狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

ギタリストは知っている「重低音」の重要性!...オン・マイクの効果とは?《ハイレゾオーディオNavi》

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前書き(要約)

クラシックギターの最低音の基音は実音E(mi)で約185Hzですが、楽音には基音以外に側波帯といわれるものがあり、ギターの場合は基音の8波長(1/8周波数)つまり3オクターブ下の倍音列に当たる23Hz程度の成分も含まれています。

勿論アコースティックギターのリサイタルでは「演奏者」は聞こえても、大多数の聴衆は「"おぼろげに"しか聞こえない」音域ですが...。

これはギターが単なる「弦」の響きだけでなく「胴体(ボディー)」が共鳴体になっていて各弦の響きを音響的に増幅!しているからです。

ポップス系のPA増幅では常識

ギターマイクとPAを使った「ポップス」関連のライブ、録音では「重低音域」は必須の細工?となります。

どちらの例も、通常の"マイクスタンド"ではなく専用の「ギター用ピックアップマイク」を用いた収録です。

個々の演奏を「RealPlayer」(無償)でダウンロードして、「映像編集ソフト」でWAVファイルかWMAファイルなどの形で音声を抽出して、Wave Padなどの音声編集ソフトで解析すると、「アーラ不思議!」

E弦よりも低い50Hz以下の"重低音成分"がたっぷり含まれていることが確認できます!

fft_1.jpg

(※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。)

グラフの見方

縦軸は6dBの対数グリッドになっています。

横軸は左から細線が100Hz刻みの目盛りで、最初の太いラインが1kHzの対数目盛になっています。

赤色が右チャネル、青い色が左チャネルです。

つまりサンプリング下波形ではベース音G3(196Hz)音の側波帯に当たるC1音(約32Hz)やDI(約36.7Hz)も響いていることがわかります。

これはギターが単なる「弦」の響きだけでなく「胴体(ボディー)」が共鳴体になっていて各弦の響きを音響増幅しているからです。

つまり、ボディー直接セットされたアコースティックギター専用の「ピックアップマイクロフォン」はボディーのポート(穴)直近にあり「豊かな重低音」を拾えるわけです!

だからポップス系のギタリストは「カッコ付けづに」スタンドマイクではなく「ボディー直付けのピックアップアップマイク」を使用するわけです!

この重低音こそ「アコースティックギター」の醍醐味です!

「一本のギター」 が 「フル編成のオーケストラ」や「コンサートグランドピアノ」に匹敵する「表現力と迫力」を備え持ち合わせている理由がそれです。

ドン・シャリ・マスタリングではフルオーケーストラの魅力は伝えられない

逆に言うと、嘗て20世紀にアメリカンレーベルが行っていた重低音域をカットした"スカスカBass、キンキラキンTreble"に代表される「ドン・シャリマスタリング(イコライジ)」(※1)のコンテンツでは「フルオーケストラやコンサートグランド」の音響(ソノリティ)は「伝えられない!」と言い切れるわけです。

参※1)当サイト関連記事 LP盤用ドンシャリマスタリング(イコライジング)を暴く! はこちら。

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公開:2020年3月 7日
更新:2024年3月 4日

投稿者:デジタヌ


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