連載『 SONY WH-1000XM4 ノイズキャンセリングヘッドフォン長期使用レポート』ー第7回ー
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とは...
第0項 入り口・出口は Transient 重視
レコーディング時には出来るだけ収録環境(ホール・スタジオ)の音響に忠実に。
そして、CDなどのコンテンツ再生時も、忠実な記録データ(波形)の再現に努める!
第1項 仮想音響空間はマスタリング時に美容成型?する
CDなどのコンテンツ(市販データ)はマスタリングの段階でマスタリングエンジニアが描いた(仮想音響空間を目指した)"芸術的な音響にお化粧"して完成品のマスタリングデータとしてプレスに回す...
といったフィロソフィー(哲学)のようです。
この辺りが、終始、"ライブ音響"の忠実記録に注視してきた英DECAをはじめとするヨーロッパ系レーベルの high fidelity(高忠実度)指向とは異なるようです。
いずれにせよ、最終的には記録音源・配布媒体(CD・SCAD)の記録データの忠実?な波形再現につながるわけですが...
第1目 レーベルを選ばない波形シェープ(美容整形?)
今回聴取比較に用いた"エイ(良い)デッカ?盤"以外にも多くのコンテンツを聴き比べていますが...
勿論あらゆるレーベル(※31)で破綻しません!
本家筋のソニーエンタテイメント(旧CBS)はもちろんの事、最近心境著しい独グラモフォンや、ワーナー系、さらにはインディーズレーベルなど全てのレーベルの音源データに(当たり前に!)適合します。
参※31)当サイト関連記事 現在SONY傘下の義兄弟!となった嘗ての米2大レコードレーベルとヨーロッパ系レーベルの音の違いとは?はこちら。
第2目 奇跡が起こった!
別項で、マスタリングの失敗例として紹介した、
「へたくそな化粧で醜くなっていたラベック姉妹?」が何と「往年の美貌を取り戻しました!」
ラベック・姉妹(カティア&マリエル) ピアノ連弾 PHLIPSレーベル 1992年8月新譜
TEAC USD301+山水 SE-SE88+SONY MDRZ1000の最強トリオ?(※31)でもなんとか聞ける程度だったのに...
アップライトのディキシーピアノがスタインウェイ・フルコンサートの響きを取り戻しました!
奇跡としか言いようがありません!
しかも1500円のチープな Hommie の中華USB Bluetooth 5.0 Adapter(※32)!のノイジーなBluetooth電波で!
奇跡の種明かしは後述。
参※31)当サイト関連記事 聴感テスト環境はこちら。
参※32)当サイト関連記事 HommieのBT-06 USB Bluetooth 5.0 Adapter 購入レポートはこちら。
★第3項 飛んでもない"罰当たり?"な DSEE Extreme テクノロジーとは...
- ●配信元←(CD)→ストランスポート←(bluetooth/LDAC)→headphone
アナログ神崇拝のじい様方?(※33)から見ればとんでもない罰当たりな行為といえるのが?SONYが開発した DSEE Extreme テクノロジーでしょう。
少ない公開資料から類推しますと、
この技術の味噌は「アップスケーリング」テクノロジーと、内蔵DSEE Extreme デバイスによる AI学習 そして「D級」オペアンプ駆動にありそうです...
参※33)当サイト関連記事 LPレコード " ハイレゾ 説"は"都市伝説"にすぎない!はこちら。
1)D/A変換とアップスケーリング
ここが罰当たりなところで、SWオンするとケーブル接続の「入力アナログ信号」もアップスケーリングしてしまう!
つまり「ハイレゾ20~40000hz対応 LDAC 96kHzサンプリング、990kbps 」の Bluetooth 受信時同様に、内部発振器で作った3角波で PWMデジタル信号に変換して→再A/D変換!を行っている様です。
そのデータを特注アームストロング?の小型チップでAI学習させて作った 逆相PWM信号と、
逆位相ミキシング演算を行わせてノイズキャンセリングしたうえで、
「D級増幅」を行い、LPF(ローパスフィルタ)を介して「振動板を」を駆動しているのではないでしょうか?
DACは使用していない?!
つまり初めから一般的に言うDAC(デジタルアナログコンバーター)に相当する部分は無いようです?
好意的に解釈すると...
初めて未知の「Bluetooth発振器」とペアリングを組んだ時に、初めのうちは BOSE 同様に"Bluetooth電波の品質"に左右されて「多少ノイジー」なのですが...
数分(十数分?)経過するとノイズが消えることで説明つくわけです!
参※54)SONYのDSEEに関する説明はこちら商品説明はこちら。
参※55)当サイト関連記事 ハイレゾオーディオ はWEB配信音楽コンテンツに席巻された!レコード業界の生き残りをかけた敗者復活戦?はこちら。
第4目 今後は大入力(大振幅)に耐える振動ユニットの開発も...
今後の更なるDSEE Extreme テクノロジのバージョンアップに向けて
大入力(大振幅)に耐える振動ユニットの開発も必要でしょう。
前途したように、生演奏のソノリティーに近づけるには、低域の再生能力が問題になってきます。
「progressive bass boost compensation technology」(可変低域補償)(※56)抜きでは実現できないでしょう!
現状の能率105dB/mWで、耳元100dBの音圧を確保するには1,000mWつまり1Wの入力が必要で、やはりユニット単体ではMDR-Z1000程度の耐入力4,000mWは必要でしょう。
しかし後述する「プログレッシブ・低域補償」を考えた場合は、連続耐入力性が必要となってくるわけで...
カタログ数値は Peak値であって連続耐入力ではないので...
(常時30dB約30倍程度の低域補償が必要なため)ボイスコイルボビンの耐熱性はもちろん、"大振幅"に耐えられる"振動板の強度"と"エッジ構造"の開発が必要です!
WH-1000XM4はおそらく現時点ではハイレゾルーションオーディオに最も適した tool の一つでしょうが、
真のハイレゾ再生のためには前途した技術課題の克服が必要なのも事実です。
SONYの今後の技術開発に期待がかかる点でもあります。
公開:2020年12月 2日
更新:2024年3月 9日
投稿者:デジタヌ
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