狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

マエストロ 対決《 G・マーラー 交響曲全集 Navi》第1章

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小生に限らず日本には多くのマーラーファンがいて全てのファンが「一過言」を持った立派な音楽評論家!ですが...

「オーディオ・マニア」の観点に立ち現在入手可能な全集物を全5回に渡りシリーズで取り上げてみました。

前書き DECCA vs D.G

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第1回として "エイ(良い)デッカ"録音を代表してマエストロ 「サーG・ショルティ」そして D・G(ド頑固職人?)録音を代表してマエストロ「 C・アバド」 両故人に"復活?"いただきました。

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《 G・マーラー 交響曲全集 Navi》の総合目次

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前章 レーベル対決

小生に限らず日本には多くのマーラーファンがいて全てのファンが「一過言」を持った立派な音楽評論家!ですが...

第2章 作曲もする3人の指揮者の残した全集

作曲家兼業組?の指揮者の振るマーラーは少し毛色が異なっている...

第3章 最新録音?盤対決

今回はディジタル録音の開祖・老舗DENONレーベルとハイファイ録音の老舗DECCAから発売されている最新版について取り上げてみました。

第4章 レニーの残した2つの全集

レニーは第2回で案内したCBSに残した全集とDG移籍後にライブ公演に基ずいたあらたな全集の2つのマーラー交響曲全集を残していますが...

第1節 サー"G・ショルティー"

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マーラーといえばこの人"マエストロ・サー・G・ショルティー"

シカゴ交響楽団  1992年2月DECCA新譜

マーラーの全曲盤といえばこの人G・ショルティーを外すわけにはいかないでしょうが、生前この人は長い付き合いのDECCAの看板スターでもあり、特に力の入った録音が数多く残されています。

バーンスタインほどではないにしろこの人も多くの団体と再度の録音を行っており、現在DECCAレーベルから全集として発売されているBOXはシカゴ交響楽団と録音しなおしたもので以下の曲が収録されています。

※レベル補正値-2dB

1. 1983年10月 ディジタル録音 交響曲第1番ニ長調「巨人」
2. 1982年 ディジタル録音 交響曲第2番ハ短調「復活」
3. 1982年 ディジタル録音 交響曲第3番ニ短調
4. 1983年 ディジタル録音 交響曲第4番ト長調「大いなる喜びへの賛
5. 1970年 アナログ録音 交響曲第5番嬰ハ短調
6. 1970年 アナログ録音 交響曲第6番イ短調「悲劇的」
7. 1971年 アナログ録音交響曲第7番ホ短調「夜の歌」
8. 1971年8月ウィーンゾフィエンザールでアナログ収録 交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」
9. 1982年 ディジタル録音 交響曲第9番ニ長調
10.1970年  アナログ録音  交響曲 「大地の歌」
11.1970年 アナログ録音  歌謡曲「さすらう若人の歌」
12. 歌謡曲「大いなる喜びの賛歌」

いずれも2000年以前の録音で、脂の乗り切った壮年期の録音といえます。

また1970年代のアナログ録音機(多分スチューダー)+DolbyNRで収録された一連の作品はADD(※1)処理されて、名盤中の名盤として支持を得ているものです。

しかし各作品を聴けばお分かりのように、2000年以前のDECCAでは米CBSの影響を受けて?か「音響衝立+マルチマイク+マルチトラック録音」で割と「業とらしい音場デザインとsolo楽器強調」で、当時の一般人のハイファイ環境を強く意識していることがうかがえます。

例えば、「復活」でも初回録音のL.S.O.との共演時ほどの「逓減誇張」は見られなくなっていますが、(50Hz以下の)重低音強化による広帯域化と同時に、ソノリティーに変化がみられて、いますが、結構Soloパートの誇張は残っています。

特に小生の大好きな3番の第3楽章では、別項でも取り上げましたが、この部分は現在主流となっているCBSがバーンスタインとN.P.O.でアナログ録音した1961年4月の録音で編み出した、NRのない時代当時としては「極限(-45dB 以下)のpppp」でのVn伴奏を背景にステージ裏のポストホルンsoloを低録音レベル(-35~-30dB)で配する手法」とは異なり-50dBスタートで、ハーセスのポストホルンソロが-40~ー25㏈程度と2000年以降に発売されたdeutshe Grammophonをはじめとする他レーベルのCDに比べて幾分クローズアップ傾向となっています。

参※1)AAD、ADD、DAD、DDDといった表記に関するWikipediaの解説はこちら。

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第2節 クラウディオ・アバド

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1933年6月26日生まれ - 2014年1月20日没

2014年Deutsche Grammophon新譜 11枚組 輸入盤

※レベル補正値-6dB!、以下年度は新譜発売日

1. 1983年10月 ディジタル録音 ベルリンフィル 交響曲第1番ニ長調「巨人」

2. 2004/11/25新譜 ディジタル録音 ルツェルン祝祭管弦楽団 交響曲第2番ハ短調「復活」
3. 2002年 ディジタル録音 ベルリンフィル 交響曲第3番ニ短調
4. 2005年 ディジタル録音 ベルリンフィル 交響曲第4番ト長調「大いなる喜びへの賛
5. 1993年 ディジタル録音 ベルリンフィル 交響曲第5番嬰ハ短調
6. 2005年 ディジタル録音 ベルリンフィル 交響曲第6番イ短調「悲劇的」
7. 2002年 ディジタル録音 ベルリンフィル 交響曲第7番ホ短調「夜の歌」
8. 1995年 ディジタル録音 ベルリンフィル 交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」
9. 2002 年 ディジタルライブ録音 ベルリンフィル 交響曲第9番ニ長調

この人もマーラーに魅了された指揮者の一人で、マーラー演奏を語る上では外せない一人です。

この全集以外にもシカゴ交響楽団、ウィーンフィルとの多数のセッション(いずれもDeutsche Grammophon)が残っています。

いずれもディジタル録音世代の録音です2002年以前の作品は、いわゆるDAD処理されたアナログマスタリング処理のもので、2002年以降の24bitディジタル伝送マイクロフォンによる、一連のフルディジタルプロセス処理とはオーディオクオリティーが違っています。

特に小生の好きな第3番・第3楽章では、フルディジタルならではの広大な「ダイナミックレンジを生かして」16bit記録CDいっぱいいっぱいの-56dbB付近からスタートして、-45dBから-40dBというブーレーズ盤同様の低レベル録音でポストホルンソロを収録していて、素晴らしいの一言です。

ブーレーズ盤同様にDeutsche Grammophon盤はPeakレベルが-6dBと余裕をもって収録されており、そのまま聞くとより一層静寂感が強調されます。

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公開:2020年4月10日
更新:2022年9月30日

投稿者:デジタヌ


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