『旅するタヌキ』狸穴ジャーナル別冊

恩賜講堂/河内長野市内観心寺施設《文化財音響Navi》

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河内長野市・観心寺にあるプレミアムコンサートホール!

嘗て地域きっての観光地として賑わった河内長野市・観心寺にある施設。宗教施設以外の純和風木造講堂としてはおそらく府内最大の「講堂」。昭和天皇即位の大礼のメインホール(パビリオン)としてに京都御苑内に建築され、その後観心寺に移築され改修をうけて戦前・戦後を通じ各種式典や拝観者の休息場として戦後の復興期まで利用されていたが...

恩賜講堂のあらまし

(公式施設ガイドはこちら

2017年5月19日重要文化財に指定される。

恩賜講堂は、昭和3年に行われた昭和天皇即位の大礼(たいれい)の際に、京都御苑内で建てられた大饗宴場(だ いきょうえんじょう)の下賜材を再利用して、同5年に観心寺境内に建てられた建築物です。設計は大阪在住の 建築家の池田(いけだ)谷(や)久吉(ひさきち)が行っています。内部には広壮な一室の講堂があり、有職(ゆうそ く)文様(もんよう)が描かれた二重(にじゅう)折上(おりあげ)格(ごう)天井(てんじょう)、シャンデリアといっ た下賜材が室内を華やかに彩っています。<河内長野市教育委員会ふるさと文化課資料より引用>

恩賜講堂のある大阪府河内長野市とは

※タウンヒストリアはこちら

河内長野市


河内長野市、は中核都市に指定されており大阪難波駅から27.1km速達列車(急行)で27分と大阪にしては都心部から遠いベッドタウンではあるにが、近接している和歌山県橋本市の林間田園都市駅から15分(330円/約12キロ)の好立地を活かし、峠を越えた、南海高野線沿線の中心都市となっている。

推計人口、103,950人/2018年4月1日

河内長野ー南海難波 28分/¥550/南海高野線/27.1km

河内長野ー(難波)ー(新大阪)ー品川 3時間39分/¥15,280- /南海-大阪メトロ-新幹線

恩賜講堂 のこれまでの歩み

1928年(昭和3年)昭和天皇即位の大礼(たいれい)の際に京都御苑内に大饗宴場(だ いきょうえんじょう)として建築される。

1930年 観心寺境内に移築。

2017年5月19日重要文化財に指定される。

観心寺・恩賜講堂のロケーション

ところ  大阪府河内長野市寺元475

観心寺へのアクセス
鉄道・バスなどの公共交通
徒歩もよりの駅

※三日市町駅からは観心寺行きバスはありません!

南海高野線「三日市町駅」から東へ3km

・タクシー乗り場は、河内長野駅・三日市町駅前共にあり

バス停

南海高野線及び近鉄長野線「河内長野駅」発

南海バス南海バス小深線・金剛山ロープウェイ前行「観心寺」バス停下車徒歩5分

マイカー利用の場合

バス停南、山門前に駐車場があります。

※山門前駐車場1は大型バスのご利用はできません。

バス停南は乗用車50台・山門前は乗用車100台駐車可能。

通常無料(※大晦日・正月のみ有料。500円)

音響面から眺めた恩賜講堂のデザイン

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

恩賜講堂

(公式施設ガイドはこちら。)

普段は閉鎖され資材倉庫?に

河内長野市教育委員会文化財保存課の資料で中の様子を確認できたので今回記事として取り上げた。

小生が訪問した一般拝観日に当たる当日も、いつも通り恩賜講堂は閉ざされたままであった。

フロアー構成

1フロアーの宴会場スタイルの板床平土間ホール

観心寺伽藍の西奥の外れに霊宝館と並んでひっそりと佇んでいる。

普段は締め切られ、内部は非公開となっている。

元々昭和天皇即位の大礼(たいれい)の際に、京都御苑内で建てられた大饗宴場(だ いきょうえんじょう)として建造された経緯から、寺院の講堂形式ではなく、和洋折衷の大宴会場と言ったいでたち。

アピアランス

外観は、京都御所の他の建物に溶け込むように、正面に7本のエンタシスの柱を配した立派な濡れ縁が回りを囲む平屋入母屋つくりの宮殿様式?の建物である。

豪華な天井

何といっても、2段に折り上げた凝った作りの格天井(※1)が売りで、中央の1段と高いヴォールト部分に3基(当初4基、1基損失)のシャンデリアが吊るされている。

高さ3件間口12間奥行き10間のホールに奥行き2間の控えの間(準備・配膳室)が備わった全体として12間(約22m)四方の屋内と1間幅の回廊(濡れ縁)を持つ豪壮な建物である。

メインフロアー壁面

側壁は壁紙で表装された土壁が主で、ホール正面には木製の観音扉が2か所配され、側面は板ガラスのガラス戸が同じく2か所ずつ配され、正面右側奥の準備室にもガラス戸が設けられている。

各出入口は高さが1.5間(約2.7m)あり下部壁面状の梁の上部にさらに梁が設けられ扉上部に欄間が設けられている。

欄間のある中層部壁面の要所には4間毎に装飾壁面灯が取り付けられている。

プロセニアムと御座

ホール正面左に高さ約90cmの間口1間幅の観音扉つきの御座が設けられている。

総評

良好な環境

周囲は夏場も涼しい谷あいのヒノキ林に覆われた山麓にあり、夏場の夕刻からトワイライトに包まれた同講堂の回廊に面した3面を開け放ち、30cm程度の高さのポータブルステージ(1.9mx95mx30㎝)5枚程度の仮設ステージを組み、スタッキングチェアーを並べれば、室内楽のコンサートが開けるであろう。

セミオープンの講堂コンサートなどに利用できる。

観心寺の施設有効利用促進と地域振興のためにも、是非前向きにご検討いただきたい。

場合によっては河内長野市・観心寺2者間で協議の上、施設を河内長野市に所有権保留で未期限無償貸与し公益財団法人河内長野市文化振興財団に施設管理を委託しラブリーホール(※ホールNaviはこちら)と一体運用を図っても良いのでは?

再利用には大改修が

普段は閉鎖され、未使用の施設なので、保存状態が悪く、安全に使用するには相応の改修が必要であろうが、河内長野市の補助金と観心寺に対する一般の浄財で改修すれば、地域きっての和風の銘講堂となるであろう。

前途したように、資材倉庫?として使用され長年放置されているらしく、痛みが激しいように見受けられ、特に床面、壁面の大改修が必要と想われる。

しかし、パビリオン建築にしては立派な作りだけに、このまま朽ち果てさすには忍びないような気がする。

夏場の能舞台同様の開放利用を前提とした建物改修の進め

壁面は壁土と壁紙の表装を基本としているが、周囲は前途檜林となっており、「自然の防音林」となっており、場合によっては壁面からの直接反響音(※2)を軽減する意味合いからも、正面・両側面の3面を開放できるように部分的に壁面を撤去し、「鎧戸」の木製パーティション(雨戸)に換装し、濡れ縁周囲にも同様の「鎧戸」を設けた2重構造とし風雨を避ける一方で、3方フルオープンの屋外能舞台風に改装したほうが音響的には優れていると考えられる。

冬季の利用について

冬季は、前途2重の鎧戸を締め切り、屏風などでホール内周を囲めば、定在波・初期反響どちらにも効果が期待でき、室内楽や独奏楽器のリサイタルでは府内極っての評判を呼ぶホールとなるであろう。

又、床面(床下)暖房を効果的に利用すれば、暖房については心配は無い!

床面改修

床面は場合によっては全面張替え、天井の補修、「控えの間」との間の「板戸の改修」等、宗教法人と教育委員会でよく話し合い、最良の補修・保存策を模索すれば、全国的にも例の無い常設の「和風コンサートホール」として現代に蘇ることが可能であろうし、そう願いたい!

電力設備の設置

現在電灯線直接引き込みの甚だ貧弱な電力設備であるが、前途のように夏場の開放使用を念頭に置けば空調設備は考慮しなくて済むが、照明、映写、音響用途に絞っても電力環境が甚だ心許ない状況なので、100kw・h程度の屋外設置キュービクル設備は必要であろう。

駐車設備も完備!

駐車設備が整っており、100名程度のプレミアムホールとしてなら、マイカー・シャトルバス併用でアクセス面でも問題はない!

恩賜講堂の施設データ

  • 所属施設/所有者 宗教法人観心寺。
  • 指定管理者/運営団体 宗教法人観心寺。
  • 開館/竣工   1930年
  • 設計 池田谷 久吉 
  • 施工 池田谷 組

ホール様式

講堂様式

  • 建物  間口12間(約22m)奥行き12間(約22m)延べ床面積約484㎡
  • ホール内 間口12間(約22m)奥行き10間(約18m)延べ床面積約396㎡(約217畳)最後部高さ3.5間(約6.4m)

※参照覧

※1、格天井 についてのコトバンクの解説記事はこちら

※2、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

 

公開:2019年4月12日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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