タヌキがゆく

音響工学の基礎応用編《 公共ホール 計画 の手引き 》 音響チャンバーバランス法 とは?

理工系出身の自治体施設課・建築課の担当者に捧げるシリーズ「失敗しない・ホール計画の手引き」講座 特別編。

特別編 音響チャンバーバランス法

「音響チャンバーバランス法」とは小生が「この手法」に名付けた名称である。

「可動プロセニアム」が一般化していなかった1994年以前の固定プロセニアムホール「公共ホール」の音響改修の1つの手法として注目できる技術である!

共鳴体の応用 

容積・断面積の違う容器を2つ合わせると、小さい方の容器が特定周波数にピークを持った共鳴体と成ってしまう。

共鳴体

スピーカーにたとえるならホール本体がエンクロージャ、ステージ反響板で覆われたステージ部分が「バスレフ(共振)ポート」に相当する訳である。

直方体に近いホール本体(エンクロージャ)に容積の小さい密閉されたステージ反響板空間(共振ポート)を連結すると、有る特定周波数にピークを持つ共鳴体と成ってしまい、ステージ開口部から「癖の強い"籠もり音"が発生してしまう」

最近多い重量バルクヘッドによる方法

したがって最近のホールでは大型の重量級バルクヘッド(隔壁)でステージ部分と、客席を分離(隔離)し、客席側の平土間部分(オーケストラピット部)にエプロンステージ(拡張ステージ)を設け、ステージとホール一の体化をはかりオープンステージと同様の効果を得るようにしている。

バスレフ型・スピーカーバッフル設計技術の応用

このホールではYAMAHAお得意の『逆転発想』で、天井が高くて・広い大きなステージ容積をフルに活かし、「ホール本体」と「ステージ部分」の容積バランスを取り、高周波以外(110Hz(波長約3m)以下の低域音)には反射効果の無いステージ上面反射板(巾約3m)を並べ、110Hz以上の音波(音色;高調波を含む楽音)のみを反響させ、それ以下の重低音域は上面・側面の隙間からステージ空間に逃がし、「低域の籠もり音」が発生しない様に工夫している。

この辺りはバスレフスピーカーを得意とする「YMAHAの面目躍如」と言った所。

※関連記事「仕事人「YAMAHA」現る!」はこちら

この手法の適用範囲

プロセニアムタイプホールにおける『洞窟音・籠もり音』に対する対策。

したがって、石造り(打ち放しコンクリート)壁のホールの音響改善(定在波対策・初期反射軽減)には効果がありません!

条件1

ホール(客席)容積と同等のステージ容積がある2面舞台以上の広いステージを持つホール。

条件2

開口率、開口部面積(プロセニアム間口x高さ)/ステージ断面積(巾x高さ)&開口部面積/プロセニアム部開口部面積(巾x高さ)

条件3

フィルタリング周波数 とセグメント(分割)ステージ反響板面積、及び プロセニアム開口部面積(間口X高さ)

等々、数多くのファクターが複雑に絡んでいるので、場合によっては「1/30スケールモデル」による音響実験等が必要になり、「音響工学にど素人」の建築デザイナーでは手に負えないと言い切っても過言ではない!

ホール内音圧分布シュミレーションソフトの対象外!

更に、現在ある建築デザイン用の「音圧分布シュミレーションソフト」では対応できない!

非公開技術(ノウハウ)はYAMAHAに属している。

ご注意!

この手法「音響チャンバーバランス法」の適用に当たって

小生の知る限り「特許」「実用新案」「音響学会報告」等は2017年9月7日現在見当たらなかったが...、「建築デザイン」しか学んでいない「音響のど素人」が安直に真似たり手を出してはいけないデザイン手法の一つなので、適用に当たっては必ず非公開ノウハウを所有しているYAMAHAさんに相談(商談)すべし!

公開:2017年9月 7日
更新:2018年10月12日

投稿者:デジタヌ

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