宇都宮市文化会館《ホール音響ナビ》
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お偉い先生型の演説会?程度にしか利用できない小講堂と...
「エリアきっての規模」だけが自慢の大ホールを備えた「宇都宮市の看板施設」?
このページの目次
宇都宮市文化会館のあらまし
大・小2つのホール、展示室、練習室、研修室、会議場などを備えた複合文化施設。
宇都宮市文化会館のロケーション
ところ 〒320-8570 栃木県宇都宮市明保野町7 宇都宮市明保野町7−66
東武宇都宮線「南宇都宮駅」の北西約550m歩いて約10分の位置にある。
近くには、栃木街道、富士見通りなどの準幹線が通っているが閑静な住宅街の中にあり、南と西側は元鬼怒川の支流が流れていた河川敷を利用して作られた明保野公園、で街道から遮られ、北側は駐車場で周辺道路とは隔離され、宇都宮市中央図書館、明保野体育館などの施設と佇んでいる。
宇都宮市文化会館の施設データ
Official Website http://www.bunkakaikan.com/index.html
- 所属施設/所有者 宇都宮市文化会館/宇都宮市。
- 指定管理者/運営団体 公財うつのみや文化創造財団/宇都宮市。
- 開館/竣工 1980年4月8日/1979年9月30日
付属施設・その他
館内付属施設
- 館内施設;リハーサル室、音楽実習室、音楽スタジオ、練習室、レセプションホール、展示ホール、多目的室、研修室、会議室、和室・茶室、カフェレストラン、コインロッカー等。
付属施設配置・見取り図
- 館内施設・フロアー配置図 はこちら(1Fフロアー、2Fフロアー、3Fフロアー、4Fフロアー)
施設利用手引き
『大ホール』の音響
※以下、畳表示は中京間(0.5坪)サイズ表示です。
3スロープ3フロアーのプロセニアム形式多目的ホール
建設当時流行った変型6角形(※11)のホール。
※11、第10章第4節「天井の高い変形6角形」は安普請の「靴箱」より良い結果を生む場合も! はこちら。
メインフロアー
最前列から4列までの平土間座席部分(内3列まではオーケストラピット部)から10列まで続く緩やかなスロープを持つ前半部分と、通路をはさんで11列から30列迄続くハノ字段床アレンジの座席を持つ。
2階バルコニー・テラス席
両翼から前方に伸びた高床式のサイドテラス席の垂直の床囲いで挟まれた台形(扇形ハノ字配列)の2階バルコニー席。
3階バルコニー席
1列だけ張り出した両翼部分を持つハノ字(扇形)段床のバルコニー席
壁面
当初当時流行った「打ち放しコンクリート壁」であったようだが、近年の改修(耐震補強)で天井同様のプラスターボード製のアンギュレーションを施した反響板に改修されたようである。
大向う背後壁面
3層共に音響ネットで表装された波状の遮音(吸音)壁になっている。
最上層部壁面および天井
近年の大改修の目玉だったようで、一体成型プラスターボード製(※12)の波状底面を持つヴォールト天井(※13)に改修された。
天井部分にあった特徴的な照明室は残されている。
※12)アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら。
※参13)「ヴォールト」デザインについてのWikipediaの解説はこちら。
ステージ回り
プロセニアム
脇花道を僅かに残し、プロセニアムとそれに続く脇花道背後壁は客室同様にアンギュレーションのある大型プラスターボード製の反響板に換装された。
流行の剥き出しの「SPコラム」が音響拡散体(※14)としてサイドプロセニアム前面に配置されている。
今回の改修で、左右・上部にプロセニアム後方に新たに可動プロセニアムが新調された。
(以前は幕設備で代用?)
※14、音響拡散体については「第2章第1節 音響拡散処理と音響拡散体となる要素」をご参照ください。
ステージ反響板
ステージ反響板も新調され、増設された可動プロセニアムと密着するタイプになった。(但し可動プロセニアムとプロセニアム本体間には隙間(緞帳、&通路)が残されている。
ホリゾント反響板、サイド・上部反響板は其々2分割4面計5面で構成されたアンギュレーションを施した、プラスターボード製の反響板が新調された。
想定される定在波と定在波障害回避策評価について
※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。
側壁平行部分(間口方向)
メインフロアー前半両サイド扉平行部分(7~8列)
- 側壁間約30m;約11.6Hz/1λ、
- ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
- ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
- ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。
※、変形6角形+スロープデザインなので、基本的に出入り口部分しか完全平行した部分が無く、一見平行に見える2階バルコニー部分も扇形(台形)で後方に行くに従い広がっており、問題なし!2階後半部も両サイドの手摺部が低いために大向こう側壁のハノ字+アンギュレーションでOK。
奥行き方向想定定在波
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
- 最大奥行き約42.8m;
- ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
- 客席スロープで抑止。
- ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(吸音構造)で抑制。
2F(ステージ上部反響板→2階大向こう壁面)
- 最大奥行き約
- 客席スロープで抑止。
- ※高次定在波はステージ(上部)反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(吸音壁)で根絶。
3F(プロセニアム前縁→3階大向こう壁面)
- 客席スロープで抑止。
- ※プロセニアム前縁コーナー反響板で定在波を抑止。
平土間床→天井最高部高さ方向
- 客席平土間部約
- ※定在波はプロセニアム前縁コーナー反響板のアンギュレーションで抑止・抑制
赤字は可聴音域内重低音。
総評
1980年代のトラディッショナルデザインの多目的ホールは、定在波に対する配慮(※15)がゆきとどいており、素直な音響特性(周波数特性)で好感が持てるホールが多いがこのホールもその一つ。
元から当時としては高かった(10m)プロセニアム構造のおかげで、ステージ反響板と客席部分との繋がりも良く、当時のホールとしては珍しく、洞窟音などの癖がない素直な音響となっている。
視認距離にも配慮され、
2階正面大向こう席→ステージ前端;約34m
2階正面大向こう席→ステージ最深部ホリゾント幕付け根;約49.5m
3階正面大向こう席→ステージ前端;約34.8m
3階正面大向こう席→ステージ最深部ホリゾント幕付け根;約51.4m
と多層ホールにしては変型6角形の奥行きが短いという利点を最大限に生かしている。
但し当時は無視されていた?天井高さについては2階大向こう2列が最低条件2.5mを切っており、初期反響による音響障害エリアとなっている。
※15、定在波に関する解説記事 『定在波』とはこちら。
次回の改修に期待
メインフロア中央部の千鳥配列化
少し厳しかったかもしれないが、田舎町(失礼!)で2000席に拘る必要もない(年間を通じて満席になる興行は少ない!)のに、プロモーターに媚びて2000席に拘った「お貰い」根性は慎まんければならない!
平戸間相当部分(1~10列)の中央部23番~34番のうち奇数列にあるたった"5席"を撤去し千鳥配列座席を実現させていたなら、北関東屈指の芸術ホールとして、宇都宮市民に限らず、福島県南部、茨城県、栃木県からも集客が可能となり、年間の経費(赤字補填)削減に役立ったはずである。
最近では古典的な公会堂の改修でも必須・常識の手法となっている!改修を相談する設計事務所の選択を誤ったのでは?
たった5席欲張った為に「獲物を落とした」...「イソップ童話の犬」の世界である!
大向席の撤去立見席へ
同じく2階28席・3階部分24席の大向こう席都合52席も撤去し立見席かスタッキングチェアー使用の補助席に改修すべきであり、併せて57席減の定員1943席の大ホールとすれば、間違いなしに北関東屈指の音響を誇る90点代後半の大型プレミアムホールに生まれ変われる!
ホール音響評価点:得点87点/100点満点中
※2000席(車椅子スペースX2台含む)のコンサートホールとしての評価。
※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。
§1 定在波対策評価;得点50点/配点50点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
- ※スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点17点/配点25点
- ※木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
- ※障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点15点/配点20点
- ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価;得点4点/配点上限5点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
- ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。
算出に用いた値;
定在波評価
※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。
基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点
定在波「節」部席;0席
定在波「腹」部席;0席
定在波障害実被害席総計;0席
初期反射対策評価
※障害発生エリア壁面材質がアンギュレーションのあるプラスターボードなので素材基礎点20点とした。
基礎点B2=素材基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点
初期反射障害1 壁面障害席 ;52席(28席/2階19列全席、24席/3階6列全席、)
初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;56席/2階18~19列全席、
重複カウント ;ー28席
音響障害席総計;84席
客席配置評価
基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点
眺望不良席数;108席/1階平土間中央部座席2~10列23番~34番
音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席
音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;52席
音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;56席
重複カウント ;ー28席
音響障害席総計;192席
算定式
評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数
大ホール施設のデータ
※以下、畳表示は中京間(0.5坪)サイズ表示です。
ホール様式
プロセニアム型式変型6角形多目的ホール。
客席仕様
3スロープ3フロアー 最大幅約34mx最大奥行約52.8m、、天井高さ(最高部)約18.9m
収容人員2000席、(車椅子用スペースX2台分、)Pタイル張り、
内訳
- 1階席X1370席;(オーケストラピット部可動床可動席X113席、車椅子用スペースX2台分含む)、
- 2階席X430席;
- 3階席X200席;
※多目的室は、特別室、親子室、同時通訳ブース、サブ調整室として利用可
舞台設備
※以下、畳数は全て中京間(1/2坪)サイズ表示です。
プロセニアム形式(常設脇花道付き)
- (ステージ最大幅約39.5m)有効幅約38mx(最大奥行き約19.2m)有効奥行き約15.5m/緞帳→ホリ幕、有効面積;約589㎡(約355.5畳)、ステージ高さ;FL+約100cm、最高部天井高さ;高さStL+約24.5ⅿ、
- 可動プロセニアムアーチ:間口約?~20m、高さ約?~10m、本舞台実用幅約23.6m、本舞台実用面積;約367㎡(約221.5畳)ステージ高さ;FL+約100cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約22.5m、
- 吊りもの類 照明ブリッジ・バトン;サスペンションライトX5本、ボーダーライトX?、プロセニアムライトx1、その他x1、天吊りライトタワーx2、美術バトン;13本(幕装備除く)、バトン類高さStL+約?m、
反響板設置時;
- 可動プロセニアムアーチ:間口約20m、高さ約10m、有効奥行き約11.9m/ひな壇後縁→舞台前縁、実効面積;約322㎡(約194.5畳)ステージ高さ;FL+約100cm、
- 拡張舞台(エプロンステージ);可動床・可動客席,オーケストラピット&エプロンステージ迫り;最大幅約?m最大奥行約?m有効面積約?㎡、演奏面レベル設定;StL ー約2.5m~+0m、
舞台設備・機材
- 奈落(有効高さ約6.6m)、オーケストラひな壇(ドブ迫り、道具迫)/StLー6.6m~+0m、
- 小迫り/StLー3.4m~+0m、
各種・図面・備品リスト&料金表
- 座席表(客席配置図)はこちら
- 楽屋、などのフロアー配置図 はこちら;
- 施設別図面setはこちら;(、反響板設置舞台平面図、ホール(客席)平面図、ホール(客席)断面図)
大ホール付属専用施設
- 、楽屋(洋室)X6室、
大ホールがお得意のジャンル
松竹大歌舞伎の地方公演の舞台となっている。
オーケストラコンサート、バレエ公演、ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会、小編成の室内楽コンサートなども行われ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、演劇・伝統芸能、歌謡歌手の歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、落語・演芸寄席、トークショー、、パフォーマンス・ショーなどの色物などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。
またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体も利用している。
大ホールで催されるコンサート・イベントチケット情報
『小ホール』の音響
※以下、畳表示は中京間(0.5坪)サイズ表示です。
1スロープ1.5フロアーのプロセニアム形式多目的ホール
最前列から5列までの平土間座席部分と6列目から続くストレート段床のメインフロアーと両サイドに高床式のサイドテラスが設けられている。4層吹き抜け相当の高い天井を持つ。
大小ホールのスピーカーの...天井の形状や床の材質を変更したことにより、コンサート時においては、音楽鑑賞に相応しいクリアな音と音響を確保するなどプロのアーティストからも高い評価を受けるホール環境を創出しました。<公式サイトより引用>
となっているが...?
この施設も宇都宮名物の餃子店(※21)と同じ穴のムジナ?のようである。
※21、 自画自賛の「ラーメン屋とコンサートホール」の共通点!?
ステージ回り
当初在ったオーケストラピット迫りが撤去され、4列の平土間席になている。
ステージ反響板
反響板も新調されたようだが詳細は不明!
プロセニアム
大ホール同様に、改修時にコーナー反響板、サイドプロセニアムと一体になったプラスターボード製の一体成型のプロセニアムに変更になった。
壁面
高床サイドテラス囲いは建設当時流行った打ち放しコンクリートの垂直壁!
ホール内壁はプロセニアムから続くプレーンなプラスターボード製反響板の垂直設置!に換装されている。
大向う背後壁面
大ホール同様の音響ネットで表装された遮音(吸音)壁になっている。
最上層部
大向上部4層目に当たる部分に映写・照明・音響調整室が設けられている。
天井
大ホール同様の一体成型プラスターボード製のヴォールト天井になっている。
想定される定在波と定在波障害回避策評価について
※以下、音速は室温28℃、海面標準気圧1013hPaの時の348.6m/sec で計算してあります。
側壁平行部分(間口方向)
メインフロアー平土間部側壁平行部分(5列)
- 側壁間約16.3m;約21.4Hz/1λ、約32Hz/1.5λ、約42.8Hz/2λ、約53.5Hz/2.5λ、約64.1Hz/3λ、
スロープ側壁平行部分(6~18列)
- 側壁間約13.8m;約25.2Hz/1λ、約37.9Hz/1.5λ、約50.5Hz/2λ、約63.1Hz/2.5λ、約75.8Hz/3λ、
- 1/4幅通路配置で1波長定在波の「サプライズポイント」のみ回避?
スロープ後大向こう平行部分(19列)
- 側壁間約21.2m;約16.4Hz/1λ、
- ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
サイドバルコニー平行壁面部(13~18列)
- 側壁間約21.2m;約16.4Hz/1λ、
- ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
- ※両側壁際通路配置で定在波「節部」を回避。
- ※扇形(ハノ字)段床配列座席で定在波層を回避。
奥行き方向想定定在波
1F(ステージホリゾント反響板→1F大向こう壁面)
- 最大奥行き約19.7m;約17.7Hz/1λ、
- ※「壁面間隔20m超のセオリー」適用で1波長定在波を可聴帯域(20~20KHz)外にチューニング。
- 客席スロープで抑止。
- ※高次定在波はステージ反響板のアンギュレーションと、大向こう背後壁面処理(吸音構造)で抑制。
平土間床→天井最高部高さ方向(3列~5列)
- 客席平土間部約11.3m;約30.8Hz/1λ、約169.7Hz/5.5λ、
- 5.5波長定在波の節に当たる11mの天井高さを辛うじて回避?
赤字は可聴音域内重低音。
ご覧の通りN田音響設計(※22)らしく、何も知らない聴衆をいいことに5列より後ろのサイドテラスに挟まれたスロープ部分は壁際席も含めて全くの未改修・手つかず!で、開館当初より問題となっていた?定在波による音響障害(※24)には全く対処(※27)していない!(一体全体、高いコンサルタント料は何に...?)盛大な可聴帯域(20~20KHz)内重低音1波長定在波と高次定在波が吹き荒れている!
ということで"0"が妥当ではあるがそうもいかない?ので基礎点は25点にエリア点はスロープ部分でー1点、障害座席は、スロープ席のみ対象として、1波長定在波の節目席54席と査定、平土間部分の高さ方向定在波は標準聴取位置(耳の高さ床面+1m)の重大障害高度がミステリーゾーンを避けているので不問とした。
※22、関連記事『永田音響設計は神ではない!』はこちら。
※24、定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』はこちら。
※27 参)当サイト関連記事 「定在波による音響障害」の回避策はこちら。
総評
このホールで、「音楽鑑賞」は不可能である!
宇都宮市出身のお偉い議員先生型の演説会程度の色物興行?がお似合いであろう。
コンサート会場に未練が残る場合はサイドの改修を!
いかに救済策をご提示申し上げる。
1)スロープ部分客席改修
両壁際、1/4幅部分(現状通り)、中央部(17or18番)の5通路とし(※28)1波長定在波のミステリースポットを回避する。
※28 第4章第3節第2項補則2 通路配置(5本通路)による定在波障害回避策 についてはこちら。
2)側壁改修高床サイドテラス席床囲いの改修
側壁改修高床サイドテラス席床囲いの部分をグルービングパネル(※29)の外傾スラント設置で表装し直し「バレない様に?手摺を付けて不自然さを胡麻化す?、」
※29 手法1 1/4波長程度の「グルービング(溝)加工」をほどこした壁面用パネル の効果 はこちら。
3)サイドテラス床囲いの延長
現在6列からの床囲いを5列席側方迄延長する。
4)平土間部分座席の千鳥配列化(1列~5列の中央12番~23番席)
平土間部分の客席は偶数列2・4列から其々1席ずつで良いから撤去し千鳥配列に配列し直す。
5)最後部19列の撤去と立見席化!
良くバッタ19列席は全席撤去し、立見席&スタッキングチェアー使用補助席(その他席)として公式座席表からは除外する
以上の改修で定員は約72席減の428席程度となるが、辛うじて音楽鑑賞にも耐えられる音響(周波数特性)に修復できるであろう!
YAMAHAさん(※30)あたりに相談することをお勧めする!
※10、関連記事『老ホール に朗報 預言者 YAMAHA 現る!』はこちら。
ホール音響評価点:得点48点/100点満点中
※500席(車椅子スペースX?台含む)のコンサートホールとしての評価。
※評価ポイント詳細は「"ホール音響ナビ"に用いた用いた評価法とは」をご参照ください。
§1 定在波対策評価;得点2点/配点50点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
- ※スラント設置されていない「垂直平行側壁部分」と「平土間部分」の処理において、
「音響障害回避策」が3つ以上講じられていない場合は基礎点を配点50点満点x0.5=25点満点に減じます。
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点11点/配点25点
- ※木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点13点の間6段階で素材基礎点を与える。
- ※障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点12点/配点20点
- ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価;得点4点/配点上限5点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
- ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。
算出に用いた値;
定在波評価
※音響障害席数は1波長の基本定在波に基づき定在波の「節」「腹」に当たる重大音響障害席数を評価対象としてカウントする。
基礎点B1=基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点
定在波「節」部席;56席(30席/スロープ部中央部座席5列から19列17・18番席、26席/スロープ部両側壁際座席6列から19列17・18番席)
定在波「腹」部席;0席※通路で回避?
定在波障害実被害席総計;56席
初期反射対策評価
※障害発生エリア壁面材質が打ち放しコンクリートなので素材基礎点13点とした。
基礎点B2=素材基礎点13点ー障害発生エリア数2=11点
初期反射障害1 壁面障害席 ;38席(26席/1階6~18列6番&29番全席、12席/19列全席)
初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;10席/サイドテラス席18列全席
長復席(多重音響障害席);-0席
音響障害席総計;48席
客席配置評価
基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点
眺望不良席数;48席/1階平土間中央部座席2~5列12番~23番
音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;56席
音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;38席(
音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足(2.5m以下)席;10席
重複席(多重音響障害席);ー30席
音響障害席総計;122席
算定式
評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数
小のホール施設データ
※以下、畳表示は中京間(0.5坪)サイズ表示です。
ホール様式
1スローププロセニアム型式多目的ホール。
客席仕様
1スロープ1フロアー 最大幅約21.2mx最大奥行約19.7m、天井高さ(最高部)約11.3m
収容人員500席、(車椅子用スペース含む、)、Pタイル張り、
※多目的室は、特別室、親子室、同時通訳ブース、サブ調整室として利用可
舞台設備
※以下、畳数は全て中京間(1/2坪)サイズ表示です。
プロセニアム形式(常設脇花道付き)
- 有効幅約14mx(最大奥行き約11m)有効奥行き約8.8m/緞帳→ホリ幕、有効面積;約123.8㎡(約74.5畳)、ステージ高さ;FL+約100cm、最高部天井高さ;高さStL+約17.2ⅿ、
- 可動プロセニアムアーチ:間口約12m、高さ約6m、本舞台実用幅約14m、本舞台実用面積;約123.8㎡(約74.5畳)ステージ高さ;FL+約100cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約13.6m、
- 吊りもの類 照明ブリッジ・バトン;サスペンションライトX3本、美術バトン;6本(幕装備除く)、バトン類高さStL+約?m、
反響板設置時;
- プロセニアムアーチ:間口約12m、高さ約6m、有効奥行き約8.6m/ひな壇後縁→舞台前縁埋め込み照明、実効面積;約84.7㎡(約5畳)ステージ高さ;FL+約?cm、
各種・図面・備品リスト&料金表
- 座席表(客席配置図)はこちら
- 楽屋、などのフロアー配置図 はこちら;
- 施設別図面setはこちら;(舞台平面図、、ホール(客席)平面図、ホール(客席)断面図)
小ホールがお得意のジャンル
主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ジャズコンサート、
落語・演芸寄席、トークショー、着ぐるみヒーローショー、大道芸、パフォーマンス・ショー、地元選出国会議員の演説会などの色物?などジャンルに拘らないバラエティーに富んだイベントが行われている。
各種・図面・備品リスト&料金表
- 座席表(客席配置図)はこちら
- 楽屋、などのフロアー配置図 はこちら;
- 施設別図面setはこちら;(、反響板設置舞台平面図、ホール(客席)平面図、ホール(客席)断面図)
その他の付属施設
2つの展示室
4つの会議室
3つの研修室
3室の和室
2室の練習室
が付属している。
デジタヌの豆知識
宇都宮市文化会館へのアクセス
もよりの駅
東武宇都宮線「南宇都宮駅」の北西約550m歩いて約10分の位置にある。
宇都宮市文化会館の辿った道のり
1872年(明治5年) - 宇都宮城の外郭の旧修道館付近(現・東武宇都宮百貨店付近)に宇都宮懲役署設置。
1877年(明治10年) - 栃木町に栃木県監獄署が設置されると、栃木県監獄署宇都宮支署に改称
1883年(明治17年) - 栃木県庁が宇都宮に移転されると、増改築ならびに宇都宮監獄署に改称
1922年(大正11年) - 宇都宮刑務所に改称。
1929年(昭和4年) - 西原町(現・宇都宮市文化会館)に新築移転。
1971年(昭和46年)3月21日 - 宇都宮刑務所を廃止・移転する形で開設。
1979年9月 - 黒羽へ移転した宇都宮刑務所跡地に完成
1980年4月 - 開館
2015年11月 - 大規模改修工事開始
2017年4月 - リニューアルオープン
デジタヌの思い出
嘗て首都圏に住んでいた頃、とあるご婦人と親密な関係になり、彼女の別宅がある宇都宮市に慰問?に度々訪れていた時期があった。
そのころ、彼女は夏の間だけではあるが、餃子ぐらいしか取り柄の無い「田舎町」?に封じ込められた境遇を良く嘆いていた!
四半世紀前のことでもあり余りハッキリ覚えていないが(ということにしておかないと支障がある)一つ隣の江曽島駅の近くに幽閉?されていたように記憶しているが市内だというのに何もない田舎ではあった?
すぐ近くに、北関東有数の規模を誇る文化会館があることなど知る由もなく、ついぞ訪れたこともなかった...。
知っていたら、"連れ立って"コンサートに出かけていたかも?
公開:2019年7月 7日
更新:2020年11月24日
投稿者:デジタヌ
弦楽亭 《 ホール 音響 ナビ 》 夏のリゾート地那須高原にあるホール< TOP