札幌サンプラザ コンサートホール 《ホール音響Navi》
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5階吹き抜け相当の「高~い天井」と「急峻なスロープ」を「最大の美点」としている「1フロアー」の小規模安普請ホール?
全国の見かけ倒しの無駄に金をつぎ込んだ、出来損ないホールを持つ地方自治体関係者に見学させたいような「大聖堂」型ホール。
札幌サンプラザホールのあらまし
Official Website http://www.s-sunplaza.or.jp/hall/index.htm
嘗て当時の雇用・能力開発機構が設置主体となり、総額4406億円をかけて合計2070箇所で建設された福祉施設のうちの「サンプラザ、テルサ」などの文化施設19施設の内の1つで、1984年当時の雇用促進事業団(現独立行政法人雇用・能力開発機構)、北海道、札幌市の3者で建設した施設で2005年札幌市の施設となった。
現在は札幌市が所有し(財)札幌勤労者職業福祉センター が運営している。
施設面から見たホールの特色
※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。
フロアー構成
最前列A・B2列のみが平土間部分でそれに連なる比較的急峻なスロープを持つ1スロープ・1フロアーの天井の高い多目的ホール
シートアレンジ
最前列A列から最後列のV列まで扇形配列を基本としている。
ホール側壁
客席周辺壁はの塗装仕上げの一般建築用の石膏ボードをアンギュレーションをつけて設置してありホール最後部最後列V列を除き対抗する壁面の「平行部分はキャンセル」されている。
中上層部は立て格子を表装した2重構造で音響拡散体として機能させている。
大向こう背後壁
ホール後方大向こう通路背後壁も同様に立て格子で表装してある。
大向こう上部は大きくホール内に張り出した調整室&親子席で大きなハの字状に両翼が前方に張り出しており、ガラス窓以外の前面は、音響ネットで表装された吸音構造で中央下縁に凸出したラウンドタイプのコーナー反響板を設置してある。
天井
大きく後方にスラントした高い天井はプレーンな大型プラスターボード製で中央部分に空調ガラリを兼ねたルーバーが3箇所切ってある。
プロセニアム上縁からは2段に折れ上げた大型コーナー反響板が設置され江いる。
総評
安普請の割には何故か音の良いホール!?
緩やかなスロープであれば2フロアーが可能であった様な天井の高さが美点のホールである。
途中で予算を大幅に切り詰められ「2層デザインが1スロープのホール」に規模縮小されていたとしても、やはり「ゆとりあるデザインは全ての小細工?に勝!」の典型例であろう。
ホール音響評価点:得点94点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点49点/配点50点
- ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
- ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは、 基礎点25点に減ずる。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点23点/配点25点
- ※木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
- ※障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点18点/配点20点
- ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
- ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価;得点4点/配点上限5点
- ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
- ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。
算出に用いた値;
※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。
定在波評価
※最後列V列以外では定在波が発生していないので基礎点50点とした。
基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数1=49点
定在波障害顕著席数;
定在波「節」部席;1席/1階中央部座席V列15番席
定在波「腹」部席;0?席
重複カウント ;ー0席
定在波障害顕著席総計;1席
初期反射対策評価
※障害発生エリア壁面材質が壁紙で表装したアンギュレーションをつけた木質パネルなので素材基礎点25点とした。
基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点
初期反射障害1 壁面障害席 ;0席
初期反射障害2 天井高さ不足席;21席/1階V列全席、
重複カウント ;ー0席
音響障害席総計;21席
客席配置評価
基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数1=19点
眺望不良席数;0席/1階中央部全席千鳥配列済
音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;1席
音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;0席
音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;21席
重複カウント ;ー1席
音響障害席総計;20席
算定式
評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数
リハーサル室
ルーム音響評価点:10点
内訳
定在波対策評価点:5点/50点満点(ルーム低層部に1対以上のプレーンな並行壁がある場合は持ち点はx0.5=25点と成ります)
残響その1(初期反射)対策評価点:5点/50点満点(ルーム低層部3面以上がプレーンな垂直壁の場合は持ち点はx0.5=25点と成ります)
札幌サンプラザホールのロケーション
ところ 札幌市北区北24条西5丁目1番1号
札幌の中心地文化施設の集まる札幌駅南側の大通公園周辺一帯とは反対側(駅北側)の新興地区北区にあり北区役所と共に道道89号(宮の森北24条通)に面して佇んでいる。
通りを西に辿ると西南一帯は北海道大学のキャンパスや実験農園が拡り、有名な札幌競馬場も立地している。
アクセス
札幌地下鉄南北線北24条駅前1分。
札幌サンプラザのある札幌市とこれ迄の歩み
北海道の道庁所在地であり道内唯一の100万都市!日本最北の政令指定都市で北海道全体の人口の約3割強の人が住んでいる。
住民基本台帳人口、1,951,523人/2018年3月31日
札幌ー(新千歳空港)ー(羽田空港)ー品川 3時間/36分 39,790円/JR-ANA-京急
札幌サンプラザホールのこれまでの歩み
1984年12月27日 札幌勤労者職業福祉センター(札幌サンプラザ)会館として誕生
札幌サンプラザホールが得意のジャンル
主にミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、等が行われソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏なども行われ、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない演目を扱っている。
またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。
札幌サンプラザホールの公演チケット情報
札幌サンプラザホールの施設データ
- 所属施設/所有者 札幌勤労者職業福祉センター/札幌市。
- 指定管理者/運営団体 (財)札幌勤労者職業福祉センター/札幌市。
- 開館 1984年
- ホール様式 プロセニアム型式多目的ホール。
- 客席 1フロアー、収容人員 506名、、中央部千鳥配列座席、
- 舞台設備 プロセニアムアーチ:間口:12m 奥行:11m 高さ:6~8m、ブドウ棚(すのこ)、、可動プロセニアム、反響板、
各種図面,備品リスト&料金表
- 施設別舞台備品・図面;舞台平面図はこちら、
- 舞台設備・資材・備品リストはこちら。
- 照明設備・機材リストはこちら、
付属施設
楽屋x3、ホワイエ、、リハーサルルーム(大会議室)、大会議室兼展示室、会議室x、練習室、和室x、市民ギャラリー、展示室、バーラウンジ、
施設利用(利用料金等)案内
参照覧
※、定在波の悪影響に関する解説記事はこちら。
※「都市伝説・良いホールの条件"残響2秒以上"は本当か?」はこちら。
残凶時間2病(sec)異常(over)の"都市伝説"が蔓延し残響時間の長さを競う風潮にあるが、耳障りで過大な残凶音は、定在波の悪影響とともに、「ホール酔い」の一因でも有り「過ぎたるは及ばざるのごとし!」の典型ではある。
※直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。
公開:2018年2月23日
更新:2022年9月27日
投稿者:デジタヌ
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