旅するタヌキ

いずみホール 《 ホール 音響 ナビ 》贅を尽くした浪速の至宝

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Official Website http://www.izumihall.jp/index.html

いずみホールのあらまし

世界中の演奏家、が褒め称え、こぞって「指名する」アジア最高の『プレミアムホール』

オーケストラコンサートだけでなく、ソリストのリサイタルも数多く開催され、音だけではない「アーティストの魂も伝わる」ホールとして、奏者・聴衆双方から絶大なる信頼を得ている。

絢爛豪華なビクトリア調の内装

バブル経済絶頂期に計画されバブル終演に近い1990年に開館した、贅を尽くした豪華絢爛な内装のホールであり、今後日本国内でこのホールを超えるホールは生まれないであろう!

大阪の看板ホール

収容人員 821名とこじんまりとした中規模ホールではあるが、「ザ・シンフォニーホール」(※ホールナビはこちら)と並んで大阪を代表する音響特性がご自慢のホール。

いずみホールのロケーション

所在地  大阪市中央区城見1・4・70

大阪ビジネスパークの中にある。

大阪市と周辺にある観光スポットについてのトリップアドバイザーの 口コミ ナビはこちら。

いずみホールへのアクセス

JR大阪環状線 大阪城公園駅より徒歩約3分
地下鉄長堀鶴見緑地線 大阪ビジネスパーク駅より徒歩約5分
JR大阪環状線、JR東西線、京阪本線 京橋駅より徒歩約8分

いずみホールこれまでの歩み

1960年10月 (財)住友生命福祉事業団として発足。

1990年4月 住友生命保険相互会社により創建。

2013年4月 運営団体(一財)住友生命福祉文化財団に改変

いずみホールが得意のジャンル

レジデンスオーケストラ・いずみシンフォニエッタ大阪

レジデンスオーケストラ(※1)いずみシンフォニエッタ大阪(公式サイトはこちら)が 飯森範親氏を受任指揮者に迎え積極的な演奏活動を続けている。

独自の企画の主催公演

音楽ディレクター礒山雅氏の下、ホール独自の企画の主催公演を年間30公演程度開催している。

多くの団体のフランチャイズに

関西フィルハーモニー管弦楽団が定期演奏会場に使用し、モーツァルト室内管弦楽団、バッハ・コレギウム・ジャパン等の知られざる日本のプロオーケストラ(※オーケストラナビはこちら)のフランチャイズとしても利用されている。

大阪国際室内楽コンクールの会場

3年に1度の大阪国際室内楽コンクール(※ナビ記事はこちら)の舞台にも成っている。

大阪アマチュアオーケストラのメッカにも

とびっきり高額な使用料のザ・シンフォニーホールとは違い、規模に応じたレンタル料(料金表はこちら)で在阪アマオケのステータスホールとしてアマチュア団体の利用も多い。

いずみホールの公演チケット情報

チケットぴあ該当ページへのリンクはこちら。

施設面から見たいずみホールの特色

(公式施設ガイドはこちら

シューボックス型コンサートホール

平土間部分から連なるスロープを持つメインフロアーと、両側壁に独立して設けられたサイドテラスを持つ日本のホールとしては珍しいデザインのシューボックスコンサートホール。

国会議事堂衆議院会議場に近いビクトリア調の調度

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地「ウィーン楽友協会大ホール」を模して作られたとされるコンサートホールであるが、ロココ調の学友会ホールに対してこちらは国会議事堂衆議院会議場に近い「ビクトリア調の調度」を用いている。

つまりは「額縁付きの凸面パネル」を客席周囲に配した「装飾柱」の径間に配し、定在波対策(※2)というよりは、初期反響対策の主軸としている。

定在波対策としては、客席の扇形段床配置で中央部に"谷間"を造り、定在波の実影響を逃げる昔ながらの手法をとっている。

数値では表れない「心地よい余韻」

「残響時間はクラシックの室内楽にふさわしい1.8秒~2秒。」<ホール公式サイトより>

と言うことだが、数値では表れない「心地よい余韻」に浸ることが出来る。

梁台座付き装飾柱、装飾梁、額縁で縁取られた、凸面パネル、折りあげた「格天井」(※3)にはめ込まれた「木製凸状異形パネル」など、贅を尽くして丁寧に作り込まれた各部の装飾が「音響拡散体」(※4)として働き、「心地よい響き(後期残響)」(※5)を生み出しているはず...?

音だけではない「アーティストの魂も伝わる」ホール

特にこのホールで聞くピアノの音色は絶品で、ペダリングはもちろんのこと、ピアニストのタッチの違いによる「微妙な音色の変化」まで見事に伝わってくる。

もちろんここでならたとえ猫が歩いたとしても、スタインウェイD-274、ベーゼンドルファー290「インペリアル」 ヤマハCFIIISの違いが見事に表れるはず...?

パイプオルガン

フランス・ケーニッヒ社製の、46ストップ、4段手鍵盤、足鍵盤のパイプオルガンを設備している。

ホール音響評価点:得点89点/100点満点中

§1 定在波」対策評価;得点50点/配点50点
  • ※各フロアーの配置・形状、壁面形状、をオーディエンス周辺壁面(概ね人の背の高さ:約1.8mの範囲内)の設えで評価する。
  • ※客席側壁が ホール床面積の1/3以上に及ぶ範囲を「完全平行な平面壁」で囲まれているときには 配点25点に減ずる。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§2 残響その1 「初期反射」軽減対策評価;得点21点/配点25点
  • 木質パネル等の素材基礎点25点から硬質壁材基礎点12点の間5段階で素材基礎点を与える。
  • 障害箇所1点/1箇所で基礎素材点から減じて基礎点とする。
  • 基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§3 「音響障害と客席配置」に対する配慮評価;得点13点/配点20点
  • ※壁際通路&大向こう通路の有無、天井高さ&バルコニー・テラス部の軒先高さ、平土間部分の見通し(眺望)不良、それぞれ-1点/1箇所で配点から減じて基礎点とする。
  • ※基礎点に障害エリア客席数比率を乗じて算出する
§4 残響その2「後期残響」への配慮評価得点5点/配点上限5
  • ※壁面形状、音響拡散体(相当要素)、テラス軒先形状、天井構成、その他の要素で評価。
  • ※上限5点の範囲内で上記1点/1アイテムで加算評価。

※関連記事 「ホール音響評価法についての提案」はこちら。

総評
その後に数々の難題を克服してきたYAMAHAでも商業ホールの壁は...

致し方のない事かもしれないが、やはり商業ホールの壁は高かったとみえ、平土間中央部12番から23番席のAからG列が千鳥配列になっていない点やどういううわけか(補助席扱い?)メインフロアー大向うにW列として11席設けられているので共に減点対象とした。

この列の背後は立て格子で表装した吸音壁ではあるが、やはり背後に壁を抱えるのはどうも...。

神様(お客様)の通り道であるはずの壁際が...

さらに2階テラス席も壁面際が通路ではなく、座席というのはいただけない、ただYAMAHAもそのへんは承知していて装飾柱の間の異形パネル面には「分厚い音響カーテン設備」が用意はされているが、定在波障害(※6)の心配がない?からと言っても壁に張り付いた座席は やはり頂けない。

算出に用いた値;

定在波評価

基礎点B1=配点50点ー障害発生エリア数0?=50点

定在波障害顕著席数;0?席

初期反射対策評価

基礎点B2=素材基礎点25点ー障害発生エリア数3=22点

初期反射障害1 壁面障害席 ;初期反射障害;29席(11席/1F大向う席、18席/2Fテラス席後列)

初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;29席

客席配置評価

基礎点B3=基礎点20点ー障害発生エリア数4=16点

眺望不良席数;84席/1F平土間中央部座席

音響不良席その1 定在波障害顕著席 ;0席?

音響不良席その2 初期反射障害1壁面障害席 初期反射障害;29席(11席/1F大向う席、18席/2Fテラス席後列)

音響不良席その3 初期反射障害2 天井高さ不足席;0席

重複カウント ;ー0席

音響障害席総計;113席

算定式 

評価点V=基礎点X(総席数ー障害座席数)/総席数

いずみホール の施設データ

  1. 所属施設/所有者 住友生命OBPプラザビル
  2. 指定管理者/運営団体 (一財)住友生命福祉文化財団。
  3. 開館   1990年
  • 内装(音響マジック) YAMAHA

  1. ホール様式 『シューボックスタイプ』音楽専用ホール。
  2. 客席   1スロープ、、収容人員 821名2階テラス(108席)
  3. 舞台設備 

    オープンステージ。幅19.4m 奥行き10.5m 高さ14.75m
    吊物設備/美術バトン×3、ライトバトン×4
    ヒナ段迫り(前・後)

    、オーケストラひな壇(可動分割迫り)
  4. その他の設備・備品 パイプオルガン、

    ピアノ:スタインウェイD-274(2台)
        ベーゼンドルファー290「インペリアル」
        ヤマハCFIIIS

    フォルテピアノ:ナネッテ・シュトライヒャー製
             (1820年代)オリジナル
    チェンバロ:アトリエ・フォン・ナーゲル社製
           フレンチダブルマニュアル

各種・図面・備品リスト&料金表

付属施設・その他 

館内付属施設 
  • 館内施設;ホワイエ、クローク、バーコーナー、リハーサル室1室、控室8室、ピアノ庫、録音調整室、音響・調光室他、バーコーナー、
  • 館内施設配置図;(フロアマップ:2Fはこちら3Fはこちら、)

デジタヌのつぶやき

今後の改修に期待!

不景気な今となっては(予算捻出が)難しかろうが...。

メインフロアー中央部座席A、C、E、G列からそれぞれ1席撤去し千鳥配列に、更にできればメインフロアー大向うW列と2階両サイドテラス席の後列は撤去し「上質の木製スタッキングチェアー」の(通常は使用しない)補助席としていただきたい。

更に気になる点も

自画自賛の公式サイトでは「計算しつくされた...」というくだりが見受けられたが1990年当時はいま程コンピューターも発達しておらず、解析アルゴリズムも完成されていなかった!

したがってYAMAHAは、当時見聞きした世界中の有名シューボックスホールを見習い、かねてから知られていた定在波対策手法つまりは並行面対策に海外の有名シューボックスで取り入れられていたデザイン手法(※4)を入念に?施したに過ぎない!

したがって当時経験の浅かったYAMAHAとしては定在波対策に「甘い部分」があっても仕方はないとは思うが...。

実体験に基づく「?」

前途したようにこのホールでは緩やかな谷間のできる客席配置で「左右両壁間」で発生する「定在波障害」を逃げている。

したがって平土間部分では「谷間は無く」定在波を逃げる手立ては壁面の僅かなアンギュレーションに頼ることになる。

手法解説で記した「?」は、小生の知人の「有能なモニター(女性)」の実体験の感想から察して「?」を連発したわけである。

彼女は京都コンサートホール「ムラタホール」の欠陥を見抜いた人でもあるが、典型的な文系で理屈はさっぱりだが、ピアノ教師の母親の下で育ち、幼いころから合唱団で聴覚を鍛えた人物でもある。

その彼女は、「かぶりつき癖」の持ち主で、最前列の中央部が取れないと、コンサートに出かけない位のひとでもある。

その彼女によると、ムラタホールのようにffでピアノが壊れたかと思うようなこと(ひどい周波数特性の乱れ)はなかったようだが、小生が理想としている、「ピアノ奏者の微妙なタッチの差で現れる"千変万化の音色の違い"」迄は感じられなかったようである。

つまり、座席表をご覧いただけばお判りのように、最前列Aおよび、2列目のB列の中央部分両列の17・18番席は共に、もろ両側壁に挟まれた定在波の「節」に当たるわけで障害(※6)が現れていた可能性がある。

2018年現在の最新手法での音響測定の実施しを望む

そこで老婆心ながら、小生が提案した音響測定手法(※7)で再度実地に周波数特性測定を実施し、「定在波発生の確認」をお願いしたいわけである!

定在波が発生していれば、「周波数特性に大幅な乱れ」(※6)が生じているはずで、早急な改修が望まれるわけである。

装飾柱の表面形状に疑問を

差し当たり怪しい箇所?は装飾柱の前面形状でこの部分は、現状プレーンに近い面状であるが、この部分は、ロココ風に、曲率を持った半割?円柱風の凸形状に改修し、縁取り(額縁)部分を入念にコーナー処理したほうがより完璧ではないかと思われる。

この改修のために多少座席は犠牲になっても(撤去してでも)実施すべき様に思われる。

住友生命福祉文化財団の御英断を期待する

とはいっても素晴らしい素性を持ったホールには違いがなく、無様なバタバタ開閉扉付きの「マジックボックス」(※8)や「マジックチェアー」で厚化粧した「魔女」ではなく、素肌が美しい「妖精」であることには違いなく、後は(一財)住友生命福祉文化財団が何時後英断(改修)を下されるか? だけである。

※ご注意;※印は当サイト内の関連記事リンクです。
但し、その他のリンクは施設運営者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。

※参照覧

※1 レジデンスオーケストラとは専属オーケーストラのことで歌劇場・ホール・放送局などを運営する団体に所属する「お抱えオーケストラ」のこと、日本を除く世界の有名歌劇場では当たり前の団体で有名なV.P.O.(ウィーンフィル)の母体「ウィーン国立歌劇場管弦楽団」などが特に有名な存在。(但しV.P.O.は学友協会として独立した自主運営組織)

現在日本では以下の常設レジデンス団体が活動を行っている。(但しNHK交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、等の独立した外郭団体や非常設フェスティバルオーケストラ、アマチュア団体は除く)

水戸室内管弦楽団 所属 水戸芸術館(※ホールナビはこちら)

紀尾井ホール室内管弦楽団 所属 紀尾井ホール(※ホールナビはこちら)

藝大フィルハーモニア管弦楽団 所属 東京藝術大学 奏楽堂 (※ホール音響ナビはこちら。

テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ 所属 テアトロ・ジーリオ・ショウワ テアトロ・ジーリオ・ショウワ 川崎市 (※ホール音響ナビはこちら。)

ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団 所属 大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス(※ホールナビはこちら)

相愛フィルハーモニア 所属 相愛大学(大阪市 内南港キャンパス 講堂)

兵庫芸術文化センター管弦楽団 所属 兵庫県立芸術文化センター (※ホールナビはこちら) 

宝塚歌劇オーケストラ 所属 宝塚歌劇場/宝塚市 (※ホール音響ナビはこちら。

神戸市室内合奏団 所属 神戸文化ホール・中ホール (※ホール音響ナビはこちら。

岡山フィルハーモニック管弦楽団 所属 岡山シンフォニーホール(※ホール音響ナビはこちら。

響ホール室内合奏団 所属 響ホール 北九州市 (※ホール音響ナビはこちら。

宮内庁式部職楽部 所属 宮中レセプションホール(宮内省)

※2-1、定在波の悪影響に関する一般人向けnatuch音響さんの解説記事はこちら

※2-2、定在波に関するWikipediaの(技術者向け)解説はこちら。

※3、格天井 についてのコトバンクの解説記事はこちら

※4、音響拡散体・グルービングパネルについては関連記事「芸術ホール設計のセオリーとは?」をご覧ください。

※5、直接音、初期反射音、残響音についての(株)エー・アール・アイさんの解説はこちら。

※6『ホールに潜む ミステリー ゾーン (スポット)とは?』はこちら。

※7、『新音響測定法の提案 』はこちら。

※8、現代の3大迷発明!「珍妙からくり(残響調整装置、可変段床設備、可変吊り天井)」に関する記事はこちら。

公開:2017年9月 6日
更新:2018年11月 4日

投稿者:デジタヌ

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