連載『ホームシアター構築講座』ー第10回ー
,
第4章第1節 "お部屋の音響改善"無くして、スピーカーの実力は発揮できない!
オーディオ解説系Youtuberが公開している"空気再生"系コンテンツではスピーカーの実力は判断できません!
日本国内のオーディオショップ、や自称オーディオ評論家?が Youtube に投稿している、スピーカー聴き比べ"空気再生レポート"では、
ショールーム、試聴室の"音響が劣悪"な場合がほとんどで、
いくら高級なマイクロフォンで収録しても、"とても何千万円!もするスピーカーシステムの実力"を発揮しているとは...
音の違いは「設置場所」の違いによる周波数特性の変化にしかすぎず、あとは高額プライスの『プラシーボ効果』と言い切って差し支えないでしょう!
永年アマチュア楽師そして、音響工学専門家として活動した経験をもとにリスニングルームの勘所(広さと反響対策・スピーカー設置)の関係を判りやすく紐解いてみました。
海外のバックヤードビルダーは
海外の"スピーカーシステム工房"特に東南アジアのバックヤードビルダー達は、
そのことを承知していて?屋外(庭先)で辺り構わず大音響を出して「空気再生レポート」を収録しています。
少々みすぼらしい工房がほとんどですが、
収録機材(マイクロフォン、デジタル機材)は立派なものを使用しているので、
聴取側も「高級ヘッドフォン」で聴けば「マア実態にかなり近い」とは思います...
更にトーンコントロールなどを用いても
再生側のイコライゼーションでは、
"空気再生"(スピーカー再生)で重要な「リスニングルームの音響問題」は補償(compensation)できません!
第0項 最近のオーディオ解説系Youtube 投稿に多く見かける「空気再生?」について一言!
最近、Youtube 動画の自作スピーカー投稿やピュアオーディオスピーカー比較投稿で。
「空気再生」と称して、作者の常用するルームの「リスニングポイント」にマイクロフォンを設置して、
「デジタルレコーダー」で収録したレポートの投稿をよく見かけますが 、
この測定方法では、「リスニングルームの音響測定」(※9)行っているのと変わらず、スピーカーの音響測定とはいいがたいものがほとんどです!
音響メーカーのように「本格的な無響室」でJEITA規格に基づいて測定シロ!」などという無体なことは言いませんが...
どうしても空気再生したいのなら...
前途したように東南アジアのスピーカー工房のように、
屋外(庭)に設置して、壁の影響を無くしてからご自慢の高性能マイクロフォンで集音するか...
「マイクロフォン」の特性試験で用いられている「カプラ(音響結合器=密閉された筒!)を用いたカプラ法」を参考に、
十分な吸音材で内面を無響状態にした両端開放「音道(トンネル)」の片側の入り口にスピーカーユニットを置き、
対抗側の出口に近い部分に単一指向性の「マイクロフォン」を設置して、「側壁」「背後壁」「天井」「床」の音響条件をできるだけ排除したうえで、
「空気再生・録音?」を行うべきでしょう!
現状のオーディオ関連の公開映像を見る限り、リスニングルームの影響が大きく、しかもテスト音源がかなり「個人的趣味」に偏ったコンテンツと増幅器(チープな真空管アンプ)で、もともとの
周波数特性がめちゃくちゃな駆動出力で「ご自慢の自作スピーカー」を鳴らして、
『どうです低音がよく出るでしょう?』とか、『音の粒立ちが...』『真空管アンプは...』などと「動画作者」の感覚・嗜好の世界で全てが片付けられており、しかもそれはYoutubeの向こう側の話で...。
こちら側は
大概の場合は「スマホ+チープなヘッドホン」か、「パソコン+チープなアクティブスピーカー」なので違いが判るはずもなく...
「作者の誘導暗示によるプラシーボ効果」以外の何物でもないケースがすべて!と言い切ってよいでしょう。
「高級オーディオショップ」のショールーム公開PR動画もしかり
これは自作マニアに限ったことではなく、
「自称オーディオ評論家」や「高級オーディオショップ」のYoutube 投稿でも同じで、
チープな収録機材を用いて「こんなひどい環境で、"意味のないコンテンツ"を使って試聴していただいています!?」と宣伝しているようなものです!
つまり新たにスピーカーシステムの更新を考えている一般人には、何の参考にもならない!と言い切れるでしょう...
そういう点では、庭先で辺り構わず大音量を出して、最新録音機材で音源収録して投稿している東南アジアのバックヤードビルダーのほうがまだ良心的です!
公開:2014年11月14日
更新:2024年3月 7日
投稿者:デジタヌ
連載『ホームシアター構築講座』ー第9回ー< TOP >連載『ホームシアター構築講座』ー第11回ー
▲ホーム音響研究室へ戻る