連載『ホームシアター構築講座』ー第7回ー
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過大な初期反響(※81)と定在波(※82)を抑え込めれば、
現在)(お部屋の問題で)能力の1/100?すら発揮できていないご自慢のオーディオシステムを、最大限に生かす環境造りが目指せます。
参※81)当サイト関連記事 過大な初期反響の緩和・回避策はこちら。
参※82当サイト関連記事 定在波はこちら。
部屋中の初期反響を低減!して、
並行面を無くして、定在波(の発生を)抑止する!することが肝要です。
第1目 使用機材(調度)
- 障子、襖、屏風などの和装表具
- オープン書棚の活用
- 公開技術 音響ボード
配置は参考図をご覧いただくとして、スピーカー背後壁面に襖 or 屏風を配置して、
リスニングポイント背後壁、及天井には「反響板」を設置!
両側壁は、和紙を用いた障子・襖を配置して、♥和室ふうに仕立て直すことです。
床面には毛足の長い絨毯を敷き詰めることをお勧めします。
以下のコンセプトに沿っての改修法を提案したコラムです
1)一般家屋での音響改善!
マンション・一戸建ての、一般家庭の"洋間"を対象とします。
2)音響改善に絞る!
防音は対策は別建てとして、一般的な民家・集合住宅における音響改善を目的とします。
3)良質のブックシェルフスピーカー+サブウーファー
良質のブックシェルフスピーカー+サブウーファーシステムを前提とします。
4)改装コンセプト
- ●スピーカーシステムの能力(性能)を最大限に引き出す!
- ●音響空間設計エンジニア(ミキシングエンジニア)が意図した音像・音場の再現を目指す。
- ●ヘッドホン聴取と大差ない余分な付加物の無い"トランジェント"の良い高高忠実度再生を狙う。
- ●構造物事態を変更するような大掛かりな改築ではなく、室内調度の追加で最良の環境構築を目指す。
回り込んだ音を、出来るだけ反射させない「音響インピーダンス」の小さい、素材が要求されます。
"コンサートホールとリスニングルームとの違いはここにあります!
最も優れている身近な建材は「紙様!」(※31)。
つまりは襖、屏風です!、実用的には日本古来の表具、屏風・襖を背にするのがお手軽改装となります。
参※31)当サイト関連記事 天井や壁面は木材等の軟質・軽量素材で、内壁面に硬質重量材は禁物!はこちら。
側壁面は
出来れば、壁面を全面オープン書棚に改装して、
サイズの違った書籍(文庫本・百科事典などなど)をびっしり"はめ込む"事ですが...
中々難しいので、厚手の耐火カーテン使用が簡単でしょう。
反後壁も同様に音響インピーダンスの小さい音圧反射率の小さい壁材を、
「大胆にスラント」させて、スピーカーやスピーカー背後壁面との完全並行を解消して、定在波の発生を抑制することが肝要となります!
スピーカー背後同様に襖・屏風でも構わないのですが、
強度的な問題があり重低音定在波に耐える必要上、別項に記した音響パネル(※31)を考案しました!
(※)特許申請していませんのでご自由にお使い(D.Y.に挑戦して)ください!
図のように配置すれば、リスニングポイント(耳孔)付近の定在波は、ほぼ完全に防げます!(但し絨毯を敷き詰める条件で、フローリング、ビニタイル張りでは効果は損なわれます!)
参※31)当サイト関連記事 《 Do It Your self... 》マイホーム用『音響改善反響パネル』はこちら。
ラウドネス等価と35cm幅の背面サブ反響板の効果について
人間の聴覚はラウドネス等価といって、音声帯域(※41)の中心点1kHz の音に一番感応するようになっています、更に我慢の限界である100㏈でも重低音は-30㏈(約1/30)も小さく感じてしまいます、更に聞き取り最小レベルの0dBでは実にー80dB(10万分の1!)迄感度が落ちてしまいます!
そこで、この1Khz以上の音波の反射を抑制して、スピーカーからの音波との干渉を緩和すれば、釣鐘現象効果(※42)を緩和出来てアンプのボリュームを上げなくてもリスニングポイントでの「音量・明瞭度」共に確保できるわけです!
※参41)音声周波数帯域とも言われ楽器や肉声の基音となる300~3400Hzの低・中音域を指します。ちなみに電波法のAM放送の公称伝送帯域は100 Hz~7,500 Hzです(実際には50Hz程度から12kHz程度は伝送できています。)関連記事「音の良いフルレンジスピーカー列伝」はこちら。
参※42)当サイト関連記事 『ミステリースポット』とよく似た現象『釣鐘現象』はこちら。
1)空気中を伝わる音波は/2波長以上の幅を持つ"反射面"ではほぼ100%はぼ完全に反射します!
音声周波数帯では、石膏ボードなどで区切られた「軽量鉄骨」の集合住宅でも、「お隣の会話」が遮音されているのはこのためです。
しかし重低音(低周波振動)が遮断できないのは、振幅が大き!すぎて壁面、床面、天井が共振を起こして、壁の向こう側迄伝わってしまうからです!
音響反射板の効果!とは...
この特性を利用して、図に示したようにベニヤ板で裏打ちしただけの35㎝幅の発泡スチロールの薄板でも、1kHz以上の音波なら簡単に散乱反射させることが可能です!(※72)
参※72)評判の高いコンサートホールの側壁に35㎝~40cm角の反響版を設置してあるのはこの為です!
音速348.6m(20℃1013mb)として
波長λ=音速/周波数 なので 1kHzでは約0.348m!
実際には、1/2λからも全反射するので、500Hz以上の音声帯域の音は、この反響板で全て思いの方向?に反射させることができます。
但し指向角θ0(ゼロ輻射角)≒70°Xλ/D(反射板幅)なので1khzの指向角は法線の両側70度。
500Hzでは90度以上つまり球面波に近い状況となるわけですが、その分散乱による減衰と、表装(和紙+発泡スチロール)の音圧反射率が小さいので、「垂直の打ち放し壁」に比べて桁違いに反射音圧は小さくなります。
更に1.8m 幅(パネル2枚並列)の本体音響パネルがスラント設置されているので、
1/2波長が1.8mに当たる約96.8Hz以上の音は背後パネルの傾斜角に応じて反射されるために、
6畳の壁面間1.5間(2.7m)で生ずる基定在波約130Hz、と1.5波長194Hz、2波長258Hz等の高次定在波成分(※43)も抑制できます!
結果,周波数特性の"時間的乱れ"が無くなり心地よいサウンドとなります。
参※43)当サイト関連記事 定在波成分は倍音列でも生じているはこちら。
短辺(2.7m)側壁がガラス戸の場合は、カーテンを分厚い耐火防音カーテンに変更
すれば、改善できます!
入り口(廊下側)の壁面は、建具屋さんに「和紙張りの障子」を特注して「短辺いっぱいいっぱいに」設置すればよいでしょう。
「入口ドア」も撤去できれば、さらに音響(音質)改善につながります。
公開:2014年11月14日
更新:2024年3月 5日
投稿者:デジタヌ
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