狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

連載『ホームシアター構築講座』ー第1回ー

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第1節 狸穴音響研究所のフィロソフィーとは

最初に断っておきますが、狸穴ホールが目指すのは一時はやった「生音再現」などという無謀な企て!などではありません!

かといって"一部の動画サイト"のように何でもかんでも「リスナーの好み」や再生系の「音色の個性」で評価する・データ無視の「感性一辺倒」もありません!

いわば記録音源(記録データ)に対するtransient(応答性)の追求!

つまりは high fidelity(高忠実度)再生への原点帰還です!

第0項 「マスタリングルーム」でマスタリングエンジニアが「耳にしていた」モニター音の再現を...

当狸穴音響研究所が狸穴ホールで目指しているのは、

Media(規則音源)に含まれる記録(波形)情報に忠実な音」の再生であり、言い換えれば「マスタリングルーム」でマスタリングエンジニア(音響空間デザインナー)が、「耳にしていた」モニター音の再現です!

つまり当狸穴音響研究所が目指しているのは、

「マスタリングルーム」で音響設計エンジニア(マスタリングエンジニア)が「耳で確認したた」音響空間(モニター音)の再現!です。

最近急増した、空気再生?解説系Youtuberの殆どは、この問題リスニング環境)について触れていません!

つまり彼らは、プラシーボ効果のみを訴えているのです。

なので Youtube の Fake content を信じて巨費を投じると...

参※0)当サイト関連記事 第3回 LPレコード「ハイレゾ・ハイファイ説」は"都市伝説"にすぎない!とは はこちら。

<本記事は11/14/2014'タヌキがゆく'に初稿公開した記事のお引っ越し記事です>

第1項 我が庵のリスニングルーム? 自慢

第1目 我が庵(いおり)のエントランスホール

mamianahall.JPGのサムネイル画像

気取らずに言うとタダの"玄関土間!

これまで"ダイニングルーム"や、時にはアスパラの知人を招いた時には"焼き肉OK!の宴会場「狸穴亭」"として、おもに飲食空間として用途を広げてきた"玄関土間"。

この多機能空間!?に最近また新たな用途が加わった。
マミニャンのフェースブックで紹介済みの"リスニングルーム"がそれ。

その昔 若かりし頃、買い集めて物置の片隅でひっそりと出番を待っていたAV機器を引っ張り出して並べてみた結果は予想以上、「ワンダフル!」のひと言。

若い頃から、何とはなく優れた音響空間であるとは感じていたが、先代の古狸(父)が管理?していた頃は。

恐れ多くて、アイデアを実現できなかった空間です。

第2目 狸穴ホール概要

ざっと概要を紹介するとこんなぐあい。

幅約3m全長約7m60cmそして高さ約3.54ⅿの南北に貫く大吹き抜け空間!

南北奥行き7.6m、東西間口5.8mの関西間24畳の広大?な平土間空間となっており、中央部がパーティション(縦格子戸)と壁面で2分されていて、12畳の部分がさらに2分されてエントランス(玄関)と納戸(物置)とに分かれて隣の接客部屋との間がガラス戸で仕切られている。

このガラス戸可動壁?を背後にスピーカーを設置した"空間"が"狸穴ホール"で奥行き3.82mX幅2.86mX有効高さ3.54mの空間をリスニング(オーディオルーム)として使用しています。

第2目 比較的デッドではあるが日本家屋としては良好な音響特性を持つ

平土間なので、床はコンクリ打ちっ放し!スピーカー背後はガラス戸、そして天井の屋根裏側床面は壁土舗装!という超重量級天井。

※嘗て、養蚕を行っていた関係上で床面保護と、台風時の天井・屋根「浮きあがり防止策」として、屋根裏の床面が壁土で補強されている!

という風にトラディッショナル?な日本家屋にしては適度な初期反響特性と残響特性(※21)を持つ「リスニングルームとしてほゞ理想的な音響デザイン?」になっています。

参※21)当サイト関連記事 第1章 「エコー」と「後期残響」は別物はこちら。

第3目 但し定在波の問題は...

定在波(※31)とは「ミラーハウス」と同じように「並行した対抗面」の間で音が反射を繰り返すエコーが原因で生じる現象です。

参※31)当サイト関連記事 第4巻 定在波(standing wave )と音響障害はこちら。

家庭に限らず「重低音域」で起きやすい問題

特に低音域ではSPの中心軸上からの「指向特性」(※32)は中心法線からほゞ90度以上すなわち平面に近い「点音源」の「球面波」に近いので、SPの向きを壁に当てようがどうしようが部屋の「縦x横」の長さに応じた「いくつもの波長」の周波数成分を含む定在波が居座る!こととなるわけです。

※クリックすると拡大できます

standing_wave.jpg

正しく縄跳びのように、両壁のポイントが音圧"0"となる倍音列の周波数成分を含む「"音圧変調"ゾーン」が生じてしまい、音圧(音量)音色(周波数スペクトル)を変化させてしまうわけです。

一般的には、最低周波数は「壁面間隔と同じ半波長」の周波数成分つまり小生宅では奥行き3.82mX間口2.86mX有効高さ3.54mあるので、

室温20℃1013hPaの時の音速は348.6m/secとすると

  • 2.86m幅の短辺に相当する半波長成分、約61Hz、
  • 3.82mの長辺に相当する半波長成分、約45.6Hz、
  • 有効高さ3.54m に相当する半波長成分、約49.2Hz、

以上の約49.2Hz、約45.6Hz、約61Hz、の周波数成分を持つ定在波が居座りやすく、場合によっては、それぞれの1.0λ、1.5λ、2λ、2.5λなど倍音列の周波数成分を含む定在波が居座りやすいわけです!

参※32)当サイト関連記事 第2章 指向性(指向角)と音の広がりはこちら。

★第2項 対策効果の音響特性検証計画について

次項の対策のおかげで、サブウ-ファーを使用しても極端に気になるような音響障害(※42)は感じられませんが...

立ち上がったり、座ったりを繰り返す!などして、上下にリスニングポジションを変化させると...

ヘッドフォンとの比較で

硬質の打ち放し床面と木質天井間での約49.2Hzと倍音列の周波数成分による振幅変調(定在波)の影響で音圧・音色共に影響は受けているようです。
機材(※44)がそろったので部屋(リスニングポジション)の周波数特性分析を行ってみようと考えています。

さてこの"狸穴ホール"で日常どんな音楽を聴いているかというと、柄にもなく"クラシック音楽"!

そうデジタヌはクラシック音楽愛好家なのです。

参※42)当サイト関連記事  第2章 定在波で起こる音響障害『ミステリーゾーン』

参※43)当サイト関連記事 SONY MDR-Z1000《 ヘッドフォン購入使用レポート》第1回 最高の音質を求めて はこちら。

参※44)当サイト関連記事 "AMD Ryzen7"搭載!のhpの最新ノートパソコン ENVY x360 13ar0115AU 《購入・使用レポート》はこちら。


 

公開:2014年11月14日
更新:2024年3月 6日

投稿者:デジタヌ


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