狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

コラニー文化ホール 《 ホール 音響 ナビ 》山梨県立県民文化ホール

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Official Website http://www.yamanashi-kbh.jp/index.php

コラニー文化ホールのあらまし

大・小2つのホール、リハーサル室、練習室、会議場 などを備えた複合文化施設。

コラニー文化ホールのある山梨県甲府市とは

山梨県

推計人口、818,455人/2018年4月1日

令制国の旧甲斐国。日本のほぼ中心にあり東京都に隣接している四方を山に囲まれた内陸部の県。

甲府市

甲府盆地に位置する山梨県の県庁所在地。

推計人口、189,433人/2018年4月1日

甲府ー新宿 1時間22分/4,130円/JR特急/123.8km 

コラニー文化ホール のこれまでの歩み

1902年 - 県立山梨県高等女学校として開校。
1905年 - 山梨県立高等女学校に改称。
1922年 - 山梨県立第一高等女学校に改称。
1948年 - 学制改革により、山梨県立甲府第二高等学校(現・山梨県立甲府西高等学校)となる。

1970年代当時の田邊圀男知事により甲府駅北口の県有地に建設される計画が発表。当初の建設予定地は長らく空き地となっていたが、2012年に山梨県立図書館が完成。

1975年 -甲府市下飯田4-1-1の現在地に校舎が移転するとともに、甲府一高、甲府南高との3校間で総合選抜が実施され男女共学開始。

1982年11月23日 旧第二高等学校跡地に山梨県立県民文化ホール完成。

コラニー文化ホールのロケーション

ところ  甲府市寿町26-1

公式ガイドはこちら

甲府市と周辺にある観光スポットについてのトリップアドバイザーの 口コミ ナビはこちら。

コラニー文化ホールへのアクセス
鉄道・バスなどの公共交通
もよりの駅

JR甲府駅南口より徒歩20分

バス停

山梨交通バス県民文化ホールバス停下車

マイカー利用の場合

241台収容の有料駐車場が準備されているので、マイカー利用も可能。

営業時間 08:00~17:30(※ただしコンサート開催日は公演終了時間まで)

中央自動車道甲府昭和インターチェンジより車で10分

コラニー文化ホールがお得意のジャンル

レジデントオーケストラ

可愛いレジデントオーケストラ「やまなしジュニアオーケストラ」を主宰している。

大ホール

オーケストラコンサート、やバレエ公演、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。

小ホール

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、落語・演芸寄席、トークショー、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

コラニー文化ホールで催されるコンサート・イベントチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

施設面から見たコラニー文化ホールの特色

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

(公式施設ガイドはこちら。)

大ホール

(公式施設ガイドはこちら。)

平土間からから続く緩やかなスロープのメインフロアーと比較的急峻な2階バルコニー席を持つ、2スロープ2層の多目的ホール。

1階メインフロアー

ステージ直前の5列までが扇形(ハノ字)配置の平土間部分で、6列目から最後列30列が「ハノ字段床」のスロープとなっている。

2階バルコニー席

メインフロアー同様にハノ字段床配列のスロープとなっている。

側壁の設え

サイドプロセニアムとメインフロアー前半の脇花道背後壁面はアンギュレーションを持たせた木質パネルで表装されている。

ホール後半部は1・2階ともに表面処理をし塗装仕上げのプラスターボード反響板(※1)をアンギュレーションを持たせて設置し、定在波(※2)対策の柱とし同時に「音響拡散体」(※3)として後期残響(※4)の創出にも配慮している。

多段構成の天井反響板

天井はプラスターボード反響板をホール後方から階段状に迫り上げ、ホール前部平土間部分の頭上で最高高さとなるように設置されている。

大型コーナー反響板を備えた上部プロセニアム

上部プロセニアム前面には大きくラウンドした凸面状の木質大型反響板が設えられている。

簡易的2分割対応

2階バルコニー席632席を用いずに、メインフロアー1342席の中ホールとして使用するときは、2階バルコニー席を「すっぽり覆う」客席用音響シートカバーを用いて、残響調整機能としている。

ホール音響評価点:得点85点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは 基礎点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点17点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点15点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

総評

台形の前半部と方形の後半フロアーからなる、典型的な疑似扇形多目的ホールで、並行する後半部分側壁はアンギュレーションを持たせた壁面形状と、扇形段床配列座席配置(※5)で定在波封じ及び定在波障害(※6)回避策としている。

算出に用いた値;

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

定在波評価

※左右壁面が並行する台形ホールだが、屈曲した壁面なので基礎点50点とした。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害顕著席数;0?席0

重複カウント ;ー0席

定在波障害顕著席総計;0?席

初期反射対策評価

※客席周辺ほとんどの壁材がプラスターボードなので素材基礎点20点とした。

基礎点B2=素材基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

初期反射障害1 壁面障害席 ;12席/2階13列21番~32番、

初期反射障害2 天井高さ不足席58席(50席/1階30列1番~52番車椅子4席含む、8席/1階31列車椅子席)

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;70席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;60席/1階平土間中央部座席1~5列21番~32番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;12席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;58席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;130席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

小ホール

(公式施設ガイドはこちら。

最前列から3列目までの平土間部分から連なるハノ字段床を持った緩やかな傾斜の1スロープの多目的ホール。

大ホール同様の設えで同様に脇花道と脇花道背後まで続くおおがたの木製プロセニアムを持つのも同じ。

但しこちらはオーケストラピット床を利用したエプロンステージは設定できない!

従て、ステージ反響板設置時は実行床面積約108㎡(約65.畳)となり小規模アンサンブル団体や、ソリストのリサイタル以外のオケ利用はできない。

但し、ステージには小迫りと脇花道には「スッポン迫り」が用意されており、伝統芸能には対処している。

但し道具迫、回り盆、スライディングステージの類は常設されていない!

ホール音響評価点:得点86点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは 基礎点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点17点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点15点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

総評

...

算出に用いた値;

定在波評価

※左右壁面が並行する台形ホールだが、屈曲した壁面なので基礎点50点とした。

基礎点B1=基礎点50'点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害顕著席数;0?席

重複カウント ;ー0席

定在波障害顕著席総計;0?席

初期反射対策評価

※客席周辺ほとんどの壁材がプラスターボードなので素材基礎点20点とした。

基礎点B2=素材基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

初期反射障害1 壁面障害席 ;22席/1階11~21列1番&40番車椅子ブース含む。

初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;22席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;38席/1階平土間中央部座席1~3列15番~26番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;22席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;60席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

リハーサル&練習室

共用男女別シャワー室(更衣室付き)を備えた、リハーサル室&・練習室フロアーがある。

リハーサル室

(公式施設ガイドはこちら。)

  • ;床面積245㎡ 2階吹き抜け相当のフローリング床、バレエ・ダンスレッスンバーを装備した壁面ミラー(カーテン付き)ピアノ:スタインウエイ(フルコン)を備えたリハーサル室、を備えている。
  • 壁面は部分的に有孔音響ボードで表装された遮音(吸音)構造を持ち、同じく部分的に有孔音響ボードで表装されたヴォールト(蒲鉾天井)天井、を持つ。

リハーサルルーム

ルーム音響評価点:50点

※会議室、宴会場、展示会場などがメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。

§1「定在波対策」評価点:25点/50点満点
  • ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
§2「初期反射」対策評価点:25点/50点満点
  • ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
総評

有孔音響ボードで表装された壁面構造を持つが、スラント。アンギュレーションなどの定在波帯対策は成されていない!

練習室

(公式施設ガイドはこちら。

フローリング床&42㎡のアップライトピアノを装備した第3練習室。

Pタイル床の第1・2・4・5練習室を持つ。

1・2・5号れんしゅうしつにはセミコンサートピアノが常備されている。

全室壁面は部分的に有孔音響ボードで表装された遮音(吸音)構造を持ち、同じく部分的に有孔音響ボードで表装された天井、を持つ。

コラニー文化ホールの施設データ

  • 所属施設/所有者 山梨県立県民文化ホール/山梨県。
  • 指定管理者/運営団体 アドブレーン・共立・NTT-F共同事業体/山梨県。
  • 竣工  1982年11月23日

大ホール

ホール様式

プロセニアム型式多目的ホール。

客席仕様

2スロープ2フロアー最大幅約32mx最大奥行約33m、天井高さ(最高部)約24m 
収容人員1980席、(車椅子用スペースX15台、含む、)タイルカーペット敷き詰め。

内訳
  • 1階固定席X1342席、1階(オーケストラピット部可動床可動席X150席、車椅子用スペースX15台、PAブースX24席、含む)
  • 2階席X632席、

舞台設備
  • 舞台仕様 プロセニアム形式
  • 有効幅約34.6m(ステージ最大幅約49m)x有効奥行き約21m(最大奥行き約23.2m)3面舞台相当、
  • プロセニアムアーチ:間口約20m、高さ約10m、ステージ高さ;FL+約100cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約21m、バトン類高さStL+約19.8m、サスペンションライト(照明ブリッジ);6本、美術バトン;19本
  • 反響板設置時;プロセニアムアーチ:間口約20m、高さ約10m、最大奥行き約11m、ステージ高さ;FL+約?cm、
  • 拡張舞台(エプロンステージ);可動床・可動客席(客席ユニット・ワゴン床下収納システム)オーケストラピット&エプロンステージ迫り;最大幅約20m最大奥行約6m、演奏面レベル設定;StL ー約2.2m~+0m、
  • 舞台機構1 ;奈落、、小迫り、
  • 脇花道。
各種・図面・備品リスト&料金表
大ホール付属専用施設
  • 8室(大楽屋1室、中楽屋4室、小楽屋3室)

小ホール

ホール様式

プロセニアム型式多目的ホール。

客席仕様

1スロープ1フロアー
収容人員700席、(車椅子用スペースX4台、オケピット部52席、PAブース部24席分含む)タイルカーペット、

舞台設備
  • 舞台仕様 プロセニアム形式
  • 有効幅約24.5m(ステージ最大幅約40m)x有効奥行き約17.8m(最大奥行き約21m)3面舞台相当、
  • プロセニアムアーチ:間口約16m、高さ約8m、FL+約90cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約18m、バトン類高さStL+約16.4m、サスペンションライト(照明ブリッジ);5本、美術バトン;17本
  • 反響板設置時;プロセニアムアーチ:間口約16m、高さ約8m、最大奥行き約8m、実効面積;約108㎡(約65.畳)ステージ高さ;FL+約90cm、
  • オーケストラピット;可動床・可動客席オーケストラピット迫り;最大幅約14.5m最大奥行約3.5m有効面積約41.1㎡;約25畳、演奏面レベル設定;StL ー約1.8m、
  • 舞台機構1 ;奈落、小迫り、スッポン迫り、脇花道
各種・図面・備品リスト&料金表
小ホール付属専用施設

5室(大楽屋2室、中楽屋1室、小楽屋2室)

付属施設・その他 

館内付属施設 

施設利用ガイド

※参照覧

※1、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

※2-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら

※2-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。

※3、音響拡散体については、『ホールデザインのセオリー その4 ホール形式とディテール・デザイン』をご覧ください。

※4、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

※5、定在波対策については『ホールデザインのセオリー その1 定在波対策 』こちらをご覧ください

※6、関連記事『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。

 

公開:2018年10月22日
更新:2018年10月24日

投稿者:デジタヌ


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