『音動楽人(みゅーたんと)』狸穴オーディオ機器調査室報

再評価されていい旧CBS全盛時代のアナログテープ収録音源

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20世紀後半アメリカが超大国として一世を風靡していたころ、CBSレコードの録音技術は世界最先端を走っていました!
当時のアメリカン・メジャーオーケストラも世界最高の演奏水準を誇っていた当時、アメリカ各地で常任指揮者として名を轟かせたマエストロたちが、多くの貴重な演奏を「録音藝術」としてCBSに残しました、それらは半世紀以上を経過した21世紀の現在でも、色あせることはなく多くの音楽ファンを魅了し続けています!

プロローグ 旧CBS全盛期の名録音の数々!

やれディジタル録音だ、やれハイレゾ録音だと、"近年の音源"ばかりが持てはやされていますが...

第2次大戦後の1950年代後半から世界最先端を誇っていたAmpexなどのマルチトラックアナログテープ録音機とそれを用いたCBSには、最新のディジタル録音に引けを取らない、いやそれ以上の名録音が沢山残されています!

新記録音がフルディジタルプロセスの時代になった21世紀の現在、改めて当時のマザーテープからマスタリング(ミキシング)しなおされたデジタル・リマスター盤を聴き直してみると、その時代のアメリカでの最先端録音機材と、保管設備(技術)両面の「凄さ」(※01)を改めて思い知らされるわけです。

参※01)当サイト内関連記事 ハイファイ録音小史 はこちら。

第1節 その後レコード業界が幾多の変遷で...

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(※クリックすると拡大できます)

1970年の第一次サラウンドブームが...

その後、幾多の変遷を経て、CBSはSONYのエンタメ部門となった訳ですが、

一時、1970年に第一次サラウンドブーム、ともいえる"4チャンネルレコード"熱が、、レコード(オ-ディオ)業界で始まり、QS(山水)、SQ(SONY)、RMなどの"マトリクス"アナログ盤や完全ディスクリートのCD-4(日本ヴィクター)などが発売されて、"4チャンネル熱"を煽ったわけですが...

まだ高度成長期真っただ中で、"ステレオ電蓄"すら普及しておらずWALKMAN(1979年登場)も登場していなかった日本は勿論、海外でもそれほど普及しなかったわけです!

この時の4チャネルアナログ盤制作過程のマスタリング(ミキシング)が、当時の名録音の評価を"台無し"にしてしまったわけです!

CD時代になり

21世紀WEB配信時代になり

CD発売当初は、アナログ録音→デジタイズ→CDの過渡期を通り。

フルディジタルプロセス(ディジタル録音+ディジタル編集)の時代になり、録音現場ではハイレゾ録音が一般化(※11)したわけです!

更に、21世紀の音楽WEB配信の世紀になり、次々に新技術(データ圧縮技術)が開発されて、今やApple Lossless(ALAC)によるロスレス可逆圧縮でストリーミング・ハイレゾ配信(※12)が可能な時代となった訳です。

しかも、ロスレスなので、元のディジタル信号と寸分たがわぬ"データ"通信が可能となった訳です。

参※11)当サイト内関連記事 ハイファイ録音小史 はこちら。

参※12)端末にダウンロードしてから再生しなくても、インターネット回線接続で受信(streamming)しながら連続再生出来る事。

第2節 旧CBSのライブラリのデジタル・リマスター盤は

ここにきて、1960年代に収録されて、サラウンドSQマスタリング盤として発売されていた名盤が、本来の2Chステレオ盤として数多く再発売されるようになりました!

耳を疑いたくなるほどの、鮮烈な録音!

不本意?ながら、CBSのマーケティング戦略に沿い、渋々SQマスタリング(ミキシング)に同意させられた!マエストロ・ブーレーズが残した多くの名録音が当たり"前の姿"になって復活した意義は大きいと思われます!

ブーレーズさんは、生前CBS時代に録音した作品の大部分を、晩年独グラモフォンで再録音しましたが...

これは、年老いて演奏スタイル(解釈)が変化したのでもなく、ましてやCBS当時の"演奏水準"(オーケストラ)に不満を抱いていたのでもありません!

ズバリそのマスタリング(ミキシング)に大いに不満があったのでしょう!

事実、演奏スタイルはさほど変化していません!

例えばバルトークの一連の作品では...


Pierre Boulez Conducts Bartók

旧SQマスタリングのままCD化されて再発売された盤と、マザーテープからりマスター(再ミキシング)された新盤では、明らかに"明瞭度"が変化しています。

旧SQ版でも、ファゴットのキーの音(パタパタ)が聞き取れるほどの凄い解像度でしたが、全体の音量バランスが悪くて、「著しく"芸術性"を損なっていました!」

当時の、アナログ盤では、ダイナミックレンジが取れなくて、コンプレサーとリミッターによって全体のダイナミックレンジ40+dB程度しかなかったわけです。

更にSQミキシングによる"誇張"でセクション・パート間のバランスは"最悪の状態"となっていたわけです!

それが、オリジナルのアナログマルチトラックテープ音源からのリマスター(新マスタリング・ミキシング)により、Dレンジは最新ディジタル録音並みになり!更に各楽音の明瞭度が飛躍的に向上したわけです!

管楽器パート内の位置関係も!

セクション、パートの位置関係は勿論のこと、"パート内の各楽器(楽員)の配置"まで、手に取る(目視している)ように、明瞭に聞き取れます!

否むしろ反響の多い昨今の「出来そこないホール(※21)」では、「ビジュアルの補助」を借りても、不可能に近い明瞭度です!

しかも勿論のこと完全に「ハモッテ」います。

参※21)当サイト内関連記事 『建築音響工学総覧 』第8巻 奇妙奇天烈 奇怪 面妖 摩訶不思議 な "迷ホール!" はこちら。

音楽を専攻している未来のマエストロにはピッタリ

音楽を専攻している、音大生の模範教材と言えるでしょう。

器楽奏者は勿論、指揮を専攻している、将来のマエストロたちにとっても、「スコアの隅々(全ての楽器)まで全て明瞭に聞き取れる!」と言うことは、素晴らしい体験になるでしょう!

第3節 但しこれには仕掛けも必要で

但し、これを体験するには、少々仕掛けも必要です!

オーディオ系YouTuberがいうところの「空気再生(スピーカー聴取)」ではまず不可能です!

第1項 ダイナミックレンジの問題が

先ずは、ノイズリダクションが無かった時代に"究極のS/ N"で収録されたCDなみの60dB 以上のダイナミックレンジを持つこれらのコンテンツを、"空気再生"するのは困難になります。

つまり環境ノイズと楽音とのS/Nの悪さで環境ノイズにかき消された、ピアニッシモを聴取するとなると、fffが大音量になりすぎて、ご近所迷惑になるわけです。

更に、リスニング環境が

更に別項で詳述したように、日本の住環境では、"定在波"(※31)による周波数特性の乱れと、近すぎる壁面・天井・床からの反響音で、「楽音の忠実度」が著しく阻害されて、通常ではもそれぞれの楽器(各プレーヤー)を明瞭に定位させることは困難な状況となります!

参※31)当サイト内関連記事 リスニングルームの音響問題!《 最高の ソノリティー を求めて》第3回 グラフィックイコライザーでは解決できない はこちら。

第2項 デジタヌの仮想空間再現法

デジタヌの「録音エンジニアが描いた仮想音響空間再現法」とはズバリヘッドフォン聴取です!

それも、通常のハイレゾヘッドフォンでは、どうしても不明瞭となります。

これは、環境ノイズとのS/Nの問題などが依然として残り、ダイナミックレンジを確保しようとするとどうしても最大音量(音圧)が過大となり、「聴感が飽和」してしまい人間側がサチュレーションを起こすためです。

※画像をクリックすると拡大できます。

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Lindosland - http://en.wikipedia.org/wiki/Image: Lindos1.svg より引用

SONY WH-1000XM4を使用すると...

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ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WH-1000XM4【ソニーストア】 icon

そこで、ソニーさんが開発したSONY WH-1000XM4を使用すると...

アーラ不思議、環境ノイズはものの見事にかき消され!

小音量(小音圧)でも、「芯のある」楽器の音色が楽しめ、定位が明瞭になり。

しかも、最大音量(音圧)も人間の耐えられる音圧90dB 以内に収まります!

すなわち、耳も、ヘッドフォンもサチュレートしなく、fffでも全ての楽音が明瞭に聞き分けられるようになるわけです!

参※)小生が、別項に記したダブルD/Aコンバーター、水晶クロック搭載の、「TEAC」UD-301ヘッドフォンアンプとハイレゾヘッドフォンSONY MDR-Z1000(ともに製造終了)と比較試聴した結果。

当サイト内関連記事 SONY MDR-Z1000 《 ヘッドフォン 購入レポート》第3回 スマホ・パソコンで使用するには... はこちら。

エピローグ Hight fidelityの追及にはDレンジ改善が

ハイレゾ録音機材は、広大なダイナミックレンジを持つオーケストラ作品の収録こそ適する機材ですが、21世紀委の音楽コンテンツWeb配信時代になり、「莫大な製作費」を要するオーケストラ作品は、製作費を回収することが難しくなり、嘗ての「メジャーオーケストラと一流演奏家」による「クラシックコンテンツ」の制作は困難なご時世となってきたわけです!

そこで、人の可聴帯域(20~20kHz)を遥かに超えた5~100kHzの「超広帯域周波数特性」を強調した「デモストレーション」コンテンツばかりが溢れているわけですが...

実際には、トランジェント(音の立ち上がり)改善ぐらいに役立つだけで、
fidelity(忠実度)改善にはあまり役立っていないのが現状です!

fidelity向上には、オーケストラの持つ100dB以上の広大なダイナミックレンジ(ppppとffffどの音量差)の再現が最も必要となるわけです!

現状は、前途した再生側の問題で、「製品となったハイレゾ音源」は今まで通り、最大音量は"リミッター"でダイナミックは"コンプレッサー"で圧縮されて、ppppが「かさ上げされた状態」でハイレゾ盤に収録されているわけです!

つまりppppは前途した一般家庭での聴取を考えれば仕方ないとしても、リミッターのかかった大音量(大振幅)では"伸びの無い詰まった音"となって終い、迫力を得るために返って大音量(音圧)再生(ご近所迷惑)に向かってしまうわけです!

これではハイレゾ不要論がでても当然といえるでしょう!

progressive bass boost compensationの登場で更に

今後、小生が提唱している可変低域補償技術(progressive bass boost compensation)(※91)が開発されれば、この問題は解消されて、広大なダイナミックレンジを有効に使って、伸びのあるffffと芯のあるppppの音色を兼ね備えたオーケストラ作品(ライブ録音)も出てくる可能性はありますが...

今の状況では、「演奏・録音共に優れた20世紀後半(960年代以降)のアナログ名録音」が「お宝の宝庫」として再度見直されることになるでしょう。

参※91)当サイト内関連記事 可変低域補償技術 " progressive bass boost compensation technology "の開発を! はこちら。


 

公開:2021年10月 7日
更新:2021年10月 7日

投稿者:デジタヌ


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