狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

連載『 SONY WH-1000XM4 ノイズキャンセリングヘッドフォン長期使用レポート』ー第4回ー

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第3節 Bluetooth接続による内蔵プロセッサの性能は

最早(もはや)USB接続外付DACは必要なくなった!

iPhoneにUSB外付けDACを付けて、ジャマっけな"ひも付き"でハイレゾヘッドフォンを使うのは時代遅れ!

細部まで、より一層クリアーに聞こえる「研ぎ澄まされたサウンド」!

波形シェーピング?された内蔵ノイズキャンセリング・アンプの音作りとは...

第1項 WH-1000XM4 は Bluetooth 接続に革命をもたらした!

(※以下はSWオン、で視聴盤に通常CDを用いてDAC内蔵ヘッドフォンアンプTEAC USD301(生産終了※11)に接続したケーブル接続した場合と、hp ENVY x360 13ar0115AU(※12)をトランスポートに用いてBluetooth接続で内蔵DACを使用した場合のDAC比較"実力テスト"です。)

当代一流の内蔵ヘッドアンプの実力を備えるWH-1000XM4 の DSEE Extreme デバイスの実力とは...

結論から言えば...

拙者(せっしゃ)の伝家の宝刀TEAC USD301を通したワイヤー接続と区別がつきませなんだ! イヤー(ear)恐れ入り申した! /(υωυ)\

参※11)当サイト関連記事 DAC付きヘッドフォンAmp使用の勧め...はこちら。

参※12)当サイト関連記事 ENVY x360 13ar0115AU 《購入・使用レポート》はこちら。

もはや外付け(USB接続)DACの意味(必要性)は無くなった!

つまり、モバイルオーディオに限らず、最早外付け(USB接続)DACの必要は無いといえるでしょう!

一般論の外付けDACのメリット?は...

オーディオレベルのセパレートUSB外付けDACのメリットは

  • 1)"内部水晶発振子"を用いて、ジッター(時間軸の揺れ)の無いクリアな音質(波形)が得られること、
  • 2)左右インデペンデント(独立)DACによる、クロストークの無い高い左右分離度

以上の2点があげられ、事実小生はその目的でTEAC USD301を使用しているのですが...

トランスポートのよる違いによる影響は?...

トランスポートとはその名の通り「デジタルデータを転送する機材」の事で、パソコンなどのインターネット通信環境や、CDやDVD、BD、デジタルTV電波などと、その"伝送系"の事です。

つまり

これらの伝送系では「デジタルデータ」を運ぶだけなので、「ノイズは問題になっても!音質・音響に関する"色付け要素"は存在しません!(のハズ?ですが...)

ジッターの影響が一番大きい!

「ジッター?」...聞きなれない言葉でしょうが、基本となるデジタルクロックの細かな変動・揺れの事です!

不都合なジッター!が生じているとどうなるか?

具体的には音が濁ります!?

もっと具体的には「弦楽器の擦過音」が強調された感じに聞こえます、更にはクラリネットのようにほぼ「のこぎり波形」に近い楽器の「鋸の歯」が欠けて?アタックが不明瞭になったりします。

BOSEでは

倍音が豊富なホルンの音が「ぼやけます」後述するBOSEでは、このジッターの影響をもろに受けるようで、アタック(音の出だし)がぼやけ気味になり、"音像"と"定位"もボケ気味になります!

更にウィンナホルン(細管)独特の"響きが損なわれて一般のオケが使っている「太管ホルン」のような音質...

極端に言えばダークな音色に変化してしまう感じになります。

Bluetooth 復調方式の違いによりトランスポートの送信波のジッター(振れ)を除去?

WH-1000XM4 はBluetooth電波復調の為に内部に高周波クロックを持っています!

だから、TEAC USD301同様に送信側のサンプリング・クロックからは"アイソレート"されていてジッターの心配が無いのでしょう?

さらに前回解き明かしたノイズキャンセリングチップ(オペアンプ)の「SONYマジック」のおかげで、「波形シェープ」される?ために「濁り成分」もキャンセリングされているのかもしれません?

第2項 WH-1000XM4では発信側の送信波ジッターの影響皆無!

WH-1000XM4の Bluetooth 復調回路DAC優秀!で、

発信側のジッターの影響を全くうけなくなっており、

頼りない初期の iPhone4!をトランスポートに使用しても、内部に独自水晶発振器を持つジッター"0"のTEAC USD301ケーブル接続と全く同じ音質を保っています!

つまりいい加減なBluetooth電波送信機 iPhone4の「送信電波のジッターを完全に吸収」してくれています!

視聴盤は

マーラー:交響曲「大地の歌」
ブーレーズ(ピエール) (, 指揮), ウィーンフィル、Violeta Urmona,Mihael Schade

2007年9月DG新譜

転送Bluetoothバージョンの違いも?

聴取Testに用いたhpソートパソコンは最新の Bluetooth Version5 に対応していますが!

初期の iPhone は Bluetooth のVersionが古く、iphon 8以降でもVersion4,止まり。

iPhone11以降の製品でやっと最新版の Version5 が搭載されて...

以前の Bluetooth バージョンではハイレゾ伝送に対応しておらず、

さらに"遅延"も多く、これも何らかの影響があるのかもしれません?

但し、遅延は一種の帯域フィルターなので Bluetooth 接続時の伝送周波数に影響(※13)はしますが...

音の濁りの犯人はほぼ送信側(iPhone4)のデジタル・サンプリング周波数のジッター(微小変動)で間違いないでしょう!

(※13)Bluetooth接続時の 伝送帯域(A2DP) は20Hz - 20,000Hz(44.1kHzサンプリング時) / 20Hz - 40,000Hz(LDAC 96kHzサンプリング、990kbps 時

第2項 録音年代・録音環境ロケーション・使用機材の違いで両者に差が...

指揮者 オイゲン・ヨッフム
演奏者 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)、シェーネベルク少年合唱団

DG2018年11月再発UCCG-4642

1967年10月 当時西ベルリンにあったベルリン・ドイツ・オペラ でアナログ録音(※14)で録音された"記録音源"をOriginal Image Bit Proccessing  つまりAADプロセスで制作された盤。

この盤は名録音としても有名ですが、アナログTape Recorder録音の宿命で"ワウ・フラッター"が僅かに認められます(特にトライアングルの音色で明確に判ります)。

更に1961年9月に新築再建されたベルリン・ドイツ・オペラ(ハウス)は"木質壁の過大な響きの無い肉声の良く通る(※16)"素晴らしいホール"ですが...

収録されたのは当時のDGが好んで使用していたイエス=キリスト=教会 (ダーレム) で録音された音源はのようで、この教会は"響きすぎる"傾向があり、しかも"良いデッカ?"(英DECA)や米国系レーベルのように遮音パーティションをふんだんに用いた"遮音ブース"を使わない収録法です。

つまり現在の放送録音のようにオケ・コーラス・独唱の"音響空間"を1ポイントマイクを主体にして収録して、各楽器・独唱陣の前にセッティングしたピンポイント補助マイクのサウンドをミキシングして(4トラック)4CH収録するスタイルなので"ホールの残凶(環境ノイズ?)(※17)つまり、生楽器(&肉声)以外の周波数成分を含む散乱音(残響)が(かなりのレベルで)ふんだん!に収録されています。

参※14)おそらく時期的に1964年発売のSTUDER J37?を用いて録音されたようで、 S/Nがあまり良くないので録音前年に登場したドルビーノイズリダクションは使用していないと思われます。

参※14)当サイト関連記事 ハイファイ録音小史はこちら。

参※15)ゲルマン・ノルディック圏すなわちドイツ語(&北欧語)圏では"オペラ団とオペラハウス"の区別が無くどちらも"XXOper(オペラ)"と称されます!

参※16)当サイト関連記事 芸術ホール(オーディトリアム)に求められる音響とははこちら。

参※17)当サイト関連記事 「エコー」と「後期残響」は別物はこちら。

第1目 ドイツグラモフォン の Original Image Bit Proccessing とは...

DG の Original Image Bit Proccessing では"オリジナルのマスターテープ"をA/D変換して、デジタルリマスターする ADD プロセス(※18)ではなくて、アナログ・マスタリング済みのマザーテープテープをA/D変換するAADプロセスなのでオリジナルテープ(再生機)に含まれる"ワウ・フラッター"や"残凶"等これらすべてが16bitCDプリントマザーデータになるわけです。

なので BOSE では iPhone4 のような"いい加減なトランスポート"でサンプリング周波数にジッターが多いと、モロに影響を

受けて"ささくれ立った"ソノリティーで「べールを纏(まと)った」ようなサウンドになる

のではないでしょうか?

参※18 )グラモフォンレーベルが考え出して表記したCD制作分類表記

以下はアナログ・デジタル機材混在時期に制作されたCDに関してフォノグラム(グラモフォンレーベルが考え出して表記した分類表記で現在はほとんど表記されなくなりました(フルデジタルプロセスが主流なので必要がなくなっています!)

「AAD」と表示されたCDとは、

デジタル・レコーダーが実用化される以前に、あるいは実用化後であっても、製作者の意図で敢えてアナログ方式でマルチ録音されたソースを元に、アナログ・レコーダーでミキシングあるいは2chアナログレコーダーで直接録音するというフルアナログ工程で製作したものを、デジタル化したという意味である。

「ADD」と表示されたCDとは、

デジタル・レコーダーが実用化される以前に、あるいは実用化後であっても、製作者の意図で敢えてアナログ方式でマルチ録音されたソースを元に、デジタル・レコーダーでミキシング、あるいは2chデジタルレコーダーで直接録音したものを、デジタル・マスタリングしたという意味である。

《Wikipediaより引用》

第2項 WH-1000XM4ではこんな芸当が!...

WH-1000XM4では、旧BluetoothバージョンのiPhone4を介しても、

TEAC USD301ワイヤード接続と聴感上殆ど同じ。

つまり送信側のサンプリング周波数のジッターの影響を受けていません!

(計測データフェチの"音痴"さんが、歪率計やシンクロスコープ(オシロ)で波形観測すれば、わずかな客観的違いはあるかしれませんが...内部がブラックボックスなのでコンシュマーでは比較測定は不可能です!)

TEAC USD301でD/A変換した"ジッターの影響"を受けない"アナログ入力"(ケーブル接続)でも、iPhone4でも内蔵DSEE Extreme デバイスがほぼ完全に"記録音源波形をレストア"?(シェープ)してくれていて、

前途したようにワウ・フラッターによるトライアングルの揺れまでも再現してくれるわけです!


 

公開:2020年12月 2日
更新:2024年3月 9日

投稿者:デジタヌ


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