュニティ振興財団/調布市。
- 開館 1995年2月完成 10月1日
- 設計
- ゼネコン
- 内装(音響マジック)
くすのきホール
- ホール様式 、床面積650㎡プロセニアム型式多目的ホール。
- 客席 1フロアー 収容人員 506名、親子室7席x2、オーケストラピット席可動床収納席162含む 客席残響調整BOX
- 舞台設備 、プロセニアムアーチ:間口:15.8m 奥行:11m ブドウ棚(すのこ)高さ:7m、、バトン類プロセニアム、反響板、オーケストラピット&エプロンステージ迫り(可動床客席収納)、
- 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイドへ
- その他の設備 フルコンサートピアノ、楽屋x3、シャワールーム、、リハーサルルーム、
むらさきホール
- ホール様式 平土間多目的イベントスペース、
- 客席 幅11.5mx長さ20.13m床面積231.5㎡(約140畳)1フロアー 収容人員 ★名、フローリング、
- 舞台設備 アダプタブルステージ、プロセニアムアーチ:間口:9m 奥行:4m 高さ:3.6m、ステージ高さ;FL+60 仮設エプロンステージ 1x2mx13枚高さFL+60 から100cm、天井高さFL+4、1m、バトン類、
- その他の設備 フルコンサートピアノ、楽屋x、共用シャワー室、、共用リハーサルルーム、
大会議室
- ホール様式 プロセニアム型式舞台付き会議室。
- 床面積16.86mx12.34m、床面積208㎡(約125.5畳)天井高さ6m
- 客席 収容人員★名、1フロアー仮設椅子席、絨毯敷き詰め、
- 舞台設備 幅9.46m プロセニアムアーチ:間口:6.79m 奥行:2.94m 高さ:3.5m、ステージ高さ;バトン類高さ:StL+4.55m、、スクリーン。
- その他の設備
映像シアター
- ホール様式 、プロセニアム型式多目的ホール。
- 客席 1フロアー 収容人員 固定席100名、車椅子4席、
- 舞台設備 幅5.7mプロセニアムアーチ:間口:5.2m 奥行:3.5m 、バトン類高さ:2.8m、
- 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイドへ
付属施設・その他
- 付属施設 、音楽練習室x2、展示室、会議室x15、学習室x5、研修室x、調理実習室、創作室X2、和室x3、スタジオ、保育室x3、ブッフェラウンジ、市民ギャラリーx2
- 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら公式ガイドへ。
デジタヌの独り言
非常に評価し辛いホールでは有るが、...。
ホーズ後方で低層部、中層部、高層部と断面を変化させ、低層部にも数mm程度の僅かな凹みが施されてはいるが、55Hz以下の波長6.1mから20mにも及ぶ重低音では干渉効果は期待出来ず、初期反響軽減には多少有利に働く程度で「ブーミーな音」の原因となる重低音域の定在波対策にはならない!
マジックボックスが「定在波対策に"難儀"」した苦労の様子を表しているようであるが...
残念ではあるが「マジックBOX」(※1)では反響は吸音は出来ても、定在波(※2)は退治出来ない!
無用の長物にコストを掛けるよりは、低層部も中層部同様の表装とし、内壁面全体をスラントないしは、もっと大胆にアンギュレーションを施すべきであった様に思う。
デジタヌの知っておきたい豆知識
調布市と調布市文化会館たづくりのこれまでの歩み
1961年 初代公民館開館
1977年 グリーンホール開館
1995年 調布市文化会館たづくり開館。
調布市文化会館たづくりがある「調布市」とは
東京都の多摩地域東部にある市。
2005年の国政調背当時人口215,809人に対し昼間人口が186,275人で昼は夜の0.863倍の人となる典型的な東京近郊の「ベッドタウン」である。
- 推計人口、234,674人/2017年10月1日。
- 調布-(新宿)-東京 36分/440円/25.8km/京王・JR
※参照覧
※1、現代の3大迷発明!「珍妙からくり(残響調整装置、可変段床設備、高さ可変吊り天井)」に関する記事はこちら。
※2-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら
※2-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。
※関連記事 『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。
※3、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。
公開:2018年3月18日
更新:2022年9月30日
投稿者:デジタヌ
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