『旅するタヌキ』狸穴ジャーナル別冊

浪切ホール/岸和田市立 《ホール音響Navi》 

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Official Website https://namikiri.jp/

浪切ホールのあらまし

2002年4月に岸和田市市制施行80周年に合わせて開館した。小ホール、多目的ホール、交流ホール、祭りの広場、会議室、研修室ほなどなどを備えた総合文化施設。

「岸和田の歴史的伝統を木造軸組のイメージを通して表現した外観デザイン」採択され、施設の屋根部分がだんじりの屋根の形を模しているのが特徴。

岸和田市立浪切ホールのロケーション

ところ 岸和田市港緑町1丁目1番地

岸和田市と周辺にある観光スポットについてのトリップアドバイザーの 口コミ ナビはこちら。

岸和田市立浪切ホールへのアクセス

最寄りの駅  南海本線岸和田駅から徒歩12分

岸和田市立浪切ホールがお得意のジャンル

大ホール

 オーケストラコンサート、バレエ、ミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショーまでジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

小ホール

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

岸和田市立浪切ホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら

施設面から見た岸和田市立浪切ホールの特色

(公式施設ガイドはこちら

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

大ホール

(公式施設ガイドはこちら)

日建設計・大林組・中外テクノスによる、会心の作。

2階桟敷はもちろん、1階桟敷、3階桟敷、更には昇降式本花道、折上小組格風天井など本格的なモダン芝居小屋スタイルの客席部。

ふんだんに木材を使った内装

中外テクノスお得意の木工技術の粋を活かした床・天井まで含む全面木材による内装。

客席周辺壁はアンギュレーションを持たせた木質パネルで表装されている。

大向う壁面はホール内に「可動型横格子引き戸」を設けた、音響スクリーンで表装された吸音壁。

側壁3階部分にはキャットウォークテラスを配している。

2階、中3階、3階テラスの前方に剥き出しの照明コラムをj配した流行りのデザイン。

ホール側壁から丁寧に折り上げられた組格子風の天井反響板が設えられている。

可動プロセニアムももちろん木製!

プロセニアム上縁前部に折り上げられた音響装置がおさまっている。

和風テイストのコンサートホール!

和風テイストで有りながら、可動プロセニアム、反響板により、シューボックスコンサートホールとしても群を抜く音響特性。

ホール音響評価点:79点/100点満点
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点14点/配点25点
  • 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点11点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

総評

ちと収容人員を欲張ったようで...。それにしても素晴らしいホールではある。

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害席数;0席

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数6=19点

初期反射障害1壁面障害 102席(26席/1Fテラス、38席/2Fテラス、38席/3F大向う)

初期反射障害2 天井高さ不足 278席(126席/1F大向う、152席/3F大向う、)

重複カウント ;ー38席

音響障害席総計;342席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数6=14点

眺望不良席数;0席/1F平土間中央部座席

音響不良席その1;定在波障害席0席

音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 102席(26席/1Fテラス、38席/2Fテラス、38席/3F大向う)

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 278席(126席/1F大向う、152席/3F大向う、)

重複カウント ;ー38席

音響障害席総計;342席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

小ホール

(公式施設ガイドはこちら)

こちらも内外テクノスご自慢の、格子壁により「壁面からの初期反響(※1)」を押さえ込んでいる。

ホール周辺壁面は塗装仕上げの一般建築用石膏ボード。手前ホール内に縦格子を配している。

大向う背後壁面は音響スクリーンで表装された吸音壁を客席サイド壁同様に縦格子で表装している。

大向う上層部は、天井まで至るホール内に張り出した調整室で同じく縦格子で表装された塗装仕上げの合板。

天井は波板(コンクリート屋根捨て枠)剥き出しの流行りのデザイン

2階フロアS-相当部分の側壁には調整室両翼から伸びたキャットウォークが巡らされ、同じく最上層階に当たる部分にもキャットウォークが巡らされている。

サイドプロセニアムは木質パネルの搖動タイプ。

上部可変プロセニアムは音響スクリーンで表装された吸音構造(で残響をコントロールしている。)

可動プロセニアムにより、シューボックス型ホールとしても機能するデザイン。

16列の可変段床(※2)でステージ構成を変更することが可能。

ファッションショーなどの多様な催しに対応している。

ホール音響評価点:50点/100点満点
§1 定在波」対策評価;得点16点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点20点/配点25点
  • 木質パネル等持ち点25点から硬質壁在持ち点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点を減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点10点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点4点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

総評

格子は、初期反射低減(※1)には効果があっても、定在波対策にはなりません!定在波対策の基本はスラント壁か、アンギュレーション壁しかありません!

1)さらに付け加えるなら「まやかし物の残響調整装置」(※2)では高周波(残響)は吸収できても、定在波(低周波(※3))は吸収できません!)

2)重低音(定在波)は圧力波であり、ご自分の耳を想像すればお判りでしょうが、狭所でも入り込みますが、反射の原理で1/2波長、から以下の反射面(巾)からは反射しません(※1/20波長でも一部は反射します)、したがって縦桟で表装した程度では、高周波は散乱しますが、重低音(定在波)は、奥の平面で反射し、対抗する壁面との間で定在波が発生します。

フロアー面から1.8mの高さ(概ね出入口ドアの高さ)でよいので、次回改修時には、両側壁間際席を撤去して、低層部のみ内傾スラント壁と上部に装飾梁を追加すれば音響特性は見違える(聞き違える?)ように改善されるでしょう!

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=配点25点ー障害発生エリア数3=22点

定在波障害席数;76席(38席/中央部、38席/壁際)

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数2=23点

初期反射障害1壁面障害 38席

初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;38席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

眺望不良席数;20席/1F中央部かぶりつき2列

音響不良席その1;定在波障害席数;76席(38席/中央部、38席/壁際)

音響不良席その2 ;初期反射障害1壁面障害 38席

音響不良席その3 ;初期反射障害2 天井高さ不足 0席

重複カウント ;ー38席

音響障害席総計;96席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

岸和田市立浪切ホールの施設データ

  1. 所属施設/所有者 岸和田市立浪切ホール
  2. 指定管理者/運営団体  南海・TVKグループ/岸和田市。
  3. 開館   2002年4月
  4. 設計  日建設計
  5. ゼネコン 大林組
  6. 内装(音響マジック) (株)内外テクノス

大ホール

ホール様式

プロセニアム型式多目的ホール。

客席仕様

3スロープ3層3(客席配置図・座席表はこちら)


収容人員1558席、フローリング、残響可変装置、

内訳
  • 1階固定席X769席、1階(オーケストラピット部可動床可動席X?席)車椅子用スペースX8台、1階テラス席(桟敷席)X62席、1階平土間中央部千鳥配列、
  • 2階席X356席、2階テラス席(桟敷席)X70席、
  • 3階席X265席、3階テラス席(桟敷席)X22席、

舞台設備

  • 舞台仕様 プロセニアム形式(平面図はこちら断面図はこちら)
  • 可動プロセニアムアーチ:間口約18~21.6m、高さ約7.2~12.6m、)ステージ高さ;FL+約90cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約26.75m、バトン類高さStL+約?m、照明(ブリッジ);4本、美術バトン;21本

  • 反響板設置時;プロセニアムアーチ:間口約21.6m、高さ約12.6m、ステージ高さ;FL+約90cm、
  • 拡張舞台(エプロンステージ);可動床・可動客席(客席ユニット・ワゴン床下収納システム)4演奏面レベル設定;StL ー約?m~+0m、
  • 舞台機構1 ;奈落、大(道具)迫り、
  • その他の設備 電動昇降式本花道、
各種図面,備品リスト&料金表

小ホール

脇舞台付き平土間多目的イベントスペース

客席仕様

1フロアー、

  • 48面分割可変段床設備(アダプタブルステージホール・客席平面図はこちら。)
    1. 巾約3.6mX奥行約1.8mX48面、
  • 収容人員288席、
    • 内訳;1階固定席X286席、車椅子用スペースX2台、48面分割可変段床
    • フローリング、残響可変装置、
舞台設備
  • 舞台仕様 プロセニアム形式(平面図はこちら断面図はこちら
  • 可動プロセニアムアーチ:間口約9.445~11.88m、高さ約4.5~7.2m、)ステージ高さ;FL+約90cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約?m、バトン類高さStL+約?m、照明(ブリッジ);3本、美術バトン;5本
  • 反響板設置時;プロセニアムアーチ:間口約11.88m、高さ約7.2m、ステージ高さ;FL+約90cm、

付属施設・その他 

館内付属施設 

館内施設配置図:1Fはこちら2Fはこちら4Fはこちら、)

(※多目的ホール、交流ホール、会議室、研修室、練習室x4、スタジオx4、和室x2、食の交流室(料理教室)、レストラン等。)

施設利用ガイド

デジタヌの独り言

回り舞台が欲しかった!

残念なのは、ここまで和風テイストにこだわりながら、回り舞台、道具迫りがない点。

これだけの丁寧な造りは「歌舞伎公演をし無い」事で有名な大阪新歌舞伎座より余程上質なのに...。

※参照覧

※1、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

※、「都市伝説・良いホールの条件"残響2秒以上"は本当か?」はこちら

※2、現代の3大迷発明!「からくり小屋列伝」はこちら。

※3、定在波の悪影響に関する解説記事はこちら。

※、関連記事「音の良いホールの条件」はこちら

 

公開:2017年9月29日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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