狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

連載『ホームシアター構築講座』ー第14回ー

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第3節 一般オーディオマニアのご家庭では

一般のオーディオマニアが「分譲マンション」「建売住宅」「プレハブ規格住宅」などの一般家庭でできることは、「3・6合板」に「10mm厚さ程度の発泡スチロール」を張り付けて「壁紙」で表装したパネルを、3枚幅2.7m程度壁面にもたせ掛けて、さらに前面を出来るだけ分厚いカーテンでおおうことです!(※11)

こうすると壁面からの反射は大幅に減少して「楽音キャンセリング?」に悩まされる必要はなくなります。

小生は別項(※9)で紹介したように「手元にあった、屏風」を流用しています。

屏風は、本建築の「襖」同様に、紙を張り合わせて(重ねて)作られているので、音響インピーダンス(※10)が小さくて、吸音効果が高く、またサイズに応じた波長以下の(中・高音域の)音は傾斜角度に応じて、(入射角=反射角の法則で)反射してくれますから、SPバッフルに向かって跳ね返る音は少なくなります!

つまり「打ち消しあう」ロス音が軽減できます!

参※9)当サイト関連記事 我が庵のエントランスホール 自慢は こちら。

参※10)当サイト関連記事 音響インピーダンスと音圧反射率 はこちら。

第1項 スペースを無駄にしたくない場合は

スペースを無駄にしたくない方は「作り付けの書棚」をSP対抗壁面に造作して「ランダムなサイズの書籍」を「部屋側」がランダムになるように並べて、前面には扉を設けずに「分厚いカーテン」で覆うようにすればよいでしょう!

出来れば棚は「手前側が持ち上がった」スラント形状に造作した方が、音響的には「散乱・拡散効果」が大きく。しかも「地震対策(落下防止)」にもなり一石二鳥となります。

音楽家なら楽譜類を、収集家なら「古本」を積読(つんどく)?しておけばよいでしょう。

お手軽、改装法としては「ルーバーラティス」に3㎜程度の厚さ合板を裏打ちして、もたせ掛けて、カーテンで覆うだけでもかなり効果が期待できます(但しできればSP対抗壁面全長、または最低でも1.8m幅で設置することをお勧めします。)

いつもより音量を小さくしても「迫力のある芯のある音」で音楽が楽しめます!

第2項 狸穴スタジオでの実例

(※以下は全てiPhoneアプリ(デシベルX-dBA)により実測)

小生宅の、狸穴ホール(エントランスホール(※2)は古民家で「生活道路」に面していて、特別な防音対策は施していないので、残念ながら中間で常時40dB程度の環境ノイズがあり、乗用車が通過した時には+10dBつまり50dBまで跳ね上がります。

参※一般サイトの ㏈と"騒音" に関する記述 はこちら。

A520の仕様と公称周波数特性を利用したセッティング例

ツイーター 20mm径ドーム型 -6dB有効指向角 ≒48度(両振りで92°/20Kzで)

ミッドレンジ 125mm コーン型 -6dB有効指向角 ≒38度(両振りで76°/4Kzで)

クロスオーバー周波数未公開につき不明、

公称周波数特性 80~20KHz(peek-10dB)

バスレフポート開口部正面でのA520実測では50Hz程度から-6dBほどの低域再生能力があり公称t値(80Hz/-10dB)よりも意外と低域はよく伸びてます。但しスピーカーの裏側の音なので逆相!(公称値はスピーカー正面の音圧を測定するため。)

セオリー1の適用 スピーカーシステムの上反設置

小生のメインスピーカーシステムA520は上記の通り意外と、指向特性も優れていますので、写真のようにわずかに(5°程度)上反させて対抗壁面と相対角度を持たせて設置しても(定位・音像などに)あまり影響はありません。

セオリー2の適用 反射板の設置

対抗する壁面には「屏風」を壁面に立てかけてありますので、リスニングポジションでも、双方の効果で正面と少し離れた位置でもほとんど(-1dB程度/約390Hz以上)変わりません!

Max90dBの騒音発生源問題

なので、「pp(peek-50dB)が(芯のある音で)聞き取れる音量」にVolume設定するとMaxでは90dBを超えてしまい、2重壁「土壁と土塀」で遮蔽された表の生活道路上でも90dBを超えてしまい「ヤバイ状態!」となってしまいます?

具体的には「耳を澄ませて聞き取れる限度の音量」にppppをレベル設定した状態で、SP正面から離れても部屋中(24畳;12坪)のどこでも+2dB(実数比1.12倍)程度の42dB以内に収まるようにボリューム調節してリスニングするわけですが、この状態でも理屈通り室内でも最大で90dBぐらいを記録して、通常のフォルテ部分で60dB(ピークメーターでー20dB)ぐらいになってしまいますが、

前途の通り屋外では80dB程度!?に収まっています。

特にバスドラムや大砲!の入ったような曲(※12)では、瞬間的に室内でも90dBを楽に?超えてしまいます!が、ffffはクライマックスに集中してめったにないし、四六時中流している騒音でもないし(騒音公害的、近所迷惑的には)ぎりぎりセーフかな?...
としてスピーカー聴取ではこのレベルを超えないようにvolume設定してクラシック音楽を楽しませていただいています。(ツマミ位置としては、1/3程度)。
もちろん、ポップス系の「ドンシャリ・常時ハイレベルレコーディングコンテンツ」ではもっとレベルを下げて流しています。(クラシックコンテンツの半分以下程度)
この状態で自宅前の生活道路上での平均騒音?は「ごみ回収車」通過騒音以下に収まっています。
対策以前より室内で-10dB(実数比約3倍)程度改善!
迫力を保ったままMax音量を小さく設定できるようになりました!(つまり以前はとんでもない爆音で聞いていたことになる?ご近所の皆様申し訳ありませんでした...)

参※12)当サイト関連記事 《コンプリート・アルバム・ナビ》その1 チャイコフスキー編 各国の大砲威力比べ?はこちら。


 

公開:2014年11月14日
更新:2024年3月 5日

投稿者:デジタヌ


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