音・道・楽・人 分室『旅するタヌキ』

iichiko総合文化センター 《 ホール 音響 ナビ 》 大分県の誇る舞台芸術センターの施設ガイド

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iichiko総合文化センターのあらまし

旧大分県立病院跡地に1998年に完成した「OASISひろば21」にある複合文化施設。

大・小2つのホール、「アトリウムプラザ」、練習室、映像小ホール、県民ギャラリー、文化情報ラウンジなどからなる「Space Be」と4つの施設(群)で構成されている総合芸術センター。

iichiko総合文化センターのロケーション

ところ   大分県大分市高砂町2番33号

iichiko総合文化センターへのアクセス

最寄りの駅 大分駅 

iichiko総合文化センターの施設データ

Official Website http://www.emo.or.jp

  1. 所属施設/所有者 複合施設OASISひろば21/大分県。
  2. 指定管理者/運営団体 (公財)大分県芸術文化スポーツ振興財団/大分県。
  3. 開館   1998年 

付属施設・その他

  1. 付属施設 練習室x9、会議室x6、映像小ホール,県民ギャラリー,国際交流プラザ,文化情報ラウンジ、アトリウムプラザ(エントランスホール)
  2. 施設利用(利用料金等)案内リンク(アトリウムプラザ会議室&映像ホール県民ギャラリー練習室 )

(公式施設ガイドはこちら)

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

建築音響学から眺めた『グランシアタ』

公式施設ガイドはこちら

3層プロセニアム形式多目的ホール

三層2バルコニー&テラス席の天井の高い全面壁面木で表装された多目的ホール。

2・3階バルコニー両翼から客席両側壁に軒の浅い1列の座席のテラス席が伸びている。

三面舞台相当の広い舞台

三面舞台相当の(幅約54m)奥行き約18mの広い舞台を持ちオペラ、ニュージカル、伝統芸能にも対応できる設備を有する。仮設本花道の無い脇花道のみだが、松竹歌舞伎公演も行われている。

木で表装した壁面

天井以外、床、客席周辺壁はすべて地元大分県(日田市?)産の木質パネルで表装されている。

N田音響設計にしては珍しい内傾スラント壁面

客席両側壁は1階メインフロアー2・3階テラス席周辺は装飾柱の中にプレーンな木質パネルを内傾スラント配置してあり、最上層部は天井反響板と同質のプラスターボード(※1)製の反響板を大きく内傾スラントさせて配置してある。

1・2・3階最後部大向こう背後は縦格子で表装した吸音壁となっている。

ホール後部壁最上層部は音響グリルで表装された吸音壁となっている。

ラウンドした天井

天井はプラスターボードによるのラウンドした凸面形状のブリッジタイプの大型セグメント反響板を間隔を開けて配置している。

木質の大型プロセニアムは上縁部は木質コーナー反響板となっており、同じく木質の大型重量級自走式ステージ反響板とスムーズにつながるデザインとなっている。

ご自慢の"2重面相早変わり装置"&"音響特殊メーク"

最新流行の壁面剥き出し照明コラム 、側壁最上層部の音響拡散体(※2)、すみだトリフォニーホール(ホール音響Naviはこちら)を彷彿とさせる?壁面処理等、特殊メイクアップアーティスN田音響設計の面目躍如といったところ。

更には国際会議場でもないのに"モダン芝居小屋"と"コンサートホール"の早変わり?ができるように客席左右壁面最上層部に左右6列ずつのブラインドシャッター開閉機構付きの"残凶調整箱"(※3)が設えられている

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

間口方向想定定在波
1Fメインフロア平行部分
  • メインフロアー側壁間約27m;約12.9Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁のスラント設置で高次定在波抑止。
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制。
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。
2Fバルコニー部平行部分
  • メインフロアー側壁間約27m;約12.9Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁のスラント設置で高次定在波抑止。
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制。
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。
2・3Fサイドテラス部平行部分
  • サイドテラス部約27m;約12.9Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁のスラント設置で高次定在波抑止。
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制。
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。

3Fバルコニー部完全平行壁部分(1&2列)
  • サイドテラス床囲い間約19.m;約18.3Hz/1λ、約27.5Hz/1.5λ
  • 壁間距離で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。
奥行き方向想定定在波
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約46.9m;約7.4Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • 客席スロープで抑止。
  • ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(凹面ラウンド形状・縦格子・吸音構造)で抑制。
2F(2階大向こう壁面)
  • ※定在波はステージ上部反響板のスラントとアンギュレーションで抑止。
3F(プロセニアム前縁→2階大向こう壁面)
  • ※プロセニアム前縁コーナー反響板・ステージ上部反響板で平行面をキャンセルし、定在波を抑止。
ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向(7列中央部)
  • 客席平土間部竿最後部約20m;約17.4Hz/1λ、約26.1Hz/1.5λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※高次定在波は大型コーナー反響板、凸型ラウンド天井反響板で抑制?

赤字は可聴音域内重低音。

ということで定在波対策については可聴帯域(20~20KHz)内の1波長定在波は生じておらず実被害は0、高次定在波も抑制されているので、50点満点とした。

総評

プロモーターの"甘い誘い"に乗り壁際にまで一杯いっぱい"座席を押し込んだ"のが惜しまれる、これがなければ後世に伝えたい銘ホールに選ばせていただいたのだが。

伝統芸能の盛んな大分県でかつこれだけ立派な『総合舞台芸術ホール』に、"役にも立たないカラクリ"を備えるぐらいなら何故伝統芸能用設備(回り盆、orスライディングステージ)をもっと充実させなかったのか?不思議な施設では有る。

ところで、地元民党のお偉い?議員先生方「同時通訳設備のある国際会議場」でもないのに設備された不要不急のマジックBOX(残凶?調整カラクリ)には政治献金業者への祝儀替わりの建設費水増し?以外に何か意味があったの?

ホール音響評価点:得点87点/100点満点中

※1966席(車椅子スペースX12台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点19点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点13点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害実被害席総計;0席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が木質プレートアンギュレーション設置なので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数4=21点

初期反射障害1 壁面障害席 ;108席(54席/1階10~32列1椅子席含む両端、22席/2階6全席、32席/3階6列全席、)

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0?席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;108席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数5=15点

眺望不良席数;84席/1階平土間中央部座席2~8列18番~29番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;108席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;192席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

グランシアタの施設データ

ホール様式

プロセニアム型式多目的ホール。

客席    

  • 2スロープ2フロアー 2サイドテラス
  • 収容人員1966席、(1784席/オーケストラピット使用時)
  • 内訳;、車椅子用スペースX12席、親子室、1・2階テラス席、木質パーケット床、
  • 可動床、(オーケストラピット182席)
  • 最大視距離;約38.5m/2階大向こう席→ステージ前端、(約57m/2階大向こう席→ホリ幕下端)

舞台設備 (常設脇花道付き)

  • 3面舞台;幅約53ⅿ、ステージ奥行約18ⅿ、有効面積約954㎡(約576畳)
  • 可動プロセニアムアーチ:間口約20m、高さ約13.6m、実効面積;約360㎡(約217畳)ステージ高さ;FL+100cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+30m、バトン類長さ;22m
  • 花道用所作台、大・小迫り、オーケストラ雛壇迫り大・小、オーケストラピット&エプロンステージ迫り、道具迫り、所作台、演台、指揮台/指揮者用譜面台
  • 松羽目、竹羽目、金・銀屏風、鳥の子屏風、鳥屋囲・日舞用あてものパネル、雪かご、地絣、紗幕・浅ぎ幕・定式幕・ホリゾント幕、中ホリゾント幕・暗転幕・紅白幕・大黒幕、オペラカーテン、自走式スクリーン、
  • 大型自走式反響板、オーケストラひな壇(可動分割迫り)、オーケストラピット(可動床客席収納)、バレエ用シート
  • 奈落深さ 約3m

付属施設 

  • 主催者控室、応接室、洋室楽屋X5、、湯殿、浴室、シャワー室(男女各々x)、更衣室、
  • リハーサル室、音楽実習室、音楽スタジオ、練習室x

各種・図面・備品リスト&料金表

グランシアタがお得意のジャンル

毎年5月煮開催される別府アルゲリッチ音楽祭(※音楽祭Naviはこちら)のメイン会場の1つに成っている。

松竹大歌舞伎の舞台の一つともなっている。

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、などに用いられオーケストラコンサート、オペラ・バレエ公演、舞台演劇以外にもミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

グランシアタで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

建築音響学から眺めた『音の泉ホール』

公式施設ガイドはこちら

2スロープ2層のプロセニアム形式セミオープンステージ多目的ホール

可動音響板でホール1体型のオープンステージシューボックスホールに成る流行のデザイン。

スゥイング式可動プロセニアムとバトンを用いた垂れ幕で、演劇ホールとしても利用できる多目的ホール。

最前列2列が平土間で3列目から連なる緩やかなスロープの1階フロアーと両翼から客席周辺に伸びた1列の軒の浅いテラス席を備えた2階バルコニーを持つ良質の小ホール。

ステージ周り

半固定タイプのステージ反響板

吊り下げタイプのステージ上部反響板と揺動型の半固定サイド反響板をセットするとホール1体型のシューボックスホールとなる流行のデザイン。

は作り付けの固定タイプのホリゾント反響板の両側1/4ずつには僅かなシワ(アンギュレーション)処理が

されており、左右の揺動型の半固定反響板にも僅かなシワが施されている。

残り中央部分は、上部1/3が僅かに内傾したプレーンな垂直パネルの反響板になっている。

何を考えたのか(何も考えなかったのか?)ステージ両サイドの半固定揺動型反響板は平行にセットされた垂直壁!

つまりステージは長形でこの程度の「シワ」では防げない1波長の間口方向16m想定周波数約21.8Hzの可聴音域内"重低音"定在波(※4)が生じており、ピアノ演奏ではアーティストが被害(※5)にあっている!(聴衆は左右両側壁通路と、扇形段床で守られている?(※6))

丁寧な設えの2階大向こう壁面

2階大向こう背後は映写室・音響・照明調整室になっており、前面は縦て格子で表装された木質壁で2階は扇形段床に合わせて大きくラウンド刺せた凹面で形状で、折れ上がって装飾梁最上層部は音響ネットで表層された遮音壁(吸音壁)となっており僅かほんの心持内傾スラントさせてある。

首を傾げたくなるステージ反響板と1階大向こう壁面の処理

2階に対して、1階大向こう壁は両脇にある親子室がほんの僅かハノ字になっている以外は基本垂直壁面、で表面は縦格子と音響ネットで表装された遮音(吸音)壁となっている。

この垂直壁に対抗する、ステージホリゾント反響板は、上部1/3程度が僅かに前傾したプレーンな垂直板で、1階大向こうとは「完全に平行」している!

大向の両サイド親子室の対抗面は、どういうわけか、

木質パネルを用いた壁面

メインフロアー周辺はホワイトオーク材を使用した木質パネルの鎧張(※7)になっている、2階テラス背後は一部木質パネルで他はプラスターボード製。

2階中層部には、上部に装飾梁を配した装飾柱が配置され、木質パネルと、プラスターボード製の反響板が交互に配置されている。

天井

天井は2階上部に設けられた装飾梁上部から丁寧に折り上げられたプラスターボード製の大組格子天井、というよりは小型のヴォールト(※8)を並べたようなデザイン。

マジックボックスと音響拡散体

大ホール同様に残凶調整箱が設置され、両サイドテラス最前方のキャットウォーク装飾テラス(※9)に背後から現れる「むき出しの照明コラム」、大ピッチの格天井など、残響の厚化粧は大ホール同様。

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

間口方向想定定在波
1Fメインフロア最前部平行部分(平土間部分最前列2列)
  • メインフロアー側壁間約16m;約21.8Hz/1λ、
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
1Fメイン中央通路平行部分(中央通路部9列)
  • メインフロアー側壁間約16m;約21.8Hz/1λ、
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。

1Fメインフロアスロープ部平行部分
  • メインフロアー側壁間約16m;約21.8Hz/1λ、
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • ※2列目以降は3列目以降の扇形段床配列座席で定在波層を回避。
1Fメインフロアスロープ部大向こう平行壁部分
  • メインフロアー側壁間約16m;約21.8Hz/1λ、
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。

2Fバルコニー・テラス部完全平行部分
  • メインフロアー側壁間約16m;約21.8Hz/1λ
  • ※両側壁のアンギュレーション処理で高次定在波抑制?
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • ※扇形段床配列座席で定在波層を回避。
奥行き方向想定定在波
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約37.2m;約9.4Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • 客席スロープで抑止。
  • ※高次定在波は大向こう背後壁面処理(縦格子・吸音構造)で抑制?
2F(プロセニアム前縁→2階大向こう壁面)
  • 客席スロープで抑止。
  • ※高次定在波はステージ(ホリゾント&上部)反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(アンギュレーション・縦格子)で抑制。
ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部※高次定在波はプロセニアム前縁コーナー反響板・で抑止・抑制?

赤字は可聴音域内重低音。

ということで、被り付き最前列中央部と中央通路部9列、最後列21列が1波長の重低音定在波の餌食になており、定在波による音響障害については、基礎点25点、音響障害エリア-3か所、定在波節目席4席、腹席6席と査定した。

総評

1階客席左右壁面の鎧張手法は、初期反射軽減には効果があるが、「定在波対策(※6)」としては高次定在波の抑制ぐらいにしか効果が無い。

大ホール同様に、いやもっと大胆に内傾スラントさせるべきであった様に思う。

この壁面だとメインフロアー中央部最前列14・15番席は「ミステリースポット(エリア)」(※5)となり、特定周波数の音がなくなる「非常に癖の強い音」となっているだろう!。

更に、ステージ上では後列の谷間効果による定在波層の回避もできず、「ご自慢のベーゼンドルファーコンサートグランド」の最低音A(ㇻ)音周辺の側波帯で生じる約21.8Hz/1λ、の定在波の為にラフマニノフ等の近・現代作品の演奏では、プレーヤーの位置、ピアノの配置に苦労していると思われる?

少なくともセンターにピアノを配置するのは好ましくなく。

プレーヤーも間口の1/4、定在波の腹;サプライズポイント※には着座すべきではない!

謳い文句の「透明に澄んだ旋律が舞う、音の聖域」は限られたエリアにしか...?

早急な改修を望む

ステージ上で横断重低音定在波が生じている以上早急なる改修を望む!

半固定側方反響板のピボット位置の変更

手前から、2・3・4枚目、の反響板のピポット位置を其々内側にずらし少なくとも最峡部7間(約 12.8m )

つまりプロセニアム形式設定時幅まで詰めてステージ平面が"台形"となるように改修する必要がある。

最前列中央部座席の1席を撤去し、千鳥配置として眺望を改善する。

2カイバルコニー最後列4列は全席撤去し、スタッキングチェアー使用の補助席に改修する

以上3点の改修を望む。

とりあえずの運用上の注意

金が無ければどうしようもないので...。

とりあえずは、側方反響板を全閉にしないで、15度程度の角度を付けて、「ハノ字帷子」風に隙間をあけてセットすることをお勧めする。

多少無様ではあるが、これによりステージ可聴音域重低音間口横断定在波は阻止できる!更に、両サイドに隙間ができることにより、1波長の基本定在波をステージ総幅約30m、周波数約11.3Hzの低周波振動に追いやることが可能となり、実質ステージ上での音響障害は無くなる!

隙間をあける手法は別段珍しい手法でもない(※11)。

ホール音響評価点:得点62点/100点満点中

※710席(車椅子スペースX6台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点21点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点23点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点14点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数3=22点

定在波「節」部席;4席(2席/1階平土間中央部座席1列15.16番席、2席/1階中央通路部座席9列15.16番席、)

定在波「腹」部席;6席(2席/1階平土間両袖座席1列8番&21番、2席/1階中央部両袖座席9列8番&21番、2席/1階大向こう両袖座席21列8番&21番、)

定在波障害実被害席総計;10席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が吸音壁なので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

初期反射障害1 壁面障害席 ;28席/2階4列全席、

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複カウント ;ー㍘席

音響障害席総計;28席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

眺望不良席数;12席/1階平土間中央部座席2列9番~20番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;10席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;28席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;50席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

音の泉ホールの施設データ

ホール様式 、プロセニアム型式多目的ホール。

客席  2スロープ2フロアー 

収容人員710席、

内訳 車椅子用スペースX6含む)2階テラス席(桟敷席)席

その他親子室X2室有り

木質パーケット床、


舞台設備 幅約30ⅿ、ステージ奥行約11ⅿ、有効面積約330㎡(約199畳)可動プロセニアムアーチ:間口約12.85、16m、高さ約5.4~7.2m、実効面積;約176㎡(約106畳)ステージ高さ;FL+80cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+20m、高さStL+20m、バトン類、

    1. 所作台、演台、指揮台/指揮者用譜面台、階段
    2. 松羽目、金・銀屏風、鳥の子屏風、地絣、紗幕、雪かご、
    3. 反響板、オーケストラ平台、ひな段用けこみ、

舞台仕様・詳細寸法などに関する仕込み図面集はこちら公式ガイド:(舞台図面)

付属施設 

主催者控室、洋室楽屋X5(シャワー付き個室含む)、

その他の備品 フルコンサートピアノ(メーカー不詳x2台)、チェンバロ(メーカー不詳)、和太鼓(口径不詳)

施設利用(付帯施設利用料金等)案内 詳しくはこちら公式ガイドへ。

音の泉ホールがお得意のジャンル

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられている。

ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

音の泉ホールで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

その他の付属施設

iichiko Space Beリハーサル室&練習室

公式施設ガイドはこちら 公式平面見取り図はこちら

各室共用の男女シャワールーム、コインローカー設備を備えた、リハーサル室と大練習室、中練習室x2室、小練習室x6室の練習施設を持つ。各部屋ともにアップライトピアノ(別料金)が設置されている。

全施設ともに完全防音ではあるが、防振対策が不十分なので和太鼓んどの大型の鳴り物は禁止されている、演劇・コーラス用の練習施設と考えた方がよさそう。

リハーサル室;幅約15.5mx奥行約12.9m、床面積約201㎡(約121畳)天井高さ;約3.6m フローリング床、で正面にバレエ・ダンスレッスンバーを装備した壁面ミラー(カーテン付き)が設備されている、左右2面は低層部が木質パネル、上層部は壁紙で表装した一般建築用の石膏ボード。天井は折重ねタイプのアンギュレーションを持たせた反響板仕様となっている

完全・防音なので、サロンコンサート会場として使用も可能(※但し鳴り物(金・太鼓)禁止!)。

リハーサル室音響評価点:50点

§1,「定在波対評価点:25点/50点満点

  1. ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:25点/50点満点

  1. ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

大練習室;幅約9.4mx奥行約12.9m、床面積約122㎡(約73.5畳)天井高さ;約3.6m フローリング床、全面に音響グリルで表装した吸音壁を千鳥配置し(正面は全面)、下層部(人の高さ)は直立したプレーン壁であるが上層部はわずかに外傾スラントさせてあり、かつ方サイドにはミラーが装備されている、さらに3面にバレエレッスンバーが配置されている。

天井はリハーサル室同様の折り返しのあるスラントセグメント構造。

大練習室音響評価点:50点

§1,「定在波対評価点:25点/50点満点

  1. ※ルーム低層部に1対以上の並行したプレーンな垂直壁がある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

§2、「初期反射」対策評価点:25点/50点満点

  1. ※ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。

中練習室、;幅約11.5&10.5mx奥行約7.8m、台形床面積約84㎡(約50.5畳)天井高さ;約3.6m フローリング床、大練習室と同様の設えの練習室だがこちらは左右壁面が平行面にならないように台形平面となっている。

但し天井は有孔音響石膏ボードによるプレーンな天井。

小練習室;幅約5mx奥約行3.9m、床面積約20㎡(約12畳)天井高さ;約3.2m フローリング床、バンド練習などを想定した小部屋。

中練習室と同様な設えだが、平面形状などには配慮はしていない。

豆知識

iichiko総合文化センターのある大分市のあらまし

推計人口、478,537人/2017年10月1日

大分-(大分空港)ー(羽田空港)ー品川 3時間52分/35,750円 /バス/ANA/京急

大分県沿海部のほぼ中央に位置する県庁所在地で、人口は、九州で福岡市、北九州市、熊本市、鹿児島市に次ぐ第5位で、大分県内の人口の約40%が集中する人口約70万人の「大分都市圏」を形成しており中核市に指定されている。

iichiko総合文化センターと大分市の文化施設の歩み

1880年(明治13年)3月1日 - 大分県病院兼医学校として大分市高砂町に開設。

1899年(明治32年) - 大分県立病院として再発足(内科及び外科)。

1956年11月 百貨店トキハ・文化ホール(800人収容)開館

1966年10月12日 府内城(大分城)西の丸跡に大分文化会館(収容人員 2,077人)・開館。

1977年9月 ホール棟(県民文化会館・文化ホール・展示棟(旧大分県率美術館)・管理棟の三棟からなる「大分県立芸術会館」が開館(※文化ホールは当てにならないことで有名な?日本音響家協会による「音響家が選ぶ優良ホール100選」にも選定されていた。)

1985年10月 - トキハ本館改装文化ホール(800人収容)閉館。

1986年6月7日 コンパルホール・文化ホール(500席)開館。

1992年8月18日 - 大分県立病院が現在地(大分市大字豊饒476番地)に新築・移転

1998年 旧大分県立病院跡地に「OASISひろば21(iichiko総合文化センター/1,966席)」が開館。

2012年3月末 県民文化会館・文化ホール閉鎖

2013年7月 大分駅南側に大ホール、小ホールを備える「ホルトホール大分(1,201席)」開館。同年10月31日 大分文化会館・閉館

2015年3月31日 旧・大分県立芸術会館・美術館閉館。 同年4月24日 新・大分県立美術館開館

2017年4月 旧大分県立芸術会館・管理棟に大分県立埋蔵文化財センターが移転

参照覧

※1、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

※2、音響拡散体については「第2章第1節 音響拡散処理と音響拡散体となる要素」をご参照ください。

※3、マジックボックス・残響可変装置? についてはこちら。

※4、定在波に関する解説記事 『定在波』とはこちら

※5、定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』はこちら。

※6 第4章 副則「定在波による音響障害」の回避・緩和策

※7、鎧張り(下見板張り)についてのWikipediaの解説はこちら。

※8、第4章第4節 「ドームとヴォールト」等のアーチ天井の音響効果に関する解説はこちら。

※9、キャットウォークについてのWikipediaの解説はこちら

※10、音響工学の基礎応用編ー「音響チャンバーバランス法とは?」はこちら

 

公開:2017年11月13日
更新:2019年6月12日

投稿者:デジタヌ


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