音・道・楽・人 分室『旅するタヌキ』

神戸文化ホール 《 ホール 音響 ナビ 》 神戸市内有数の音響を持つ中ホールを持つ文化施設

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文化都市「神戸市」の文化施設群の頂点にたつ象徴的施設。

六甲山を背に、港神戸が望める高台大倉山公園に面した神戸文化ホール大ホール。

港神戸の西洋文化の象徴ビールジョッキ?に「あじさい」を活けた高村智恵子作の原画をモチーフにした巨大な壁画がひと際目を引いている。

この施設もご多分に漏れず格差ホールとして有名でもある?

神戸文化ホールのあらまし

六甲山を背に、港神戸が望める高台大倉山公園に面した、神戸市営の公共ホール。

文化都市「神戸市」の文化施設群の頂点にたつ象徴的施設。

港神戸の西洋文化の象徴ビールジョッキ?に「あじさい」を活けた高村智恵子作の原画をモチーフにした巨大な壁画で人きわ目を引いている。 隣接する神戸市男女共同参画センター(あすてっぷKOBE)に練習室5室を併設している。

2043人収容の神戸市内きっての規模を誇る大ホールと優れた音響の中ホール

同じく904人収容の音の良い中ホールを備えそのほか、5室から成る音学練習室を備えた音楽練習棟を併せ持つ、総合文化施設。

中ホールは神戸音楽祭や4年毎に開催される神戸国際フルートコンクール(※紹介記事はこちら)のメイン会場に使用されており文化都市神戸のシンボル的ホールになっている。

又、大ホールは2043人収容の規模が「音より儲け」主義の呼び屋・プロモーターの気に入られ神戸市内で開催される外来オケや在京メジャーオケの地方巡業公演にも度々使われている。

神戸文化ホールのロケーション

所在地  神戸市中央区楠町4-2-2

神戸駅と六甲山に挟まれた小高い大倉山公園に面し、神戸駅から初詣で人気の湊川神社、神戸地方裁判所、神戸中央図書館、神戸大学と続く文教エリアの中にある。

標高932mの急峻な六甲山の麓に広がる緩やかな傾斜地に広がる神戸市街区の一隅で海が見晴らせる環境の良い一体である。

神戸文化ホールの施設データ

Official Website http://www.kobe-bunka.jp/hall/

  1. 所属施設/所有者 神戸文化ホール/神戸市。。
  2. 指定管理者/運営団体 (公財)神戸市文化振興財団/神戸市。
  3. 開館   1973年10月

付属施設・その他

神戸文化ホールの公演チケット情報

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建築音響工学から眺めた大ホール

公式施設ガイドはこちら

「レンガ壁造り」の多目的ホール。

 歌舞伎や舞台芝居公演の為に仮設本花道の設置が可能。

計画当時「音より、儲け主義のプロモーター」の強い要望を受け入れて反映したデザインのホールで、1階フロアー後部スロープの両壁面には通路が無く補助席?がびっしり、2階大向こうにも通路が無く、2列の補助席?がびっしり、お間(抜)けにご丁寧にも煉瓦タイル張りの壁面と音響的にも防災上(※1)も良いとこなし!まるで巨大エコールーム(※2)の様相!

但し、酷い初期反射を抑えるために、壁面には所々に縦縞状に吸音材を押さえ込むスリット材の表装部分があり、客席さえ詰め込まなければ、(音響的に)何とかなったかもしれない?

天井の高い巨大ホール空間、壁こそスラントさせてはいないがしっかりアンギュレーション処理されており、スラントした2階バルコニーの下面及び軒先など(音響的な)配慮が見られるだけに、「プロモーターの要望に踊らされた行政側の欲張った仕様」(※3)が基本デザインの良さを台無しにした典型例だと言える。

※参考解説記事はこちら

想定される定在波と定在波障害回避策評価について

※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。

間口方向定在波
1Fメインフロア1F中央扉平行壁部分
  • メインフロアー側壁間約37m;約9.4Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」(※4)適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※扇形段床配列座席(※5)で定在波層を回避。
2Fバルコニー・テラス部平行壁部分
  • バルコニー部約35m;約10Hz/1λ、約15Hz/1.5λ、約20Hz/2λ
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
  • ※扇形段床配列座席で定在波層を回避。
最大奥行き方向
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
  • 最大奥行き約44.7m;約7.9Hz/1λ、
  • ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
  • ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションで抑制。
  • スロープ部分はスロープで抑止。
2F(プロセニアム前縁→2階大向こう壁面)
  • ※プロセニアム前縁コーナー反響板で平行面をキャンセルし、定在波を抑止。

ステージ床面&・平土間床→天井最高部高さ方向
  • 客席平土間部約;※定在波はプロセニアム前縁コーナー反響板・波状天井のアンギュレーションで抑止

赤字は可聴音域内重低音。

1F平行部分については「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波による実被害(※6)が生じていないので"0"席査定とした。

2F後方スロープ部分(4列全席)についても「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波による実被害が生じていないので"0"席査定とした。

完全平行壁(扉)で囲まれ定在波が生じているのは1階14列と2階4列のみで基礎点も、50点で据え置いた。

但しこの部分については(高さ変化が無く)ハノ字配列シートの効果もないので、エリア点は-2点とした。

総評

ウ~ン...

神戸市内きっての収容人員 2,043人を誇る多目的ホールではあるが、

1973年の開館と言うことも有り、いかにも古めかしい施設で大阪のオリックス劇場同様のご自慢のタイル壁は残響を通り越し、「反響乱の響き?」を生みPAを用いたミュージカル、や歌謡ショー以外のクラシックの生音コンサートではお世辞にも心地良い響きとは言いがたい、巨大ローマ風呂の趣!

耐震補強も含めて早急に全面改装し、中ホール同様にホール内壁の木質化と床も最低限としてコルク材化、そして天井反響板のデザイン変更と軟質化等を図らないと、最近次々と完成した近隣の施設にコンサート会場としての地位が奪われてしまうであろう。(実際に呼び屋(weblio辞書)も開催を渋りだしている。)

2017年9月18日 狸穴総研音響工房 しゅかん(酒燗?) 微酔狸

ホール音響評価点:得点79点/100点満点中

※2043席(車椅子スペースX10台含む)のコンサートホールとしての評価。

※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。

§1 定在波対策評価;得点48点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
    「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点13点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点15点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数2=48点

定在波障害実被害席総計;0?席

初期反射対策評価

※障害発生エリア壁面材質が凹凸配列の多孔質タイルなので素材基礎点16点とした。

基礎点B2=素材基礎点16点ー障害発生エリア数2=14点

初期反射障害1 壁面障害席 ;58席(6席/1階3~4列両側壁際、48席/2階1列全席、4席/2階2~3列両壁際席)

初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;12席/1階1両翼1~6番&55~60番席、

重複カウント ;ー2席

音響障害席総計;68席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

眺望不良席数;36席/1階平土間中央部座席25~27列25番~36番

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;58席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;12席

重複カウント ;ー2席

音響障害席総計;104席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

大ホールの施設データ

ホール様式 

  • 『扇形タイプ』プロセニアム型式多目的ホール。

客席 

  • 2フロアー 2,043席:1階1,458人(うち車椅子専用席10席)、2階585席、可動床、仮設本花道、1階平戸間中央部千鳥配置席

舞台設備 (常設脇花道付き)

  • プロセニアムアーチ:間口22.2m 高8.8m 舞台奥行16.0m、ブドウ棚(すのこ)19m、脇花道、特設本花道、音響反射板、オペラカーテン、オーケストラピット(3分割可動床)

その他の設備 

  • 楽屋x7

利用案内

大ホールがお得意のジャンル

松竹大歌舞伎の地方公演の舞台となっている。

同財団が主催する非常設アマチュア・フェスティバルオケの神戸フィルハーモニックがレジデンスオーケストラ(専属)として音の悪い大ホールを中心に活動している。

オーケストラコンサート、オペラやバレエ公演、小編成の室内楽コンサートなども行われ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。

大ホールで催されるコンサート・イベントチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

建築音響工学から眺めた中ホール

公式施設ガイドはこちら

2スロープ2層のプロセニアム型式多目的ホール。神戸文化ホールの看板ホールでもあり「超目玉施設」でもある!

丁寧にアンギュレーション処理された壁面

側壁面は、客席周辺低層部・中上層部共に全周に渡って丁寧にアンギュレーション(屈曲)処理を施したプレーンな木質パネルで表装され、更に中上層部壁面には内傾スラント(傾斜)設置も併用しており、定在波(※7)の発生を完全に封じ込んでいる!

1973年10月生まれなので可動プロセニアムは持たないが、ステージ反響板は最近の改修で、プロセニアムと密着して一体となるアンギュレーションを持たせた「木質重量級」も反響板に換装されている。

唯一完全平行している1&5番扉部分も幅約23mの「壁面間隔20m超」セオリー適用で1波長定在波は可聴帯域外の約15Hzの低周波振動しかも壁際通路とハノ字段床とで音響障害席無し!

総評

お粗末極まりない大ホールと同じ施設内にあるとは思えない程出来の良いホールである。

天井反響板まで含め全面木質パネルで表装されている「はんなりとした韻」(※8)を持つホールである。

脇花道こそ持っていないが、伝統芸能にも対応しており、能舞台、落語舞台セットも用意されている。

神戸という土地柄、「国際会議場」を念頭に置いてデザインされたのではないか?と思われる、余分な残響の無いトランジェントが良い「肉声の通りの良い」ホールとしても名高い。

ホール音響評価点:得点94点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点23点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点18点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害顕著席数;0席!

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

初期反射障害1 壁面障害席 ;16席/2F大向う1列全席

初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;16席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数1=19点

眺望不良席数;0席/1・2F中央部全列千鳥配列座席!

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;16席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;16席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

中ホールの施設データ

  1. ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
  2. 客席   2フロアー 収容人員 904人、1階平戸間中央部千鳥配置席、可動床、仮設本花道、
  3. 舞台設備 プロセニアムアーチ:間口:16.0mm 奥行:16.0mm 高さ:7.2mm、すのこ高さ15.8m 移動迫り、特設花道、音響反射板、オペラカーテン、能舞台、落語舞台、反響版、
  4. その他の設備 楽屋x7、

中ホールがお得意のジャンル

「中ホール」のレジデンス団体神戸市室内合奏団

中ホールのレジデンス(専属)団体として同財団が主催する神戸市室内合奏団が同ホールを中心に活動している。

ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、落語・演芸寄席、トークショー、大衆演劇、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。

中ホールで催されるコンサート・イベントチケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

その他の付属施設

使える「リハーサル室」

中ホール同様に音響に配慮した天井の高いリハーサル室を有する。


豆知識

神戸文化ホールへのアクセス


地下鉄大倉山駅、高速神戸駅、JR神戸駅。

神戸文化ホールこれまでの歩み

1973年に、大・中ホールを持つ本館が開館した。

2005年3月末に中央区相生町1-3-5 シーガル神戸内にあった別館シーガルホールを閉館した。

※参照覧

※1、2018年の北大阪震災では、高槻芸術劇場で実際に「内壁タイル剥落」が発生し、休館に追い込まれている。

※2、エコールームに関する「音工房Z」さんの解説記事はこちら。※本物のエコールームでは定在波対策(平行壁面対策)はしっかり施されています。

※3、第3章 藝術ホールデザインのセオリー はこちら

※4、関連記事 副則1 「壁面間隔20m超」のセオリーはこちら

※5 第4章第3節 扇状段床座席を用いたホール横断定在波の障害回避策 についてはこちら。

※6、定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』はこちら。

※7、定在波に関する解説記事 『定在波』とはこちら

※8、関連記事『都市伝説・良いホールの条件"残響2秒以上"は本当か?』はこちら。

 

公開:2017年9月14日
更新:2020年11月16日

投稿者:デジタヌ


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