狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

連載《 YAMAHAサブウーファーNS-SW500長期使用レポート 》ー第3回ー

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★第3節 人間の超覚(聴覚)とシステムアップ計画について

第1項 人間の"超感覚"のすごさ

人間の超感覚(聴覚)の音圧に対するダイナミックレンジ(S/N)は100㏈(※★)以上あり、

オーケストラ演奏では時として120dBにも達します!

デシベルとは、相対値を表す値で、

G(dB)=20*log10(A/B) であらわされる値です。

つまり、相対比なので絶対値ではありませんが、

騒音(楽音)測定で用いる場合は、健常者の平均的な最低聴取可能音圧を0dB としてその比率であらわします。

つまり人の聞き取り範囲は、120dBつまり実数比で100万倍!のダイナミックレンジを持っているのです!

タ・ダ・シ、dBトリック?が...

何故dBで表されるというと...

人間(動物)は、広大な音圧比を、聞き分けるために、音圧をリニア(実数比)ではなく対数比で脳内処理!しているのです。

つまり、実際には実数比で100万倍!でも、超感覚(聴覚)的には、120倍にしか感じない!のです。

もっとわかりやすく言うと、実数比で1/100 に成っても、感覚的には1/40!程度にしか感じません!

つまり、急峻なデジタルフィルターでないと、不要な音(増幅)はカットできません!

参※)当サイト関連記事 環境騒音問題と環境騒音測定 はこちら。

第2目 人の聴覚ラウドネス特性の問題も

オーケストラ演奏のフォツテッシモでは、我慢のできる限界を軽くオーバーして実に120dB(プロペラ機のエンジン近く)になる場合もあり、

逆にピアニッシモでは20㏈(非常に小さく聞こえるレベル:囁き声)程度まで音圧(音量)が下がります。

※画像をクリックすると拡大できます。

laudness_curve.jpg

Lindosland - http://en.wikipedia.org/wiki/Image: Lindos1.svg より引用

ラウドネス曲線をご覧いただければお分かりのように、

低音域に対して、音声帯域(※10)では非常に敏感になっています!

つまり、数値上6dB/オクターブの特性で高域をカットしても、人は感知してしまうのです!

つまり、YAMAHAの周波数フィルターでは能力不足!でメインスピーカーの音を阻害!してしまうのです。

参※10)BTS(放送技術規格)との関係

かつてのBTS(放送技術規格※Wikipediaの解説はこちら)の意味を考えてみると、

現在、所轄官庁総務省によるAM放送の伝送帯域は公称値で100 Hz~7,500 Hzと定められています。

そして、この帯域を別名音声帯域とも称しています。

実際の楽音の周波数帯域をほぼ網羅している帯域!

またこのAM放送の周波数帯域の値;80Hz.~13KHz、は音声帯域とも呼ばれ、肉声やオーケストラの主要楽器、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、トランペット、弦楽4部、ティンパニーの占有帯域とも重なり、実際のクラシック音楽の周波数帯域をほぼカバーできる帯域でもある。

この音声帯域の キモ(基音)の部分はせいぜい数百~13kzぐらいで、

上図を見れば一目瞭然で一番感度(聴覚)が鋭い帯域でもあるのです。

第2項 周波数特性改善計画について

前途としたように、A520の低域再生能力の良さと、NS-SW500の広域特性の伸びが仇(あだ)となり、コンビネーションプレーが完璧?とはいいがたいので...

最近出回ってきた「安価なチャネルデバイダーとD級増幅ICを用いたメインアンプ」を用いたマルチアンプ駆動化を計画しています。

チャンネルデバイダー

TEAC USD301(※6) →SUPER-X PRO CX2310 V2→FX-1001Jx2(JBL A520 )&NS-SW500 と接続すれば、JBL A520 は100Hz以上、SW500は100Hz以下と完全なマルチアンプ構成となり"正相接続"でも「(打ち消しあいによる)JBLの低域のあばれ」を一切気にしなくて繋がりの良いパンチのきいた重低音が得られる予定?

参※6)別項の SONY MDR-Z1000《 長期購入レポート 》その2 テスト編 でも紹介した、愛用しているTEAC USD301 はヘッドフォンアンプ(プリAMP)がついており、ラインアンプ(プリアンプ)として十分な出力を有しており、しかもライン出力も可変できるようになっています、つまりプリアンプとして使用できます!

今後の目標としては、(ヘッドフォンアンプ付きDAC TEAC USD301の)プリアンプ出力をチャネルデバイダーにぶち込んで、100Hz以下の音をSW500に、クロスオーバー周波数以上の音を」デジタルアンプ経由で「JBL」にぶち込んで鳴らそうと計画しています。

FX-AUDIOの低価格アンプシリーズについて

D級増幅のパワーICを使用した安価な製品(メインアンプ)が出回ってきたので、マルチアンプ構成にすることを計画してます。

一部のオーディオ関連記事では、『フルレンジの大型SPを駆動すると「低域」による混変調で「中高音域がやせてしまう」傾向があると指摘されていますが...。

チャネルデバイダーで重低音をカットしてやれば低域による混変調も回避できるので、同機のようなD級増幅パワーICを用いた安価なデジタルアンプでも問題は生じないだろう...と考えています。

またメインSPのA520は能率が良い ので、100Hz以上だけを受け持たせるのであれば、FX-1001Jx2の60wx2chで十分駆動できるはずです!

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ダイヤモンド GSV3000 30Aトランス型安定化電源
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8000円のデジタルアンプに20000円の電源!ではアンバランスのようですが...。

市販の汎用電源アダプタでは電源容量が足らず、かといって安価な"スイッチング電源"では、電源周波数(50、60Hz)のハム(漏れ雑音)ノイズ、や(スイッチング電源の)パワーICのノイズ(リップルノイズ)が多く、パワーアンプの音声出力に乗ってしまう、したがって「トランス式の本格的な電源」となると最低でもこれくらいは...。

(安価なアンプだからと言って、チープなACアダプタは使用しないこと!)

ちなみに、現状でも重低音を多く含んだ曲では「家屋全体」が揺さぶられるために、昼間以外の午前中・夜間はパイプオルガンや「バスドラム、和太鼓などの鳴り物」の再生は自粛しています!?

※7、その1 我が庵のエントランスホール自慢? はこちら

次回は、「エージングし過ぎで経年変化した"聴覚"に代わって「オシレーター」ソフトと「FFT]ソフトで実測してみる予定。


 

公開:2018年12月22日
更新:2024年3月12日

投稿者:デジタヌ


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