狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

連載『 SONY MDR-Z1000 モニターヘッドフォン 長期使用レポート』ー第5回ー

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Youtubeスピーカーテスト用コンテンツの問題点 周波数特性 と" 低域ノイズ "

Youtube では実現できない聴覚試験!

YouTubeでは16KHzでハイカットフィルターがかけられており、16KHz以上の音は「デジタルフィルタリング」されて配信されていないことは読者各位周知の事実であるはずです!

A/D変換時の付加ノイズ(フラッター周期音)(※1)で、30Hz以下は、正確な波形再生が難しく後述するオシレーターを用いないと、本当の単音(正弦波)による聴覚検査はデジタルコンテンツでは不可能です!

Youtube デジタル配信コンテンツの問題点、周波数特性とディザノイズ

Youtube 重点音コンテンツの公開コメントで「聞こえないはずの16Hzの音が聞こえた!...」といった風の書き込みをよく見かけますが!

ほぼ100%確実にコメントを書きこんだ貴方の再生系の「ノイズ・擬音」を低周波音と勘違いなさっているのでしょう!

参※1)当サイト関連記事 音声出力に現れるノイズ(擬音:幽霊音?)についてはこちら。

アップロードするときはアナログミックスダウン処理が必要

YoutubeなどGoogleに音楽コンテンツをアップロードする際には、再生帯域はGoogle任せにするのではなく、あらかじめ16KHzでイコライジング処理(ローパスフィルター処理)をした音源を用いてAD変換したデータをアップロードすべきでしょう。

※デジタルフィルタリングでは「可聴帯域内に余分な混変調歪が加算」されてしまう心配があるためです。

再生側(コンシュマー側)オーディオ機器の問題

再生側の注意としては、「デジタルレベルを飽和させない」ことが重要です!

musivtest1.JPG

小生はー10dBを基本に各機器間のレベル合わせを行っています。(つまり10dBの余裕マージンを取っています。)

これで、過大入力による「クリッピング(saturation飽和)ノイズ」を避けています!

まあ基本的に、各機器のSNは110dB以上(但しAMPはー96dB)あるので、アンプの半導体素子によるホワイトノイズは環境ノイズに比して十分に小さくて、問題は生じていません。

※参)狸穴音響研究室・使用ヘッドフォンアンプ TEAC DSD USD301(生産終了)

PCMデータ

サンプリング周波数 32k/44.1k/48k/88.2k/96k/176.4k/192k Hz
量子化ビット数 16/24/32 bit

※アップコンバージョン 192kHz (PCM 96kHz以下の信号のみ、ON/OFF選択可能)

最大出力レベル +14dBu(1kHz、フルスケール、10kΩ負荷時、0dB設定時)
出力インピーダンス 200Ω

ヘッドホン出力

コネクター 6.3mm(1/4")ステレオ標準ジャック
対応インピーダンス 16Ω~600Ω

最大出力レベル +14dBu(1kHz、フルスケール、10kΩ負荷時、0dB設定時)
出力インピーダンス 200Ω

周波数特性 5Hz~55kHz (-3dB、サンプリング周波数192kHz時)

S/N比 105dB 全高調波歪率 0.0015%(1kHz、サンプリング周波数192kHz時)

TEAC  USD301のドライバ設定

諧調(量子化bit)とサンプリング周波数(KHz)との関係

  • 16bit の時 32、44.1、48、88.2、96、176.4、192 
  • 24bit の時 ー、44.1、48、88.2、96、176.4、192
  • 32bit の時 ー、44.1、48、88.2、96、176.4、192
  • ※ドライバはTEAC汎用なので352.8KHz設定までありますが、USD301では192KHzまでしかサポートしていません。

オーバーサンプリング機能を持っており192kHz、32bitのオーバーサンプリングでUSB伝送も可能ですが...Wikipediaでも触れられているように、ディザノイズ(折り返しノイズ)によりアナウンサーや歌手の「サ行」が強調される場合があるので、現在は推奨設定の48kHz、32ビットに変換(オーバーサンプリング)してUSB転送しています。

むしろ、「デジタルコンテンツに付き物の幽霊ノイズ(量子化ノイズ)」が緩和されて、より聞きやすい音になって居ます。

デジタルノイズ「擬音」について

推奨設定の48kHz、32ビットの転送の場合でDC~22Hz程度までの低周波DA変換で周期フラッター(量子化ノイズ)が生じますが。

実際のサイン波に対して微小レベル(SN40㏈程度(1/100))なので、実際の音楽コンテンツ視聴増幅レベル(Volume目盛り50%程度)ではリスニングルームの環境ノイズの中に埋もれて、気になりません。

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スピーカー再生の場合は

「f0(最低共振周波数)」より以下の音では「空振り?」状態となり「一般に言う」「風切り音」いわゆる「フラッター音」(パタパタ、ガサガサ音)が聴感上認知されますが、これは成人健常者の可聴音域(20~20KHz)内に生じる比較的高い周波数の周期的な「擬音」で実際のオシレーター(発振器)から作られたサインウエーブ(基音)ではありません!

第2項 ハイレゾ・ヘッドフォンで聞こえるフラッター音?の正体は...

100%と言って良いぐらい、あなたのヘッドフォンアンプもしくは外付けアクティブスピーカーの内蔵アンプの電源ハムによる「混変調歪」=ノイズです!

試しにアクティブスピーカーを外して「パソコンのステレオminiピン端子に直付け」してみてください!

「ア~ラ」不思議?」

聞こえたと思った16Hzのフラッター(パタパタ音)は聞こえなくなるでしょう!

※ただし、パソコンのアナログ音声回路はノイズシールド処理が不完全なものが多く貧弱なので「耳に感じない程度のかすかなパタパタ音は含まれています!」

チープなアクティブスピーカーに多い電源からの「ハム音」

パソコンのマザーボードでは「電源」レギュレーターで各IC駆動用の直流電圧を1/100V単位で作成していますが、オーディオアンプで用いられているようなLC(トランス、コンデンサ)平滑ではなく、「スイッチング電源」回路が主流であり、十分に電源周波数(関西60 関東50Hz)が整流しきれずに、リップルが生じている場合がほとんどです。

したがって、それぞれの電源周波数に相当したハムノイズ(ブーンノイズ)とその奇数偶数倍数列の低周波ノイズが発生しやすいことになります!

これが「ブーン」に代表される「ハム音」の正体です!

電源がおろそかにされている場合によく発生して、「安価なデジタルアンプ」や「DC電源内蔵のアクティブスピーカー」ではスピーカーの再生帯域との兼ね合いで避けられない問題です。

アクティブスピーカー付属のイヤホン端子経由で高性能ヘッドフォンをつないでも「ブーン音」と「パタパタ音」の脅威!にさらされることになるわけです!

本気でご自身の聴覚テストをしたい方や、自作スピーカー(BOX)制作にチャレンジしたい方は...

真面目にご自身の聴覚低域特性を調べたい方は"デジタル雑音"を避けるために以下の機材をそろえる必要があります!

真面目に聴覚測定するにはオシレーターとシンクロスコープが必要

CDでも周波数測定用のコンテンツは出ていますが...。

前途したように、デジタルコンテンツ特有の問題があって「100万円クラス」のDACやCDプレーヤーを使っても「量子化誤差」は解消できず、さらに「お化け音」も解消できないので、本気でスピーカーの重低音特性と「聴力測定」をしたければ、WEB上でフリーソフト(オシレーターソフトとFFTソフト)を探して、モノラルマイクがあればパソコンのマイク端子に接続するだけで「SUBウーファー」の特性とセッティングはできます!(ヤマハ NS-500シリーズ サブウーファー 長期購入レポートの記事で紹介予定)

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自作スピーカー(BOX)を作っておられる方には、インピーダンスメーターとともに必須のアイテムでしょう!

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単純な、低周波正弦波(サインウェーブ)の再現だけでも、いろいろな問題を含んでいるデジタルコンテンツですが、複雑な波形の楽曲中でいろいろな不可解な現象がおこっているとすれば...。

できるだけ、余分な付加音(ノイズ)がないクリアーな環境で音(楽)を楽しみたいものです。


 

公開:2020年1月11日
更新:2024年3月 6日

投稿者:デジタヌ


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