旅するタヌキ

石川県立音楽堂 -金沢駅前にある、北陸屈指のコンサートホールとモダン芝居小屋の施設ガイド

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石川県立音楽堂

Official Website https://ongakudo.jp/

石川県立音楽堂のあらまし。

ハーモニーホールふくい(※ガイド記事はこちら)に遅れること4年の2001年に会館した、北陸二県(2軒)目のコンサート専用ホール。

2層のバルコニー席を持つ本格的シューボックス型コンサートホールと、同じくバルコニー席を設けた全国的にも珍しいの山型天井を備えた、伝統的芝居小屋スタイルの邦楽ホール、

邦楽ホールは、北陸、日本海沿岸を通じて、最大規模、有数の設備を誇る、モダン芝居小屋である。

十分な高さを持つ天井と段床競り構造の後部客席を備えた、演劇・コンサートにも利用できる平土間形式の交流ホール(イベントホール形式)の、3つのホールを備えた総合文化施設。

石川県立音楽堂がお得意のジャンル。

コンサートホール

  • オーケストラ公演以外にも、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートなどが行われている。
  • プロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

オーケストラ・アンサンブル金沢のフランチャイズ

  • 故岩城宏之氏が創設したオーケストラ・アンサンブル金沢のフランチャイズとして定期演奏会場となっている。

邦楽ホール

  • 伝統芸能以外にも、お稽古事の発表会などに用いられ、ジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

交流ホール

  • 主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

石川県立音楽堂の公演チケット情報

コンサートホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

邦楽ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

交流ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

石川県立音楽堂へのアクセス

所在地  石川県金沢市昭和町20番1号

最寄りの駅  JR金沢駅東口より徒歩1分

有料駐車施設(152台)があるが、駅から近いので、公共交通機関の利用がお進め。

施設面から見たホールの特色

公式施設ガイドはこちら

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

コンサートホール

(公式施設ガイドはこちら)

3層2バルコニー2テラスのシューボックスホール

最前部平戸間部(5列)から続くなだらかな傾斜の後半部を持つ平戸間に近いメインフロアーと、比較的緩やかな斜面の2階バルコニー、比較的急峻な3階バルコニー席を持ち、2層のテラス席を持つ構成のシューボックスコンサートホールである。

高い天井を利して、比較的急峻な2・3階のバルコニーの低層部に対する、オーバーラップが最小になるように、階下のホワイエ部に大きくせり出すようにデザインされている。

2層の軒の浅いテラスを1階フロアー両側壁に配している

側壁部に設けられた2層のテラス(2F;122席、3F:134席)はそれぞれが2列2段のひな壇状のテラス席となっている。

さらにこの部分は「ひな壇状」配置を利して、他の部分の座席とは違い、背もたれ部が高いハイバックシートを用いた「プレミアムシート」と成っている。

オール木質壁面

ホール側壁は全て木質パネルで表装され、上層部には装飾梁と、前部から後部にかけて次第に小さくなるサイズの異なった薄い4角錐形状の音響拡散体を配している。

ホール背面壁は音響グリッドで表装された吸音壁構造と成っている。

巨大なヴォールト(蒲鉾天井)(※1)

天井はいわゆるヴォールト(蒲鉾天井)(※1)でヴォールト面に多数の4角錐型の小型ヴォールトを配置したプラスターボード(※2)の一体型反響板。

ステージ上の可変反響板

一部ステージ上方に3枚の高さ・角度設可変がたの反響板が設えられている。

パイプオルガン

福井ハーモニーホール同様パイプオルガンドイツ/カール・シュッケ製のパイプオルガンを設備している。

コンサートホール音響評価点:95点

§1,「定在波対」策評価点:39点/40点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。

§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:19点/20点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
  • ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。

§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:20点/20点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。

§4,客席配置への評価点:17点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
  • ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。

※関連記事「後悔しないコンサート会場の見分け方」まとめ  はこちら。

邦楽ホール

公式施設ガイドはこちら)

プロセニアムを持つ舞台形式は、日本の誇る伝統芸能・舞台芸術に、フォーカスした舞台設備(直径7間の回り舞台、大迫り、小迫り、分割迫り)可動花道!と残響時間1.2秒以下と言う音響特性で本格的な歌舞伎公演、人形浄瑠璃(文楽)、日本舞踊、その他の伝承芸能に最適な、北陸屈指の「芝居小屋」となっている。

周囲に桟敷席(テラス席)を配した、伝統的芝居小屋形式の2層2階の芝居小屋で有りながら、現代の需要にマッチするように、客席に座席を配置したモダン芝居小屋となっている。

床機構として直径7間の回り舞台、大迫り、小迫り、分割迫りを、また、吊物機構として緞帳、幕類、舞台照明はもちろんのこと、多くの美術バトンを備えて要る。

音響反射板

「モダン芝居小屋」らしく、筝、尺八、三味線などの演奏の際には、楽器の生の音を客席に伝えるため、正面、側方、天井面に、仮設することが可能。

花道

日本の伝統芸能独特の花道を設置可能。

1階側壁はプレーンな木質壁。

上縁が木組み格子の立派なプロセニアム、プロセニアム周辺壁と2階壁面は壁紙で表装した和室仕立ての塗り壁。

天井は天井梁を露出させた和風の山形天井。

側面照明コラムを露出させた流行のデザイン。

ホール音響評価点:78点

§1,「定在波対」策評価点:20点/40点満点

  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、天井形状、天井高さ、等の要素をそれぞれ減点法で算出。
  • ※客席側壁がプレーンな垂直壁で「完全平行・平面」の場合は、満点x0.5=20点をベースに算出。

§2、残響その1 「初期反射」対策評価点:19点/20点満点

  • ※壁面の素材・形状、客席配置、その要素で減点算出。
  • ※(コンクリート、人造大理石、タイル・陶器製などの)硬質材の客先周辺壁材仕様は、満点x0.5=10点をベースにして減点算出。

§3,残響その2「後期残響」への配慮評価点:19点/20点満点

  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で減点算出。

§4,客席配置への評価点:20点/20点満点

  • ※壁際席、大向こう席、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で減算。
  • ※客席周辺壁材が硬質壁の場合は、満点x0.8=16点をベースに減点算出。

交流ホール

(公式施設ガイドはこちら

幅20m、奥行き26mあり、迫り上がり舞台、客席も段床競り。

音響的には特別な配慮はされておらず、イベントホールとして使用されている。

天井が高いのでハーサルルームとしての利用も可能。

迫り上がり舞台、段床競り客席を利用して小規模な室内楽コンサート等も開かれるときもある。

詳細データ

  1. 所属施設 石川県立音楽堂。
  2. 運営団体 石川県音楽文化振興事業団。
  3. 開館    2001年9月
  4. 設計  
  5. ゼネコン 
  6. 内装(音響マジック) 

コンサートホール

  1. ホール様式 『シューボックスタイプ』音楽専用ホール
  2. 客席   最大幅約24mx最大約39m、最高部高さ約20.5m 3スロープ3フロアー 
    • 収容人員1560席、
    • 内訳;1F;704席(車いすスペース8台)、2F; 414席(テラス部:122席)、3F:442席(テラス部:134席)、親子室x2室
    • フローリング、
  3. 舞台設備 オープンステージ形式 間口;最大19.7m、最大奥行12.9m ステージ高さ;FL+80cm、高さ19.7、ステージ天井高さ;最高部高さ;StL+19.7m、バトン類高さ;標準設定StL+15m、
    • 上部反響板(高さ可変3枚セット)、オーケストラ平台、ひな段用けこみ、
    • パイプオルガン、フルコンサートピアノ(スタインベック、ヤマハ)
  1. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台図面
  2. 付属施設 
    • 主催者控室、応接室、洋室楽屋X10(一部シャワー室付き)、シャワー室(男女各々x1)
    • バーコーナー、クローク、ホールホワイエ、
  3. 施設利用(付帯施設利用料金等)案内 詳しくはこちら公式ガイドへ。

邦楽ホール

  1. ホール様式 プロセニアム形式『モダン芝居小屋』
  2. 客席   約24mx約21m、2スロープ2フロアー
    • 収容人員727席(花道使用時 691席)、
    • 内訳;1F(桟敷席、車いす5台分)、2階バルコニー&サイドテラス席。
    • タイルカーペット
  1. 舞台設備 ;幅約30ⅿ、ステージ奥行約15ⅿ、プロセニアム・:間口16.5m(約9間)x高さ6.3m、ステージ高さ;FL+90cm、ブドウ棚、バトン類
    • 脇花道、本花道(すっぽん迫り付き)、回り盆(回り舞台;直径直径7間12.7m)、大・中・小迫り、所作台、演台、花道用所作台、
    • 松羽目、竹羽目、金・銀屏風、鳥の子屏風、鳥屋囲・日舞用あてものパネル、地絣、紗幕・浅葱幕・定式幕・ホリゾント幕、中ホリゾント幕・紅白幕・緞帳、映写スクリーン。
    • 仮設能舞台セット、寄席セット、
    • 反響板、平台、ひな段用けこみ、スモークマシン。
  1. 舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台図面
  1. 付属施設 
    • 楽屋和室x6、洋室X3、邦楽練習室、主催者控え室等、浴室、他。
  1. その他の備品 和太鼓(口径不詳)
  2. 施設利用(付帯施設利用料金等)案内 詳しくはこちら公式ガイドへ。

交流ホール

  1. ホール様式 平土間型式多目的ホール。
  2. 客席   1フロアー  (スラント型可動式)
  3. 舞台設備 オープンステージ形式(可動床)、
  4. その他の設備 、控室X2、
  5. 施設利用(利用料金等)案内 詳しくはこちら。

付属施設・その他

デジタヌの独り言

石川県音楽堂の設立趣意に共感した故岩城博之氏がオーケストラ・アンサンブル金沢を創設・育成力し後半生を通じて世界的オーケストラに育て上げてくれた功績にあやかり、施設名称が「石川県音楽堂」と呼称されているが、本来は「石川県総合舞台芸術センター」と呼ぶに相応しい施設で有るとおもう。

コンサートホール

(※本項は2018年5月3日のコンサート体験に基づくレポートです!)

収容人員を欲張ったしわ寄せが3階バルコニーに...

3階バルコニー部は急峻なスロープのおかげで見晴らしはよいが、大向こう部分の天井高さが不足している。

さらに大向こう部分に施設案内にはない「立ち見席」が主催者判断で設けられるようになっている配慮は褒められるが、両端(壁際)に「コーナー席」を設けたのは明らかに「セオリー破りの失敗」であった。

8から10列のそれぞれ5席併せて10席と大向こうにあたる10列13番~24番の席は「音を楽しめる」様な環境には無いと思われる。

ヴォールト(蒲鉾天井)について

シューボックスホールの欠点の一つは平行する対向面が多く「定在波」が発生しやすい点にある。

大型のパイプオルガンを備える施設として、定在波対策にはこだわり、ホール内壁にはの壁面にはアンギュレーションを設けるなど細かい配慮が見られ、その一環として、平戸間に近い床面を持つホールの「定在波」(※3)対策としてヴォールト天井が用いられてのであろうが...。

曲率(焦点)がメインフロア床面(一階中央各列16、17番)はまずかった様に思う、これではただでさえ定在波の悪影響(特定の音が消えるミステリー現象)を受けやすい中央部の2列はたまったモノでは無い。

天井高さ(ヴォールト最高部高さ)が約20mもあるのだから、曲率半径6m程度のヴォールトをせめて2列、できれば3列並べるべきであった。

こうすることによって、メインフロアーのかなり上空(天井から6m、地上12m3階バルコニー軒先程度)で焦点が結ばれ、焦点以遠となるメインフロアーは周波数特性に山谷の無い平坦な音響特性が得られたように思う。

都市伝説?良いホールの条件「残響2秒以上」の悪影響!

(※直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。)

木質壁面であるので、初期反射音(エコー)自体は耳障りでは無いが、後期残響2秒以上では長すぎである!

今回のリスニング位地3階8列16番では直接音に対して後期残響のレベルが大きすぎ、実際の測定(RT60法)では2秒を遙かに超えるのでは無かろうか。

カラオケルーム程とは言わないが、もう少し残響を押さえて欲しい気はする。

各楽器の定位は悪くなく、方向感覚を損なう程では無いが、響きすぎるのも良くない!

小生の好みでは無かった!

次回の改修に期待する

すばらしいホールではあるが、自治体の作るホールはどうしても予算の壁に突き当たるようで。椅子が貧弱だし、フローリングが気になる、次回の改装時には是非、立派な椅子と、分厚い絨毯を敷き詰める配慮が欲しい。

コンサートホール以外の邦楽ホールや交流ホールの影が薄くなっているように感じる

特に、北陸唯一の本格的芝居小屋である本施設は日本の伝統芸能を世界に向かって紹介できる施設として もっと宣伝しても良いのではないか。

※1ヴォールト(蒲鉾天井)についてのWikipediaの解説はこちら

※2アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

※3、定在波の悪影響に関するnatuch音響さんの解説記事はこちら。

公開:2017年9月10日
更新:2018年5月 5日

投稿者:デジタヌ

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