『建築音響工学総覧 』第4巻 定在波 と音響障害(Page 2)第2章 定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』とは
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★第2章 定在波音響障害『ミステリーゾーン』とは
『ミステリーゾーン』とは定在波が生じている"音圧変調ゾーン(停留域)"の事で、過大な初期反響(エコー)の音響障害(※21)同様に深刻な音響障害を引き起こします!
音圧変調ゾーン(停留域)では「特定周波数の音が消失したり」「幽霊楽器」が聞こえたりする現象「ミステリーゾーン現象」が現れます!
つまり楽音をBad modification(改悪)!する「Amplitude modulator (振幅変調装置)」ともいえます。
※クリックすると階大画像が見られます。
参※21)当サイト関連記事 『第1章 ホールでの過大なエコー(初期反射)による音響障害 はこちら。
第1節 音響障害域『ミステリーゾーン』の正体
ホールは前後左右上下が遮蔽物で閉鎖された区間なので、
各壁面間では定在波が生じて以下の現象が現れます。
第1項 ミステリーピット(音響落とし穴)
定在波(定常波)が生じると、節に当たる「壁面」と壁面間で移動する「定在波の節」が現れてミステリーピット(音響落とし穴)となります。
ミステリーピットとは居座っている音圧変調波「定在波」の節目に当たる部分で完全並行壁面の両側壁面とその間で発生する、音圧ゼロクロスポイント(節目)で壁面同様に、ある瞬間全ての音が消失する重大音響傷害!落とし穴です。
第2項 amplify area(増幅域)
同じく壁面から離れると、定在波の腹に相当する関係で、音圧(音量)が増幅される増幅域!となります。
ミステリーピットに対して「定在波の腹」に当たるamplify areaでは、
半波長の搬送波の影響で、(約2倍以上の)飛び上がるほどの大振幅(大音量)と、音圧が"0"の間を変動!
します。
第1目 最悪特定楽器の楽音が消失!する
"低周波"定在波が生じているゾーン全体では、音量(音圧)が常に変化しているミステリーゾーンでは
周波数特性に「うねり(山(peak)や谷(trough)」が生じて、
楽器の音色が変化して、幻聴ではなくて「幽霊楽器!」が聞こえたり、
最悪の場合「特定の楽器が消失!」(※221)する現象が発生します!
参※221)指揮者 井上道義氏の体験談はこちら。
第2目 通路配置では回避できない!
図は2波長の定在波の最大振幅時の様子で、(ミリ秒単位の)時間変化と共に変化して、
左右壁間をさまようので、ミステリーゾーン全域が"音響傷害エリア!"となり、後述するような通路配置だけでは回避できません!
第3項 "激しくさまよう"音凶傷害落とし穴!"
人の可聴帯域は概ね(健常者で)「20Hz~20kHz」とされています。
第1目 20KHz以下の可聴音域では
巾20m以上の巨大ホールでは、周期59msec(ミリ秒)以上の音圧変動が生じている!ので、
"トライアングル"の"ビビり"や"ピアノ音の濁り"などの音響障害(フラッター)が生じるわけです、これは波形の fidelity(忠実度)が悪くなる為です。
20Hz の周期は0.059msec(ミリ秒)であり、周期約59msec(ミリ秒)以上の周期で「音圧が周期変動」すると「ビビり音」(フラッター)と感じしまうわけです。
第2節 ミステリーゾーンで生じる最悪の音響障害・低周波振動健康被害!
折角「至高のひと時」を求めてコンサートにやってきたのに健康被害では...
過大な初期反響(エコー)による健康被害"ホール酔い"(※221)よりむしろ、定在波による「低周波振動傷害」が重大な健康被害!をもたらします!
前途したように、定在波は「並行した壁面間」を反復する"エコー"が原因なので、壁面間に相当した"半波長"と、
その倍音列に相当した「定在波音響障害」が発生するので、
ホール幅間口が広い大型ホールほど波長・周期共に長くなり、"低周波振動"が生じやすくなります。
長時間にわたる聴取により低周波振動傷害!を引き起こします!
参※221)第3巻 第2章 過剰なエコーが引き起こす音響障害「恐怖感」と「ホール酔い」参照
第3節『ミステリーゾーン』で起きる音響現象
第1項 楽音の消失!
側壁表面では、反射の法則(※220)の為に「ゼロクロスポイント」が生じます。
すなわちこのポイントでは全ての音の音圧が"0"になってしまいます!
つまり"全く無音の状態"になるわけです!(ノイズキャンセリングヘッドフォンと同じ原理!)。
更にミステリーゾーンをさまよう0クロスポイント(ミステリーピット)は、
「定在波そのものの振幅が"0"」すなわち無音状態となる瞬間が、1/10秒単位の周期で繰り返されて、前途した様にトライアングルや、ピアノのような衝撃音の音圧が変動して不愉快なビビり音となりるわけです!
更に最悪の場合前途したように、ミステリゾーン(定在波エリア)ではある周期で「音が消失して」結果として長時間この環境にさらされると「不快感」を誘発!します。
参※220)第3巻 音響工学の基礎編をご参照ください。
第2項 幽霊楽器が現れる現象
定在波の悪影響は、定在波が居座っているゾーン内すべての部分で生し"ているので、
場所によっては「幽霊楽器」が現れたり!もします。
これは、「定在波の腹」に当たる部分で、音圧が増加されて、前項同様に周波数特性に乱れ(山(peak)や谷(trough)などのうねり)が生じて、結果的に「楽器固有の音色」が変化して「別の楽器」に聞こえたり、ありもしない「幽霊楽器」が現れたりもするわけです。
第1目 これらの幽霊楽器?は...
人間は経験(記憶)に基づいて実際に聞こえてきた音を、脳内に作られている「楽器の周波数スペクルマップ」と照合して、楽器の音色を特定しているために、リスニングエリア内で周波数特性に乱れが生じると、「他の楽器に化けたり」その場にいないはずの「幽霊楽器」を認識してしまうためです。
第2目 ゴースト楽器の実例
草津音楽の森国際コンサートホール(※ホール音響Naviはこちら)で、弦楽四重奏のはずなのにホルンの音が聞こえてくる「ゴーストホルン」は有名です。
第3項 見落とされがちな低周波定在波による健康被害!
例えば間口20mでは、
- 気温20度、気圧1気圧(760mmHg)の時 音速:348.6m
- 半波長の定在波周波数成分 周波数8.7Hz 周期 約115msec (ミリ秒)
という低周波振動(音圧変動:フラッター)が生じて、重大な健康被害!を生じさせます。
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公開:2017年9月22日
更新:2024年12月15日
投稿者:デジタヌ
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