狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

連載『ホームシアター構築講座』ー第12回ー

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一般家庭リスニングルームの落とし穴!...方形ルームで起こる定在波と簡単な対処法

ご近所迷惑な"爆音公害!"

「防音や防振」に目を向ける以前に...

一般家庭では実現不可能!な「防音や防振」に目を向ける以前に、

最近の洋風?「方形ルーム」にスピーカーシステムを設置して真正面でリスニングすると、

"釣鐘現象"(サウンドキャンセリング効果)が生じて、「ボリューム」を上げすぎる傾向となり、近所迷惑(騒音公害問題!)が生じやすくなることに生じやすくなることに、

"耳(目)をむけて注意を払うべき"!でしょう...

★第2項 対抗壁面の反射を和らげるいくつかの方法

セレブなお金持ちの方は、後述するように、対抗壁面を並行させないフロア形状や、壁面をスラント設置(外反or内傾)して「分厚い音響カーテンで壁面を覆えば」この問題は小さくなります!

次項に示す帷子(かたびら)反射板では、床用のブロック・カーペットや発泡スチロール+クロスで表装すればかなりの効果が得られます。

(※小生は、段ボール+100均発砲ポリスティレン板で代用していますが、共に可燃性なので危険でもあり、一般のご家庭では石膏ボード(合板裏打ち)+発砲スチロール+難燃性カーテン生地の組み合わせ表装のご使用をお勧めします。)

セオリー1 等ラウドネス曲線を応用した帷子(かたびら)反射板の効果

※画像をクリックすると拡大できます。

laudness_curve.jpg

Lindosland - http://en.wikipedia.org/wiki/Image: Lindos1.svg より引用

図のように、人の耳は、音圧(音量)が小さくなると低音(bass)と高音域(treble)で感度が極端に悪くなります。

これを逆補正した音圧等価手法が等ラウドネス曲線です。

ご近所迷惑対策は...

ご近所迷惑な『騒音源』と考えた場合には、フォルテッシモの時の"騒音"が迷惑になるわけで、

逆に言うとこの時の絶対音圧(音量)を小さく設定できれば、

通常のメゾピアノ以下の音量では問題がない!わけです。

そこで、大音量時に冒頭で述べた「釣鐘現象によるロス」を減らして、

比較的小音量でも「迫力ある音響」が得られる手法が帷子(かたびら)反射板です。

※クリックすると拡大できます。

sound_board_setting02.jpgのサムネイル画像

等ラウドネス曲線からも明らかなように、

騒音として感じられる80dB以上では、500Hz以上の音が問題となりやすいので、この帯域の釣鐘効果に的を絞ります。

つまり28℃での音速348.6m/secでの半波長;約35cm角(または幅)の帷子構造の反射板を壁面に取り付けます。

500Hz以下の帯域については後述する定在波対策が利用できますから、

中高音域に的を絞った帷子反射板はこのサイズで十分です。(※4)

こうすると、ア~ラ不思議!今までよりも小さなvolumeツマミ設定で、大迫力が堪能!できるようになります!

最近フェスティバルホール(※5)などでも見かけるようになった、"帷子壁面"はこの手法を応用したもので、4000人近い収容力をもつ巨大ホールの隅々まで迫力ある「オーケストラの響き」を行き渡らせている!のです。

参※4)当サイト関連記事 指向角 と 音の反射《 建築音響工学の基礎知識 》はこちら。

参※5)当サイト関連記事 フェスティバルホール 《 ホール 音響 ナビ 》へぼ楽師?の実地見分レポートはこちら。


 

公開:2014年11月14日
更新:2024年3月 6日

投稿者:デジタヌ


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