連載『 ハイレゾオーディオ High resolution とは...』ー第12回ー
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第2章第1節 SONY が切り開くハイレゾオーディオの世界とは...
SONY WH-1000XM4ノイズキャンセリングヘッドフォンで見えて(聞こえて)きたのは「SONY が描くハイレゾオーディオ」の世界ではないでしょうか...
ハイレゾの最大の美点は"無圧縮による広大なダイナミックレンジ!
ご注意;※印は当サイト内の紹介記事リンクです。
但し、その他のリンクは当事者・関連団体の公式サイト若しくはWikipediaへリンクされています。
ハイレゾの最大の特徴である"無圧縮による広大なダイナミックいレンジ(※11)"環境を(一般家庭では実現不可能な空気再生によるfffの)大音響で実現するのではなくて...
ノイズキャンセリングヘッドフォンで極限まで環境騒音を無くして、ソノリティーを保ったままに"音に芯のある美しい「ピアニッシモ」"を聴取可能限度いっぱいまで絞り込んで、ストレスのない限度いっぱいの最大音量との差で、トータルなダイナミックレンジを確保して、生音源(オーケストラ)の持つ「100dB」オーバーのダイナミックレンジを実現させようとしているのではないでしょうか?
SONY が発売したWH-1000XM4(※12)は真のハイレゾ再生実現のための第一歩「現状最高のハイレゾヘッドフォン」ではないでしょうか!
参※11)第2回第2項 32bit量子化ハイレゾメディアは一般人には「猫に小判?」をご参照ください。
参※12)当サイト関連記事 SONY WH-1000XM4 《 ノイズキャンセリグ・ヘッドフォン購入長期レポート》シリーズはこちら。
第1項 ハイレゾに超広帯域が必要な理由は...
一般的には、可聴帯域は20Hz~20KHzといわれています。
それなら、なぜBluetoothヘッドフォンの伝送周波数20Hz - 40,000Hz(LDAC 96kHzサンプリング、990kbps 時が必要なのでしょうか?...
第1目 記録波形の入忠実再現
答えは「波形」に対する「transient(忠実度)」にあります!
一般的"言い訳"説明?では
『人は基音(可聴音)を聴いて可聴帯域外の"わずかな倍音"を脳内でイメージ増幅?できるので「"超高域も必要だ!?"』 等と訳の分からない屁理屈がまかり通っていますが...
そんなアホラシイ?屁理屈ではなくて、「波形」の忠実再現には欠かせない要素!なのです。
よく電気性能計測に使われる
「方形派」はフーリエ分析するとわかるように、非常に多くの周波数成分を含んだ「超広帯域な波形」となっています!
方形波を忠実に再現しようとすると" High resolution "記録が不可欠になるわけです。
下側のように高域特性が悪い伝送系(増幅系で)を用いると、
前回触れたように、通常の狭帯域(可聴帯域)では「エッジ部分が鈍って」しまいます!。
つまり、山高帽のはずがソフト帽に変形してしまうわけです!
上図は概念を表した図なので正確ではありませんが、上側の方形波が「f特」の悪い伝送系では下側の波形のように崩れてしまいます!
つまり楽音が歪められるのです!
聴感的には、評論家がよく用いる「粒立ちの悪い」つまり不明瞭な楽器音とになってしまうのです。
とくに、鐘・太鼓などの「鳴り物」やピアノ音などの「衝撃音」や、弦楽器などの「擦過音」が鈍ってしまいます!
つまり、記録音源の波形(楽音)を忠実に再現しようとすると「広帯域」の伝送(増幅)系が必要になるわけです!
デジタル処理だと、高域に分布している「ホワイトノイズ(デバイスノイズ)」の影響を受けることなく、演算で波形シェープにより高域のみを増幅することも可能となるわけです(※54)
スタインウェイとベーゼンドルファーの音色の違いを聴くにはハイレゾ・超広帯域が必要なのです。
第2目 結果論(高域特性)を強調するのは...
SONYが結果論(高域特性)を強調するのは、まだまだ多いアナログアンプ崇拝者に対する配慮でしょう!
D.S.P.によるウェーブシェーピング(波形成形)技術を前面に押し出すと、アナログ信奉者から、「インチキ扱い」されて誤解を招きやすくなるので、結果論としての「高域特性改善」を強調しているのでしょう。
SONYが先鞭をつけたD級増幅(デジタルアンプ)も同様で、おそらくノイズキャンセリングヘッドフォンはD級アンプ とデジタルスピーカーのコンビによるものでしょう!
デジタルアンプと言うと前途した階段状のいかにも"ノイジー"なイメージを持ちがちですが、スピーカーのボイスコイルは「リアクタンス」つまり交流信号に対する抵抗値Ωを持っているので「デジタルアンプ」を繋いでも「上図の」ようにエッジ(超高域)はローパスフィルター同様にフィルタリングされて、だから基本直流成分を持っているデジタル波形をコンデンサなどのローパスフィルターを通過させるだけでそのまま入力しても問題ないわけです!
但し、接続相手のSP(振動板)が"特定できない"一般のオーディオアンプでは、SPとのマッチングの問題があり、出来るだけアナログアンプに近い様な波形に成形して出力されているわけですが...、最初から振動板が「特定されている「ヘッドフォン」ではボイスコイルとの「電気的整合性」が織り込めるので、「フルディジタル」増幅が可能となるわけです!
この意味でも、振動板と完全マッチングした専用ドライブアンプと対で開発できるBluetoothヘッドフォンが有利となってきます!
そろそろ(SONYさんあたりが)ハイレゾの本当の存在価値を言わないと、「ハイレゾオーディオ」も「一過性の流行り病?」に終わってしまうかもしれません!...(※55)
ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WH-1000XM4【ソニーストア】
公開:2020年2月 9日
更新:2024年3月 6日
投稿者:デジタヌ
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