狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

やまぎん県民ホール/山形県総合文化芸術館 《ホール音響Navi》

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ヤッパリやってくれた山形嫌視ん(けんみん)ホール!

同ホールは保守系前県知事斎藤弘氏が、逼迫した県財政の健全化を唱えて、2005年に計画の無期延期・凍結を行っていた!が...

任期満了に伴う2009年1月の選挙で"県・教育委員や総合政策審議会・入札監視委員会!委員などの経験を買われて、リベラル派(民主党・共産党)の推薦を受けて立候補した現・吉村美栄子知事が、当選後は手のひらを返して、保守派・体制派になり、強引に復活させた箱物!だが...

予算不足(削減)の為か?でかい図体に見合わない貧弱な設備大歌舞伎などの伝承芸能にも、(オバサンが大好きな?)バレエ・オペラなどの洋物舞台芸術にも、満足に使えないような、中途半端な「多目的放る(ホール)」となってしまったようだ。

山形藩士?の再就職口確保の為に「土建屋」に「おべっか・ご祝儀予算」を組む余裕があるなら...

プロローグ やまぎん県民ホール のあらまし

大・ホール、スタジオ(リハーサル室)、練習室、会議室、ショップなどを備えた複合文化施設。

2019年10月に山形銀行が命名権を取得。12月から「やまぎん県民ホール」の愛称が用いられている。

生い立ち

前途したように、一度はオワコンになった計画が、

地元(企業)を大事にするママさん知事の肝いりで強引に蘇生されて、挙句の果てには予算不足のあおりで...

総事業費216億円

甘い建設計画!が予算不足を招き中途半端な設備に...

  • 1998年開館の滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール(※7)が総工費;240億円
  • 1996年5月開館のタッタ1,376席の大ホールと457席のちっぽけな小ホールだけの「泉佐野市総合文化センター・エブノ泉の森ホール」(※8)で総事業費 約210億円!

それに幾ら『地元木材をふんだんに使用して建設費を抑える』にしても当初の事業計画ではとてもとても...

案の定、大型多目的ホールに必要な舞台設備がことごとくカットされて後述するあり様!

「山形県の人口減少が進む中で...」根拠の無い収容人員2000人超規模!

新国立劇場(※ホールNaviはこちら)建設の事例を持ち出すまでも無く、...

全国どの「痴呆都市」...いや失礼、田舎町!で、アセスメント(公聴会&調査)を行っても、

  • ●「音より儲け主義」の呼び屋・プロモーター(興行主)連中は、お題目の如く「収容人員2000人超」を唱え、
  • ●プロ芸術団体(歌劇団、演劇団)は1500人程度の規模を希望して、
  • ●アマチュア団体は集客のし易さで「3~400席程度の良質のロールバック施設」を希望する。

つまりお互いに「エゴ」を主張しあい、「啓蒙意識」等はいささかも見られずに、お互いの主張は平行線を辿り合うのは仕方のない事実で、挙句の果てに行き着いた結果が...

時代錯誤、県民無視の「こじつけ」建設理由!

その言い訳の一つが「現施設では大がかりな舞台装置を必要とする「オペラ等」が実演できない等、ニーズに対応できない」というこじつけ!

山形花笠音頭・まつり、が盛んな当地に於いて、「ミュージカル」ならまだしも「突然オペラ公演」...?

なのに、奈落も大迫りも無い、廻り盆も無い、スライディングステージも無いでは...

更に脇花道があっても、これでは大歌舞伎もできない!

公共施設「耐用年数80年」方針を打ち出す自治体もあるのに...

さらには、全公共施設「耐用年数80年」を掲げ、高度成長期の「メタボリズム」と決別して、1981年施行新建築基準法施行以前の「公共ホール」を改修して、「生き返らせ」て長く大事に使い続けようとする岡崎市のような自治体も現れている。(※1967年6月生まれ三河切っての音響を誇る御歳50歳の「あおいホール」ホールNaviはこちら)

出来上がったギリシャ神殿?風の箱物は...

グランドオペラの公演は不可能

3面舞台なのに 廻り盆も、スライディングステージも無い!

立派なオケピがあるのに これでは舞台転換も行えず、オペラ・には使えない!

おまけに立派なオーケストラピットがあるのに3階客席スロープからは指揮者・オーケストラが全く見えない!

さらには年末第九も

年末恒例の第九演奏会も、エプロンステージ上の指揮者・独唱者が3階スロープから全く見えないのでは...

更に今やあの「サントリーホール」「東京文化会館」(※ガイド記事はこちら)でさえ舞台形式の「オペラ公演」を行うご時世なのに、エプロンステージが機能しないのでは...

脇花道があるのに迫りが全く無い!

(準備工事?で)奈落スペースが確保されているのに、"道具迫り"すらない!ので閉鎖状態!

これでは、大道具の迫り上げは不可能!で、歌舞伎などの伝統芸能公演は全く不可能!

可動プロセニアムも予算カット

更に今どき可動プロセニアムが無く、舞台の間口・高さは主催者側で用意した幕物を美術バトンにつるす以外手はない!つまりお年寄りが期待している松竹大歌舞伎公演は実質お断り!

参考までに芝居小屋に必要な設備は

    • 脇花道、本花道(すっぽん迫り付き)、仮設花道、花道用所作台、回り盆(orスライディングステージ)、大・中・小迫り、所作台、平台、
    • 設備・大道具;下手囃子場or黒御簾(くろすみ)、上手太夫座(たゆうざ)、鳥屋(とや)、鳥屋囲い、
    • 小道具;松羽目、竹羽目、金・銀屏風、鳥の子屏風、雪かご
    • 敷物;毛氈、地絣、
    • 伝統芸能幕:定式幕、紅白幕、浅黄幕,

かろうじて、舞台上部空間に"すのこ"擬きのキャットウォークは設えられている。

やまぎん県民ホールがお得意のジャンル

という事でお得意のジャンル 演目は知事の演説会?、成人式などの各種式典のみ?

「ソンなしろもの」どこから出てきた発想なの?

更に今やあの「サントリーホール」「東京文化会館」(※ガイド記事はこちら)でさえ舞台形式の「オペラ公演」を行うご時世...。

何で花笠音頭などの「伝承芸能」の盛んな当地において、奈落も迫りも廻り盆も無いような、使い物にならない無駄に広い?3面舞台の立派な・ホールをこさえてしまって...

これでは、お年寄りが楽しみにしている、「大歌舞伎」もできないし...

さらに数年に1度有るか無いかの「グランドオペラ公演・グランドバレエ」で(指揮者が見えなくて)満足に使えないような"紛い物シュターツオパー"擬き多目的ホールを作ってしまってどうするおつもり?

やまぎん県民ホール のロケーション

ところ  山形市双葉町一丁目2-38 山形駅前直ぐ

回りは駐車場だらけなので、マイカーが便利!?

やまぎん県民ホール の施設データ

Official Website https://yamagata-bunka.jp/

(公式施設ガイドはこちら)

  • 所属施設/所有者 山形県総合文化芸術館/山形県。
  • 指定管理者/運営団体 清川屋/山形県。
  • 開館/竣工   2020年5月13日全面オープン/2019年9月
  • 設計  本間利雄建築設計事務所
  • ゼネコン  安藤ハザマ・山形建設・千歳建設・市村工務店特定建設工事共同企業体
  • 総事業費 約216億円!(敷地購入費67億5700万円 、建設費148億円!)
  • 内装(音響マジック)?
  • フロアー配置図・フロアマップはこちら

付属施設・その他 

館内付属施設 
  • 館内施設;音楽スタジオ、練習室(和室・茶室)、会議室、託児所、カフェレストラン、コインロッカー等。
付属施設配置・見取り図

施設利用手引き

『大ホール』の音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら。)

※以下、畳表示は中京間(0.5坪)サイズ表示です。

3スロープ3層のプロセニアム形式多目的ホール・オープンステージ形式コンサートホール

フロアー構成

メインフロアー

最前列から最前列から6列(うち4列オーケストラピット)までの平土間座席部分から続く緩やかなハノ字段床スロープ。

2・3階バルコニー・テラス席

2.3階バルコニーもハノ字段床配列で、両翼から前方にサイドテラスが伸びている。

前縁は、木質パネルをスラントさせて表装され、音響拡散効果(※11)を狙っている。

参※11)当サイト関連記事 音響拡散に用いられる壁面装飾オブジェ"音響拡散体" はこちら。

壁面

メインフロアー壁面

木質グルービングパネルを用いて、後半スロープ部分は、凸面状にアンギュレーション設置されている。

上層階壁面

2・3階客席側面は、斜め配置した桟を用いたグルービングパネルを、用いた凝った表装としてあるが...

更に3階側壁面、の上部には2段のモコシを設えて、音響拡散効果を狙っている。

サイドテラス前方のむき出し照明器具

更に、2・3階前方には、最近流行りの照明コラムを4層設置して、音響拡散効果を狙っている。

大向う背後壁面

1階後部壁面は縦格子と吸音材を用いた定番構成。

2・3階背後壁のハノ字部分は、短尺巾のグルービングパネルを、横方向帷子風に用いた表装。

最上層部壁面

最上層部はプラスターボードのセグメントを並べた構成で、各セグメントは上下方向にアンギュレーションを持たせて、音響拡散効果を狙っている。

天井

天井は、ブリッジタイプのキャットウォークと照明ブリッジの底面を、側壁最上部同様のプラスターボードの反響板で表装した、構成。

最高部は壇上に折り返した、コーナー反響板となっている。

また平土間(オーケストラピット)上面は僅かに上反させた凸型反響板を用いている。

内部は兵庫芸文などと同様な、ラウドスピーカーが設置される手法で、全面は音響ネットで表装されている。

ステージ回り

プロセニアム

今どき珍しい固定プロセニアムは、壁面一体構成で、上縁は、将来の?可動プロセニアム、設置を見据えて構造体むき出しとなっている。

前途のように脇花道が常設されているが、すっぽん迫りは無い。

ステージ反響板

ステージ反響板は、客席側壁と同じ木質プレートを軽量鉄骨に張り付けた軽量タイプ、上面反響板もプラスターボードを用いた波状タイプ。

また、最近流行りの、プロセニアム密着タイプとして、客席とデザイン的な統一を図っている。

但し形状は伝統的なダクト形状なので、特湯の洞窟音的な籠り音が生じている?

総評

後述すように、"地元業者の手柄"を重んじる?風土なので、表には出ていないが...

音響設計は山形テルサ建設以来のつながりで、本間利雄建築設計事務所の外注扱いで、長田音響設計(※12)が担当したのではなかろうか?

同設計事務所の柵h人全般に見られる、定在波無視!残凶重視(※13)のコンセプトが散見される!

響きは「響きすぎるくらい」良い?だろうが...

定在波対策が...

地元産木材使用がで助かっているといえる!

参※12)当サイト関連記事 永田音響設計は神ではない!《 コラム2017 》もしかしたら... はこちら。

参※13)当サイト関連記事 定在波 ( standing wave )と音響障害( disturbance)『建築音響工学総覧 』第4巻 はこちら。

定在波対策についての考察 version.2 revision.6 /2020.12.16

詳しくは当サイト関連記事 第2節 平行する壁面間で起こるエコーが原因 をご参照ください。

※クリックすると階大画像が見られます。

standing_wave.jpg

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

※赤字は健康被害を生じさせる可聴帯域外"低周波振動障害"周波数成分!

※黄色 フラットパネルから反射された楽音(音色)に含まれている周波数成分で引き起こされる定在波成分。

※青色は、使用パネルのアンギュレーションで抑制(散乱拡散減衰)可能な周波数成分。

※カッコ()内は壁面反射限界内以下で大太鼓などの鳴り物以外ではトリガーとなる振動が生じない数値。

※詳しくは当サイト関連記事  第3節 ミステリーゾーンで起こる低周波振動健康被害!をご参照ください。

§1)間口方向定在波

●メインフロアー
平土間側壁平行部分(1~5列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ): 約0.9m: 反射限界波長(1/20λ)約19?Hz
  • ●側壁間約27.6m
  • ●定在波周波数成分; 約18.9Hz/1.5λ
  • ※巾0.9mなので、通常なら反射限界が775Hz以上なので、定在波は生じないと考えたのではないだろうか?
スロープ前半側壁平行部分(6~14列)
  • ●サイドウォールパネル巾(or高さ): 約14.5m: 反射限界波長(1/2λ)約21Hz
  • ●側壁間約29m
  • ●定在波周波数成分; (約12Hz/0.5λ、)約24Hz/1λ、
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。
  • ●表装(グルービングパネル、)で定在波の高次周波数成分を抑制。
スロープ中央側壁平行部分(15~23列)
  • ●サイドウォールパネル巾(or高さ): 約14.5m: 反射限界波長(1/2λ)約21Hz
  • ●側壁間約29m
  • ●定在波周波数成分; (約12Hz/0.5λ、)約24Hz/1λ、
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。
  • ●両側壁パネルのアンギュレーション設置で定在波の高次周波数成分を抑制。
  • ●表装(グルービングパネル、)で定在波の高次周波数成分を抑制。
スロープ後半側壁平行部分(24~29列)
  • ●サイドウォールパネル巾(or高さ): 約2.5m: 反射限界波長(1/2λ)約70Hz
  • ●側壁間約29m
  • ●定在波周波数成分; (約12Hz/0.5λ、)
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。
  • ●両側壁パネルのアンギュレーション設置で定在波の高次周波数成分を抑制。
  • ●表装(グルービングパネル、)で定在波の高次周波数成分を抑制。
2Fバルコニー部側壁平行部分(1~6列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ): 約2.5m: 反射限界波長(1/2λ)約70Hz
  • ●側壁間約29m
  • ●定在波周波数成分; (約12Hz/0.5λ、約30Hz/3.5λ)、
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。
  • ●表装(グルービングパネル、)で定在波の高次周波数成分を抑制。

3Fバルコニー部側壁平行部分(1~8列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ): 約7x20m: 反射限界波長(1/2λ)約25Hz
  • ●側壁間約29m
  • ●定在波周波数成分; (約12Hz/0.5λ、約30Hz/3.5λ)

  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。
  • ●表装(グルービングパネル、)で定在波の高次周波数成分を抑制。
2Fサイドテラス平行壁面部2R/L(1~12列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ): 約14m: 反射限界波長(1/2λ)約12.5Hz
  • ●側壁間約29m
  • ●定在波周波数成分; 約12Hz/0.5λ、約25Hz/1λ
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。
  • ●表装(グルービングパネル、)で定在波の高次周波数成分を抑制。
3Fサイドテラス平行壁面部(1~12列)
  • ●サイドウォール屈曲パネル巾(or高さ): 約14m: 反射限界波長(1/2λ)約12.5Hz
  • ●側壁間約29m
  • ●定在波周波数成分; 約12Hz/0.5λ、約25Hz/1λ
  • ※扇形形配列扇形段床(ハノ字段床)で定在波層を回避。
  • ●表装(グルービングパネル、)で定在波の高次周波数成分を抑制。

§2)奥行き方向定在波

1F(1F大向こう壁面→ステージホリゾント反響板)
  • ●背後壁面屈曲パネル巾(or高さ): 約2.5m: 反射限界波長(1/2λ)約70Hz
  • ●最大奥行き約45.5m
  • ●定在波周波数成分; (約4.2Hz/0.5λ)
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※定在波高次周波数成分の抑制は大向こう背後壁面処理(縦格子&吸音材)で抑制。
2F(2階大向こう壁面→プロセニアム前縁)
  • ●背後壁面屈曲パネル巾(or高さ): 約2m: 反射限界波長(1/2λ)約87Hz
  • ●最大奥行き約44m
  • ●定在波周波数成分; (約4Hz/0.5λ、)
  • ※客席スロープで定在波抑止。
  • ※定在波高次周波数成分の抑制は大向こう背後壁面処理(ハノ字設置&グルービングパネル)で抑制。
3F(3階大向こう壁面→プロセニアム前縁)
  • ※プロセニアム前縁直近天井反響板のスラント設置と背後壁のアンギュレーションで平行面をキャンセルし、て定在波を抑止。

§3)高さ方向定在波

平土間床→天井最高部
  • ●天井反響板パネル巾(or高さ): 約5m: 反射限界波長(1/2λ)約35Hz
  • ●客席平土間部約13.6m
  • 定在波周波数成分;(約12.8Hz/0.5λ、約38Hz/1,5λ、
  • 平土間上部天井反響板・スラント設置で高次定在波を抑止?

音響評価 version.2 revision.6 /2020.12.16

ホール音響評価点:得点71点/100点満点中

※2001席(車椅子スペースX6台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

※前提条件 音響障害エリアについて

「以下の座席ブロック」を個々の音響障害ブロックと見做します。

  • ●メインフロアーは「平土間部」「スロープ部」を夫々別ブロックと見做します。
  • ●上層階バルコニー、左右サイドテラスを夫々1エリアとして見做すこととします。
  • ●サイドテラス(桟敷席)は各階の左右を夫々別ブロックと見做します。
  • ワインヤード(アリーナ)形式については"各棚"を夫々別ブロックと見做します。

§1 「初期反射」軽減対策評価;得点18点/配点25点

※以下詳細は第1節 「初期反射」軽減対策評価:配点25点をご参照ください。

  • ※音響障害席の有無にかかわらず側壁面の表装(素材)に応じて「持ち点」とします!
  • ※表装の内硬質側壁部などの低得点表装の表装ランクを全体に当てはめます!
  • ※グルービング処理を施した木質パネル等の軟質壁材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与えます。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて持ち点とします。
  • ※基礎点に音響障害客席数比率を乗じて算出します。

§2 定在波対策評価;得点40点/配点50点

※以下詳細は第2節「定在波」対策評価の項目をご参照ください。

※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価します。

※基礎点に音響障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

間口方向定在波
  • 扇形ホール・スラント設置壁以外「垂直完全平行側壁」部分のフロアー・バルコニー部では間口定在波が生じているとみなします。
平土間部分
  • 後列段床で保護!されていない全席を定在波音響障害席と見做します。
扇形またはハノ字段床部
  • (後列でスッポリ囲まれている)「深い扇形段床スロープ」(ハノ字段床を含む)部分では、両端の席を定在波音響障害席としてカウントします。
ストレート段床部

全席定在波音響障害席と見做します。

上下方向定在波
  • 完全平土間部分上部がスラント天井がまたは波状天井でない場合は全席を定在波音響障害席とします。
  • 天井の、小さなヴォールト(窪み)、格天井は定在波対策とは認めません。

§3 「客席配置」に対する配慮評価;得点8点/配点20点

※以下詳細は第3節 「音響障害と客席配置」に対する総合評価:配点20点をご参照ください。

  • ※定在波対策・初期反響対策に「眺望対策(前列障害)」を加味した値で評価します。
  • ※配点から障害エリア数を引いた持ち点に障害エリア客席数比率を乗じて算出します。

§4 「後期残響」への配慮評価;得点5点/配点上限5

※以下詳細は「後期残響」への配慮評価点:配点上限5点をご参照ください。

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価します。
  • 上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値  version.2 revision.6 /2020.12.16

初期反射対策評価

※客席フロアー壁面にグルービングパネルの箇所が認められたので規定により素材持ち点 22点とした。(反響音の強度順素材持ち点)

基礎点B2=素材基礎点2点ー障害発生エリア数2=20点

1)ホール後端部の"釣鐘現象"音響障害席 ;20?席(20席/1階29列15番~34番全席、)

※1階大向こう席は、音響格子&吸音・遮音壁となっているが通路が設けられていないので音響障害ありとした。

2)※全フロアー客席側方は通路となっているので不問とした。

3)天井高さ不足音響障害(2.5m 以下)席;132?席(132席/2階後部座席4~6列1番~48番全席)

重複カウント ;ー0?席

音響障害席総計;152?席

定在波対策評価

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数7=43点

1)間口方向定在波音響障害席;126?席
(a)メインフロアー、各階ベランダ部分;78?席

(14席/1階スロープ前半7~14列両端席、30席/1階スロープ前半14列車いす席含む7~42番席、18席/1階スロープ中間部15~23列両端席、16席/3階ベランダ部分1~8列両端席、)

(b)サイドテラス(桟敷)部分;48?席

(12席/2階右サイドテラス1~12列両端席、12席/2階左サイドテラス1~12列両端席、12席/3階右サイドテラス1~12列両端席、12席/3階左サイドテラス1~12列両端席)

2)奥行き方向定在波音響障害席;???席

※1階大向こう席は、音響格子&吸音・遮音壁となっているので不問とした。

3)上下方向定在波音響障害席;???席

※1階平土間席は、上部天井反響板がスラント設置されているので不問とした。

重複カウント ;ー???席

定在波障害顕著席総計;126?席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数9=11点

眺望不良席数;148席/3階バルコニー中央部座席2~16列15番~34番全席!オーケストラピット・エプロンステージ見えず!

初期反射音響障害席 ;152?席

定在波障害顕著席 ;126?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;426席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

やまぎん県民ホール ホールの施設データ

※以下、畳表示は中京間(0.5坪)サイズ表示です。

ホール様式

プロセニアム型式多目的ホール。

客席仕様

3スロープ3層・フロアー 最大幅約29mx最大奥行約33.5m、天井高さ(最高部)約16m 
収容人員2001席、(車椅子用スペースX6台分、親子室X2室、)フローリング、

内訳
  • 1階席X1286席 ;1階可動席X172席(オーケストラピット部可動床可動席X172席、車椅子用スペースX6台分、)、1階平土間中央部千鳥配列。親子室X2室
  • 2階席X329席席;可動席X8席(中央部千鳥配列。
  • 3階席X386席;中央部千鳥配列。
舞台設備

※以下、畳数は全て中京間(1/2坪)サイズ表示です。

プロセニアム形式(常設脇花道付き)
  • (ステージ最大幅約62m)有効幅(大臣柱間:20000mm(約11間)(最大奥行き20000mm(約11間))有効奥行き框~大ホリゾント幕:19650mm(約10間5尺)/緞帳→ホリ幕、有効面積;約1120㎡(約614畳!)3面舞台相当、ステージ高さ;FL+約?cm、最高部天井高さ;高さStL+990mm(約3尺2寸)、
  • 固定プロセニアムアーチ:間口約20000mm(約11間)、舞台面~プロセ  :12000mm(約6間3尺)、本舞台実用幅約20m、本舞台実用面積;約392㎡(約215畳)ブドウ棚(すのこ)高さStL+27600mm(約15間1尺)、
  • 吊りもの類 照明トラス(ブリッジ)・バトン;サスペンションライトX4本、ボーダーライトX3、プロセニアムライトx1、その他ホリゾントライトx1、ライトタワーx?、美術バトン;14本(幕装備除く)、バトン類高さStL+約?m、
反響板設置時;
  • プロセニアムアーチ::20000mm(約11間、:12000mm(約6間3尺)、有効奥行き12200mm(約6間4尺)/ひな壇後縁→舞台前縁埋め込み照明、実効面積;約204㎡(約113.5畳)ステージ高さ;高さStL+990mm(約3尺2寸)、
  • 拡張舞台(エプロンステージ);可動床・可動客席(客席ユニット・ワゴン床下収納システム)オーケストラピット&エプロンステージ迫り;最大幅約25120mm最大奥行5500mm有効面積約113.8㎡;約62畳、演奏面レベル設定;(舞台面:±0mm 客席面:-990mm 演奏面:-1990mm 奈落面:-3650mm)

各種・図面・備品リスト&料金表
ホール付属専用施設
  • 楽屋(洋室)X11室(内トイレ・バス・シャワー付2室)、化粧室、シャワー室(男女別x2室//2F、男女別2ブースx2室)

その他の付属施設の音響デザイン

リハーサル・練習室・音楽スタジオの音響デザイン

(公式施設ガイドはこちら。)

2室の音楽スタジオ(練習室)と3室の練習室を備えている。

音楽スタジオ

第1スタジヲは2階吹き抜け天井で、メインホールと同じ吸音層を持つランダムな形状の木材で表層された2重壁構造で、天井は小型ヴォールト(蒲鉾天井)天井を組み合わせた構造で初期反響音については一定の配慮はしてある。

  • 第1、音楽スタジオ;床面積約175㎡(約96畳)天井高さ;約7m フローリング床、一面に音響カーテンを備える。
  • 第2、音楽スタジオ;、床面積約★㎡(約★畳)天井高さ;約4m フローリング床、木質パーケット床、長短2面に壁面ミラー(カーテン付き)を備える 2分割(2部屋)使用も可能

第1スタジヲ ルーム音響評価点:60点
§1「定在波対策」評価点:20点/50点満点
  • ※ルーム低層部がプレーンな垂直壁で囲まれ、天井・床面を含む「並行した対抗面」が1対以上ある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
§2「初期反射」対策評価点:40点/50点満点
  • ※ルーム低層部壁面3面以上がアンギュレーションやカーテン設備などが無い「プレーンな壁面」の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
総評

但しスタジヲ2については、天井も低く、部分的に有孔音響ボードを使用しているが、ミラー面には"音響カーテン"も設置されてなく、長型形状の部屋でもあり、バレエレッスン。演劇練習ぐらいにしか利用できないだろう。

練習室1

第1スタジヲと同じ表層の練習室1は床面積107㎡(約65畳)会議室定員48人は狭くはないが、天井が約2mと低いので、実質備品のセミコンサートグランドを使用した、コーラス練習か、アンサンブル程度しか使用できない?だろう

練習室2

59㎡(35.5畳)と小ぶりだが、天井は練習室1同様の小型ヴォールト(蒲鉾天井)天井を組み合わせた天井で、壁面もアンギュレーションを持たせた、有効音響ボードで表装した吸音壁で、しょきはんきょう、定在波共に配慮は感じられるが天井が低い(2.8m程度)ので、アンサンブル、かコーラスの練習程度。

練習室3

壁面は4面共に部分的に有孔音響ボードで表装された吸音遮音壁で天井も同様の設え、床面はフローリングだが、畳敷きにもできる。

邦楽の練習程度なら...

練習室4

19㎡(11.5畳)と狭いがドラムセット・キーボード・ギターアンプ・ベースアンプ・音響ユニットが常備されていて(別料金)、床は防振ブロックカーペット、壁面、天井は有孔音響ボードで表装された吸音・遮音壁になっていてちょうへんがわの1面はアンギュレーショーンされていて天井も4mと高いので、"お子ちゃまバンド?"の練習にはちょうど良いだろう!

狭いが金管(ラッパ)の個人練習にも使えるだろう!

その他会議室が3室用意されている。

デジタヌの豆知識

やまぎん県民ホール へのアクセス

山形駅前

今の山形県では芸術は育たない?

"県・教育委員や総合政策審議会・入札監視委員会!委員の経験を生かして?芸術ホールデザインには「門外漢のずぶの素人」本間利雄建築設計事務所にお願いした結果がこれ...

西洋からの渡来した洋物だけが、芸術ではないし、日本古来の伝承芸能も立派な文化!

更に、西洋文化ならすでに、全国に知れ渡った旧雇用促進事業団がプレゼントしてくれた806名収容の山形テルサ(ホール音響Naviはこちら)が21世紀の幕開け2001年にオープンしている!

(※実はこの時も、本ホールをデザインした本間利雄設計事務所が関与している!)

つまりは"そういう土地柄"なのだろう。

山形県のそういう土地柄とは...

テルサ事業を山形市が引き継いだ2001年当時の県知事髙橋 和雄氏は

当時は水面下で建設業者との癒着が疑われたが、実質「オール与党」状態の県議会(共産党は除く)や県内マスコミが深く追及しなかった為に事件は程無くして沈静化する。《Wikipediaより引用》

...2005年の選挙で4選を目指す高橋は共産党を除く県議会全会派から支持を取り付け、県内市町村長の多くも支持し、地元財界、マスコミ、県職員労働組合などからも支持を受け、オール与党体制で当時は現職の高橋当選が確実視されていた。

2005年から2009年まで一基を務めた齋藤 弘前知事は

日本銀行を経て、山形銀行の総合企画副部長や監査副部長などを歴任。その後、2005年1月の山形県知事選挙に地元選出の衆議院議員である加藤紘一の支援を受け出馬する。

2009年の山形県知事選挙に、自由民主党など事実上の与党側の支持を得て、2期目を目指して無所属で出馬した。自民党が第45回衆議院議員総選挙への対応に追われていたことなどのため落選した。《Wikipediaより引用》

とされているが、総会館の県でもわかる通り、意外や彼は、県財政の健全化(倹約)を図っていた!

つまり、地元財界、マスコミ、県職員労働組合などからは敵対視されていた!

2009年から4期連続務めている吉村美栄子現知事のプロフィール

山形県大江町沢口に生まれる。...お茶の水女子大学に進学。...教育心理学を専攻。卒業後の1974年4月、リクルート入社]。

2009年1月25日に投開票が行われた山形県知事選挙に立候補...

当時、現職であった齋藤弘は2期目の当選へ向け、...無所属での出馬を表明した。これに対して吉村は、齋藤県政に不満を抱いていた自由民主党の岸宏一参議院議員(当時)、民主党・社会民主党・日本共産党などの野党、連合山形や自治労山形県本部などの支援を受け無所属での出馬...《Wikipediaより引用》

  • ●天童市の近く大江町の生まれ(つまり出羽松山藩傾)なので庄内藩(酒田・鶴岡)の傾倒?
  • ●亡くなった夫の叔父は、元山形市長の吉村和夫、夫の従弟吉村和文(前述の和夫の長男)は、東北ケーブルテレビネットワーク、ムービーオン、ダイバーシティメディア代表取締役社長、義叔父の吉村和武(和夫の次男)は山形県議会議員。

つまり、リベラル派(当時の民主党・共産党)から推薦を受けて初当選したが...

元々が、保守派(体制派)の人で、その後の行動を見れば一目瞭然!

さらに、リクルート(ある種広告代理店)時代の人脈?を生かして「キャッチコーピー」がお上手。

蛇足、同規模都市・背比べ?

秋田市 推計人口311,178人/、2017年10月1日現在。(2000年以来年々人口減少中...)

秋田県 推計人口 995,374人/2017年10月1日現在。(1980年以来年々人口減少中...)

山形市 推計人口 252,095人/2017年10月1日現在。(2005年以来年々人口減少中...)

山形県 推計人口 1,101,452人/2017年10月1日現在。(1985年以来年々人口減少中...)

岡崎市(中核市)推計人口 385,221人/2017年10月現在。(2017年現在人口増加中!)

愛知県 推計人口 7,526,911人/2017年10月1日現在。(2017年現在人口増加中!)

 

公開:2021年4月24日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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