狸穴ジャーナル・別冊『旅するタヌキ』

アルカスSASEBO 《 ホール 音響 ナビ 》長崎県 県民文化ホール

,

長崎県がバランス上仕方なく長崎市と長年対立する「佐世保市」に作った「アルカスSASEBO」。

結果的に長崎ブリックホールと並び長崎県いや九州有数の、音響を誇る2大銘ホールが誕生した。

アルカスSASEBOのあらまし

Official Website http://www.arkas.or.jp/

長崎県が設置する「県民文化ホール『シーサイドホール・アルカスさせぼ』」と佐世保市が設置する「佐世保地域交流センター」の複合施設。

大・中・小各ホールと同時通訳システムを備えた特別会議室などを揃えたコンベンションセンター。

アルカスSASEBOのロケーション

  • 所在地  長崎県佐世保市三浦町2番3号

佐世保駅北口の市街地改造エリアの北の一角。

アルファプラザ、西日本シティー銀行、福岡銀行佐世保支店、グランディアアルカスパレス、等都共に駅前中心街を形作っている。

平地の少ない、丘陵地に囲まれた海軍の町「佐世保」の地形ならでわで、住宅地から追い出された?西九州自動車道が佐世保湾とJR線の間をすり抜け、当ホールの側をかすめている。

本来はニミッツパーク辺りにあった方が環境は良かったであろう施設。

佐世保市と周辺にある観光スポットについてのトリップアドバイザーの 口コミ情報はこちら。

アルカスSASEBOへのアクセス

アクセス 

JR・松浦鉄道佐世保駅から歩行者専用道路または国道35号で徒歩3分
西肥バス・佐世保市営バス「戸尾町」下車
西九州自動車道佐世保みなとICから車で5分

アルカスSASEBOこれまでの歩み

佐世保駅の高架化に伴う周辺の土地区画整理事業の目玉として建設され、オープン翌年の2002年には佐世保市市制100周年記念事業に関連するイベントが多く開かれた。

2001年3月1日、オープン。

2011年(開館10周年)

6月26日、新日本フィルハーモニー交響楽団特別演奏会を大ホールで開催(指揮:ダニエル・ハーディング、チェロ:ウェン=シン・ヤン)。

アルカスSASEBOがお得意のジャンル

大ホール

オーケストラコンサート、オペラ・バレエ公演以外にもミュージカル、Jポップ関係のコンサートや、往年のアイドル・エンタテイナーのワンマンショウ、ジャズコンサート、歌謡ショー、懐メロ歌手の歌謡ショー、有名タレントの座長ショー、現代演劇、伝統芸能、落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンス・ショー等ジャンルに拘らない幅広い演目でこのエリアの多くの人達に受けいれられている。

またプロ演奏団体、以外にも数多くのアマチュア団体が利用している。

中ホール

ソリストのリサイタル、アンサンブルの演奏会等、小編成の室内楽コンサートなどが行われている。

イベントホール

主にセミナー、講演会、市民団体の集会、お稽古事の発表会などに用いられ、ジャズコンサート、小編成バンド、のコンサートや落語・演芸寄席、大道芸、パフォーマンスショーなどジャンルに拘らないバラエティーに富んだ催しが行われている。

アルカスSASEBOで催されるコンサート情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

施設面から見たホールの特色

※ご注意;以下※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

大ホール

(公式施設ガイドはこちら)

3層2バルコニーのプロセニアム型多目的ホール

最前列から6列までの扇形配列平土間座席部分(内5列まではオーケストラピット部)から続く緩やかな扇形段床配列座席を持つメインフロアーと両翼から前方に伸びたサイドテラス席を持つ2・3階バルコニー席で構成された3層のプロセニアム形式ホール。

客室側壁

客席低層部側壁は厚みの異なる角材をタイル代わりに張り付けた非常に凝った設えの木質プレートで表装されている。

中上層部は、ブラインド状のパネルが内傾して設置され上部に同様のパネルを水平にセットし装飾梁としている。

最上層部はプラスターボード製(※1)のプレーンな反響板となっている。

大向う背後壁面

メインフロアー大向うは、縦方向のサイズの異なる丸材を横方向に並べた木質壁。

2・3階大向うは、縦格子で表装された吸音壁?

プロセニアム

サイドプロセニアムを持たない大型の上部可動プロセニアムは、下面がステージ反響板と滑らかにつながるようにデザインされている。

コンサートホール(反響板)仕様では客席と同意匠の脇花道背後壁・下層部が閉じて、中層部壁面と連なり、変形6角堂のオープンステージコンサートホールに変身する。

天井

プラスターボード製の一体型大型反響板が全天を覆っている。

舞台設備

客席と同意匠の自走式の大型反響板がステージ背後に格納され、大型の上部プロセニアムが下がると通常のプロセニアムホールにもなる?

カラクリ好きのヤマハ?らしく、脇花道直後の中層部側壁が(ホール外に)開き側壁内部のサイド照明コラムが現れる。

ホール音響評価点:得点92点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは 基礎点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点21点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点16点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

総評

小規模ホールを得意とするヤマハ?が英知を結集し久々に挑んだ大作は、変形6角形を因みに利用し定在波(※2)とその障害(※3)を駆逐している。

数多くの6角形ホールの音響設計(音響改修)を手掛けた"ノウハウ"がいかんなく発揮された素晴らしい出来栄えである。

ということで狸穴総研・音響研究工房厳選『後世に伝えたい・真の銘ホール50選』に選ばせていただく。

算出に用いた値;

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら

定在波評価

※全壁面に角度を持たせた平面構成なので基礎点50点とした。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害顕著席数;0?席

重複カウント ;ー0席

定在波障害顕著席総計;0?席

初期反射対策評価

※客席全周が木質なので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数2=23点

初期反射障害1 壁面障害席 ;77席(48席/2階21列4番~51番全席、29席/3階14列4番~49番全席、)

初期反射障害2 天井高さ不足席;96席/2階20~21列全席、

重複カウント ;ー48席

音響障害席総計;125席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

眺望不良席数;0席/1階平土間中央部座席千鳥配列済。

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;77席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;96席

重複カウント ;ー48席

音響障害席総計;125席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

中ホール

(公式施設ガイドはこちら)

1スロープ2フロアーのオープンステージコンサートホール

最前列から4列目までが平土間で5列以降が緩やかなスロープになった扇形配列座席のメインスロープと、2層目の左右両側壁にサイドテラス席を設けた2層のホール後方がすぼまった変形シューボックスホール。

客室側壁及び天井

メインフロアー側壁は高床式のサイドテラス席の床囲いとなっており、大ホール同様の不ぞろいな「木っ端」をタイル代わりにモザイク状に張り詰めたパネルを内傾スラントさせて、設置されている

サイドテラス席背後壁はプレーンな木質パネルとなっており、最上層部は、教会を思わせる円形の疑似ステンドグラス窓をあしらった、垂直な変形ドーム状のプラスターボード製反響板で柱に相当する部分から音響拡散体(※4)として装飾ガセットがあしらわれ変形ヴォールト天井に連なっている。

大向う背後壁面

低層部中央部分は音響パネルで表装された垂直な吸音壁(防音壁)

中層部は左右テラス席同様のプレーな木質パネルで表装され、最上層部のプラスターボード製反響板とともに僅かに内傾スラントさせて設置してある。

ステージ

ステージ後方がすぼまった台形ステージで、サイドバルコニー背後から連なる、木質パネル壁がアンギュレーションを施されて表装されている。

ステージ背後には、前傾した木質パネルの反響板で覆われたキャットウォークテラス(※5)があり、背後に当たる上層部壁面はサイド上層部壁面同様のプラスターボード反響板が弧を描いて天井に連なっている。

ホール音響評価点:得点87点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは 基礎点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点17点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点15点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

総評

ウーン惜しい!、メインフロアーに2階サイドテラス席軒が少し迫出しても、サイドテラス側壁間際には「通路」を設けるべきであったように思われる。

算出に用いた値;

定在波評価

※客席周辺全壁面が並行していないので基礎点50点とした。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=50点

定在波障害顕著席数;0?席

重複カウント ;ー0?席

定在波障害顕著席総計;0?席

初期反射対策評価

※音響障害席2階客席周囲壁面がプレーンな木質パネルなので素材基礎点23点とした。

基礎点B2=素材基礎点23点ー障害発生エリア数3=20点

初期反射障害1 壁面障害席 ;60席(12席/1階24列全席、48席/2階サイドテラス全席、)

初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;60席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数3=17点

眺望不良席数;0席/1階平土間中央部座席千鳥配列済

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;60席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;60席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

イベントホール

(公式施設ガイドはこちら)

ロールバック客席収納を備える多目的平土間プロセニアム形式イベントルーム

揺動(バタフライ)フラップ壁と可動沈降床設備でプロセニアム形式のホールにも成る平土間多目的スペース。

可変沈降床装置により中央部の床を下げ2段床の客席として間口約10m、のプロセニアム形式舞台が設営出来、演劇や講演会も行える多目的スペース。

丁寧な設えの客席周辺壁面

ホール側壁

客席周辺壁面は低層部は段付きの山形木質プレーン壁、上層部は天井反響板同様の「プラスターボード」反響板が僅かに外反スラントさせて設置してある。

ホール前後壁

前後共に上層部のプラスターボード反響板部分は僅かに内傾スラントさせて表装されている。

プロセニアム高さいっぱい迄開くステージサイド反響板

搖動(ドア)タイプのステージサイド側壁は、下手脇舞台が利用しやすいようにプロセニアム高さ5.4mいっぱいまで開けるようになっている。

波状の大型反響板を用いたホール前半の天井

天井は客席前半部が波状の大型反響板と成っているが、後半6m程度はプレーンな有孔音響ボード(石膏ボード)の天井となっている。

せっかくの本体天井デザインが活かされていない中途半端な設えの天井反響板ではあるが、ロールバックシステム段床席を使用しても大向う天井高さは約3.5mとこの手のホールとしては十分な高さが確保されている。

目立たないが要所に設置した音響拡散体

ホールほぼ中央部の天井にはむき出しのボーダーライトをする下流行りのデザイン、さらに各柱の上層部には音響拡散体として3角形のダミーガセットを配置し、中層部の上部には装飾梁を巡らしている。

ホール音響評価点:得点65点/100点満点中
§1 定在波」対策評価;得点25点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積(or総客席数)の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な垂直平面壁」で挟まれているときは 基礎点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点22点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点15点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点3点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

総評

ホール上層部側壁を外反させ、前後壁は内傾させるなど、この手のホールにしては「定在波」に配慮してあるが方だが...。

肝心の低層部客席周囲に平行するプレーンな壁面が残っており、定在波"0"とは言えないので基礎点を25点配点とした。

今後この巾約92㎝の柱表装部にも山形パネルを加えるなどすれば飛躍的に音響が改善されると思われる。

※、このような狭巾面でも並行面が残っていると定在波障害が発生するのは大阪の「いずみホール」(※ホールNaviはこちら)でも生じている事実でもある。

算出に用いた値;

※オープンステージ形式標準座席配列350席で評価

定在波評価

※客席周辺壁面低層部1/3以上がプレーン面なので基礎点25点とした。

但し定在波障害エリアが特定しにくいので定在波障害顕著席数は0とした。

基礎点B1=基礎点50点ー障害発生エリア数0=25点

定在波障害顕著席数;0?席

重複カウント ;ー0?席

定在波障害顕著席総計;0?席

初期反射対策評価

※客席周辺壁面がほぼ木質パネルなので素材基礎点25点とした。

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数1=24点

初期反射障害1 壁面障害席 ;20席/19列全席

初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

音響障害席総計;20席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数2=18点

眺望不良席数;24席/1階平土間中央部座席1・2列6番~17番/標準配列時

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0?席

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 ;20席

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;44席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

リハーサル室・練習室

(公式施設ガイドはこちら)

2室のリハーサル室と3室の練習室を備えている。

リハーサル室にはセミコンサートピアノを装備している。

リハーサル室

全体に変形6角形を用い対抗壁面が平行にならないように配慮され異形角材を積み上げて(張り付けて)大ホール同様に表装された遮音(吸音)構造の壁面を持ち、部分的に有孔音響ボードで表装された波状天井となっている。

第1リハーサル室;

幅約10mx奥行約13.9m、床面積約120㎡(約72.5畳)天井高さ;約3.2m フローリング床、

第1リハーサル室音響評価点:96点
§1「定在波対策」評価点:48点/50点満点
  • ※ルーム低層部プレーンな垂直壁で囲まれ、天井・床面を含む「並行した対抗面」が1対以上ある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出
§2「初期反射」対策評価点:48点/50点満点
  • ルーム低層部壁面3面以上がアンギュレーションやカーテン設備などが無い「プレーンな壁面」の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出
第2リハーサル室;

幅約10mx奥行約16.6m、床面積約150㎡(約90.5畳)天井高さ;約3.2m フローリング床、バレエ・ダンスレッスンバーを装備した壁面ミラー(カーテン付き)を備えている。

ルーム音響評価点:73点

※会議室、宴会場、展示会場などがメイン用途のためルーム音響評価を適用しました。

§1「定在波対策」評価点:25点/50点満点
  • ※ルーム低層部がプレーンな垂直壁で囲まれ、天井・床面を含む「並行した対抗面」が1対以上ある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
§2「初期反射」対策評価点:48点/50点満点
  • ※ルーム低層部壁面3面以上がアンギュレーションやカーテン設備などが無い「プレーンな壁面」の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
総評

天井はやや低いが両室共に、丁寧な設えの「使える」立派な施設である。

練習室

3室共にフローリング床で部分的に有孔音響ボードで表装された内傾スラント壁、と一般建築用の天井材(石膏ボード)で表装され、四方から中央部にヤヤ傾斜を付けた凸型天井を用いた内装で、定在波を駆逐している。

  • 第1練習室、;幅約7.08mx奥行約10m、床面積約71㎡(約21.5畳) フローリング床、有料録音編集室、
  • 第2練習室、;幅約7.64mx奥行約7.03m、床面積約53.7㎡(約32.5畳) フローリング床、
  • 第3練習室、;幅約5.34mx奥行約4.35m、床面積約23.2㎡(約14畳) フローリング床、

ルーム音響評価点:75点
§1「定在波対策」評価点:50点/50点満点
  • ※ルーム低層部がプレーンな垂直壁で囲まれ、天井・床面を含む「並行した対抗面」が1対以上ある場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
§2「初期反射」対策評価点:25点/50点満点
  • ※ルーム低層部壁面3面以上がアンギュレーションやカーテン設備などが無い「プレーンな壁面」の場合は、満点x0.5=25点をベースに減点算出。
総評

天井は低いが使える練習室。

施設データ

  1. 所属施設/所有者 「県民文化ホール『シーサイドホール・アルカスさせぼ』/長崎県
  2. 指定管理者/運営団体 財団法人佐世保地域文化事業財団/長崎県。
  3. 開館   開館 2001年3月1日
  4. 内装(音響マジック) YAMAHA
  5. 総事業費151億円 

大ホール

ホール様式

プロセニアム型式変形6角形多目的ホール。

客席仕様

3スロープ3層フロアー 最大幅約30mx最大奥行約41.6m、天井高さ(最高部)Fl+約20.8m 
収容人員2,000席、(車椅子用スペースX10台、)フローリング、

内訳
  • 1階固定席X951席、(オーケストラピット部可動床可動席X154席、車椅子用スペースX10台、含む)、1階中央部千鳥配列、
  • 2階席X546席、
  • 3階席X471席、
舞台設備
  • 舞台仕様 プロセニアム形式
  • 有効幅約47.8m(ステージ最大幅約48.7m)x有効奥行き約17.5m(最大奥行き約19m)有効面積約837㎡(約505.5畳)2面舞台相当、最高部天井高さ;StL+約31.7ⅿ
  • 可動プロセニアムアーチ:間口約20m、高さ約10~13m、主舞台有効巾;約21.8m実効面積;約381㎡(約230畳)ステージ高さ;FL+約90cm、ブドウ棚(すのこ)高さStL+約29.5m、バトン類高さStL+約23m、サスペンションライト(照明ブリッジ);3+3本、美術バトン;31本(幕装備除く)、
  • 反響板設置時;プロセニアムアーチ:間口約20m、高さ約13m、最大奥行き約10m、実効面積;約180㎡(約109畳)ステージ高さ;FL+約90cm、
  • 拡張舞台(エプロンステージ);可動床・可動客席(客席ユニット・ワゴン床下収納システム)オーケストラピット&エプロンステージ迫り;最大幅約20.5m最大奥行約4.8m有効面積約79㎡;約47畳、演奏面レベル設定;StL ー約0.9m~+0m、
  • 舞台機構1 ;奈落、大(道具)、小迫り、
各種・図面・備品リスト&料金表
その他の設備

 楽屋x8、控室、

中ホール

ホール様式

オープンステージ形式『シューボックスタイプ』音楽専用ホール。

客席仕様

1スロープ2フロアー最大幅約13mx最大奥行約30.7m、天井高さ(最高部)約11.2m 

収容人員500席、(車椅子用スペースX4台、、含む、)フローリング

内訳
  • 1階席X452席、(車椅子用スペースX4台、含む)、
  • 2階テラス席(桟敷席)X48席、
舞台設備
  • 舞台仕様 オープンステージ形式
  • 最大幅約13ⅿ、ステージ最大奥行約7.7ⅿ、ステージ高さ;FL+約70cm 最高部天井高さ;高さStL+約10.5ⅿ、バトン・ブリッジ類:道具バトン;1本、幕バトン;1本
各種・図面・備品リスト&料金表
中ホール付属専用施設
  • 楽屋x4、(内2室ユニットバス付)

イベントホール

ホール様式

平土間(一部スロープ)プロセニアム型式舞台付き・平土間多目的イベントスペース、

  • 床面積  最大幅約15.9mx最大奥行き約24.5m、延べ床面積約389.6㎡(約235畳)最高部天井高さFl+約7.2m
客席仕様

1フロアー、幅約15.9mx奥行約17.3m、有効床面積約275㎡(約166畳)、天井高さ(最高部)Fl+約7.3m 

  • 2分割可変沈降・段床設備、
    1. 巾約14.7mX奥行約2.7mX1面、
    2. 巾約14.7mX奥行約2.6mX1面、

  • 収容人員350席、/プロセニアム舞台形式 270~450席/平土間形式
    • 内訳;スタッキングチェアーX170席、ロールバック方式客席収納システムX180席、絨毯敷き詰め、
舞台設備
舞台仕様 プロセニアム形式
  • プロセニアム形式;有効幅約15.9m(ステージ最大幅約18.5m)x有効奥行き約7m(最大奥行き約8m)有効面積約111㎡(約67畳)最高部天井高さ;高さStL+約12ⅿ
  • プロセニアムアーチ:間口約10.95m、高さ約5.4m、実効面積;約111㎡(約67畳)ステージ高さ;FL+約55cm、バトン類高さStL+約8.67m、サスペンションライト(照明ブリッジ);照明;2+2本、美術バトン;4本(幕装備除く)、
オープンステージ形式
  • 有効幅約15.9mx有効奥行き約7m(最大奥行き約8m)有効面積約111㎡(約67畳)最高部天井高さ;高さStL+約5.4ⅿ
各種・図面・備品リスト&料金表
イベントホール付属専用施設
  • 控室X3

付属施設・その他 

館内付属施設 
  • 館内施設;リハーサル室、練習室、録音編集室、交流スクウェア、大会議室、中会議室、特別会議室、和室茶室、
利用料金案内 利用料金表
設備・備品(ピアノ等の貸し出し楽器含む)利用料金案内 



※参照覧

※1、アクリルエマルションペイント仕上げのプラスターボードについての建材メーカーの解説記事はこちら

※2-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら

※2-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。

※3、関連記事『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。

※4、音響拡散体については、『ホールデザインのセオリー その4 ホール形式とディテール・デザイン』をご覧ください。

※5、キャットウォークについてのWikipediaの解説はこちら

 

公開:2018年1月24日
更新:2020年11月16日

投稿者:デジタヌ


長崎ブリックホール 《 ホール 音響 ナビ 》 TOP


 

 

 



▲このページのトップに戻る
▲長崎県 の公共ホール 音響Naviへ戻る

 

ページ先頭に戻る