狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

連載『 ハイレゾオーディオ High resolution とは...』ー第6回ー

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★結節 ハイレゾでなくても実用上十分な一般家庭向けディジタルメディアの物理特性

ハイレゾでなくても現状のサンプリングレート44.1KHz、16bit量子化CDで十分な理由とは。

第1項 スピーカー再生では必要にして十分な周波数帯域

現状のCDはDC~20kHz(-3dB)の周波数帯域があり健常者の可聴帯域(20~20khz)を完全にカバーしています。

(実際には前出の諸事情で20Hz以下の低周波振動は20dB/octの急峻なサブソニックフィルターを通してカットされています!)

FM放送の公称帯域は19khzのステレオパイロット信号とのからみで公称値50 Hz~15,000 Hz、/-3dB(実質でも25~17Khz/-10dB程度)。

「さらにダイナミックレンジ」についてはプリエンファシスと称してpeek-40dB程度に圧縮されています!(FM受信機の性能がせいぜい70dB程度のため)

GoogleのYouTubeをはじめとする音楽WEB配信では回線に負荷をかけないように「高域は16kHz」までとして「20dB/oct」のフィルターでシャープにカットしています!

つまり「ハイレゾ契約」でもしない限りは16Khz以上の音は聞けない訳です...。(※3)

が実際上は全くと言っていいほど問題はなく普通の人がハイレゾヘッドフォンで聞き比べても「オリジナルのCDコンテンツ」と区別はつきづらいでしょう!

つまり、ハイレゾは「32bit」量子化の広大なダイナミックレンジとS/N確保に意味があり、「周波数帯域」は「折り返しノイズ」(ディザノイズ)(※0)を可聴帯域外に追い出すためだと言い切ってもよいでしょう!

参※3)Googleが関与していないWEB音楽配信では16khz以上も配信されています!

第2項 32bit量子化ハイレゾメディアは一般人には「猫に小判?

  • 24bit;8,388,608step≒138dB(実ダイナミックレンジ18bit;約102dB)
  • 32bit;2,147,483,648step≒186dB(実ダイナミックレンジ26bit;約150dB!)

現状CDの持つ54dB以上のダイナミックレンジは一般人の再生環境(住宅環境)では「無用の長物!」です!

一般家庭のリスニング環境では騒音問題が最大の障壁になります

一般の住宅環境では、幹線道路から外れた住宅地でも中間の室内環境騒音40dB、小生が唱える「ソノリティーを保った芯のある弱音」が耳をそばだてて聞こえるように+3dB(実数比1.17倍)にvolume調整したとして、現在のCDの標準ダイナミックレンジ(飽和レベル)54dBを加えるとMAXはなんと97dB!つまりもうこれは"騒音レベル"に達してしまいます!(次項で詳述)

但し通常音量(mp,mf程度)はー30dB程度、最弱音部で-54dB,鳴り物無しの全奏(tutti)強奏ff(フォルティシモ)部分でー10dBさらに鳴り物が加わってー5dB、それ以上のバスドラムなどの"大物"が加わってからはさらに「リミッター」が重乗されてレベル飽和が起こらないように"マスタリング"されています。

つまり騒音計では通常の強奏ff(フォルティシモ)部分でも43㏈+54dB=97dB程度!?におさまるようになっています、それにしても...???。

いずれにしろ始終「うるさく鳴り響いている!?ポップス系」とは違い、「上品な?クラシック音楽」ではPeek時でも騒音レベルで室内97dBは常人の"許容レベル"に収まっており???むしろそれが「迫力」につながっているわけです。

しかし、それ以上は必要なく、最弱音がMax飽和レベルPeekー54dBのときにS/Nが36dB(実数比1/63)以上確保されていれば、騒音計実測で43dBの音量でも環境騒音に隠れて「ノイズ」としては認知しない訳です!(※11)前途したようにCDは総合S/N 90dBあり-54dbの最弱奏時でも楽音比で36dB(実数比63倍)が確保されているのでヘッドフォンで聴取したとしても聴感的にはノイズ"0"に近い状態できれいなピアニッシモが聞けるわけです!

それにしても、ヘッドフォンでの聴取(※21)ならいざ知らず、スピーカー再生では現状の「54dB以上のダイナミックレンジは不必要」で、この意味からも一般人向けのハイレゾコンテンツの必要性が疑問視されているわけです!

参※21)最終回 SONYが切り開くハイレゾオーディオの世界とは...をご参照ください。


 

公開:2020年2月 9日
更新:2024年3月 4日

投稿者:デジタヌ


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