『旅するタヌキ』狸穴ジャーナル別冊

ザ・ヒロサワ・シティー会館・茨城県立県民文化センター/水戸市内《ホール音響Navi》

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茨城県立県民文化センターのあらまし

Official Website http://www.ibarakiken-bunkacenter.com/index.html

(公式施設ガイドはこちら)



大・小2つのホール、集会室、展示棟などを備えた複合文化施設。

音響面から眺めたザ・ヒロサワ・シティー会館

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

(公式施設ガイドはこちら。)

総座席数 1,514席を誇る県内最大の施設、

大ホール

(公式施設ガイドはこちら。)

フロアー構成

1スロープ1フロアーの扇形多目的ホール

最前列から4列までの扇形配列平土間座席部分(内3列まではオーケストラピット部)から続く緩やかなスロープを持つ両袖部分がハノ字配列の前半部15列までと通路を挟んでやや急な中央部分と、急峻ではあるがストレート段床に近い殆ど"谷間"の無い後部スロープで構成された1フロアーの扇形プロセニアム形式多目的ホール。

壁面

壁面は1966年建設当時は流行った"石壁!"

メインフロアー壁面

客席両側壁はアンギュレーションを施した垂直でプレーンな「タイル張りの石壁」で、全周に渡って壁面沿いに通路が設けられている。

最後部3列の両側壁部はプレーンな垂直壁となっており約40m幅で隔てられた「完全平行」部分となっており、周波数に換算して8,5Hzの低周波振動(定在波※1)が生じているが可聴帯域(20から20kHz)外の為実害(※2)は無い?

大向う通路背後壁面

大向こう背後壁面は、縦格子で表装した凸面形状のラウンド吸 音パネルをハノ字配列段床に沿うように横に凹面状に並べて表装してある。

大向う通路上部

大向う通路上部はホール内部に突出した映写室・音響調整室を備えた定番形状で硝子窓以外は音響スクリーンで表装した吸音壁(遮音壁)になっている。

ステージ回り

常設脇花道背後壁面迄続く

常設脇花道背後迄続くサイドプロセニアムは表面を逆ピラミッド状を並べた容に成型した打ち放しコンクリート壁。

ステージ反響板

ステージ反響板は、軽量鉄骨フレームに木質パネルを張り付けた"ごく普通"のアンギュレーションをほどこした吊り下タイプ。

天井

プロセニアム前縁の3段に分かれたコーナー反響板は木製で、続く天井はプラスターボード製の大型一体型反響板になっている。

プロセニアム上縁直後のはコーナー反響板と2枚目の反響板の間からプロセニアムサスペンションライトが吊り下げられている。

総評

定在波障害を駆逐すれば石壁!でもこれだけの高得点が得られる良い見本となっているが...。

"お役所仕事"とはこのことで、東日本大震災被災で剥離したタイル壁をワザワザ修復したようである!

どうせ、1981年の新耐震基準を満足していない建物だから、この機会に建て替えればよかったのに、「一分損壊」程度では「復興予算」を使って建て替えもできず、耐震補強工事と「外観復旧」に甘んじてしまったようである。

ホール音響評価点:得点85点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは 基礎点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点12点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点20点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら

定在波評価

※障害発生エリア席数が皆無?なので基礎点50点とした。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害顕著席数;

定在波「節」部席;0?席

定在波「腹」部席;0?席

定在波障害顕著席総計;0?席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が石壁なので素材基礎点12点とした。

基礎点B2=素材基礎点12点ー障害発生エリア数0=12点

初期反射障害1 壁面障害席 ;0?席

初期反射障害2 天井高さ不足(3m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;0?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数0=20点

眺望不良席数;0席/1階中央部前半座席千鳥配列改修済

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;0?席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(3m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;0席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

小ホール

(公式施設ガイドはこちら。

フロアー構成

1スロープ1フロアーの扇形ホール

最前列から5列までのハノ字配列平土間座席部分から続くストレート段床上に配列された緩やかなスロープを持つ1スロープのプロセニアム形式多目的ホール。

ステージ回り

プロセニアム

平土間部分両サイド迄をすっぽり囲むプロセニアムの壁面は"レンガ積み"の強烈な意匠!

主に講演会等の用途が主なので、ステージ反響板は用意されていない。

但しプロセニアム上部前縁には上下可動タイプのプロセニアムライトを備えた木製のコーナー反共板が備え付けられている。

壁面

後半スロー=プ部分はアンギュレーションを付けた大型の木質パネルを並べてある。

大向う背後壁面

大向こう壁面は大ホール同様に、音響スクリーンで表装した吸音壁となっている。

庫の壁面で何を考えているの?

大ホールとは異なり、何を考えているのか...はたまた何も考えていないのか?前半睨土間部分の両袖部分は壁面迄座席がビッシリ?詰まっていたようだが、1列目両袖6席、5・6・7列目の"壁際"席は改修時に撤去されている。

天井

天井は改装以前から使われているプレーンな木質パネルによる片流れの反響板となっている。

総評

異様なレンガ積みサイドプロセニアム

1960年代の第一次公共ホール建設ブーム当時の建物なので、天井が低いのは致し方ないとして、"異様"なレンガ積みサイドプロセニアムは何とか屁理屈を付けてでも、復興予算で客席両側壁同様に木質パネルに換装すべきであった。

平土間中央部分の客席配列改修

平土間部分両袖部分の1列全席6席と5・6列の4席計10席を撤去したのは良作であったが、2・3・4列の両端壁際席を残したのは...

中央部分を大ホール同様に千鳥配列座席に改修すべきであった!

遇数列2・4・6列から一席ずつ立った3席!の定員減で眺望・音響共に改善できたのに...

エプロンステージ+反響板に改修できれば...

間口約11m有効面積37.5㎡(約22.5畳)と今どき390人の収容人員にしてはかなり狭小なステージではあるが...。

いっその事平土間部分の4列目までの座席82席を撤去し常設のエプロンステージに改修し現ステージ上の背後壁面に固定ホリゾント反響板を設え、キャスター移動型のサイド反共板と、吊り下げタイプの上部反響板を設えれば、6列目中央を12席配置の千鳥配列としても307席の上質のコンサートホールが作れたのに!

最前列を現5列とし、現4列部分を通路としても、最大奥行き約7.7m最大幅約14m有効面積約84㎡(50.5畳)の手ごろなセミオープンステージを組むことが出来る。

水戸市には

水戸市には、水戸芸術館があるが、自主運営興行のみの演劇小屋?で一般貸出は行われていない!

地元のアマチュア団体は、仕方なくホールをもとめて、近隣の千葉県などに"巡業"を行っている!

使えるサイズのステージを備えた「300席程度のプレミアムホール」が水戸市内にあれば、アマオケやアマチュア吹奏楽団、お母さんコーラスなどに重宝がられるはずであるが...。

ホール音響評価点:得点75点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは 基礎点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点12点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点11点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点2点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら

定在波評価

※障害発生エリアが皆無?なので基礎点50点とした。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害顕著席数;

定在波「節」部席;0席

定在波「腹」部席;0席

重複カウント ;ー0席

定在波障害顕著席総計;0席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質がレンガ積みなので素材基礎点15点とした。

基礎点B2=素材基礎点15点ー障害発生エリア数2=13点

初期反射障害1 壁面障害席 ;6席/1階2~4列壁際席

初期反射障害2 天井高さ不足(3m以下)席;25席/1階18列全席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;31席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

眺望不良席数;78席/1階平土間中央部座席2~7列7番~19番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;6席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(3m以下)席;25席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;109席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

ザ・ヒロサワ・シティー会館の施設データ

  • 所属施設/所有者 ザ・ヒロサワ・シティ会館/茨城県。
  • 指定管理者/運営団体 財団法人いばらき文化振興財団/茨城県。
  • 開館/竣工   1966年4月11日開館
  • フロアー配置図・フロアマップはこちら

大ホール

ホール様式

『扇形タイプ』プロセニアム型式多目的ホール。

客席仕様

1スロープ1フロアー
収容人員1514席、(車椅子用スペースX6台分24席、オーケストラピット部可動床可動席X76席含む、)、Pタイル張り、通路のみタイルカーペット、)

舞台設備
プロセニアム形式(常設脇花道付き)
  • (ステージ最大幅約32.m)有効幅約27x(最大奥行き約14.4m)有効奥行き約11.3m/緞帳→ホリ幕、有効面積約305㎡(約184畳)
  • プロセニアムアーチ:間口約18m、高さ約7.5m、本舞台実用幅約18m、本舞台実用面積;約203㎡(約122.5畳)ステージ高さ;FL+約90cm、
  • 吊りもの類 照明;サスペンションライトX3本、ボーダーライトX3、その他x2、美術バトン;15本(幕装備除く)
反響板設置時;
  • プロセニアムアーチ:間口約18m、高さ約7.5m、有効奥行き約10.6m/ひな壇後縁→舞台前縁埋め込み照明、実効面積;約172.7㎡(約104畳)ステージ高さ;FL+約90cm、
  • オーケストラピット;最大幅約17m最大奥行約2.5m有効面積約40㎡(約24畳)、演奏面レベル設定;StL ー約2m~+0m、
  • エプロンステージ迫り使用時;最大幅約21m(脇花道部含む)最大奥行約13.3m有効面積約236㎡(約142.5畳)
舞台設備・機材
  • 奈落(有効高さ約3.9m)、後ろオーケストラひな壇(大迫り)StLー4.5m~+1.2m、前オーケストラひな壇(中迫り)StLー4.5m~+0.6m、小迫り/StLー3m~+0m
  • 舞台機構1 ;奈落(有効高さ約3.9m)、後ろオーケストラひな壇(大迫り)StLー4.5m~+1.2m、前オーケストラひな壇(中迫り)StLー4.5m~+0.6m、小迫り/StLー3m~+0m、
  • 仮設資材;能舞台セット、他
各種・図面・備品リスト&料金表
大ホール付属専用施設
  • 楽屋(洋室)X3室、 楽屋(和室)X2室、湯殿(男女各々x1室)

小ホール

客席仕様

1スロープ1フロアー
収容人員390席、(車椅子用スペースX4台分、含む、)Pタイル張り、

舞台設備
プロセニアム形式
  • (ステージ最大幅約15.7.m)有効幅約14.9mx(最大奥行き約4m)有効奥行き約3.48m/緞帳→ホリ幕、有効面積;約51.8㎡(約31畳)
  • プロセニアムアーチ:間口約10.8m、高さ約4.5m、本舞台実用幅約10.8m、本舞台実用面積;約37.5㎡(約22.5畳)簀の子高さ;StL+5.5m
  • 吊りもの類 照明ブリッジ・バトン;サスペンションライトX1本、ボーダーライトX1、美術バトン;2本(幕装備除く)、
各種・図面・備品リスト&料金表

小ホール付属専用施設
  • 楽屋(洋室)X2室、

付属施設・その他 

館内付属施設 
  • 本館(集会棟);集会室x6、和室x2、集会棟、玄関ロビー、グリル、専用ロビー、一般展示室、県民ギャラリー、展示ホール、練習室他
  • 分館、集会室x6、国際交流サロン、他
付属施設配置・見取り図

施設利用手引き

ザ・ヒロサワ・シティー会館のある水戸市とは

茨城県中部の県央地域に位置する県庁所在地、春先の開花シーズンには偕楽園の梅林が有名である。

推計人口270,289人/2018年10月1日現在

水戸ー東京 JR特急/1時間15分/3,820円/121.1km

ザ・ヒロサワ・シティー会館 のこれまでの歩み

1966年4月11日開館

2011年3月11日 東日本大震災被災により全館休館、

2011年7月1日大ホールとレストラン以外の運営を再開。

2012年7月 大ホール改修竣工

2012年9月1日 新装開館

ザ・ヒロサワ・シティー会館のロケーション

ところ  茨城県水戸市千波町東久保697番地

水戸駅の南西へ道のりで約1.2km(徒歩約16分)にあり、千波湖のほとりに、茨城県近代美術館と並んで佇んでいる、県道50号線沿いだが、県道とは民家と広大な駐車場で隔てられており、周囲は住宅地囲まれた静かな環境となっている。

ザ・ヒロサワ・シティー会館へのアクセス
もよりの駅

JR水戸駅

バス停

水戸駅北口8番乗り場本郷・畑中・払沢各方面行き乗車「文化センター」バス停下車

マイカー利用の場合

常磐道水戸IC.より約10.7㎞30分

北関東自動車道茨城町東IC.より約6.5㎞15分

ザ・ヒロサワ・シティー会館がお得意のジャンル

オーケストラコンサートやバレエ公演、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、落語・演芸寄席、トークショー、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。

ザ・ヒロサワ・シティー会館で催されるコンサート・イベントチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

※参照覧

※1-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら

※1-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。

※2、関連記事『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。

 

公開:2019年3月30日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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