狸穴ジャーナル・別冊『音動楽人(みゅーたんと)』

連載《ブリジストン・アルベルトe 電動アシスト自転車長期レポート》ー第1回ー

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前書き ブリジストン・アルベルトe とのめぐり逢い?

遠方より待ち人来る!

武漢ヴィールス攻撃の影響で遅れに遅れていた待望のBRIDGSTONEの新製品 アルベルトe が4月14日に納車された!

実は先月の3月3日に販売店に出かけたのですが、ほとんどが中国で生産されている部品の入荷がXXヴィールスの影響で滞り、各自転車メーカーが"文字通り自転車操業"を余儀なくされているらしく...在庫切れというより新製品の発売開始が大幅に遅れ、『納期40日"異常"で未定!』となっていたために、その日は予約(発注)だけして帰った。

武漢ウィルス騒ぎで発売時期が遅れる!

4月に入り再度販売店に足を運んでみたわけですが、その時点の納期確認(メール)で「メーカー出荷が4月15日以降」の予定となっていました。

4月14日午後になり『ご注文いただいた電動アシスト自転車の準備ができましたので、ご来店お待ちいたしております...』との丁重な入荷連絡がいり、早速意気揚々!と引き取りに出向いたわけです。

2010年のSANYO eneloop 以来久々の電動アシスト自転車購入で、標高22.5mの狸穴邸から標高差にして39m(標高61.5m)の峠を一気に駆け上がり...

と言いたいところですが、あいにく前輪がパンクしていて、ゼエゼエ息を切らしながら重い電動自転車(※1)を押し上げて、さすがに頂上からは「もうどうなってもよい自転車?」にまたがって坂を下り、「橋を渡った」ところ!にあるサイクルショップにようやく辿り着いたのは自宅を出発してから20分ほど経過してからの事でした!

参※1)カタログ値で乾燥重量21.5kgですが、リアキャリア、ステンレス後ろ籠、両立スタンド、それにリサイクル回収をお願いしたモーター2個、バッテリーが2本、それに同じくコントローラー・ユニット、センサー付きスプロケ等の荷物で約15kg近くになり、つまり総重量35kg近かった。

★第1節 専属へルーパー!アルベルトe とは...

アルベルトe君は店頭で「ご主人様」の到着を待ちわびていたようでした?

アルベルト(Albelt)とはブリジストン自転車の誇るコグドベルト(歯付きベルト)駆動シリーズの自転車の総称でほかにアシストタイプではカジュナ eとスイートラインも新発売されました。

2020年現在、通常型のアルベルト、アルベルトロイヤルと電動アシストタイプの本機「アルベルトe」と上記2機種が径5機種がラインナップされています!

2020年からラインアップしたアルベルトeは同じくNewModelの通常型のアルベルト ロイヤル(メーカー希望小売価格税抜き¥76,800-)の電動アシスト版といったところで、車体寸法・重量以外はほとんど同じスペックとなっています。

ブリヂストン 自転車 アルベルトロイヤル AR75LT Pシャパンホワイト 2020年モデル 

重量で6.3 kg (アルベルトロイヤル20.2kg アルベルトe 26.5kg)

バッテリーの搭載の都合で30mm軸距が伸びて全長が1,865mm(27インチタイヤモデルで比較)となっているのと、スタンドがオートロックの両立スタンド(※ロイヤルはサイドスタンド)になっているのが目立った違いで"みため"も使用されている部品も基本的には変わりません。

但し、愛称の「アルベルト」は「有る、ベルト」の"関西風のノリ?"でどうもいただけないような気もしますが...。

他に適当なキャッチフレーズが無かったのでしょうか?

前輪ハブモーターと「カーボンソリッドベルト」以外には大きな違いは無し

共に27インチと26インチタイヤが選べ、「ミハル君」が付いた高耐荷重・耐摩耗、高耐久性の「ロングレッドxtタイヤ」、5段変速機、スーパーコンフォートⅣサドルなど基本的などパーツ類も共通になっています。

★第2節 アルベルトeの大きな特徴はFF方式アシスト!

但し電動アシスト自転車アルベルトeでは「カーボンソリッドベルト」という炭素繊維のコード(ベルト補強芯線)を用いたコグドベルトが使われています。

このベルトは、引張強度(耐伸び)が大きく、大きな加重に対応できて耐久性が高くメンテナンスフリーなので、ハーレーダビッドソンのような大型バイクの駆動ベルトにも採用されている高品質の駆動ベルトで、本機のような重量がある電動アシスト自転車のドライブベルトにはぴったりのベルトで、同社のベルトドライブ電動アシスト自転車アルベルトe他2機種の前輪電動アシスト自転車に使用されています。

電動アシスト無しの通常タイプのアルベルトロイヤルとアルベルトではナイロン繊維コード(補強材)のコグドベルトがフローティングドライブと併用で用いられています。

第一回で紹介したように、本機の最大の特徴は、電力回生ができる「フロントハブ・インナーモーター」駆動方式にあります。

ブリジストンでも車体中央の「クランク」部分にモーターが連結されている一般的なアシストタイプもラインアップされていますが、本機では前輪のハブに小型のモーターが組み込まれていて、(通常はブレーキ時のみに逆駆動力がかかる)前輪をアシスト駆動輪として利用しています。

しかも「ペダル踏み込み力の2倍」のパーワーで前輪が引っ張ってくれています!

前輪駆動方式でも違和感なし!

10年前に初代SANYOを購入した際には、前輪駆動で雨の日や坂道など大丈夫か?

などと小生も心配したりもしましたが、使ってみると坂道どころか、時ならぬ大阪の豪雪?で「除雪もされていない積雪10㎝」の坂道でも全く問題はありませんでした!

ハブモーターは「旧SANYO」が開発したもので、現在もPanasonicブランドで製造されており、国内では法律上の問題で出力250Wのものしか販売されていませんが、海外向けでは400wや750w(一馬力!)のモーターも製造されて輸出されているヒット商品です。

国内でもブリジストン以外の多くの中小・自転車ビルダーが後輪に組み込んだ「電動アシスト自転車」を製造販売しています。

但し、「電力回生」ができる「前輪駆動」システムアシスト自転車はブリジストンだけです!(以前はSANYOを吸収合併したPanasonic自転車でも製造していましたが、現在は生産していません!)

今後、カスタマイズ編も含めて「アルベルトe君」のメリット・デメリットを連載していく予定です。

日本国内最高の航続距離を誇るアルベルトe

アルベルトeは,2020年現在日本国内で正規に手に入る「電動アシスト自転車」としては最高のアシスト走行距離を誇っています!

ブリヂストン 電動自転車 アルベルトe AL6B49 価格: ¥139,800

電力回生という特技を持つDual Driveシリーズ

ブリジストンには2つの電動アシスト自転車シリーズがあり今回小生の購入した「(前後)両輪駆動」のシリーズと、通常の「後輪駆動」のシリーズとがあります。

標準的な後輪駆動シリーズの大容量バッテリータイプのアシスタ DXが 容量(392Wh 15.4Ah 25.5V)のリチウムイオンバッテリーC400使用で航続距離はオートエコモードで87km標準モードで60km、パワーモードで52kmとなっています。

それより若干小さい容量(361Wh 9.9Ah 36.5V)のB400バッテリー搭載のアルベルトe君(27インチ)の公称値はなんとエコモード 100km! バランスモード 75km パワーモード 48km!

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PDFはこちら albelte01.pdf albete02.pdf

第3節 SANYO eneloopの血を受け継ぐアルベルトe君

坂道(スロープ)での発電(抑速)ブレーキ

搭載しているコンピューターが傾斜を検出して自転車操業?を止めれば自動的(強制的?)に発電回生ブレーキが働きます。

なので、1%(100m進んで1mの標高差)程度の傾斜でも発電ブレーキは効いてくれますが...、上り下りが判断できないただの傾斜センサーなので、上り坂でも10km/h以上の速度であれば平地同様に10㎞/h以下の速度まで減速します!

「登りでは10㎞/h以下の速度になる」と前途しましたが。

アシスト走行していると3%(100m進んで3mの高低差1°43′)程度の登坂(一般幹線)では、容易に15㎞/h以上の速度になってしまいます!

なので、登坂なのにかなりのブレーキを効かせた程度に!10㎞/h以下の速度まで自動的(強制的?)に減速してしまいます。

旧SANYOが実用化した電力回生システムは、カタログ上では使用バッテリーがニッケル水素電池からリチウムイオン電池に代わった現在も当時と同じで、平坦路で10km/h以上24Km/h未満の速度範囲内で、"慣行時"(ペダルをこいでいない時)に電力回生する仕組みになっています。(※1)

  • ※実際には後輪ブレーキを使用していない場合は、下限が8~12km/h、上限が24~40km/hの範囲内で変動しています。
  • さらに後輪ブレーキ(レバー)使用時には"0km/h"つまり停止時迄、電池を抵抗Rとする"抑速ブレーキ(電力回生ブレーキ)"回路が働いています...、しかしバッテリー残量(電圧)の状態で前途の8~12km/h以下の速度では充電はされません(できません)!

参※1)後日、サイクルコンピューター装着後に検証した結果、バッテリー残(容)量表示90%以下(85%以上)の場合、下り坂では40㎞/hまで回生ブレーキの有効範囲が広がっていることを確認しています。

但し電池容量が20%を切り残量表示が1%刻みになると、カタログ表示値通りの24㎞/h以上では失効するようです。参 当サイト関連記事 アルベルトe その5はこちら

90%から10%失効寸前までは、バッテリー残量に応じて24~40㎞/hの範囲で上限失効速度が変化します。

同じく、下限速度も8~12㎞km/h以上の範囲内で変化します。

電力回生(再充電)のコツは、"時間"をかけてゆっくり下る坂道にあり?

リチウムイオン電池の特性としては充電に要した電気量(W・h)と放電で使用できる電力の比(充電/放電効率)が80%-90%と高いのが特徴です。

但しリチウムイオン電池ではニッケル水素電池以上に「充・放電電圧」の管理条件が厳しくなります!

より一層厳格な回生充電・電圧管理が行われていて、ダイナモ(ブラシレスDCモーター)からの回生電圧をレギュレーターで細かく制御していますが...

10㎞/h未満ではモーター・ダイナモの電圧が低すぎ、逆に24㎞/h以上ではモーター・ダイナモの電圧が高電圧になりすぎるために「定電圧(充電)回路」の定格・制御範囲外になり前途の制約が設けられているわけです!

しかも登坂で消費した電力(w)は登りに要した時間と比例するので、上手に下り坂を利用して電力回生(回復)するには、回生最低速度8~12km/hぎりぎりに(ブレーキ操作で)保ちながら、できるだけ時間をかけて「下る(再生充電)」必要があります!(※1)

つまり同じ坂道の往復であっても「できるだけ時間をかけて下れば」登りで消費した電力のかなりの部分は回収できることになります!が、急いで降りると「充電時間が短くなり」効率よく回収できません!

参※1)但し、後述するリチウムイオン電池の特性か?、SANYO(ニッケル水素電池車)当時と違い回生下限速度より少し高い速度を保たないと上手く充電できないみたいです。

つまり、満充電に近い85%以上(90%以下)(※1-2)の状態では15km/h程度、アシスト有効下限バッテリー残量10%ぎりぎりでは10㎞/h程度(失効速度の下限+程度)以上に速度が出ていないと長い下り坂でもうまく電力回生充電できないみたいです。

下り坂の実走行では、前輪ブレーキで速度を加減して後輪ブレーキをフリーの状態!で、坂道を下るという離れ業!(※1-3)でモニターを睨み、失効速度を監視する必要があります(但しこれは脇見運転で危険でもあり、前輪ブレーキ補助でスピードを制御して、体感で回生失効を感じ取るしか手はありません!)

これは後述する、"モーター過熱"と"バッテリー過熱"の影響が複雑に関与しているみたいで、「長時間(長い下り坂)」の走行では、下り途中で回生充電が失効してしまう場合があり、下り坂でも「途中で発電機(モーター)」を一時休ませる必要があるようです(電源を切るか、5分程度の休息をとりモーターを冷却する。)

参※1-2)アルベルトeのバーッテリー残量表示モニターについて。

  • 満タン?;90%充電以上でははfullと表示されてこの範囲では小生はわかりません!
  • 20%~90% までは5%刻みで表示されます。
  • 20%以下では 1%刻みっで表示されます。
  • 10%を切ると、点滅して"アシスト走行不能"を知らせます。

参※1-3)2輪車の場合後輪ブレーキは速度制御に用い、コーナー入り口手前や、停止時の急激な減速時に前輪ブレーキを使用するのが「ブレーキングのセオリー」(※99)となっています。なのでバイクでは後輪はシングルディスクでも前輪はダブルディスクで前輪のブレーキ力を上げています。

参※99)前輪駆動・前輪抑速発電ブレーキシステムの本車両では早急にシステム改善(※99)(プログラム変更)が必要でしょう!

当サイト関連記事 減速回生充電制御を後輪ブレーキレバーから前輪ブレーキレバー制御に変更!はこちら。

嘗ての初代eneloopでは

いくら電動アシストであっても登りは大概の場合、14km/h以下のダラダラスピードになり時間を要します、250wX所要時間の電力を消費して、逆に下りではスピードが出すぎて発電時間が短くなり上手く電力回生ができなくなります。

これがニッケル水素電池の初代SANYO eneloopで距離が伸びなかった理由の一つです。

また、走行距離を稼ぐために?信号停車時などで「こまめに電源を切っても」節電にならないどころか再起動時の起動(突入)電力のためにかえってアシスト走行可能距離が短くなったりしていました。

更に、「後ろブレーキ」をかけているときにはペダルを踏みこんでも、ブレーキレバーswが感知してモーターに電力が供給されないようになっていましたが、前ブレーキには電力切断SWがついていないので信号待ちの時には必ず「後ろブレーキ」をパーキングブレーキとして使用する必要がありました。

前ブレーキでも前に飛び出したりはしませんでしたが、モーターに無駄に電力が供給されてモーターの発熱につながりアシスト距離がさらに短くなっていました。

※現行BRIGESTONE アルベルトeでは走行中(つまり前輪が回転して)でないと、電力供給されない仕組みに変更されています。

前後いずれのブレーキでも、停止さえしていればモーターには電力が供給されない方式に変更されています、その代わり坂道発進では苦労するようになりました!

第4節 新しく装備された内装5段変速機とは...

新しく装備された内装5段変速機と従来からあった内装3段変速機の違いとは?

これについては「アルベルトロイヤル」などの内装多段変速機装着車も同じですが、同じ27インチ径タイヤで比較すると「小さな遊ぶ星歯車と選択スリーブ」で構成された内装多段変速機は、外装多段変速機より「引きずり抵抗」が大きく、意外と「渋いペダル感」となります!

つまり変速機のない「極普通の27インチ」の軽快車?のほうが軽く感じる場合が多いようです!

「外装多段変速機」はチェーンが外れやすい!

但し、実用車では「外装多段変速機」はチェーンが外れやすい!という最大の欠点があり、不用意にクランクを逆回転させたりするとてきめんに「チェーン」が外れてしまいますし、意外と上り坂の途中で変速しにくい一面もあり、実用車には「内装型多段変速機」のいほうが適しているみたいです。

更にアルベルトシリーズのような「コグドベルト」駆動タイプではチェーンがないので「外装多段変速機」は適合不可!となり、内装多段変速機しか選択の余地はありませんが...。

坂道の多い関東平野!では「内装5段変速機」は賢い選択!

内装5段ハブ


ハブシェル:スチールシェル
スポーク穴数: 36H
OLD/軸長: 132×210mm
左ダストキャップ付属
シルバー

ミスターポストマン楽天市場支店 で手配できます。


小生の10年間にわたる関東在住経験から推して「坂道の多い関東平野!では前途した理由で「内装5段変速機」は賢い選択!となるでしょう!

シマノ ではこれ以外にもほとんど変わらない価格で8速変速機や、も作っていますが...コスパと使い勝手から考えて丘陵地帯が多い関東平野では「内装5段変速機」は実用車の「強い味方」として今後ともに普及していくと思われます。

内装8段ハブ

※スポーク穴は32穴36穴40穴が用意されていますから!

更に一般のローラーブレーキ用途、ディスクブレーキ用の2種類ありますので、発注時に確認してください!

メーカー公式サイト・商品ページはこちら https://bike.shimano.com/ja-JP/technologies/component/details/inter-8.html


ローラーブレーキ用
スポーク穴数:32穴36穴40穴
OLD×軸長:132×184mm
A-SPEC (STANDARARD SPEC)
ブラック

イエローショップ さんの取り扱いとなります。

その他にも限定生産品で電動シフター機構を備えたプレステージ製品シマノ SHIMANO ALFINE Di2 アルフィーネ Di2 内装ハブギア SG-S705S もありますが現在は製造中止されていて入手困難のようです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

シマノ SHIMANO ALFINE Di2 アルフィーネ Di2 内装ハブギア SG-S705S シルバー (11スピード) (ディスクブレーキ対応)
価格:37660円(税込、送料別) (2020/4/21時点)

11速変速機は GUTS-CYCLE さんの参考価格です。


 

公開:2020年4月17日
更新:2024年3月12日

投稿者:デジタヌ


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